イギリスの新聞『ガーディアン』のインターネット版に昨年11月にスンニー派の抵抗派に対してアメリカ軍とイラク軍とが激しい戦闘を展開して平定したと言われるファルージャの近況についてバグダッド在住のイラク人医師のレポートが載っている。それによると、いまだに市内のいたるところに死体が放置され、建物は徹底的に破壊されていて、普通の神経では住める状態ではないようである。ファルージャをテロリストの支配から解放するというのがアメリカ軍の戦闘の理由であったが、墓地に埋められている外国人の数はきわめて少なく、戦死者の大部分はスンニー派のファルージャ市民であると言う。アメリカ軍と共同してファルージャを攻撃した「イラク治安部隊」と呼ばれるイラク軍は、大部分イラク南部から集められたシーア派の兵士からなっていて、彼らに対するファルージャ市民の反感は非常に大きく、このイラク人医師は、この戦闘はシーア派とスンニー派の対立を煽るだけの効果しかなかった、と述べている。このレポートを読むと、一月末に行われる選挙をスンニー派がボイコットした場合、シーア派とスンニー派との間に内戦が起こる可能性は非常に高いように思われる。イラクがアメリカ政府が期待するように平和で民主的な国になる可能性は殆どない。
goo blog お知らせ
最新記事
- 民主と維新の統一会派で、93人抱える。
- 「無気力か、リスクか」と題する『ヴェルト・オンライン』の日本に関する「記事。
- 「イスラム国が揺らぎ始めた。」と題するヴェルト・オンラインの記事
- 「ドイツのムスリムよ!国家の市民となれ!」と題するWelt Onlineの記事
- 「シリアの反政府軍」と題する"Foreign Policy"の記事。
- 「砂漠のキューバ人」と題する『外交政策』誌の記事。
- 「リンチは、自由を謳歌する道ではない」と題する雑誌Foreign Policyの記事
- 「中国貿易統計の正確さに対して疑惑が持ち上がっている」と題するフィナンシャル・タイムズの記事
- 「なぜマリの情勢はヨーロッパ人に何らかの関わりがあるのか」と題する"Die Welt"の記事。
- 「エジプトの立法府の権限が変わる」と題する『ファイナンシャル・タイムズ』の記事。
カテゴリー
- 国際政治(158)
- 中国の政治・経済・社会(126)
- イラク問題(79)
- テロリズム(66)
- イスラム問題(69)
- アメリカの政治・経済・社会(29)
- 環境問題(23)
- アフガン問題(31)
- 教育と科学技術(13)
- 北朝鮮問題(14)
- 日本の政治と経済(15)
- 日本文化(5)
- 貧困問題と食糧問題(12)
- 福祉と経済(7)
- 差別と格差(5)
- 人物(25)
- 社会問題(5)
- アメリカ社会(7)
- 災害と事故(16)
- 外交問題(8)
- 健康(20)
- アジアと日本(5)
- 大学問題(3)
- 国際経済(30)
- 国連(3)
- 政治と文化(15)
- 韓国関連(2)
- 犯罪(25)
- アフリカの政治・経済・社会(17)
- 郵政民営化(1)
最新コメント
- めぐみ/「中国貿易統計の正確さに対して疑惑が持ち上がっている」と題するフィナンシャル・タイムズの記事
- めぐみ/「中国貿易統計の正確さに対して疑惑が持ち上がっている」と題するフィナンシャル・タイムズの記事
- やかもち/「ザラチン、ドイツ人の平均知能が下がっていると断言」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事・
- meidcus19/「イスラムは文化としては没落するだろう」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。
- やかもち/「イスラムは文化としては没落するだろう」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。
- きた/「中国の恩恵の下の独裁」と題する『南ドイツ新聞』の記事。
- 黒目川太郎/「アルカイダの資金枯渇」と題する『シュピーゲル』誌の記事。
- medicus19/「黄色い呪い」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。
- 黒目川太郎/「黄色い呪い」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。
- グリーン/「西欧は、中国に骨のあるところを見せるべきだ」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。
カレンダー
バックナンバー
ブックマーク
- goo
- 最初はgoo
- medicus19's Website
- 私のWebsiteです。
- ブログの殿堂
- 最近立ち上げられたと思われるサイトです。
- みんなのプロフィール