杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

「耐えてからこそ輝く」

2008-09-28 11:03:48 | アート・文化

Img_3991  昨日から始まったお茶の郷博物館の松井妙子染色画展(11月3日まで開催)で、ひときわ心に残ったのは、松井先生のもとに届いたファンの手紙でした。

 

 もちろん、作品は、先生の32年間の作家活動を通して選び抜かれたベストコレクションですから、何の解釈も要りません。人が持つ心の一番純な部分を写し出したような作品ばかり。ぜひお子さん連れで観ていただきたいと思います。

 

 

 私が目をとめた手紙というのは、中国医科大学の学生が、日本語の先生に紹介されて目にした松井先生の画集「森からの伝言」に寄せて、今年6月、中国から送ってきたファンレターでした。習いたての日本語とは思えない端正な文字と文章に、まず驚きます。

 

 

 

 

 私は中国医科大学の学生です。日本人の先生のおかげで、松井先生の画集がみられました。先生の染色作品をみたとき、なんとなく心が安らかになりました。明るい色と自然な景色が神父的な力を持つよに、私を静かな世界に送りました。勉強のストレスとか生活のなやみとか一瞬忘れてほんとうの自身と話せるようになりました。

2008092809030000  全部の作品の中に私が一番好きのは「勇気」という画です。その画の詩も大好きです。

「耐えてからこそ輝く」。

 5月12日、中国の四川省で8.0級の地震が起きました。数万人が倒れた建物に埋もれています。つらいけど、埋もれている人の生きる希望が小さいです。でも救助隊やボランティアたちはずっとあきらめないで、余震の危険も考えず、行方不明の人を探しています。全国の人は被害者がもっと頑張って救助隊が探せるまで耐えて心から願ってやまりません。耐えてから生きる希望があります。命がもう一度輝けます。国を信じて私たちを信じて黒い環境であなたたちはひとりではありません。だからもう少し耐えて私たちがもう一度一緒に太陽の光に生きたいと四川の人に言いたいです。

 耐えてからこそ輝く。美しい絵をありがとうございました。

 

 

 

 

 先生の作品は、作品と短い詩が一体となって、観る人の思いや体験と重なるのです。今回の展覧会にも、どれか必ず、「自分」を映した鏡のような作品があるはず。ぜひ自分探しにいらしてください。

 

 

 

島田市お茶の郷博物館開館10周年記念・松井妙子染色画展

9月27日~11月3日(休館日 9月30日、10月14日、10月21日)

*松井先生来館日 10月5日、11日、19日、25日、11月2日、3日


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