あんだーせぶん

まゆ子「……異常気象なんじゃないの? 太陽が増えてるとか」
ニア  「その発想が異常だと思うよ」

カラフルを観た

2010-09-04 23:41:05 | 映画
あの頃、「俺はお前に産んでくれと頼んだ覚えはない!」ってな事を言った経験がある人は、観ると面白いと思うよ。

原恵一監督のアニメ映画「カラフル」を観た。
同名の小説が原作で、過去に映像化もされていたみたいだけど、俺は今日までまったく知らなかった。

内容:
「僕」は一度死んだはずだが、天使に「抽選にあたりました!」と言われ、
生まれ変わり「小林真」という中学生としてもう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。
そして、小林真として生活が始まるのだがさまざまな困難が立ちはだかった。
(wikipedia)

正直なところ特に注目していたわけではかった。「どうせ暇だし映画でも」って軽い気持ちでこの映画を観たわけだが…。
今期トップクラスの当たり映画だったね。
いまどきのアニメ作品には珍しく、キャラデザから声優から脚本にいたるまで、1ミクロンの萌え要素もないつくりだったけど、
「アニメの良さ」ってやつを存分に堪能できる作品だったよ。

ストーリーは全般的に、「元」中二病の心をエグる内容になっている。
思春期の負の部分を思い出させる感じと言いますか。
その意味で、本作を楽しめる人は「中二病を卒業した人」って事になる。
つまりは完全なオトナ向け。現役の「シンジ君」には向かない気がするなぁ。

まぁ、ぶっちゃけ、観る前からある程度内容が想像できたし、実際、想像通りでもあったわけだが、
それでもオーバーエイジな俺は、後半ちょっと泣いちゃいましたよ。
ベタだけど良いってやつだね。

この作品は「どうしようもない日常の中での救い」ってスタンスで描かれているから、
昨今アニメ業界で隆盛している「何も起こらないユートピア的日常」とは正反対の文法。
萌え要素も0%だから、商業的にはたぶん流行らないだろうなぁ…。

アニオタ向けでもなければ、子供・ファミリー向け(大人も楽しめる系)でもない。
何処をターゲットにしているのかいまいち分からないけど、俺はカラフルを推しますよ。
これは観てよかったですわ。

追記:
カラフルの音楽は大谷幸が担当。
氏が過去に手がけた作品、「灰羽連盟」「GUNSLINGER GIRL(2期)」「ワンダと巨像」など…。
これもだけど、なぜか大谷幸が参加する作品は、どこか「死のにおい」がするものが多い気がする。