旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

ニューカレドニア・ヌメア沖、海底の銃弾

2009-08-01 | ダイビング
数年前、ニューカレドニアへダイビングに行った。グランドテール島にある首都ヌメアの沖は珊瑚礁に囲まれているが、ダンベアパスとブーラリパスと呼ばれる珊瑚礁の切れ目があり、ブーラリパスの近くにアメデ島という小さな島があって、灯台が設置されている。大型船はこのアメデ灯台を頼りにブーラリパスを通過してヌメアに向かう。ある日、このブーラリパスに近い珊瑚礁の外洋側で潜水したところ、水深20m以上の海底に多数の銃弾が散乱しているのに気付いた()。

橋本以行著「日米潜水艦戦」によると太平洋戦争中の昭和17年7月17日、イ169潜(水艦)がヌメア付近で「Tjimegara(艦種不明)」という艦船を撃沈している。ここは正しく戦場であったのだ。しかし、撃沈された船が残っているわけではないし、引揚げられたのなら、銃弾だけ残されているのは不自然である。海底の銃弾は薬莢付き、すなわち発射前の状態なので、連合国側の船が輸送中に誤って海中に落してしまったものだろうか・・・

上述の橋本以行氏は昭和20年7月29日、テニアン島へ原爆の一部分を揚陸して帰途にあったアメリカの重巡洋艦「インディアナポリス」を撃沈したイ58潜の艦長として有名であり、今年(平成21年)6月封切られた映画「真夏のオリオン」のイ77潜はこのイ58潜をモデルにしたものである。

イ58潜は昭和19年半ばに完成し、乗員の訓練を終え12月末に初出撃した電探(レーダー)や冷房装置を備えた新鋭艦であった。艦長の冷静沈着な指揮の下、困難な戦局を乗り切って、生き残った数少ない潜水艦の一隻として運良く終戦を迎えることが出来た。実はその乗組員のひとりが僕が去年まで住んでいた天王寺区玉造本町に住んでおられるので、映画「真夏のオリオン」鑑賞は人一倍、熱のこもったものになった。

話は横道にそれてしまったが、下段の写真はその折に撮ったもので、画像はアジアコショウダイとアヤコショウダイ、は女性ガイドの指先を這っている小型のきれいウミウシである。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地上86m、大阪都心のマン... | トップ | コモドオオトカゲ 1、 イ... »
最新の画像もっと見る

ダイビング」カテゴリの最新記事