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講 義 救急医療 看護師の特定行為研修の理解 2017 PART 2

2017年11月19日 21時00分28秒 | 講義録・講演記録4

講 義 看護師の特定行為研修について PART 2
~指導者講習会の企画と実施の工夫 2017~

 

名古屋大学大学院医学系研究科
救急・集中治療医学分野

松田直之


 非積極者に対する対応

 
 クリエイティブ・トレーニング・テクニックとして,参加者に主体性を持って頂くための工夫を作るように努力できると良いです。以下の内容が実践されないとどうなるのか,やる気の出ない要因の幾つかを解析し,参加者にやる気や元気がでる対策を考えることも大切となります。
 
1.ニーズを作り出す
 なぜ,いま,ここに君がいるのか。当日だけではなく,プロセスとして,長い目で正しく向かっていとを理解できるように発信する。逃避的ならないようにする。研修はイベントではなく,プロセスであり,上司がしっかり理解していることが大切となる。
2.自己責任を感じさせる
 参加者ができることを,講師は行わない。自分たちで,目標設定や学ぶ環境を作ってもらうことが大切です。分担して役割を与えることも大切かもしれません。
3.興味をもたせて興味を維持して頂く
 中身に興味を持てるようにする必要があります。理解のためには90分までが最大時間,20分に1回復習し,8分に1回参画してもらう。アクティブ時間を8分に1回は持たせます。ペアワークなどで学んだ成果を共有することや,周りに悪い影響を与えないようであれば放置することも考えます。
4.実生活に当てはめることができるような経験をさせる
 実体験がないことで,長期的なモチベーションを維持しにくく,長続きできない可能性があります。
5.賞賛する
 結果だけではなく,プロセスを含めて承認したり,賞賛したりすることにより,自己肯定感を重視していただくことも大切です。小グループ会議などでは,シールを貰えたり,賞賛が形になる方法も考慮することになります。
6.健全な競争を促進する
 自尊心が傷つかない,スピードなどを競うことができるように楽しむ。
7.トレーナー自体がワクワクしている
 どのような酷い内容であっても,楽しく明るく主使用差を引き出すような内容として,トレーナーはワクワクしている必要がある。
8.長期的な目的を設定する
9.内面的なモチベーションの価値を理解する
 人により内面的なモチベーションは異なるので,理解してあげるようにすると良いのですが,話しかける際にはとにかくニュートラルなポジションとして,先入観を伝えないように聞くようにします。
10. 対人関係を強化する
 自己紹介を含めたアイス・ブレイクがとても大切です。また,メンバーの偏りをなくすために,意図的にメンバーをシャッフルすることも大切です。
11. 参加者に選択の自由を与える
 選択枝を幾つか設定することにより,自由度を持って頂き,活動性とモチベーションを維持して頂く方法があリます。
 

特定認定看護師の特定行為 手順書の運用について
 
 特定認定看護師の特定行為38行為(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000050325.html)を中心として,チーム医療推進のための牽引とします。手順書は,医師の包括的指示書であり,物事の手順を記載したプロトコールではないことにも注意します。対応範囲を逸脱した際には,直ちに連絡をとれるようにしておく体制の記載が必要です。
 特定認定看護師に対しての医師の手順書に記載されるべき内容は,①対象となるべき病態・患者さん,②診療補助を行わせる範囲,③診療補助内容,④確認事項,⑤連絡方法,⑥報告方法の6つに基づきます。
 ①対象となるべき病態・患者さんでは,特定行為を行う上での「必要条件」の記載となります。②の補助診療の範囲ですが,病態が不安定で緊急性のあるものやrapid resposnce systemを稼働させるべき状況などでは,まず人を呼ぶことを原則とします。
 手順書における緊急性は,例えば呼吸に関係する場合は一般に,1)息苦しさの存在,2)喀痰量増加,3)呼吸音異常の有無,4)呼吸数>20回/分,5)SpO2<90%などを含むようにしますが,このように意識,呼吸,循環,体温におけるバイタルサインの緊急性を定めておくようにします。その上で,「臨時応急の手当(保健師助産師看護師法第37条)」に準じて,できる応急処置を優先させることとなります。
 ③④特定行為を行う際の確認事項は,全身状態評価,バイタルサイン評価,局所所見,器具に関する場合は器具の性状の確認を中心とします。これらは,実施前,実施中,実施直後,実施後少したった時点の4つの評価を基本とします。⑤連絡方法は院内PHSやiPhoneなどでの連絡体制の明記,⑥報告方法はカルテ記載と電話連絡等の直接対話の2つを必須とするように工夫します。

 

特定看護の手順書の運用について
 
 特定認定看護師の特定行為38行為(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000050325.html)を中心として,チーム医療が推進されることが期待されます。手順書は,医師の包括的指示書であり,物事の手順を記載したプロトコールではないことに注意します。対応範囲を逸脱した際には,直ちに連絡をとれるようにしておく体制の記載が必要です。
 特定認定看護師に対しての医師の手順書に記載されるべき内容は,①対象となるべき病態・患者さん,②診療補助を行わせる範囲,③診療補助内容,④確認事項,⑤連絡方法,⑥報告方法の6つに基づきます。
 ①対象となるべき病態・患者さんでは,特定行為を行う上での「必要条件」の記載となります。②の補助診療の範囲ですが,病態が不安定で緊急性のあるものやrapid resposnce systemを稼働させるべき状況などでは,まず人を呼ぶことを原則とします。
 手順書における緊急性は,例えば呼吸に関係する場合は一般に,1)息苦しさの存在,2)喀痰量増加,3)呼吸音異常の有無,4)呼吸数>20回/分,5)SpO2<90%などを含むようにしますが,このように意識,呼吸,循環,体温におけるバイタルサインの緊急性を定めておくようにします。その上で,「臨時応急の手当(保健師助産師看護師法第37条)」に準じて,できる応急処置を優先させることになります。
 ③④特定行為を行う際の確認事項は,全身状態評価,バイタルサイン評価,局所所見,器具に関する場合は器具の性状の確認を中心とします。これらは,実施前,実施中,実施直後,実施後少したった時点の4つの評価を基本とします。⑤連絡方法は院内PHSやiPhoneなどでの連絡体制の明記,⑥報告方法はカルテ記載と電話連絡等の直接対話の2つを必須とするように工夫します。


おわりに

 看護師さんの特定行為研修における指導者養成の講習会では,8名の4グループでの32名を基盤とすることが多いようです。各地域で,看護師の特定行為研修として,開会の説明,特定行為に関する研修制度の概要と法的整備(講演),手順書の作成過程と活用について(講演,実習),特定行為研修の目標・方略・評価(講演,実習),フィードバック方法・コーチング法(実習),特定行為研修を進めるための課題(実習)を含む内容として,1日コース6時間程度として,開催されています。医療が,多職種連携として新しく整備されてきています。2017年度における「特定行為研修」,および「特定行為研修指導者」を育成する教育体制の状況として理解されて下さい。

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