救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ー United in the World for Us ー

HP「救急一直線〜Happy保存の法則〜」は,2002年に開始され,現在はブログとして継続されています。

World Sepsis Day 2023 世界敗血症デー by Global Sepsis Alliance

2023年09月01日 07時33分53秒 | その他のお知らせ

  世界敗血症DAY2023のお知らせ  

Global Sepsis Alliance

Asia Pacific Sepsis Alliance

名古屋大学医学系研究科 救急・集中治療医学分野

松田直之

 

「敗血症(Sepsis)」の認知は,日本においても,世界においても高まってきました。

現在,敗血症は,「感染症により臓器機能不全が進む状態」と定義されています。

がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病,精神疾患・・・

さまざまな病気に対して感染症は,「2次性侵害刺激」として脳や腎臓を含めてさまざまな臓器の機能を障害をします。

敗血症を早く発見し,重症化しないようにするとともに,救急医療や集中治療を介して「早期回復」を目標とします。

世界敗血症デー(World Sepsis Day)は,9月13日(水)です。

皆さん,敗血症の理解を深める1ヶ月とされてください。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

  2023年9月の活動  

1.日本医事新報

敗血症におけるGlobal Sepsis Allianceの動向を記事としてまとめさせて頂きました。

ご一読ください。

 

2. 感染症関連の編集と執筆

総合医学社「重症感染症のすべて ー研修医からの質問302ー」を編集させて頂きました。

ご一読ください。

 

3.CBCラジオ きくラジオ 健康生活 9月11日(月)〜15日(金)

敗血症特集「敗血症とはなんですか?」 松田直之 12:45〜12:55

 

内容

9月11日(月) 敗血症とは何でしょうか?
9月12日(火) 厚生労働省5疾病6事業と敗血症の関係
9月13日(水) 世界敗血症デー(World Sepsis Day:WSD)について
9月14日(木) 敗血症とリハビリテーションとの関係
9月15日(金) 敗血症の早期発見のために私たちにできること:敗血症の早期発見と早期治療
 
 
4.The Berlin Declaration on Sepsis – An Urgent Call for the Enforcement of the WHA Resolution 70.7 and Reinvigorated Global Action on Sepsis (2023年9月12日:敗血症:ベルリン宣言
 
概要:

1.2017 年の 世界保健総会(WHA70.7)で議決された「敗血症に関する緊急かつ全面的な支援」として,国連加盟国に,以下を実行する指令を宣言する。

 a. 地域社会や医療現場における国の保健システム強化に,敗血症の予防・診断・治療を含める。

 b.  標準的かつ最適なケアを開発し,実施し,健康上の緊急事態における敗血症の診断と管理のための医療対策を強化する。

 c.  感染症による敗血症への進行のリスクに対して,各国民の認識を高める。

 d.  すべての医療専門家を対象に,感染の予防と制御,患者の安全性,敗血症の予防・緊急治療としての認識、およびツールを使用して患者,親族,その他の関係者とのコミュニケーションを図る重要性に関するトレーニングを開発する。 国民の意識を高めるために,「敗血症:Sepsis」という用語を使用する。

 e.  新しい抗菌薬や代替薬,迅速診断検査,ワクチン,その他の重要な技術・介入・治療に対する研究を含み,生涯にわたる敗血症の診断と治療の革新的な手段を目的とした研究を推進する。

2. WHO事務局長に対して,敗血症(WHA70.7決議)の以下の条項の本格的な実施を監督するように要請する。

 a. 敗血症の予防と管理に関するガイドラインを含む 「WHOの敗血症ガイダンス」を開発する。

 b.  必要に応じて,敗血症の発生率,死亡率,および敗血症による長期合併症を減少させるために基準を定義し,必要なガイドライン,インフラ,検査能力,戦略,およびツールを確立するように加盟国を支援する。

 c.  国連システム内の他の組織,パートナー,国際機関,およびその他の関連する利害関係者と協力して、特に開発として敗血症に対する高品質で安全で効果的かつ手頃な価格の治療法,および予防接種を含む感染症の予防と管理へのアクセスを強化する。 関連する既存のイニシアチブを考慮する。

3. 世界の保健における主要な関係者に「敗血症認知」を呼びかける。

 国連加盟国,国連機関(UNDP,UNFPA,UNICEF,UN Women,WHO,世界銀行),二国間および多国間開発機関,主要な官民パートナーシップ(PPP),世界各国の慈善財団を含み,「敗血症認知」の呼びかけを行い,ビジネス部門,学術界,専門家団体,市民社会は,次のことを目的とする。

 a. 敗血症の重大な負担に関する最も重要な証拠にもかかわらず,ハイレベルのフォーラム(世界保健総会,国連総会,世界保健サミット,ダボス経済フォーラム,G7,G20)を含み,世界保健体制における「敗血症の適切な位置付け」を緊急に認知してもらうことを優先する。 敗血症と,HIV,マラリア,結核,およびその他の優先感染症による敗血症での死者数への寄与や敗血症対策基金については,世界的に政治的および財政的投資は不均衡に低いことの理解を広める。

 b. IPC,UHC,AMR,PPPRの総合的な政策の中で,世界的および国家的な敗血症戦略と行動計画の策定を緊急に優先し,政策擁護と敗血症に関連する活動の相乗効果を確保する。

 c. WHA70.7敗血症決議の施行に関して,定期的(年1回または半年)の監視および報告のメカニズムを確立し,敗血症に関するデータを収集し監視するシステムを強化する。

 d. 第78回WHA総会に提出する敗血症に関する第2次WHA決議を開始し,より具体的かつ測定可能な目標を掲げ,世界保健機関 WHOに対して敗血症のリーダーシップを取ることを優先するように求め,敗血症に対する政策と行動における相乗効果を求める。UHC,AMR,PPPR,および世界敗血症デーを 14 回目の公式 WHO 世界保健デーとして認定する方針とする。

 e. 国内予算配分,国際開発援助,世界的なPPP,民間セクター,革新的資金プラットフォームのポートフォリオを強化する医療システムに「敗血症」を統合させ,あらゆるレベルで敗血症に対する持続可能な資金増加を確保する。

 f. 各国の保健当局の指導の下,各国の敗血症戦略,行動計画,患者中心の臨床経路の設計と実施のための国主導の調整メカニズムの確立を優先する。 

 g. 実証済みおよび新たな証拠,知識,イノベーションの生成・統合・普及のために,敗血症に関する世界的な学術ネットワークを確立する。

4. 敗血症に関する内容を,G7 と G20 のリーダーに呼びかける。

 2022年のG7保健大臣ベルリン・コミュニケを例として,敗血症の検出,診断,治療を強化する取り組みを強化し,敗血症への対応と抗菌薬管理およびIPCの相乗効果を図る。参考文献:G7 Health Ministers’ Communiqué 20 May 2022, Berlin

   

 

※ その他 世界敗血症デー(World Sepsis Day)に関連する情報を,2023年9月にUPさせていただきました。


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