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講義 成人の敗血症性ショックのガイドライン診療

2017年01月01日 22時15分36秒 | 講義録・講演記録4

成人の敗血症性ショックのガイドライン診療

日本集中治療医学会 理事

名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野 教授

松田直之

 はじめに 

 敗血症の定義と診断の国際基準が2016年にSEPSIS-31)として改定され,最新の敗血症ガイドラインとして日本版敗血症診療ガイドライン20162)およびSurviving Sepsis Campaign guidelines 2016(SSCG2016)3)が,SEPSIS-3に準じた敗血症の定義と診断としてまとめられている。敗血症は,感染症を疑う状態や感染症が確定された状態において,臓器不全が進行する病態として定義することで,感染症の先を予測する全身管理のためのテクニカルタームとして期待される。このパラダイムシフトを,5疾病に随伴する急変病態にどのように応用するのか? 急変では,①感染症を疑う,②臓器不全が進行する状態であるとする診断が必要となる。

 従来,感染症による状態の急変は,ショックで初めて認識される傾向があった。敗血症性ショックは,「敗血症の中でも急性循環不全として死亡率が高い重篤な状態」として敗血症と区分されるのも,感染症による臓器不全の進行が予測されるにもかかわらず,時が隔てられているからかもしれない。Sepsis-3での敗血症性ショックの定義では,輸液蘇生をしても平均動脈血圧65 mmHg 以上を維持するためにノルアドレナリンなどの血管収縮薬を必要とし,かつ血清乳酸値2 mmol/L(18 mg/dL)を超える病態としてしている。

 診断に用いるスコアとしては,quick SOFAスコア4)とSepsis-related Organ Failure Assessment(SOFA)スコア5)を理解しておくとよいが,SOFAスコア5)は,1996年の作成であり,現在の実臨床では臨床統計学的手法に基づいた改良が期待される。その上で,敗血症性ショックは,炎症性サイトカインや一酸化窒素などの過剰産生に伴う血液分布異常性ショックと心原性ショックを主病態とするが,①心外閉塞・拘束性ショック,②循環血液量減少性ショック,③血液分布異常性ショック,④心原性ショックのショック分類のすべてを敗血症は併発する可能性があり,これらの診断と評価が必要である。また,敗血症性ショックは,敗血症の重症化した代表的な病態であり,急性呼吸促迫症候群(septic acute respiratory distress syndrome:septic ARDS),急性腎傷害(acute kidney injury),播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC),意識障害,敗血症性脳症,肝機能異常,消化管異常,骨格筋異常などの多臓器傷害を合併しやすい。

 日本版敗血症診療ガイドライン20162)は,日本集中治療医学会と日本救急医学会の連携として作成された診療エビデンスに基づく根底的内容である。敗血症診療に用いるガイドラインとして,敗血症性ショックの管理を主に解説する。その上で,救急・集中治療領域では,病態生理学的理解が重要である。この解釈を深めることも期待される。

   日本版敗血症診療ガイドライン2016   

 1)日本版敗血症診療ガイドラインの背景

 日本版敗血症診療ガイドライン初版6)は,日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会により2007年から2008年までに施行された2回のSepsis Registryの調査に基づいて2012年に日本集中治療医学会より発表されたものである。Sepsis Registry委員会は,当時,敗血症診療のデータが本邦に認められなかったこと,諸外国と比較して実際の敗血症診療が異なる可能性があることを想定して,集中治療専門施設の敗血症管理状況を前向きに調査し,ガイドラインに取り込もうとしたものだった。一方,日本版敗血症診療ガイドライン初版の作業工程において敗血症診療に関する臨床エビデンスが充実してきていることが確認でき,日本版敗血症診療ガイドラインの改訂においては,大規模な作業となることと日本救急医学会からの申し出により日本集中治療医学会と日本救急医学会の合同特別委員会が組織された。

 このように日本版敗血症診療ガイドライン20162)は,日本版敗血症診療ガイドライン改訂第2版として初版の改訂を越えて,広く理解しやすく,そしてMinds診療ガイドラインの手引7)に準じた「質の高いガイドライン」を目指した。内容としては,海外のガイドラインをエビデンスの整理として超えることを目指し,敗血症の新しい定義Sepsis-Ⅲに準じた敗血症の定義と診断,さらに播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC),深部静脈血栓,ICU-acquired weakness(ICU-AW)/Post-Intensive Care Syndrome(PICS),小児など,いくつかの重要な内容とし,19領域89のクリニカルクエスチョン(CQ)が評価された。また,中立的な立場として,各CQグループで横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班が組織され,ガイドラインの質の担保と作業過程の透明化が行われた。最終的に,日本版敗血症診療ガイドライン20162)は,合計3回のパブリックコメントに応えるものとしてまとめられている。

2)日本版敗血症診療ガイドライン2016の推奨度の記載

 日本版敗血症診療ガイドライン20162)の推奨度の記載は,推奨する「1」,弱く推奨する「2」の2段階である。また,推奨のためのエビデンスの強さは,効果の推定値に強く確信がある「A」(強),効果の推定値に中程度の確信がある「B」(中),効果の推定値に対する確信は限定的である「C」(弱),効果の推定値がほとんど確信できない「D」(とても弱い)としてA~Dの4段階評価としている。

3)敗血症および敗血症性ショックの定義

  敗血症の定義は,Sepsis-31)に準じて「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義している。敗血症は,感染症に対する生体反応が調節不能な病態であり,生命を脅かす臓器障害が導きかれる病態である。その上で,敗血症性ショックは,敗血症の一分症として定義し,「急性循環不全により細胞障害および代謝異常が重度となり,死亡率を増加させる可能性のある状態」と定義する。

4)敗血症および敗血症性ショックの診断

 敗血症の診断には,qSOFA4)とSOFA5)を用いる。感染症もしくは感染症の疑いがあり,SOFA スコア(表1)の合計2点以上の急上昇により敗血症と確定診断する。一方,病院前救護,救急外来,一般病棟ではSOFAスコアの早期評価が難しい。病院前救護,救急外来,一般病棟などの集中治療管理と異なる状況では,感染症あるいは感染症が疑われる場合にqSOFA(表2)を用いて評価し,qSOFAの3項目中で2項目以上が存在する場合に敗血症を疑い,臓器障害に関する検査と早期治療を含めて集中治療医への紹介を推奨している。また,敗血症の重症度を敗血症と敗血症性ショックの2つに分類し,従来使用してきた敗血症の「重症敗血症」の区分を用いない。敗血症性ショックは,輸液蘇生をしても平均動脈血圧65 mmHg以上を保つためにノルアドレナリン持続投与などの血管収縮薬を必要とし,かつ血清乳酸値2 mmol/L(18 mg/dL)を超える病態とする。このため,臨床上ショックを疑う状態であっても,血清乳酸値2 mmol/L(18 mg/dL)未満の場合は,厳密には敗血症性ショックに含めず,その後も血清乳酸値を評価しながらプレショック状態として対応する。

5)血液培養検査の必要性

 敗血症・敗血症性ショックの患者に対して,抗菌薬投与前に血液培養を採取することが,エキスパートコンセンサスとして推奨される。これは,抗菌薬の適正使用に基づくものである。検出菌株と薬剤感受性に基づいて,抗菌薬の変更を考えることになる。敗血症および敗血症性ショックの抗菌薬治療において,ディエスカレーションを実施することが弱く推奨されている(2D)。

6)抗菌薬の選択および使用開始と中止の時期

 Sespsis-31)の診断において,菌の検出や同定まで敢えて抗菌薬投与を待つというコンセンサスは得られていない。これまで,複数の報告において抗菌薬投与開始が敗血症の診断から1時間以内であれば,死亡リスクが低下することが示唆されている。一方,日本版敗血症診療ガイドライン20162)の公表後の改訂審議として,敗血症における抗菌薬の中止が検討され,プロカルシトニンを利用した抗菌薬の中止を弱く推奨している(2B)。この「プロカルシトニンを利用した抗菌薬の中止」は,毎日のリアルタイムでのPCT定量評価を指標とするものであり,連日測定ではない場合,外注である場合,定性評価である場合は,本推奨の適用外としている。また,免疫状態,臨床症状および菌検出状況の評価は必要である。

7)ショックの初期蘇生の方法

 日本版敗血症診療ガイドライン20162)では,①初期蘇生に早期目標達成指向型管理法(early goal-directed therapy, EGDT)を実施しないことを弱く推奨する(2A),②敗血症性ショックにおいて初期蘇生において血管内容量減少のある場合の初期輸液は細胞外液補充液を30 mL/kg以上の投与を推奨する(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし),③敗血症の初期蘇生の開始時においてエコーを用いた心機能評価を行うことを推奨する(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし),④初期輸液として人工膠質液を投与しないことを弱く推奨する(2B),⑤初期輸液療法としてアルブミンを用いないことを弱く推奨する(2C) ,⑥初期蘇生における輸液反応性のモニタリングとして複数のモニタリングを組み合わせて評価することを推奨する(エキスパートコンセンサス/エビデンス「C」), ⑦初期蘇生の指標に乳酸値を用いた経時的な虚血改善の評価を行うことを推奨する(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし), ⑧初期蘇生の指標としてScvO2と乳酸クリアランスのいずれを使用してもよい(エキスパートコンセンサス/エビデンスの質「D」),⑨初期輸液に反応しない敗血症性ショックに対する昇圧薬の第一選択薬としてノルアドレナリンの選択を推奨する(1B),⑩ノルアドレナリンの昇圧効果が不十分な場合にはアドレナリンの使用を弱く推奨する(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし),⑪ノルアドレナリンの昇圧効果が不十分な場合にはバソプレシンの追加使用を弱く推奨する(エキスパートコンセンサス/エビデンスの質「B」),⑫敗血症性ショックの心機能不全に対してドブタミンを使用するかに対して,十分な輸液とノルアドレナリン投与を行っても循環動態の維持が困難であり,心機能が低下している敗血症性ショックにおいては,ドブタミンを使用することを弱く推奨する(エキスパートコンセンサス/エビデンスの質「C」)として要約される。

8)ステロイドの使用

 敗血症性ショックにおいて,初期輸液と循環作動薬によりショックから回復した場合は,ステロイドを投与するべきでない。初期輸液と循環作動薬に反応しない敗血症性ショック患者に対して,ショック離脱を目的として低用量ステロイドとしてハイドロコルチゾン200 mg/日などの持続静脈内投与などがショックにおけるステロイド投与として弱く推奨されている(2B)。また,敗血症性ショックに少量ステロイドを投与する場合,ショック発生後6時間以内の投与開始が推奨されている(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし)。 

9)ARDSおよび人工呼吸の管理

 敗血症性ショックにおけるARDSおよび人工呼吸等の管理は,ARDS 診療ガイドライン20168)に準じるものとする。

10)急性腎傷害の合併時の管理

 敗血症性ショックに,AKIを合併することがある。敗血症性AKIに対する血液浄化療法は,高度な代謝性アシドーシス,高カリウム血症や溢水などの緊急導入が必要な場合を除き,早期導入は行わないことが弱く推奨されている(2C)。 

11)血糖値の管理

 敗血症患者の血糖値は,144〜180 mg/dLを目標血糖値としたインスリン治療を行うことが弱く推奨されている(2C)。

12)播種性血管内凝固の管理

 敗血症性DICの診断には,急性期DIC診断基準9)が有用である(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし)。敗血症性DICに対して,アンチトロンビン活性値が70%以下に低下した場合,アンチトロンビン補充療法の開始が弱く推奨されている(2B)。

13)深部静脈血栓症の管理

 敗血症における深部静脈血栓症の予防として抗凝固療法,弾性ストッキング,間欠的空気圧迫法を行うことが弱く推奨されている(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし)。 また,ベッドサイドで可能なリスク因子,臨床症状,D-dimer測定,静脈圧迫エコーや,造影CTなどを行い,深部静脈血栓症の診断に留意することが弱く推奨されている(エキスパートコンセンサス/エビデンスなし)。

14)ICU-acquired weakness(ICU-AW)とpost-intensive care syndrome(PICS)に対する留意 

 2010 年に米国集中治療医学会より,ICU-AWやPICSという概念が提唱された10)。ICU-AWは,ICU入室後に発症する左右対称性の急性の四肢筋力低下を来たす症候群である。一方,PICSは,ICU在室中,ICU退室後,さらには退院後に生じる運動機能,認知機能,精神などの障害である。日本版敗血症診療ガイドライン20162)では,PICSの予防に早期リハビリテーションを行うことを弱く推奨している(2C)。敗血症性ショックにおいては,早期にショックから離脱することが大切であり,敗血症性ショックから敗血症へ改善させた後には,早期リハビリテーションを考慮することになる。


  ガイドラインの解説  

 本稿では,日本版敗血症診療ガイドライン20162)を紹介し,推奨される敗血症性ショックの診療を総括した。国際的な敗血症診療ガイドラインとして広くSSCG20163)が使用されているが,日本版敗血症診療ガイドライン20162)を理解する過程で比較すると良い。その上で,すべての診療に共通するように,日々の診療からは病態に基づいて治療を構築する必要がある。日本版敗血症診療ガイドライン20162)は,臨床研究エビデンスに基づいた標準的となる治療指針の提案であり,敗血症性ショックの病態や応用的な対応についての言及を差し控えている。心タンポナーデ,血胸,胸水,肺血栓塞栓症による心外閉塞・拘束性ショック,また,消化管虚血や下血による循環血液量低下に対しては,本ガイドラインを使用する前提としている。ショック管理では,ショック管理の基本に立ち返り,ショックの鑑別と除外を重視したい。

 その上で,敗血症では,感染症があるかどうかを疑うことが重要な鍵となる。実際のところ,ショックは突然やってくるため,ショックに移行する前に敗血症の評価ができており,さらに抗菌薬や輸液などの適正な治療を開始でき,ショックへの移行を予防できると良い。感染症が疑わしいけれども,細菌培養検査で明確に菌を同定できないこともある。敗血症の診療では,このような場合も含めて,感染症を疑う状態においてqSOFAの3項目のうちで2項目以上を満たす場合に敗血症を疑い,集中治療専門医等に相談したり,敗血症の治療を開始することを推奨している。

 一方,敗血症性ショックは,患者個々の診療背景(合併症,血管機能,心機能,合併症など),敗血症の進行経過(交感神経緊張状態の持続,傷害臓器の重症度など)などの要因により複雑な病態となるため,ショックの適正管理までの時間がまちまちであることにも注意する。敗血症は,①心外閉塞・拘束性ショック,②循環血液量減少性ショック,③血液分布異常性ショック,④心原性ショックの「ショックの4病態」を増悪させる能力があり,血管透過性が亢進することによる心拘束性要因の増悪,易出血性,さらに血中カテコラミン濃度が上昇している時間が長い場合の敗血症性ショックでは,心筋細胞のカルシウム過負荷によりアドレナリン作動性β受容体刺激による心拡張不全,不整脈性の増悪,さらに血管拡張増悪などの病態学的に負の側面が生じる。

 このような病態学的背景から,ショックの管理についてはモニタリングが必要となる。ガイドラインにより行うべきことと行うべきではないことを適切に理解するとよい。一方で,薬理学的評価や病態学的評価を絶やさないことは,不可欠である。薬理学的側面からは,薬物動態(Pharmacokinetics,PK)と薬力学(Pharmacodynamics, PD) に基づいた抗菌薬などの有効使用,カテコラミンなどの循環作動薬の適正使用が基本となる。病態学的側面11)からは,適切な輸液,ノルアドレナリン持続投与(0.05 μg/kg/分~),心機能低下例ではアドレナリン持続投与の併用(0.05 μg/kg/分~),体表エコー評価(拘束性要因,心機能,下大静脈径,stroke volume variation(SVV)など),パルス波形評価,呼吸評価,腎ろ過機能評価などが重要なモニタリングとなる。

 日本版敗血症診療ガイドライン20162)は,日本集中治療医学会および日本救急医学会から選出された19名の委員と52名のワーキンググループメンバー,さらに両学会の担当理事2名の総勢73名によるエビデンスの収集と討議の中で作成されたものである。敗血症および敗血症性ショックの診療を把握するための根底となるものと考える。2016年レベルの敗血症性ショックの根底となる管理指針として,日本版敗血症診療ガイドライン2016をまずは把握されるとよい。

 

  参 考 文 献   

 1. Singer M, Deutschman CS, Seymour CW, Shankar-Hari M, Annane D, Bauer M, Bellomo R, Bernard GR, Chiche JD, Coopersmith CM, Hotchkiss RS, Levy MM, Marshall JC, Martin GS, Opal SM, Rubenfeld GD, van der Poll T, Vincent JL, Angus DC. The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA 2016;315:801-10.

2. 日本版敗血症診療ガイドライン2016. http://www.jsicm.org/pdf/jjsicm24Suppl2-2.pdf

3. Rhodes A, Evans LE, Alhazzani W, et al. Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock: 2016. Intensive Care Med. 2017 ;43:304-377. 

4. Seymour CW, Liu VX, Iwashyna TJ, et al. Assessment of Clinical Criteria for Sepsis: For the Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA 2016;315:762-74. 

5. Vincent JL, Moreno R, Takala J, et al. The SOFA (Sepsis-related Organ Failure Assessment) score to describe organ dysfunction/ failure. On behalf of the Working Group on Sepsis-Related Problems of the European Society of Intensive Care Medicine. Intensive Care Med 1996;22:707-10. 

6.日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会. 日本版敗血症診療ガイドラインThe Japanese Guidelines for the Management of Sepsis. 日集中医誌20:124-73, 2013

7. Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014. 監修 福井次矢,山口直人.

医学書院2014.

8.日本集中治療医学会,日本呼吸療法医学会,日本呼吸器学会ARDS 診療ガイドライ2016 作成委員会.ARDS 診療ガイドライ2016. 東京:総合医学社; 2016. 

9.Gando S, Iba T, Eguchi Y, et al. A multicenter, prospective validation of disseminated intravascular coagulation diagnostic criteria for critically ill patients: comparing current criteria. Crit Care Med 2006;34:625-31. 


10.Needham DM, Davidson J, Cohen H, et al. Improving long-term outcomes after discharge from intensive care unit: report from a stakeholders’conference. Crit Care Med 2012;40:502-9. 

11. Hattori Y, Hattori K, Suzuki T, et al.  Recent advances in the pathophysiology and molecular basis of sepsis-associated organ dysfunction: Novel therapeutic implications and challenges. Pharmacol Ther. 2017;177:56-66.

 

  表 参考  

 

表1 SOFAスコア

 Sepsis-related Organ Failure Assessment(SOFA)スコア5)は,1996年にVincent先生達により作成された臓器障害スコアです。感染症もしくは感染症の疑いがあり,SOFA スコアの合計点数が2点以上の急上昇を認める場合に,敗血症と確定診断することになりました。


 

表2 quick SOFAスコア

 感染症あるいは感染症が疑われる患者さんに対して,quick SOFA(qSOFA)4)の3項目中で,2 項目以上が存在する場合に,敗血症を疑います。臓器不全の進行の危険性を強調することに意義を持つスコアです。敗血症の確定診断には,SOFAスコア5)を用います。SOFAスコアは,改定が必要です。


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