goo blog サービス終了のお知らせ 

massy-academy

advice for consumer

“自動運転自動車“    ‘16-1-12

2016-01-12 07:49:58 | Massy's Opinion

☆Massy’s Opinion”

・今週のテーマは年末の大前研究室訪問について、少し詳細に記そう。

あれから4日過ぎた12・29の朝日新聞朝刊に「自動運転 未来へ前進」「無人タクシー地域の足に」と言う記事が出ていた。正直な所、僕が書いた記事に類似した記事や問題が今年は結構多かったような気がする。

・此の記事の中も「希望的観測が多く社会のニーズは本当に大きい訳だからイタヅラに大衆を煽るような取り上げ方は如何な物か?」と思う。記事の中にも「問題は価格だ」と言う記載があったが、実現する為にクリアーしなければならない問題が数多くあるし、この問題は「憲法改正」と同じ位法的な問題のクリアーが大切である。

・僕は自動車を取り巻く法律の難しさを実務として経験をしているし、より良い世の中にする為に「自動車の在り方」を考えて居ることなのだ。

・図らずも「通行区分の世界統一」をテーマに色々な先生方にお会いして私見を述べたりディスカッションをしてきて感じてきた事を記して見よう。

・朝日新聞の記事でも「無人タクシー」の問題が出ていたが、此の記事は多分若い男女の記者が書いたのだろう、幅広く自動運転自動車の必要性や必要分野を取り上げているが、此の自動車のインフラを整備するのは「憲法改正」と同じ位の或いはそれ以上の多難な事だと言う事を認識して欲しい。

・安部総理がどの位法律全般を理解しているか解らないが、自動車関係の法律は、全部解かっていないと思う。相当将来を見越して方向を明示しないと「自動運転」の研究が無駄なものに成ってしまう恐れが出てくるだろう。現行法整備より、技術革新の方が進んでいる。

・僕は現役の時代に新人セールスの教育に此の自動車登録の煩雑さを理解させる為に自動車六法から次の3つを選んでポイントだけを徹底的に教えた。

道路運送法   (事業)昭和26年 元運輸省運送業タクシーレンタカー免許認可等

道路運送車両法 (車両)   〃    〃   登録業務等

                                  保安基準 車のサイズ重量大きさエンジン等

3.道路交通法   (人) 昭和26年 警察庁運転する人の遵守事項等

(自動車販売に一番密接に関わる法律を解かりやすくする為に僕がポイントを絞った)

・今、日本のタクシーは、世界一安全だと思っている。多くの日本を訪れる観光客が皆同感だと思う。料金体系で中小型の区別がなくなったが、台数は増減車の繰り返しで公共輸送機関だと言う認識を上の人が持っているだろうか?僕は道路運送法が有るから日本のタクシーは世界一安全になったと思う。

・一気に「無人タクシー」なんて言う話は全くの無理...山間僻地の自動車しか交通手段の無いような所で、「無人の車が走っていたら、如何だろう?危険だし気味が悪い」現状の車で如何に安全に運転出来るかを考えるべきだと思う。

・此の数年中古車の輸出問題は、色々な大学の先生方が研究テーマとして取り上げられている。とても嬉しい事だ。昨今、アメリカでフォルクス・ワーゲンの排気ガス規制が大きな問題になっているが、此れは故意に遣ったのか?如何いう結果になるのか?興味深い事件である。此の問題も根底には、ドイツとアメリカの「自動車に対する法律」の違いが在る筈だ。

・此の10年、ブログの上で「通行区分世界統一」と言うレポートを書いたが、「2070年を目指して」とサブタイトルに付けている。始めは「マッサン、何言っているの?とっくに死んでいるじゃないの...」とか随分非難を浴びた。反面色々な大学の先生方が興味を感じたのか、ご連絡を戴いたり、新しい仲間が増えた。主に産廃物問題等からのアプローチが多かった。此の問題は、年間150万台近く輸出される中古車輸出がメインである。特に、芦屋の「電子的友人」上野克二さんを通じて知り合った元トヨタの福井さんは、(大前研究室に同行した)知る人ぞ知るラリーの専門家である。日本車の海外進出の際に、各国の運輸当局に対する「お届け」の事などで苦労されて、国ごとの自動車を取り巻く法律の問題点を知っている人は貴重な友人である。僕にとっては、その他の趣味も「野球」「ジャズ」と共通する気の置けない何時でもリアルタイムで話の出来る人である。趙君も担当部署は違っても「ADBE」の人間、「自動運転」には興味もある。恵も彼女のクライアントの仲にはその種の仕事をしている人も多いようだ。何と言っても目下、世界の渦中、シリコンバレーの住人。お昼の席では、面白い話が飛び交った。

・さて、その一つ、1950年代、僕はある自動車クラブに参加して、ラリーに数回出た事がある。ナビゲーター、サブドライバー4人でチームを組んだ。皆、早大、青山の自動車部のキャプテン達。車は僕のオースチンAー50、公道を走るので指示速度内のエコノミーランラリーである。指示書をもらって指定速度で走るわけ...普段走っているよりユックリである。アクセルを加減しながら走るのは足が疲れる。その頃の車には、チョーク(キャブレターの空気の流入量を閉める)が付いていた。チョークをしたまま走ると一定速度で走れる。オートスピードコントロールである。その後、1970年代か、セドリックではオートスピードコントロールが標準装備で付いたモデルが出た事がある。今のタクシーでは事故の状態を把握する為にカメラが付けられているし、バックするには、安全のためにカメラが付いている車もある。可なりの段階まで安全運転の補助は進んでいる。或る人が言っていたが、「何故自動車メーカーは160kmや180kmまでスピードメーターがあるの?法律上の最高速度以上はスピードが出ないようにすれば良いじゃないの?」その通りだと思う。自動車も既成概念を変えて行く事も必要だ。

・結論的には、地球上では「自動運転自動車」についてのニーズは高まっている。然し現状の使われている自動車を直ぐ無人化することは無理だろう。むしろ「運転補助用具」としての「自動運転」に絞って、「実用性の高いものを早く作ることが必要だ」「研究者サイドも自動車に関する法律を熟知するスタッフが必要だろう」「法改正も併行して行く事が必要だ。(憲法改正と同じ位大変だ。同時代に出来た法律だから)」と言う様な結論になった。いずれにしても、福井さんも趙君も慶応工学部のOB僕も同窓。奇縁に結ばれた大前研究室のスタッフになるかも知れない。

P,S

12・29の朝日新聞は直ぐにでも「無人自動運転車」が出来そうな論調だったが、'16・1・6の記事では「無人自動運転車は時間が掛かる」と言う「‘20年までには誰も完成させられないだろう」と言う予想記事を載せている。