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白鷺だより

50年近く過ごした演劇界の思い出話をお聞かせします
     吉村正人

白鷺だより(240)「味の家(ケチのや)の人びと」を終えて

2017-06-02 10:12:33 | 思い出
「 味の家(ケチのや)の人びと」を終えて

 商業演劇において「ああ、面白かった また見にこよう」が最大の褒め言葉である
日本香堂観劇会でも「また来年来るためにお線香を買おう」と思ってくれるのが最大の「誉め言葉」である 
そして今年も多くのお客様がそんな言葉を残してお帰り頂けたらしい
出口に立っている日本香堂の方から直接聞いているので本物だろう 
それに加えて今年の特徴は途中退席が極めて少なかったと聞いた これはこのためにこの作品を選んだと言っていい 
去年途中退席が多かったと聞いてすぐこの作品を決めた 
この推理ドラマとでも言うべき作品は「犯人」が判らないと帰れないのである
作戦が当たって喜ばしいのである

日本香堂観劇会に関するブログを集めたものがあり(日本香堂観劇会2017 ブログで検索)その中で福山のお客様の感想「カットシの日記」を紹介する この人は前日福山駅前にあるエストパルクでテアトルエコーの「おかしな二人」(ニール・サイモン作男性バージョン)を観劇して大笑いするはずが逆にストレスを溜めて帰宅したらしい その翌日さして期待もなくリーデンローズで行われた日本香堂の観劇会にやってきて(この方は今年はとん平さん、死神以来二回目ですって)今回のお婆さん役にも「なかなかいいねえ」とおっしゃってくれている 
それ以上に良かったのが「名前が判らない若い女優二人の演技にオッサンの心を鷲掴み」されたらしい
おそらくは春子役とあすか役の女優のことを言うのだろうが「おっとどっこいこの二人は見た目ほど若くはない」のである 
一人はすでに40半ば もう一人は今月で30の大台に乗ったのである 
それはともかくこの方は「昨日の分までストレスを発散」していただけて「昨日と一転して大満足のお芝居」だったらしい テアトルエコーにもニール・サイモンにも打ち勝った「味の家」でありました この方はかなりの芝居通とお見受けした

福山のお客様が指摘したようにこの芝居は「名もなき役者」が大きな役を演っている
ドングリ役(この役は昔とん平さんもやっていた役だ)の植栗芳樹 その恋人あきに松竹新喜劇の泉しずか 大芝居を打つ八重に大原ゆう 和子に男性の速水映人 春子に福田里加 あすか役に千草明日翔 皆適役だと言われる程頑張ってくれた 
特に八重の父親役の仲川蝶史はこの役一役に賭けていい芝居をしてくれていた

今回の評判を聞きつけ多くの劇場プロデューサーが観劇して貰えた 名古屋では中日のMさん 新歌舞伎座のMさん、もう一人のMさん Hさん Uさん その他関西の小劇場の制作陣 とん平さんへの表敬の意味もあるのだろうが嬉しい限りだ 
いずれ大劇場で公演できることを夢見て 出来れば多くの名もない役者達も一緒に
それに引き換え松竹の制作はどうだ 観劇にも挨拶にも来なかったのはいかに「銀二貫」のざこば休演騒ぎの舞台稽古当日であっても顔ぐらい見せるべきである これは来年の出し物の売り込みにも大いに関わってきている

その元松竹の制作だったK氏が大津で見てくれた 彼は南座公演「お初天神」のプロデューサーでもあった 
「面白かった」「石倉三郎はいい」と言ってくれ 僕が悩みに悩んだ「アパート」での幽霊登場の場面は
<芝居は賢太郎という観客にとっては想像の内にしかない人物を巡って進みます」それがミステリアスで面白いのですが・・・僕の嗜好ではこの場はゆきの余情でフェイドアウトするのが好きですが まあ観客は配役を見ればゆきが恋人だったことは薄々判っていることで この場をみれば「やっぱり!」と思うのでしょうし その後のゆきの「どんでんがえし」があるのだからこの場ではっきりと恋人だったと観客に印象づけた方が芝居にはパンチ力があるかなと思いますし・・・・>
と悩んでくれていた 僕も結局千秋楽には悩んだ末 賢太郎は出ないことにした

皆が心配してくれているのは次回作である 
これだけ評判良く終われたのに次回は何だと言われないように企画を練ってきますので「乞うご期待」とでも言っときましょうか

明日手術した病院での半年ぶりの定期検診を終えたら5日から沖縄に四泊五日で行って英気を養ってきます 
沖縄は丁度梅雨明けでいい天気の予報です 本土は梅雨 ざまあみろです

申し訳ありません ブログの更新も帰って来てから行います よろしく



 

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