まさるの一口馬主日記

「一口馬主」の視点から毎週の競馬を楽しんでいます。
*画像等についてはクラブより使用許可を頂いています。

サリオス観戦記・後編

2022年10月13日 19時00分55秒 | まさるの「この一頭」

それにしても凄い混雑ぶりです。これで3万人か。
コロナ禍の競馬場にすっかり慣れてしまい、更に寝不足から来る疲労度で頭がボーっとしていた私は、パドック見てから単勝10万円を買うつもりだったのですが、朝イチに購入した馬券のみで満足してしまい、まぁ、買わない方が良い結果になるかも、とそのまま本馬場に足を運びます。
私が単勝10万円馬券を買うとあまり良い事は無かったからです。験担ぎの意味合いもありました。


口取りに当たっている時にはココというポジションがあり、そちらに進む訳ですが、欲しいポジションが取れません。
結構、人が多かった。賑わう競馬場は嬉しい反面、マナーの悪さにどうしても目がいきがち。
新しい競馬ファンはマナー良く競馬を楽しんで欲しいと切に願います。



雨が降り出したのでそれなりに背広も濡れますが、そんな事はどうでも良いのです。シルクメビウスの東海Sの時なんてずぶ濡れに近かったし。
私の頭の中は、ダノンの馬体検査で遅れた発走が早くスタートになって欲しい、時間が経てば経つほど馬場は悪化していくじゃないか、この馬場で果たしてサリオスが力を発揮できるのか、一度沸点に達したサリオスの気配はどうか、という懸念ばかり。

周りにはギャーギャー騒ぎ立てる若者たちを冷ややかな目で見ながらも、ターフビジョンに映るサリオスに全神経を注いでいました。昔は自分もこういう感じでベテラン競馬ファンから見られていたんだな、と思いましたよ。私も昔は酷かったからな..。

今日は指定席以外で競馬を見ることが本当につらく感じましたね。自分も本当に歳をとってしまったなと改めて感じました。



レース前のアクシデントも影響少なく、サリオスは素晴らしいスタートを決めてくれました。
松山騎手はサリオスの手応えをかなり感じていたのだと思います。しっかりとサリオスを抑えて、馬のペースで中段からレースを進めました。ペースは57秒台と開幕週の馬場から考えてもやや早いかなという感じ。

直線に入ってなかなか上がってこれないサリオスを見て臆病な私は「脚を痛めるとか嫌だから今日は無理しなくていいよ」と思ってハラハラして見ていました。
結果はダノンザキッドとジャスティンカフェの間を割ってきたサリオスの強さが際立つものとなりました。
普通はジャスティンカフェが勝つ競馬でしたが、あれを交わすのだから底力が違いましたね。
前が詰まり、外から蓋をされ、サリオスにとっては厳しい競馬でしたが見事優勝となりました。
あそこまで我慢できるなんて、相当手応えが良かったんでしょうね。松山騎手の大胆さ、サリオスの気性的な成長が発揮された素晴らしいレースでした。

私の一口人生の中でも指折りのレースとして刻まれました。



私はゴール板を駆け抜けた後もサリオスを目で追い、無事に終わった事を確認したと同時にふと我に帰り、口取り集合場所に走りました。すぐ集まらないとダメなんですよね。
集まった出資のお仲間たちと会話を交わしながら地下道を歩く訳ですが、何とも晴れやかな気持ちでした。
何度経験しても良いものですね。
待機している我々の前を、厩務員さんに連れられてサリオスが目の前を歩いていきましたが、さすがに息が上がってハァハァいっていました。死力を尽くして全力で走った様子が伺えました。
「サリオス頑張ったね。本当にお疲れ様でした」

馬場に入り、ゼロ距離で松山騎手や堀調教師にお辞儀をして感謝を伝えることも出来ました。
表彰式も間近に見ることが出来、幸せな口取りタイムも終わりました。

『パネル写真、絶対に買います!!』

やっぱり一口馬主って楽しいですね。単なる馬券好きの競馬ファンには見えない競馬を知ることが出来ます。
お金も掛かるし、辛い事もたくさんありますけど、こうして愛馬の頑張りを直に感じることができることは、私にとって何よりの幸せであります。

頑張ってくれたサリオス。結果を出してくれた松山騎手には本当に感謝です。
こうして私は幸せな1日を終えたのでした。


帰路で浦和のソウルフード「スタカレー」を食べて、ひとり祝勝杯をあげました。




以下は昨日のクラブ公式より

レース結果
サリオス[父 ハーツクライ : 母 サロミナ]
 10/9(日)東京11R 毎日王冠(GⅡ)〔芝1,800m・10頭〕優勝[1人気]

互角のスタートを決めてインコースで脚を溜めます。直線に入ってからはスムーズさを欠いてしまうものの、前が開いてからは一気の脚で前の馬を捕らえ、2度目の毎日王冠制覇と共に15年ぶりにコースレコードを塗り替えています。

堀宣行調教師「元々輸送に気を使う馬ですが、今日はいつになく落ち着きがありましたね。待機馬房や装鞍所でも馬っ気を出して鳴いたりしなかったので、ここに来て精神面の成長をかなり感じました。その流れでパドックや返し馬は非常にスムーズでしたし、ゲートはやり直しになって『2回目の枠入りは少し昂った』と松山騎手が話していましたが、許容範囲でしょう。その他、松山騎手は『返し馬でもしっかりと走れていましたし、良い状態でレースを迎えてくれました。この馬にしてはペースが速く感じたのですが、馬のリズムを大事に乗ったことで3~4コーナーではしっかりと脚が溜まっており、直線半ばまで前が壁になって行くところがなかったものの、開いてからはしっかりと抜け出してくれました。先生から“自信を持って騎乗して欲しい”と言われていたように、今日はとにかく馬の状態が良かったことで最後まで頑張ってくれましたし、最高の結果を出せて嬉しく思います。まだまだやれる馬ですよ』と話していました。これまでだと他の馬を気にするところがあったのですが、今日は馬群から脚を伸ばせたことにもこの馬の成長を感じましたね。届かないと思うようなところからよく来れましたし、中間の息遣いは2歳時の良い頃に近付いていましたので、その状態の良さが結びついてこの馬の本当のパフォーマンスを改めて見せることが出来て非常に嬉しく思います。また、今回は会員様を入れて久々の口取りでしたが、その時も落ち着きがありましたし、普段から厩舎として心掛けている行儀という点もクリアしてくれました。レース後の息の荒さは有ったものの、まだ完璧な仕上げでは無かったですから、そこは仕方ないと思いますし、レース後も咳とかはなくて上がりの歩様も問題無さそうです。しかし、レコードで走ってきたので少なからずダメージはあるでしょうし、トレセンへ戻ってからもよく心身の状態を確かめておきます」