まさるの一口馬主日記

「一口馬主」の視点から毎週の競馬を長年楽しんでいます。
*画像等はクラブより使用許可を得て使わせて頂いています。

天栄ツアー・2008秋(矢野元調教師に弟子入り編)

2008年11月06日 00時03分37秒 | 天栄ツアー
私は集合展示はとっくに始まっていても馬房から離れませんでした。
私にとって天栄ツアーとは馬房での愛馬たちとの語らいの場であり、自分の立ち位置の確認の場所なのです。

私はトラックに行き、馬を見ました。
自分の愛馬7-4が競走馬としてデビューできないかも、と頭から離れずに追加出資に迷っていたからです。

そこで矢野元調教師の姿を見ました。
矢野氏は馬を注意深く見ていました。

おお、矢野先生だ!どの馬に注目しているか聞いてみよう!


私は矢野先生にエフティマイアの弟を持っていると伝えました。
ニコッと笑った矢野先生は目の前の馬の事を話してくれました。


こういう脚の馬には出資しちゃダメだよ。分かるかい?




先生はスッと手を伸ばし、足元を触ります。


先生の周りには次第に人が集まってきます。


私は先生が一頭一頭、時間の許す限り見て回っているのに勝手に引っ付いて、先生の言葉にじっと耳を傾けていました。
先生はテクテクと歩き、腰をかがめ馬を前から見て、後ろから見て騎乗者に色々尋ねます。
「この馬、骨瘤が出ているだろ?」
「この馬は今は無理しちゃダメだよ」
「ちょっと外向だけど両方外向だから平気だよ」
「繋ぎがゆるいからこの脚でも大丈夫」
「飛節に角度がありすぎると腰やトモに負担がきて故障しやすいよ」
「この馬は母父のティンバーがよく出ているね」

など会員に伝えては次の馬に移ります。私は真に感動しました。
そうです、これは生きた相馬教室なのです!
私は楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。

先生はユーモアを交え、この馬はお金のある人は買いだよ!とか、社台のザッツよりもこっちの方が全然いいよとか、この馬は買っちゃダメだ、とひっそり言ったりと会員を笑わせます。
次第に取り巻きが多くなり、一番多いときは20人くらいは先生の周りに集まっていたでしょうか?

先生の仰る事で印象に残ったのは「走るか走らないかは分からないけれど、脚元に難があるか平気かは分かるんだ。だから最初からそういう馬は選んじゃダメだよ
と言う一言は私のインチキ相馬眼の原点の部分でしたので、実現できているかどうかは別問題として、私の馬見の方向性は決して間違いではなかったんだ!と自信を強める事が出来ました。
相馬眼とは走る馬を見極める事ではなくて、丈夫かどうかを見定める事だったのです。これは正しかったのです。

今回のツアーはこの矢野先生に引っ付いて馬の見方を勉強させて頂いた事が何より嬉しかったです。
次回からも矢野先生にはツアーに参加して欲しいと私はクラブにメールするつもりです。

この後、バスの発車時間まで時間がありましたので、再び馬房見学に戻った私ではありましたが、先生のお勧め「この馬に出資しないでどの馬に出資するの?」と言っていた7-53に出資しようと決意したのでした。
7-53への出資は先生とのあの時間を心に刻み付けるため、そしてブラストオフの妹への出資とが思わぬ形で結びついた不思議な縁を感じたものでした。


私は馬房から顔を出して会員を見送る馬たちを見ながら「春にまた会おう」とそっとささやいたのでした。