まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.今まで話を聞いたり読んだりしてきたなかで、一番驚いたりなるほどと思ったことは何ですか?

2015-09-29 14:12:59 | 人間文化論
ご質問ありがとうございます。

哲学や倫理学の専門書だったらもう無限にいろいろとあるのですが、

せっかくですので皆さんでも読めそうなやつのなかからセレクトしてみることにしましょう。

第2回目の授業のときに 「人間とは何か」 について考えてもらい、

私のほうからも少し話させていただきました。

そのときに人間は 「本能の壊れた動物」 だという説をご紹介しました。

その説に初めて出会ったのが岸田秀の 『ものぐさ精神分析』 という本でした。



私の説明では、人間は本能が壊れているが、壊れたままだと生きていくことができないので、

本能の代替物として人間は 「文化」 を生み出し、文化を後天的に学んでいくことによって、

何とか世界に適応して生きていけるようになったのだ、というふうにお話ししました。

岸田氏の議論は同じことをもっと過激に表現していて、

本能が壊れた人間は現実に適合するために 「幻想」 を作り出したのだ、と論じています。

そのような自らの世界観を岸田氏は 「唯幻論」 と命名しました。

唯幻論とは、人間にとって世界はすべて幻想である、という意味です。

これにはものすごく衝撃を受けました。

人間は本能の壊れた動物だという説だけでも十分に破壊力があったのに、

その補完のために人間が生み出したものはすべて幻想である、というのは本当に破壊力抜群でした。

自分が信じてきた価値やこれから研究していこうと思っていた倫理や道徳が、

すべては幻想にすぎないと言われてものすごくショックを受けましたが、これによってふっきれて、

一切を疑っていいのだと哲学・倫理学の道に進む覚悟ができたのかもしれません。

岸田氏は心理学者・精神分析学者であって、哲学者・倫理学者ではないのですが、

私が哲学・倫理学の道へ進む後押しをしてくれた人のひとりであったとも言えるでしょう。

というわけで、質問へのお答えとしては次のようにまとめておくことにします。


A.今までで一番驚きそして納得したのは岸田秀氏の 「唯幻論」 です。


岸田氏の本のなかで代表的な、というか読みやすそうなものを何冊か以下に挙げておきます。

実は、第1回目の授業でお配りした参考文献一覧のなかに岸田氏の本は入れませんでした。

基本的には心理学・精神分析学の本なので、

哲学・倫理学の参考文献として挙げるのがためらわれたのもありますが、

それ以上に、内容的に若者にはあまりにもインパクトが強すぎるかなと自主規制した部分もあります。

「本能の壊れた動物」 という説にあまり違和感を感じなかった人、

あの話をもっと突き詰めて考えてみたいというチャレンジ精神旺盛な人はぜひ読んでみてください。
 

『ものぐさ精神分析』(中公文庫)

『続ものぐさ精神分析』(中公文庫)

『唯幻論物語』(文春新書)

『性的唯幻論序説―「やられる」セックスはもういらない』 (文春文庫)

私の体は半分くらいワインでできています

2015-09-24 23:30:20 | 生老病死の倫理学
川島なお美さんが亡くなられました。

先日、激ヤセぶりが伝えられたばかりでしたが、あまりにも早い訃報でした。

川島さんは私の1コ上です。

他人事とは思えません。

「私の体はワインでできているの」 というフレーズは歴史に残りましたね。

できることなら私の体もワインで作りたいです。

半分くらいはワインでできていますが、たぶん残り半分は炭水化物です。

保存のためにいくつか関連記事を残しておきましょう。

川島なお美さんのご冥福をお祈り申し上げます。


川島なお美さん死去 昨年胆管がん手術 54歳若すぎる…
[ スポニチアネックス 9月24日(木)23時8分配信 ]

 女優の川島なお美(かわしま・なおみ、本名・鎧塚 なお美=よろいづか)さんが24日午後7時55分、胆管がんのため、都内の病院で亡くなった。54歳だった。愛知県出身。
 青山学院大学在学中の79年に「シャンペンNo.5」で歌手デビュー。文化放送の深夜番組「ミスDJリクエスト」で人気を博し、82年に日本テレビ系「お笑いマンガ道場」でアイドル的存在となった。
 女優としてキャリアを積み、94年に映画「新極道の妻たち 惚れたら地獄」、96年にテレビ朝日系ドラマ「イグアナの娘」に出演。97年に日本テレビ系ドラマ「失楽園」で濃厚なラブシーンが話題となった。
 「私の体はワインでできているの」という言葉で知られるように大のワイン好きで、09年にはパティシエの鎧塚俊彦氏と結婚した。
 14年に肝内胆管がんの手術を行ったが、15年9月に報道陣の前に姿を見せた際にはやせ細っていて体調が心配されていた。ミュージカル「クリスマス・キャロル」などを降板。代役が決まった際には「完璧に元気になって女優に復帰できるよう当面は治療に専念させていただくことになりました」とコメントを出すなど復帰を目指していたが、叶わなかった。


川島なお美さん死去…夫・鎧塚氏、悲痛「本当に立派でした」
[ 2015年9月24日 23:14 ]

 女優の川島なお美さん(54)の夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(49)が24日、自身のレストランのフェイスブックで悲しみの報告をした。
 「本日19時55分妻なお美が他界致しました」と報告。「一週間前まで舞台を勤め、そして最後の最期まで女優として、女房として、人として全力で生を全う致しました。なお美を支え応援して下さった皆様方には心より御礼申し上げます。息を引き取るまで川島なお美はやっぱり川島なお美のままでした。本当に立派でした。」とつづった。


川島なお美 手術前夜に遺書…夫に「できれば再婚しないでね」
[ 2014年11月17日 12:25 ]

 今年1月に肝内胆管がんの手術を受けた女優の川島なお美(54)が17日放送のテレビ朝日「徹子の部屋」(月~金曜正午)に出演。手術前夜に遺書を書いていたことを明らかにした。
 手術の説明を受け、膨大な書類にサインをし終わると「万が一、目覚めないこともあるんだ…。これが人生最後の晩さんになるかもしれない」という心境に。「思い残すことがないように」遺書を書いた。
 夫のパティシエ・鎧塚俊彦氏(49)には「一緒のお墓に入りたいから、できれば再婚しないでね」とメッセージ。愛犬の世話のことなど、事細かにつづった。
 川島は「死を意識すると、愛するもの、生きることがクッキリ見えてくる」と回顧。手術は無事、成功。遺書は破棄した。

これはサイダーハウス・ルールなのか?

2015-09-23 08:39:34 | 哲学・倫理学ファック
シルバーウィーク後半は東京に来ているわけですが、

東京の家からスーパーまで歩いていく途中の高級住宅街のなかに、

こんな立派な車庫を備えたおうちがあるのです。



なんか高級車が2台は入りそうな勢いです。

この車庫に張り紙というのか、たぶん建築当時から付けられていたと思われる、

注意書きみたいなものが張り出されているのが見えるでしょうか?

もう少しアップで見てみましょう。



どうです?

これスゴくないですか?

ここを通りかかるたびに私は、「サイダーハウス・ルール」 のことを思い出してしまいます。

『サイダーハウス・ルール』 というのは、先日もトップでご紹介した私の大好きな映画のひとつです。

この映画の概要についてはすでに書いたことがありますので、ぜひそちらをお読みください。

「サイダーハウス・ルール」へ)

お読みいただけましたか?

どうです?

この車庫に張り出された注意書き、まさにサイダーハウス・ルールって感じがしませんか?

そもそもここに書かれている文字がドイツ語だってことがわかる人、どれくらいいるんだろう?

この辺はベンツとかBMWとかドイツ車に乗ってる人多いから、みんなドイツ語とか堪能なのかなあ?

ここに住んでいらっしゃる方がどういう方なのか、

どういう意図でこの注意書きを掲示しているのか、いろいろと想像してみて楽しんでいます。

1.ドイツから来た宣教師の方が近隣住民に対して、
  車庫前につき駐車禁止ということを知らしめるために張り出した、まさにサイダーハウス・ルール。

2.ドイツ文学を研究している日本人学者が住んでいて、
  「駐車禁止」 とか 「NO PARKING」 と張り出すのはあまりにも無粋だから、
  わかる人にだけわかればいいとシャレでドイツ語にしてみた。

3.売れっ子のデザイナーがこの家の設計を頼まれたとき、
  車庫のデザインをどうしようか悩んでネットでいろいろ画像検索し、
  ドイツのウェブサイトでオシャレなロゴを見つけたので、そのままトレースした。

ああ、どれなんだろう?

気になるなあ。

思い切ってピンポンして突撃取材に行っちゃおうかな?

Q.自分が人に与えている印象はどんな感じだと思いますか?

2015-09-22 17:33:14 | 幸せの倫理学
こういう質問は初めていただいたような気がします。

これにお答えするのはけっこう難しいです。

というのも人によって私に対して抱く印象はだいぶ違っているだろうと思うからです。

ただ、今回の質問は初回の授業のときにいただいた質問ですので、

たぶん初対面の人に与えている印象のことを聞かれているのだろうと思います。

別の方からはもっと直截にこんな質問も頂戴していました。

「Q.初めて先生を見たとき怖そうと思ってしまいましたが、怖いと言われたことはありますか?」

そうなんですよ。

私、初対面の人に印象サイアクなんですよ。

別に初めて会う人にことさら厳しく接しているつもりもないし、

カッコつけてスカしてるわけでもないんですけどね。

というわけで今回のお答えは端的に次のようになります。


A.初対面の人にはよく 「怖そう」 とか 「冷たそう」 とか 「近寄りがたそう」 と言われます。


なんでそんなふうに思われるんでしょうか?

人見知りだからかなあ?

これは質問に対する答えではなかったんですが、以前にブログにこんなことを書いたことがあります。

自分は学生にとってタッチャブルな人間でありたいのだ、と。

アンタッチャブルが 「近づき難い」 という意味だとすると、

タッチャブルはその正反対で、「近づきやすい」、「手が届きやすい」 という意味になります。

で、たぶん私のことをよく知っている人は私のことをタッチャブルと思ってくれていると思います。

それを彷彿とさせるエピソードも以前にブログに書いたことがあります。

だからふだんの私はどちらかというと、近寄りやすい、

あまり尊敬できるところのない人間だと思うのです。

ぶっちゃけ体質で何でもざっくばらんに話をする、なんていうことも書いたことがありますしね。

ただ、その同じ記事に、だからこそ初対面の人相手のときは適切な距離を保とうと努力している、

とも書きました。

そこらへんの距離の取り方がまだ下手っぴなのかもしれませんね。

最初っから失礼を働いてはいけないという思いが行き過ぎて、

結果、「怖い」 とか 「冷たい」 とか 「近寄り難い」 という印象を与えているのかもしれません。

まあでもそれくらいでちょうどいいのかもしれませんね。

どっちみち少し付き合えばすぐに無礼講になってしまうわけですし、最初から馴れ馴れしいよりも、

初対面のときとのギャップがあるくらいのほうが相手に強烈な印象を残せるかもしれません。

もちろんそんなことを最初から狙っているわけではなく、あくまでもただの人見知りなのですが、

初対面で誰相手でも一気に距離を詰めてしまえるイタリア人タイプよりは、

若干の奥ゆかしさを感じさせる古風な日本人タイプでむしろよかったかもと思います。

看護学校の皆さんももうすでに私のことを怖そうだなんて思ってないでしょ?

ほんの数回の付き合いでそう思ってもらえるなら、それで十分じゃないかなと思うのでした。

これで一緒にお酒を飲んだりするとよりいっそうタッチャブルなことがわかってもらえるはずですが、

残念ながら未成年の皆さんとはまだご一緒することができません。

卒業してまだ私のことを覚えていたらお声がけください。

おっと、そういえば今日は卒業生と飲み会だった (看護学生ではなく福大生)。

こうやってシルバーウィークに東京で働いている卒業生に声をかけてもらえるというのが、

タッチャブルな証かもしれないけれど、せっかくだから今日は終始教授らしく、

政治や社会情勢などの難しい話とかして威厳をもって振る舞ってみようかな (笑)。

Q.死に対しての先生の考えは?(その1)

2015-09-21 23:40:01 | 生老病死の倫理学
私の死生観をざっくりと聞かれてしまいましたね。

これに類する質問もいくつか頂いていました。

「Q.天国と地獄は本当にあるのか?」

「Q.前世はあると思いますか?」

この手の質問はすでに先輩たちから頂いており答えたことがあったのですが、

第3回目の授業が終わってから読んでもらおうと思い、例のインデックスには掲載しませんでした。

それにしても今回のタイトルに選んだ質問はちょっと守備範囲が広すぎます。

前回の授業で、死んだらどうなるのかというのは死生観のひとつだと話しましたが、

死生観というのは別に死後どうなるかのみを問題にしているわけではなく、

何をもって人の死とみなすのかとか、差し迫った死をいかにして受容したらよいかとか、

死までの生をどのように生きていくのかとか、最終的にどのように死を迎えたいかなど、

さまざまな内容を含んでいます。

今回の質問も、そういうさまざまな死の問題に対する私の考えを聞こうとしていたのでしょう。

すべてにいっぺんに答えるわけにはいきませんので、

とりあえず今回は 「(その1)」 として、

死んだらどうなるのかについて私はどう考えているのか、

それに対して今までどんなことを書いてきたかということだけご紹介することにしましょう。

他の問題は今後また授業で扱いますので、授業終了後に随時ご紹介していくことにします。


さて、死んだらどうなるかに関してはこれまで何回か書いてきています。

まず、これは第3回目の授業のなかでお話しした死後の類型です。

  「死んだらどうなるのか?」

これはまあいいのですが、そういえば白河の看護学校では、

A、B、C のどれにも当てはまらないニュータイプが出てきていましたね。

自分のブログを読み返していたら、それについて書いたことがあったようです。

  「福大生の考える 「死んだらどうなるのか?」」

この中に出てきた分類不能のやつをどうするかですね。

新しいカテゴリーを作るのか、AまたはB-bの変種とみなすのか。

もうしばらく考えさせてください。


ここからがいよいよ本題ですが、では私はこの問題についてどう考えるのか。

それはこちらをご覧ください。

  「Q.人は死んだらどこへ行くのだと思いますか?」

常識的と言えばあまりに常識的ですが、私の考えとしてはこれがすべてです。

したがって最初にご紹介した個別質問に対しては、

A.天国も地獄も前世も来世もないと思います。

というのがお答えになります。

その他、関連してお答えしたことのある以下の記事もいちおう読んでみてください。

  「Q.心ってどこにあると思いますか?」

  「Q.天国は定員オーバーにならないんですか?」

  「Q.人間は死んだらコオロギになると思いますか?」


ここからは死後に対する考えとはだんだん離れていきますが、

第3回目の授業内容と関連してこちらも見ておいていただきましょう。

  「Q.臨死体験は現実体験 or 脳内現象どちらだと思いますか?」

  「Q.死ぬときはどんな感じですか?」

  「Q.「死んだらどうなるの?」 と聞かれたら」

以上、死んだらどうなるのかに関して私自身がこれまでに考え書いてきたことでした。

何かの参考になったでしょうか。

何度も繰り返し申し上げておきますが、この問題に正解はありませんので、

私がそう考えているからといって、それが正しいとは限りません。

あくまでもたんなるまさおさまの個人的意見にすぎませんので、そのつもりで。

2代目ワインセラー

2015-09-20 19:22:13 | 飲んで幸せ・食べて幸せ
昨日好きなお酒の話をして、ワインが一番好きと書いたわけですが、

そんな我が家にはワインセラーがありました。

今の家に引っ越してきたときにあの妹から引越祝いとしてもらったもので、

もうかれこれ9年ぐらい使っていたでしょうか。

ワインを6本だけ収納できる、それほど高価ではない簡易的なやつです。

スイッチとかの作りもテキトーで、

わりと初期の頃から設定温度の変更とかもうまくできない感じでしたし、

今年の夏には (一番暑かった頃) 水が漏れてきたりもするようになっていました。

しかしながら、それほど本格的なワイン通というわけでもない私にとっては十分で、

長らく重宝して使ってきていたのです。

それがこちらです。



電気が消えてしまっていますが、そうなんです、先日うちのマンションで作業のための停電があり、

その作業も終わってうち全体は停電から復帰していたのですが、

このワインセラーだけ再稼働してくれません。

何度もコンセントを入れたり抜いたり、スイッチをいじくったりしましたが、

完全に息の根が止まってしまったようなのです。

もともとそんなに高いものではありませんでしたし、9年も働けば十分だったのでしょう。

寿命が尽きたんだなと思ってあきらめることにしました。

ただ、ちょうど頂き物のモンラッシェやらボルドーの赤など、

べらぼうに高いわけではないけどそこそこいいワインがフルに入っていましたので、

大至急、2代目のワインセラーが必要ということになりました。

さっそくアマゾンで検索してみました。

すると、9年前と比べて全体的に安くなっていますし、選択肢もものすごく増えていました。

で、悩んだ挙げ句、レビューなんかも参考にしつつこれにしてみました。

思い切って注文してみたところ、お届けまで5~6日はかかると断られていたにもかかわらず、

実際には2~3日のうちに配送されてきました。

ジャーン、これですっ



前のが6本入りだったのに比べて今回のヤツは18本収容可能ですのでだいぶデカイです。

でもこの2枚の写真だけではわからないと思いますので、もうちょっと引いた写真で比べてみましょう。

こちら↓が前のヤツで、

 

こっち↓が新しいヤツ。



隣のソファや、壁面の換気口の位置と比べていただくと対照できるのではないでしょうか。

さすがは収容本数が3倍になっただけのことはあります。

けっこうな存在感です。

ただ、その割りには冷却音なども以前よりうるさくなっているわけでもなく、

ひじょうにいい感じです。

何が気に入ったって上下2段に分かれていて、上と下で温度設定を変えることが可能です。

中はこんな感じで、上に9本、下に9本収容可能です。



ぢゅんちゃんの誕生日のためにモンラッシェと赤ワインを持っていってしまったので、

ちょっと中身が淋しくなっていますが、それは今のところ関係ありません。

何と言っても、温度管理がひじょうに敏感です。

うちに到着して電源を入れた瞬間は上下ともに22度でした。

上に掲載した写真はその数分後に撮影した写真で、上下とも20度を指しています。

とりあえず温度設定高めの上段は赤ワイン用にして14度に設定してみました。

下段は白ワイン用で10度。

取扱説明書には電源を入れてから2~3時間と書かれていましたが、

まったくそんなに時間はかからず、30分強から1時間弱くらいで設定温度に達しました。



先ほどの内部写真を撮影するためにほんの数十秒扉を開けていると、

すぐに庫内温度は上がってしまいました。



しかし、扉を閉じてしばらく待っているとすぐに設定温度に戻ります。

なかなかの冷却性能ではないでしょうか。

今年の夏 (8月前半) みたいに猛暑が続くとどこまで温度管理が可能なのかまだ未知数ですが、

少なくとも前のヤツよりはパワフルなようで、けっこう安心してワインを保管しておけそうです。

そしてとにかく18本も入れておけるとすると、これで足りなくなるということはないでしょう。

おかげさまで快適なワインライフを送ることができそうです。

というわけですので皆さま、ワインの付け届け、お待ち申し上げております。

誕生日は12月28日です。

バレンタインデーもチョコレートなどのスイーツではなくワインで受け付けております。

ぜひ皆さまの力でこのワインセラーをワインボトルでいっぱいにしてあげようではありませんか

Q.何のお酒が好きですか?

2015-09-19 00:05:13 | 飲んで幸せ・食べて幸せ
これも複数の方から出された質問でした。
この質問にはすでにお答えしたことがあるような記憶があるのですが、
このブログのなかをいろいろと検索してみても見つかりませんでした。
たぶん代表質問に選ばれて授業時間中にお答えしたことがあったのでしょう。
代表質問に選ばれずにこの質問が未回答質問として残されたことがなく、
したがってブログのなかで書く機会に恵まれなかったのかもしれません。
好きな酒のつまみの話は書いたことがあるのに、
好きな酒のことをきちんと論じたことがないというのは我ながらとても意外でした。
いい機会をいただきありがとうございます。

さて、好きなお酒は何かですが、これはいざ答えようと思うとなかなか難しい質問ですね。
まず私のように長く生きてくると、歳とともに嗜好が変わってくるということがあります。
若い頃はやはりビールが一番好きでした。
うちの母親の実家が酒屋で、昔の酒屋ではよくアルコール類を水で薄めたりして売っていたそうで、
母の兄弟姉妹は親がそんなことをしているところを見ながら育ったので、
その場で栓を抜かないと飲めないビール以外のすべてのアルコールは信用できない、
と言って自分たちはいつもビールばかり飲んでいました。
そんな親に育てられたので、私も最初に親しんだお酒がビールでした。
それ以来、長い間ビールが一番で、ビールだったら無限に飲んでいられたものです。

しかしながら、今どきアルコールを水で薄めて売ったりするお店はありませんので、
何を飲んでももう安心して味を楽しむことができるわけです。
しかも現在では、どのお酒もいろいろな銘柄があって味の違いを楽しむことができます。
でもほんの30数年前、私が大学生の頃なんかは、
飲み屋さんに行っても、例えば日本酒と言えばお燗にするかしないかの二者択一しかなくて、
銘柄を指定して頼むなんていうことはありませんでしたし、
今みたいに純米酒とか生酒なんていうものもなくて、
ほぼ間違いなく醸造アルコールを添加された本醸造酒しかありませんでした。
焼酎も、美味しい焼酎が出回るようになったのはこの10年ぐらいのことではないでしょうか。
今だったら焼酎と言えば芋焼酎とか麦焼酎などを思い浮かべると思いますが、
そういう本格焼酎 (焼酎乙類) と呼べるようなものは居酒屋には置かれてなくて、
酎ハイや酎ライムを作るための原料としての焼酎甲類しか存在していませんでした。
あの頃の日本酒や焼酎は私にとっては鬼門でした。
飲むと必ず悪酔いしていたのです。
そんな経験があったので長らく敬遠していましたが、それももう今は昔、
お酒事情はあれから大きく変わりました。
日本酒も焼酎も悪酔いを心配することなく、美味しく楽しめるようになってきました。
そうやってだんだんいろいろなお酒を嗜むようになって今に至っています。

さて、ではそんな中で今の私は何のお酒が好きなんでしょうか?
以前に比べて選択肢が増えてしまっていますので、なかなか1つに絞るのは難しいです。
どうお答えしましょうか?
うーん、困ったな。
とりあえずこうお答えしておきましょう。

A.現段階で一番好きなお酒はたぶんワインです。
  次はやっぱりビールかなあ。
  でも焼酎と日本酒も捨てがたいなあ。
  それほど飲まなかったけど実は最近ウィスキーも気に入ってるんだよなあ。
  うーむ、そう言えばジンとかラムを入れてあげなくていいのかなあ?
  ああ困った。
  お酒に貴賤はないよ。
  お酒は全部好き。

何だかまったくとりとめない答えになってしまいましたが、こんな感じでいかがでしょうか。
それぞれのお酒の中でもさらにまた好みがあったりするのですが、
それはまた別の機会にお話しすることにいたしましょう。

第32回てつカフェポスター

2015-09-17 17:31:43 | 哲学・倫理学ファック
いよいよ明後日は 「第32回てつがくカフェ@ふくしま」 です。

ポスターはとっくの昔に作成して、すでに学内や 「イヴのもり」 店内には掲示してあるのですが、

ブログ上で公開するのを忘れていました。

ジャーン、これですっ!



今回はてつカフェのブログのほうで案内を出すときに、

ぢゅんちゃんが 「第1回アート de てつがくカフェ」 のときみたいに、

ブリューゲルの絵 (「死の勝利」) を使っていたので、ポスターでもそのまま使わせていただきました。

あいかわらず、この絵のどこがどう死の勝利なんだか、

私のような感性ゼロ人間にはまったくわかりませんが、

今回は別にアート de てつがくカフェではないので、この絵のことがわからなくてもノープロブレムです。

テーマは 「〈メメント・モリ〉(死を思え) とは何か?」。

そして、またまた新しい試みとして、【現場/当事者から考えるシリーズ】 に挑戦します。

7月に学んできた 「ネオ・ソクラティック・ダイアローグ」 は、

前回のように全員が合意できる結論を求めていくのを目指すとともに、

ある1人の特定の一事例に即して徹底的に考えていくという方法論も採用していました。

「ネオ・ソクラティック・ダイアローグ」 自体は全部をきちんとやろうとすると5~7日かかるらしく、

たった2時間のてつカフェではとてもマネすることはできませんが、

その方法論を部分的に取り入れながら、てつカフェの議論に新しい風を引き込もうという作戦で、

今回は事例に即して考えるというところをちょっと狙ってみたいと思います。

事例提供者はぢゅんちゃん。

彼のお父さんの死をめぐる具体的ケースを紹介してもらいながら、

〈メメント・モリ〉 について考えていきたいと思います。

折しも明後日19日は駅前通りで 「ワイン ヴァン ヴィーノ フクシマ」 が開催中です。

昼から飲み始めるとさすがに3~4時間も経つと疲れてくるのではないでしょうか。

ちょっとワインは一休みして酔った頭でみんなと高尚な哲学的対話を楽しみ、

それからまたワインとディナーに戻っていくという土曜日の過ごし方はいかがでしょうか。

私も今回はワインを引っかけてから参戦する心づもりです。

皆さまのお越しをお待ち申し上げております。

Q.文章力を身につけるためにはどうしたらいいですか?

2015-09-16 18:12:18 | 教育のエチカ
これに類した質問は郡山の第1回目の授業でももらいましたが、

白河では第2回目の授業のときにこの質問をいただきました。

2回目の授業では 「人間とは何か」 を考えてもらい、

人間とは 「表現する動物」 であることを話したあと、

非言語コミュニケーションと言語コミュニケーションではどちらが得意か、

話すのと書くのではどちらが得意かをみんなに考えてもらいました。

そのなかで、次のように自己分析してくれた人がいました。

「私は根本的に文章力がなく、文章を作ったりまとめたりする事がとても苦手です。

 友達とSNSでやりとりをする時もメールでやりとりするより、電話しちゃう事が多いです。

 書く表現では文章がまとまらず相手に伝わりにくい時があるので、私は話す方が得意です。」

授業では、各自得意な表現手段があるのはいいけれど、

社会に出るとみんなが自分と同じとは限らず、

相手の得意な表現手段を用いてあげなきゃいけないこともあるので、

自分の不得意な表現手段も練習しておく必要があるよと話したところ、

その方から 「文章力を身につけるためにはどうすればいいですか」 という質問を頂戴しました。

これに関してはすでに書いたことがあるので、まずは以下をご覧いただきたいと思います。


  「Q.どうすれば文章をたくさん書けるようになりますか?」


このときの質問は 「どうすれば文章をたくさん書けるようになるか」 で、

これはたぶんテストやレポートの書く分量が多かったために、

それにビビった人がこの質問をくれたのだと思いますが、

そこに書いた内容は、たんにたくさん書くためのアドバイスではなく、

文章力を身につけるためのアドバイスでもあったと思うので、とりあえずそこを参照してみてください。

あとせっかくですから最近書いた次の記事も見てみてください。


  「生協食堂でプレゼンテーション演習」


文章力ということでもうひとつ大事になってくるのが論理構成です。

何をどういう順番で言うか、ということです。

郡山の看護学校ではちょっとお話ししましたが、私のテストやレポートの課題は、

大きくは 「『倫理学』 の授業で何を学んだか」 を書けという設問になっていますが、

そのままではじゃあ何を書いたらいいかというのがまだはっきりしないだろうと予想したので、

すでにこの問いを細かく分けて、こういう順番で書いてくださいということまで指定してあります。

「『倫理学』 の授業で何を学んだか」

このように中身を分けて、それをどのような順番で論じていくかというのが論理構成です。

先ほどのブログ記事では、その練習問題が示してありますので、ぜひ考えてみてください。

どれだけいい内容を論じていたとしても、

それをきちんと順序立てて伝えなければ相手に理解してもらえませんので、

文章力を身につけるためにはそうしたことも考えながら作文するように練習してみましょう。

看護の仕事に文章力は不可欠です。

今は苦手でも、「倫理学」 の授業が終わる頃には少しは文章が書けるようになれるよう、

毎回のワークシートや振り返りシートで自分の考えを表現する訓練を積んでみてください。

Q.兄弟姉妹はいますか? どう思っていますか?

2015-09-15 19:49:18 | 哲学・倫理学ファック
映画をご紹介したあとは、もうすっかり倫理学のことは忘れ去られて、
プライバシー質問にばかり答えていますが、
いただいた質問がそういうのばかりなんだからしかたありません。
今日取り上げるのは、そんな中でも今までまったく聞かれたことのない初めての質問です。
しかもそれが複数の人から出されていました。

「Q.兄弟はいますか?」

「Q.兄弟姉妹の有無? どう思っているか?」

「Q.兄弟も先生という職種についているんですか?」

兄弟姉妹のことなど今までまったく聞かれたことがありませんでした。
ぼくだって自分の兄弟のことなんてふだん思い出しもしないのに、
なんで初対面の皆さんがそんなことまで気にしてくださるんでしょうか?
まあ、聞かれたのでお答えしていくことにしましょう。
まず兄弟姉妹の有無ですが、すでに昨日のブログのなかで軽く触れていますが、私は長男です。
というわけで最初の答えはこうなります。

A-1.はい、妹と弟が1人ずついます。

続いて2番目の問いです。
その2人のことを私はどう思っているのでしょうか。
この問いには時期を区切ってお答えしていくことにしましょう。

とにかく小さな頃は、私はありがちなとても横暴な長男でした。
以前に 「Q.好きなものは最初、最後どちらですか?」 の質問に答えたときにも書きましたが、
自分の好きな食べ物は最後まで残しておいて、
その間に彼らのものを奪って食べてしまうというのは日常茶飯事でした。
ウルトラマンごっこをするときは、当然のことながら私がウルトラマンで、
彼らは怪獣役であり、最後は必殺技で痛めつけて泣かせてばかりいました。
あの頃の私は妹や弟のことをこういうふうに思っていました。

A-2-1.小さな頃は奴隷か召使いのように思っていました。

今思い出してもひどい兄だったと思います。
それが変わってきたのはちょうど私が哲学や倫理学に目覚めた頃だったと思います。
ジョン・レノンの 「イマジン」 に出会って、ものを考えるようになった頃ですね。
道徳とか倫理とか人権とか平等とかの観念に触れて、
それまでの、長男という座にあぐらをかいて横暴の限りを尽くしてきた自分を反省し、
妹や弟に対しても人道的かつ対等に接するように変わっていったのです。
のちに4歳下の弟から 「アンちゃんはズルイ」 と言われたことがあります。
自分が小さかった頃はボロ雑巾のように扱っていたくせに、
中学、高校くらいになって自分がアンちゃんの身長を抜きそうになった頃に急に態度を変えた、
やっとケンカしても勝てるかもと思えるようになったところだったのに、と言うのです。
私としてはけっして弟にケンカで負けるのを恐れて態度を改めたのではなく、
たまたまその頃に倫理的な生き方に目覚めただけだったのですが、
彼らにとってはやっと肉弾戦でも口喧嘩でも逆転の可能性が出てきた時期に、
急に戦略を変えて平和主義者に鞍替えされたのですから、卑怯なヤツだと映っていたことでしょう。

その後は兄弟の力関係はじょじょに逆転していきました。
ここで3番目の質問にお答えしておきましょう。

A-3.妹も弟も研究・教育職とはまったく関係ない、フツーの社会人の道に進んでいます。

私は大学院へ進学し研究者への道を選び、今で言うフリーターに成り下がっていったわけですが、
妹は短大出たあとすぐに保険会社に就職、
弟も理系の国立大学を出たあと外資系の銀行に就職しました。
一人前の 「大人」 として社会に出ていくという人生レースにおいては、
2人に完全に遅れを取ることになってしまいました。
いや遅れを取るという言い方では不十分ですね。
以前にも書きましたが、大学院を修了すれば就職できるという可能性など1ミクロンもなかったので、
そもそもその人生レースからは脱落してしまったと言ったほうが当時の実情に近いと思います。
ですから、家ではずーっと妹や弟からバカにされていました。
「アンちゃん、いつ就職できるの?」 とか 「就職する気あんの?」
なんていう言葉を投げかけられるのは日常茶飯事でしたし、
「穀つぶし」 とか 「碌でなし」 という文字通りの意味の言葉をよく投げかけられていました。
しかしながら、そんなふうに言われても私のほうとしては、
資本主義社会においてフツーに就職して生きていく人生にまったく価値を見出していなかったので、
何を言われようと超然と聞き流していました。
というわけで、2番目の問いに戻ると、その頃はこう思っていました。

A-2-2.妹も弟もちゃんと社会に出て毎日あくせく働いてお金稼いでてエライなあとは思うけど、
      全然羨ましくないし、悔しいとかまったく思わないもんね、
      ぼくには哲学・倫理学があるから、一生好きなことやって生きていくんだーっと。

その後、彼らに10年前後遅れる形で、32歳のときにやっと私も就職しました。
福島に引っ越すことになり、長年住み慣れた関東から離れ、妹や弟からも離れることになりました。
父の法事やら新年会やらでだいたい年に2回くらい会う程度でしょうか。
今はなかなかいい関係と言えるのではないでしょうか。
親が残してくれた資産があるわけでもないので諍いのタネは特にありませんし、
今のところまだ母も一人暮らしで頑張ってくれているので介護の押し付けあいとかもありません。
みんな口が悪いのでたまに会うとよく悪口というか、けなしあいみたいな感じになったりしますが、
それはけっして本心から言っているのではなく、互いに愛しあっているからの軽口だろうと思います。
実際のところ彼らが私のことをどう思っているかはよくわかりませんが、
私のほうとしては彼らを尊敬し、一目置いており、頼りにもしています。
妹は学業的な面で勉強のできるタイプではありませんでしたが、
生きる力という意味においては小さい頃から真の意味で頭のいい人間でしたので、
家族で何か考えたり決めたりしなければいけないときには一番頼りになるタイプです。
弟は末っ子としてみんなから愛され、常に家族の中心に存在するタイプでしたが、
3人の子どもに恵まれ、今では子煩悩な父親として新しい家族の大黒柱を担っています。
私には子どもがいないので、妹が1人、弟が3人生んでくれたことにはたいへん感謝しています。
妹や弟のことを今はどう思っているのか、次のようにお答えしておきましょう。

A-2-3.残りの人生を生きていく仲間として尊敬もしているし、頼りにもしています。
      うちに子どもがいない分、姪っ子や甥っ子たちを元気に育ててもらいたいです。
      母親のことや墓守のことなども相談しながら頑張ってきましょう。

なんだか、こんなことブログに書かずに直接言えって感じですよね。
ま、こんな質問をいただいたおかげで、まったく考えてなかったことを考えられました。
どうもありがとうございました。

Q.1年の中で一番好きなイベントは何ですか?

2015-09-11 23:18:51 | 幸せの倫理学
こんな質問も初めていただきました。
1年の中で一番好きなイベントですか、うーん何でしょう?
子どもの頃だったら間違いなく誕生日でしたね。
特に私は長男だったのでそれは盛大なパーティを開いてもらっていました。
(実はこれには後に述べるような落とし穴があったのですが…)
しかし、さすがに大人になって親元を離れ、さらに福島で単身赴任生活を始めるようになってからは、
誕生日というのはそれほど特別なイベントではなくなりました。
やはり誕生日は、親や親戚の皆さんからたんまりとプレゼントをもらえるから楽しいのであって、
大人になってくるとこちらがあげるばっかりで、もはやプレゼントなんてもらえなくなるし、
そもそも本当に欲しい物は自分で買ってしまいますから、もらいたい物もなくなってくるのです。

誕生日じゃないとすると何が一番好きなイベントでしょうか?
高校から大学にかけての頃は、年末年始にやはり親戚たちが集まってきて、
大晦日から元旦にかけて麻雀大会が開かれたりして、それはけっこう楽しいイベントでした。
しかし、それも今は昔。
雀牌を握らなくなってからどれくらい経ったでしょうか?
私が福島に来てからはそんなイベントはまったくなくなってしまいました。
最近は年末年始の集まりも、親ではなく長男である私が主催者となりましたので、
あれやこれやと気疲れするばかりであまり楽しいイベントではなくなってしまいました。

うーん、そんなふうに考えると何が1年の中で一番好きなイベントなんでしょうか?
友人たちとの飲み会は楽しいイベントですが、それは1年のうちに何度も開催されますから、
一番好きと言えるようなものではありません。
忘年会とか歓送迎会が他と比べて特に楽しいということもありませんし…。
以前に 「てつがくカフェ@ふくしま」 の2次会のときが一番幸せだと書いたことがありますが、
あれも毎月開催されていますので、1年で一番ではないですね。
歳を取ってくるともう1年で一番みたいなのはなくなってしまうのかもしれませんね。
むしろ、「1年で一番楽しいイベントは何ですか?」 なんていう質問を思いつく君たちが羨ましいです。
それでもムリヤリ考えてこうお答えしておくことにしましょう。

A.この歳になるともう1年で一番楽しいと言えるようなイベントが特にあるわけではありませんが、
  子どもの頃の楽しい思い出をかき立ててくれるという意味で、
  クリスマス気分に浮かれている時期が1年で一番楽しいかもしれません。

先日のインデックスのなかで誕生日はいつですか?という質問に答えておきました。
12月28日と、本当に年も押しつまって生まれたわけです、私は。
おわかりの通り、クリスマスのすぐ近くです。
なので我が家では、クリスマスパーティと私のバースデイパーティとが同時開催されていました。
妹や弟のバースデイパーティよりもはるかに大規模に開催されていましたし、
妹や弟もクリスマスプレゼントをもらうのですが、
私のプレゼントはそれらとは比べものにならないくらい豪華な物でした。
ちっちゃいまーちゃんは、自分が長男だから特別扱いされているのだとずっと信じていましたが、
相当大きくなってから、それは誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントが合体していたからにすぎず、
妹や弟は別々に2回もらっていたということに気づいてものすごいショックを受けたことがありました。
(自分が今までそれに気づいていなかったということが一番ショックでした。)

それはさておき、私にとっては誕生日とクリスマスは合体したものでしたから、
世間がクリスマス気分に盛り上がっていく頃というのは、
自分にとっての年間で最高のイベントが近づいてくる時期であり、
いやがおうでも心が浮き立ってしまっていました。
そして、大人になって自分の誕生日がそれほど待ち遠しくなくなったあとも、
12月に入って街中にクリスマスソングが流れている時期というのは、
特にクリスマス (あるいはイヴ) や誕生日のイベントが予定されていなくとも、
あいかわらずウキウキした気分になるのを禁じえません。
昨日紹介した 「My Favorite Things」 のシリーズでも、
苺のショートケーキよりも前の第5回目において 「クリスマス」 を取り上げています。
実は苺のショートケーキも、味そのものというよりは、
クリスマスの思い出と結びついているから好きなだけなのかもしれません。
ですので、今日の質問に対する答えはやはりクリスマスということになるでしょう。
(厳密にはクリスマスというイベントそのものが好きなのではなく、
 クリスマス気分が盛り上がっていく12月のあの時期の雰囲気が好きなだけですが…)
毎年クリスマスが近づいてくると、一人暮らしをしている我が家も、
室内にはこんなディスプレイをしたり、



玄関ドアの外にはこんなものを吊り下げたりしてクリスマス気分を盛り上げています。



人前では慎むように心がけてはいますが、ふと気づくとクリスマスソングを口ずさんでいます。
もちろん、誰を招待したわけでもない室内ではクリスマスソングのCDが流れっぱなしですし…。
まだちょっと気が早いですが、でももうすっかり秋も深まってきましたし、
すぐに冬が来て、あとはクリスマスに向けてカウントダウンということになっていくのでしょう。
それでは皆さん、クリスマスへの思いを込めてご一緒にぃ
May your days be merry and bright
And may all your Christmases be white

Q.スイーツは好きですか?

2015-09-10 12:04:12 | 飲んで幸せ・食べて幸せ
今日はどれにお答えしようかなあと思って、

書き留めてある 「倫理学の先生に聞いてみたいこと」 の代表質問に選ばれなかったものリスト

を眺めていたら、今年の質問はプライベートに関するものがやけに多いなあと感じました。

みんな倫理学そのものには何の関心もないんですね。

それでも郡山の看護学校ではけっこう倫理学に関する代表質問が選ばれていましたが、

白河の看護学校ではプライベート質問か人生・恋愛相談ばかりでしたし、

リストの中に残されているのもプライベート質問のオンパレードです。

まあプライベートに関する質問のほうが簡単にサクッと答えられますので、

そちらから片づけていくことにしましょう。

今日の質問には以下のように簡単に答えておくことにいたします。


A.私は辛党なので、スイーツはそれほど好きではありません。

  甘いものがまったく食べられないというわけではないので出されれば食べますが、

  わざわざ自ら進んで買いに行ったり食べに行ったりするほどの情熱はありません。


「辛党」 という語は辞書的には 「菓子などの甘い物よりも酒類の好きな人」 という意味のはずですが、

どこまで信じていいのかわかりませんが、ウィキペディアには以下の3つの意味が載っていました。

・酒が好きな人

・辛いものが好きな人

・塩からいものが好きな人

私の場合はこの3つのいずれの意味においても 「辛党」 であると言えるでしょう。

ですからお菓子類のなかでも私の好きなのはしょっぱいものばかりで、

お煎餅とかポテトチップスが大好きです。

(ポテチとビールの組み合わせは糖質制限的には最悪ですが、

 おつまみとお酒のカップリングとしては最強だと思います。)

そんな私ですから、スイーツはそんなに好きでもないし得意でもないのです。




唯一の例外は苺のショートケーキ (=ガトー・フレイズ) でしょうか。

以前にこのブログで 「My Favorite Things」(略してMFT) を紹介していたことがありますが、

そのシリーズの7回目に苺のショートケーキが登場しています。

実はこれは次回にお答えする問いへの回答とも関連してくるのですが、

苺ショートは私にとって幼い頃の郷愁がいっぱいつまった食べ物であると言えるでしょう。

とはいえ、これも何かの行事でみんなにケーキを買ってくるという場合に、自分用としては、

ホントはいろいろ食べてみたいものの、けっきょく苺ショートを選んでしまうというくらいのことで、

どうしても食べたくなってわざわざ買いに行ったりするというほどではありません。

というわけで残念ながらスイーツに関しては、私は何の興味関心も、

ましてや何の情報も持ち合わせていないのでした。

もしもスイーツが好きならば、若い女の子と共感し合えたり情報交換できたりして、

ナンパとかするにはうってつけだろうなあと頭ではわかっているのですが、

そんなフリをしてみせるだけの情熱ももはや残っていないのでした。

というわけで、私は辛党の女性と一緒に、

しょっぱい酒の肴や激辛のおかずをつまみにお酒をいただくことにしたいと思います。

Q.猫と犬だったらどちら派ですか?

2015-09-09 09:48:16 | 哲学・倫理学ファック


今年の看護学校では、今まで聞かれたことのないような質問を、

複数の人から聞かれるということがいくつかありました。

今日の質問もそのひとつです。

標記の質問のほかにもこんな質問がありました。

「Q.猫派、犬派?」

「Q.先生は犬が嫌いなんですか?」

猫派? 犬派? っていう二者択一もいかがなものかと思いますが、

犬が嫌いなんですか? っていうのも、なんでそう決めつけてくるのかという不思議な聞かれ方です。

何かそう思わせるような話、しましたっけ?

別に代表質問のなかでそれに類する質問をもらったわけでもありませんし、

何かの質問に対して犬や猫のことに触れたりしたこともなかったように思うのですが…。

ひょっとすると今年の看護学校は、全員が猫派か犬派かを旗幟鮮明にした上で、

クラスを二分して敵対しあってるみたいな雰囲気になっているんでしょうか?

で、前回の私の言動がなんだか猫派っぽく響いて、

そのために犬派の人々から警戒されていたりするのでしょうか?

なんだかこの質問にお答えするの怖くなってきましたね。

たぶん全員を敵に回してしまうかもしれませんが、嘘はつけないのでこうお答えしておきましょう。


A.私は猫派でも犬派でもありません。

  私は反自然派ですので、犬も猫も含めて昆虫類や爬虫類など一切の動物がキライです。


すでに先日のインデックスを見て、

「Q.先生は人間は好きですか、ペットは何を飼いたいですか?」 という記事に飛んだ人は、

今日のお答えはもう予想ついていたことでしょう。

私は自然が全般的にキライなので、人類以外の動物とできるかぎり接触したくないのです。

団地暮らしが長かったということもあり、犬も猫も飼ったことはありませんし、

今後も飼いたいなんてまったく思いません。

どちらかといえば、という究極の二者択一もできませんし、したくもありません。

犬も猫も平等にキライですので、どちらかの派閥をひいきしたりもしませんのでご安心ください。

いいじゃないですか、犬も猫も忘れて、人間は人間どうし仲よくやっていこうではありませんか。

10月18日 『at Home』 でシネマdeてつがくカフェ決定!

2015-09-08 10:51:26 | 哲学・倫理学ファック
1年前に映画化の情報をお伝えしていた 『at Home』 が先月末よりいよいよ公開になりました。



原作が大好きな小説だったのでものすごく楽しみにしていましたが、

公開まで予想以上に待たされてしまいました。

公式サイトを見に行っても、キャストだけは決まっているものの、

いつ完成するのかも含めてほとんど情報はありませんでしたし、

(私の1年前のブログ記事が映画化を待ち望む世間の声として紹介されたりしていました

どうなることかとちょっと心配していましたが、とうとうロードショーを迎えました。

と喜んだのも束の間、8月22日より全国公開というのに、

福島では 「フォーラム福島」 でも 「イオンシネマ」 でもいっこうに上映される気配がありません。

どうなっているのだと 「フォーラム福島」 の支配人、阿部さんに問い質しに行ってしまいました。

いつも 「シネマ de てつがくカフェ」 を一緒にやらせていただいている仲ですので、

わりと気軽にいろいろな相談を持ち込めるのです。

お聞きしてみると 『at Home』 は単館系の映画なのでいずれフォーラムで扱うはずだけれど、

先月末の段階で、今のところまだ上映予定は立っていないとのことでした。

爆発的にヒットするような大作でもなく、といって通好みのいかにもフォーラムっぽい作品でもなく、

フォーラム全体として (フォーラム福島だけではなく) ちょっと扱いに困っているとのことでした。

だとするとまさしく 「てつがくカフェ」 の出番じゃないですか。

ぜひ一緒にやりましょうということで、

その場で 「シネマ de てつがくカフェ」 の開催を決めてしまいました。

その後の日程調整の結果、10月18日 (日) に開催することになりました。

いつもと同じく14時から映画上映、16時過ぎからシネマカフェという感じのスケジュールになります。

詳細が決まりましたら、また 「てつがくカフェ@ふくしま」 のブログでご案内いたします。

「家族の絆とは何か?」 を深く語り合うことのできるてつカフェになるでしょう。

それにしてもあの原作がどんなふうに映画化されたのでしょうか?

原作は文庫本に4つの話が掲載されている短編集のうちの1本です。

その短い物語がどのように2時間の映画に仕立てられているのか。

予告編を見てみたところ、この特殊な家族が作り上げられていくプロセスから描かれているようです。

主人公も小説のように長男ではなくお父さん役の竹野内豊に変えられ、

家族の設定も少しずつ小説とは変更されているようです。

いずれも望むところです。

今作に関しては原作の忠実な映画化よりも、原作の奇抜な設定を活かしつつ、

そこからどう豊かに1本の映画へとふくらませていったのかを期待したいと思います。

すでに東京でこの映画を見てきた人からは、胸を衝く感動作であったとのご報告を受けました。

映画を見るのが楽しみですし、そのあとのてつカフェも待ち遠しいです。

ぜひ皆さま、10月18日は 「シネマ de てつがくカフェ」 にお越しください。

郡山と白河の看護学生の皆さんも心よりお待ち申し上げております。



P.S.

おっとその前に9月19日 (土) にはフツーのてつがくカフェもあるんだった。

こちらは死の問題を扱うので、看護学校の 「倫理学」 の授業内容と丸かぶりです。

そちらもよろしく

Q.倫理や倫理学をテーマとした映画はありますか?

2015-09-07 12:20:04 | 哲学・倫理学ファック
看護学校の第1回目のワークシートのなかで、質問というか、
「倫理や倫理学をテーマとした映画があったら教えてください」 というリクエストをいただきました。
この手の質問には昔お答えしたことあったよなあと思って、自分のブログのなかを探してみたら、
相馬の看護学校の 「哲学」 の授業のなかで次のような質問をいただきお答えしたことがありました。

  「Q.哲学を学ぶのにオススメの映画は何ですか?」

昨日のインデックスのなかで、私にとっては哲学と倫理学は同じ意味だと申し上げました。
詳しくはこちらをご覧いただければと思うのですが、簡単に言うと、
哲学は理論哲学と実践哲学に区分することができて、このうちの実践哲学の別名が倫理学であり、
したがって倫理学は哲学に含まれているのだから、哲学と倫理学は同じということになるのです。
ですから、今回の質問に対しても上記の記事をご参照くださいですませることも可能です。
しかも、あの記事の冒頭では、「どんな映画も必ず哲学のテーマとつながっています。
ですからすべての映画がオススメです」 という答え方もしていて、
これはまさに哲学を倫理学に置き換えても完全に成り立ちますので、
よけいにあの記事に何かを付け加える必要はないということになるのかもしれません。
ただ、あの記事では 「すべての映画がオススメです」 で終わりにはしていなくて、
具体的に2本の映画をオススメしていました。
その2本は実践哲学 (=倫理学) ではなく理論哲学 (=狭い意味での哲学) のテーマである、
「外界は実在するのか」、「時間とは何か」 等を考えさせてくれる映画をセレクトしていましたので、
その意味ではあれは倫理学をテーマとした映画ではなかったとも言えるでしょう。
ですので今回の質問に対してはきっちりと、
倫理学 (=実践哲学) のテーマを扱った映画をご紹介する必要があるのかもしれません。

というわけで改めてセレクトしなければいけないわけですが、
本来であれば 「すべての映画がオススメ」 ですので、どう選んでよいやら途方に暮れてしまいます。
そこでこんな手を思いつきました。
これまで私はこのブログのなかで数多くの映画をご紹介してきています。
そのときどきに公開されている映画もあれば、DVDで見た懐かしの映画もありますが、
見ていてブログねたになりそうだなあと思ったら、そのつど記事をアップしてきました。
そういうこれまでに取り上げたことのある映画をご紹介することにいたしましょう。
倫理学 (=実践哲学) といっても広いので、いくつかのジャンルに分類しておきます。
複数のジャンルにまたがるテーマを扱っている映画の場合は両方に入れておきました。
映画タイトルをクリックしていただければ、私が書いたブログ記事に飛ぶことができて、
だいたいどんな内容の映画か書いてあるはずです。
私の記事ではよく内容がつかめないという場合でも、
たいていそこからさらに公式サイトやウィキペディアなどにリンクが張ってありますので、
それらを参考にしながら気になる映画があったらぜひ見てみてください。

【倫理学の基本問題】
『サイダーハウス・ルール』 (倫理とは何か、ルールとは何か)
『ブレードランナー』 (人間とは何か、人殺しとは何か)
『ターミネーター』 (人間とは何か、人殺しとは何か)
『おもひでぽろぽろ』 (人間と自然の関係)
『フィッシュストーリー』  (正義とは何か)
『悪の教典』 (悪とは何か)
『悪童日記』 (悪とは何か)

【生と死・いのち・医療の問題】
『ラスト・ホリデイ』
『ブロンド・ライフ』
『ブタがいた教室』
『サイダーハウス・ルール』
『おくりびと』
『私の中のあなた』
『神様のカルテ』
『神様のカルテ2』
『ある精肉店のはなし』

【幸福の問題】
『サウンド・オブ・ミュージック』
『happy』
『ポーラー・エクスプレス』

【政治とりわけ自由の問題】
『サウンド・オブ・ミュージック』
『フリーダムライターズ』
『13デイズ』
「チョイス!」
『インヴィクタス』
『図書館戦争』
『ある精肉店のはなし』
『ハンナ・アーレント』
『アクト・オブ・キリング』
『沖縄うりずんの雨』

【教育問題】
『ブタがいた教室』
『フリーダムライターズ』
『北のカナリアたち』
『かすかな光へ』
『悪の教典』
『おもひでぽろぽろ』
『悪童日記』

【男女問題・セクシャリティあるいは嘘の問題】
『恋人たちの予感』
『ハート・オブ・ウーマン』
『ショートバス』
『阪急電車 ~片道15分の奇跡~』
『陽だまりの彼女』
『イニシエーション・ラブ』

【家族の問題】
『私の中のあなた』
『そして父になる』
『真夏の方程式』
『at Home』

【原発問題】
『小さき声のカノン ―選択する人々』
『天空の蜂』

いかがでしょうか。
気になる作品はあったでしょうか?
なお、このうちの 『天空の蜂』 は今週末9月12日から全国ロードショーです。
(私は試写会的な催しですでに見ましたが、むちゃくちゃ面白かったです!)



それから 『沖縄うりずんの雨』 はすでに6月から公開が始まっていますが、
福島では 「フォーラム福島」 で9月12日から18日まで上映予定です。
(こちらも試写会で拝見しましたが、沖縄の歴史がよくわかるとてもいい映画でした。)



さらに 『at Home』 は福島では10月に公開が決定いたしました。
この映画で 「シネマ de てつがくカフェ」 を開催いたします。



ぜひいろんな映画を見て、倫理と倫理学について深く考えてみてください。