まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.兄弟姉妹はいますか? どう思っていますか?

2015-09-15 19:49:18 | 哲学・倫理学ファック
映画をご紹介したあとは、もうすっかり倫理学のことは忘れ去られて、
プライバシー質問にばかり答えていますが、
いただいた質問がそういうのばかりなんだからしかたありません。
今日取り上げるのは、そんな中でも今までまったく聞かれたことのない初めての質問です。
しかもそれが複数の人から出されていました。

「Q.兄弟はいますか?」

「Q.兄弟姉妹の有無? どう思っているか?」

「Q.兄弟も先生という職種についているんですか?」

兄弟姉妹のことなど今までまったく聞かれたことがありませんでした。
ぼくだって自分の兄弟のことなんてふだん思い出しもしないのに、
なんで初対面の皆さんがそんなことまで気にしてくださるんでしょうか?
まあ、聞かれたのでお答えしていくことにしましょう。
まず兄弟姉妹の有無ですが、すでに昨日のブログのなかで軽く触れていますが、私は長男です。
というわけで最初の答えはこうなります。

A-1.はい、妹と弟が1人ずついます。

続いて2番目の問いです。
その2人のことを私はどう思っているのでしょうか。
この問いには時期を区切ってお答えしていくことにしましょう。

とにかく小さな頃は、私はありがちなとても横暴な長男でした。
以前に 「Q.好きなものは最初、最後どちらですか?」 の質問に答えたときにも書きましたが、
自分の好きな食べ物は最後まで残しておいて、
その間に彼らのものを奪って食べてしまうというのは日常茶飯事でした。
ウルトラマンごっこをするときは、当然のことながら私がウルトラマンで、
彼らは怪獣役であり、最後は必殺技で痛めつけて泣かせてばかりいました。
あの頃の私は妹や弟のことをこういうふうに思っていました。

A-2-1.小さな頃は奴隷か召使いのように思っていました。

今思い出してもひどい兄だったと思います。
それが変わってきたのはちょうど私が哲学や倫理学に目覚めた頃だったと思います。
ジョン・レノンの 「イマジン」 に出会って、ものを考えるようになった頃ですね。
道徳とか倫理とか人権とか平等とかの観念に触れて、
それまでの、長男という座にあぐらをかいて横暴の限りを尽くしてきた自分を反省し、
妹や弟に対しても人道的かつ対等に接するように変わっていったのです。
のちに4歳下の弟から 「アンちゃんはズルイ」 と言われたことがあります。
自分が小さかった頃はボロ雑巾のように扱っていたくせに、
中学、高校くらいになって自分がアンちゃんの身長を抜きそうになった頃に急に態度を変えた、
やっとケンカしても勝てるかもと思えるようになったところだったのに、と言うのです。
私としてはけっして弟にケンカで負けるのを恐れて態度を改めたのではなく、
たまたまその頃に倫理的な生き方に目覚めただけだったのですが、
彼らにとってはやっと肉弾戦でも口喧嘩でも逆転の可能性が出てきた時期に、
急に戦略を変えて平和主義者に鞍替えされたのですから、卑怯なヤツだと映っていたことでしょう。

その後は兄弟の力関係はじょじょに逆転していきました。
ここで3番目の質問にお答えしておきましょう。

A-3.妹も弟も研究・教育職とはまったく関係ない、フツーの社会人の道に進んでいます。

私は大学院へ進学し研究者への道を選び、今で言うフリーターに成り下がっていったわけですが、
妹は短大出たあとすぐに保険会社に就職、
弟も理系の国立大学を出たあと外資系の銀行に就職しました。
一人前の 「大人」 として社会に出ていくという人生レースにおいては、
2人に完全に遅れを取ることになってしまいました。
いや遅れを取るという言い方では不十分ですね。
以前にも書きましたが、大学院を修了すれば就職できるという可能性など1ミクロンもなかったので、
そもそもその人生レースからは脱落してしまったと言ったほうが当時の実情に近いと思います。
ですから、家ではずーっと妹や弟からバカにされていました。
「アンちゃん、いつ就職できるの?」 とか 「就職する気あんの?」
なんていう言葉を投げかけられるのは日常茶飯事でしたし、
「穀つぶし」 とか 「碌でなし」 という文字通りの意味の言葉をよく投げかけられていました。
しかしながら、そんなふうに言われても私のほうとしては、
資本主義社会においてフツーに就職して生きていく人生にまったく価値を見出していなかったので、
何を言われようと超然と聞き流していました。
というわけで、2番目の問いに戻ると、その頃はこう思っていました。

A-2-2.妹も弟もちゃんと社会に出て毎日あくせく働いてお金稼いでてエライなあとは思うけど、
      全然羨ましくないし、悔しいとかまったく思わないもんね、
      ぼくには哲学・倫理学があるから、一生好きなことやって生きていくんだーっと。

その後、彼らに10年前後遅れる形で、32歳のときにやっと私も就職しました。
福島に引っ越すことになり、長年住み慣れた関東から離れ、妹や弟からも離れることになりました。
父の法事やら新年会やらでだいたい年に2回くらい会う程度でしょうか。
今はなかなかいい関係と言えるのではないでしょうか。
親が残してくれた資産があるわけでもないので諍いのタネは特にありませんし、
今のところまだ母も一人暮らしで頑張ってくれているので介護の押し付けあいとかもありません。
みんな口が悪いのでたまに会うとよく悪口というか、けなしあいみたいな感じになったりしますが、
それはけっして本心から言っているのではなく、互いに愛しあっているからの軽口だろうと思います。
実際のところ彼らが私のことをどう思っているかはよくわかりませんが、
私のほうとしては彼らを尊敬し、一目置いており、頼りにもしています。
妹は学業的な面で勉強のできるタイプではありませんでしたが、
生きる力という意味においては小さい頃から真の意味で頭のいい人間でしたので、
家族で何か考えたり決めたりしなければいけないときには一番頼りになるタイプです。
弟は末っ子としてみんなから愛され、常に家族の中心に存在するタイプでしたが、
3人の子どもに恵まれ、今では子煩悩な父親として新しい家族の大黒柱を担っています。
私には子どもがいないので、妹が1人、弟が3人生んでくれたことにはたいへん感謝しています。
妹や弟のことを今はどう思っているのか、次のようにお答えしておきましょう。

A-2-3.残りの人生を生きていく仲間として尊敬もしているし、頼りにもしています。
      うちに子どもがいない分、姪っ子や甥っ子たちを元気に育ててもらいたいです。
      母親のことや墓守のことなども相談しながら頑張ってきましょう。

なんだか、こんなことブログに書かずに直接言えって感じですよね。
ま、こんな質問をいただいたおかげで、まったく考えてなかったことを考えられました。
どうもありがとうございました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿