まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

「哲学カフェ@法政哲学会」 の記録公開!

2017-08-30 15:38:09 | 哲学・倫理学ファック
昨年2016年5月に開催された 「法政哲学会」 において、

「哲学カフェ@法政哲学会」 という企画を行いました。

元はというと2014年に高千穂大学で連続講演会があり、

その内容が2015年に講談社から出版されましたが、

(齋藤元紀編 『連続講義 現代日本の四つの危機 哲学からの挑戦』 講談社メチエ)

その中で哲学プラクティスについて論じていた私と梶谷真司さん、そして編者の齋藤さんの3名で、

法政哲学会においてシンポジウムか何かを開かなければならないということになり、

3人で相談の結果、フツーに提題者3名によるシンポジウムじゃあつまらないので、

せっかくだから法政哲学会の場で参加者全員で哲学カフェをやっちゃうことにしたのです。

テーマは 「市民とともに哲学するとは?」 とし、参加者50名近くで本当にやっちゃいました。

こんな感じでした。



無謀と言えば無謀な試みでしたが、けっこう面白かったですね。

一般の方々も若干混ざってはいましたが、そもそも 「法政哲学会」 ですから、

基本的には哲学の専門家や研究者ばかりの集まりです。

そういうところで 「哲学カフェ」 をテーマに哲学カフェをやったらどうなってしまうのか。

まったく読み切れないままにやってみたのですが、

フタを開けてみたら大成功だったと言っていいでしょう。


法政哲学会での発表は翌年発行の機関誌 『法政哲学』 に掲載されることになっているのですが、

せっかくこんな楽しい催し物をやっておいて、

機関誌にはそれぞれ3名の独立論文が載るというのではつまらないと思い、

当日は哲カフェの様子を録音しておいて、若い研究者にテープ起こしのバイトをお願いし、

対話の様子をダイレクトに雑誌に掲載したいということで、理事会にも了承を取っていました。

(3名が新たに論文を書かなくてすむという大きなメリットもありますし…)

というわけで今年発行の 『法政哲学』 にはあの時のテープ起こし原稿を投稿したのですが、

2時間近くのセッションをそのまま原稿化してみたらものすごい量になってしまって、

雑誌にすべてを載せることはできませんでした。

当日は最初に3人で哲学プラクティスについて自由な形で語り合い、

後半から参加者全員に加わっていただくという形で進めたのですが、

雑誌に掲載できたのはその前半部分の原稿だけでした。

それだけではつまらないので、雑誌論文の最後には、

「法政哲学会のウェブサイトに全文掲載する予定なのでそちらをご覧ください」

と付け加えておきました。

そのウェブページが雑誌刊行のタイミングよりもちょっと遅れてしまいましたが、

先ごろやっと公開されました。

法政哲学会のサイトのトップページの中に 「第36回大会」 というボタンがありますので、

そこをクリックすると36回大会のページに移動し、

その中の 「哲学カフェ」 というボタンの横に 「記録」 というボタンがありますので、

そこをクリックすると哲カフェのテープ起こし原稿のPDFファイルに行き着くという寸法です。

まあぜひ一度ご笑覧いただければと思います。

新たに論文を書かなくてすんだものの、テープから逐語的に起こされた原稿を、

そのまま掲載したのではいくら何でも読みにくいということで相当手を入れなければならず、

けっきょくかなりな労力を割くことになってしまいましたが、

それに見合った成果が得られたのではないでしょうか。

特に、「市民とともに哲学するとは?」 というテーマの立て方そのものについて、

参加者の皆さまからファシリテーター (特に私) がボコボコにされているところが圧巻です。

哲学カフェを主宰している人、これから哲学カフェを開いてみたいと思っている人、

そして哲学カフェに興味のある一般市民の方々、皆さまに読んでいただければと思います。

感じる論語展

2017-08-28 17:13:55 | 人間文化論
今週の木曜から日曜まで、コラッセふくしまで書道展が開催されます。

題して 「感じる論語展」 です。



主催の渡邉啓子さんは福島大学の現代教養コースに社会人として入学してきて、

私のゼミでフェミニズムについて卒論をまとめて卒業されました。

ただ、そうした社会人学生としての研究とは別に、長いこと書道の研鑽を積んでいらっしゃって、

大きな展覧会に出品したり、書道教室を開いたりされている専門家でもありました。

そこで卒業後は福島大学大学院の漢字・漢文学研究室に進学して、

孔子の 『論語』 について学問的に研究を深めていきながら、

その知見を書に表すというプロジェクト研究に取り組んでこられました。

その成果発表の場が今回の展覧会となります。

ふつう書道展というと、書そのものが純粋に芸術作品として扱われるため、

何という文字であるかは気にするものの、

書かれている内容とは無関係に制作・鑑賞されがちです (私のイメージとしてはそうです)。

しかし今回は出典を 『論語』 に限定して、

『論語』 の教えが現代に生きていることを視覚的に表現することを目的としています。

一流の書を楽しむことができるばかりでなく、作品解説や現代語訳にも力を入れていて、

ありきたりな書道展とは一線を画した展覧会になっているようです。

ぜひこの機会に 『論語』 を言語も非言語も含めた全身で感じてみてはいかがでしょうか。

私もぜひ足を運んでみたいと思っております。

渡邉さん、盛会をお祈り申し上げます。

【再募集】 ソファベッドあげます!

2017-08-26 09:16:18 | お仕事のオキテ
先日募集していたソファベッドの件ですが、

一番乗りで応募してくれて取引が成立していた方から、

突然の事情の変化により誠に申し訳ないのだけれど引き取れなくなりました、

とのご連絡をいただきました。

残念ではありますが、やむをえぬご事情でいらっしゃるのでいたしかたありません。

つきましては再募集をかけたいと思います。

こちらのソファベッドです。



このソファ状態で大きさは、W120×D80×H74 です。

これは、折りたたみ可能なマットレスがこういう簡単な枠組み↓のなかに収められたものです。



マットレスを取り出して広げるとこう↓なります。



これで W120×D200 のセミダブルベッドになります。

どなたか欲しい方はいらっしゃらないでしょうか?

無料です。

直接自宅まで取りに来ていただけるか、

私のクルマでお届けできる程度の近隣の方にお譲りいたします。

直接メールかメッセージかコメントでお申し込みください。

早い者勝ちです!

ついでにこんなイスも余っております。



こちらはけっこう年季の入ったもので、特に今風の機能とかが付いているわけではありませんが、

勉強机で使うごくごくオーソドックスなイスです。

ずっと昔から持っておりましたが、自宅では机の前に向かうことがあまりなかったので、

実質使用回数はそれほどでもないと思われます。

こちらも直接自宅まで取りに来ていただけるか、

私のクルマでお届けできる程度の近隣の方にお譲りいたします。

ソファベッドとセットでもらってもらえるとうれしいですが、

それぞれ単品でも受け付けております。

必要な方はご連絡のほどよろしくお願い申し上げます。

来月「人材育成講座」開催!

2017-08-23 13:39:55 | 教育のエチカ
一昨日、今週末に開催される 「コミュニケーション力アップセミナー」 についてお知らせしました。

現在その準備に追われているところです (たしか今日がパワポファイルの締切のはず)。

何とか2時間分の講座内容を用意していく中で、もうひとつ大事なことを思い出しました。

ふくサポでの講座、この1個だけで終わりじゃないんでした。

卒業生との企画会議のなかで、市に認めてもらえそうな案をいくつか出してほしいと言われて、

なんか原案をテキトーに3つか4つくらいでっちあげて、

それを彼がいくつかの企画書にまとめあげてくれ (2つだったか3つだったか)、

それを市に提出してみたら、企画書の出来がよかったらしく、

そのうち2つが通っちゃったんですよねえ。

で、いつやりますかという話になり、まあ夏休みの間に終わらせてしまおうということで、

じゃあ8月と9月で、とお願いしていたわけです。

その9月の講座がこちらです。






なんと「人材育成講座」 です。

わたし的には今週末のやつが倫理学プロパーのお話で (異質な他者との共存)、

9月のやつはちょっと自分の専門分野から離れて、長年、教育学部で働いてきて、

人間発達文化学類の将来計画構想とかにも携わってきましたから、

教育のことに関心がないわけではありませんし、

キャリアカウンセラーの資格とかも持っているので、その過程で学んだことも交えて、

人を育てるということについても話せるんじゃないかなと思って、

ダメモトの軽い気持ちで提案してみていたわけです。

それがまんまと通ってしまったわけですが、

「なぜ人は育つのか? プロが教えます」 なんて宣伝されるとちょっと面映ゆい感じが否めません。

それよりも何よりも、今週末の講座が当初の倫理学プロパーのテーマから、

コミュニケーション力の養成という教育寄りの話に変わってきちゃったもので、

チラシの中のキャッチコピーを比べてみると (今週末のはこちら)、

だいぶ重複が生じてきています。

うーん、どうしよう。

たぶん両方とも受講するというもの好きな人もいらっしゃるんだろうなあ。

というわけで、話せそうなことを何でもかんでもぶっこんでしまうと、

次回に話すことがなくなってしまうということにはたと気がついて、

せっかくここまで作ってきたパワポをイチから見直さなきゃいけなくなって途方に暮れ、

逃避のため、なんで今逃避しているのかについてブログを書いている私です。

ああ、時間が刻一刻と過ぎてゆく…。

もうさすがに一休さん作戦を続けている場合じゃないのですが…。

今週末 「コミュニケーション力アップセミナー」 開催!

2017-08-21 18:39:24 | グローバル・エシックス
今週の土曜日、福島市市民活動サポートセンターにてこんな講座を開きます。





題して 「コミュニケーション力アップセミナー」 です。

えっ、ぼくって倫理学者じゃなかったっけ?

コミュニケーションスキルなんかについて偉そうに人様にお話ししてしまっていいんですか?

いや、そもそもはそういう企画ではなかったんですが、

いつの間にかそういう話になってしまい…。

元はというと、大学院の私のゼミの修了生が福島市市民活動サポートセンターで働いてまして、

その縁もあって昨年からてつカフェをふくサポで開催させていただいているんです。

今年の特別編はちょうど3月11日が土曜日ということで、どこもいっぱいだったのですが、

ラッキーにもふくサポを使わせていただくことができました。

で、そのときにバーターでというと言葉は悪いんですが、

ふくサポで何か講座を開いてくれと頼まれまして、

てつカフェの会場を確保できるのであれば何でもやりますということで、

後先を考えずにお引き受けしていたわけです。

福島市市民活動サポートセンターはNPOをはじめとする各種市民活動を支援するNPOで、

その一環としてチェンバおおまちの3階スペースの運営を市から委託されている団体です。

ここでの主たる業務は各種会議室の貸し出しなのですが、

自らも企画を立てて講座を開いたりもしています。

それに手を貸してくれと頼まれたわけですね。

ただこれはあくまでも市からの委託業務なので、

自分たちで立てた企画をノーチェックでそのまま実行に移せるわけではありません。

すべての企画は一度、市のチェックを受けてOKが出るという仕組みになっています。

私の場合は当初、ダイバーシティ (多様性) について学ぶ講座ということで提案しました。

ダイバーシティというのは最近の流行りのテーマですし、

しかも他者との共存というのは倫理学の王道のテーマでもあります。

そんな企画書を提出したわけですが、これがそのままは通してもらえず。

というわけで、市からの修正意見が、ダイバーシティについて学ぶ部分はいいとして、

全体としてはコミュニケーションについて学ぶ講座に変えてほしいというものでした。

チラシをもう一度よくご覧いただきますと、

ダイバーシティとコミュニケーションが打ち解けがたく散在しているのが見て取れるかと思います。

クライアントの要望にはできるかぎり従うというのが私のモットーですから、

言われるがままに変更を受け入れました。

というわけで倫理学者がコミュニケーション力について語ることになってしまったわけです。

ただ、実際に期日が近づいてきて、やっと重い腰を上げて準備を始めてみると、

打ち解けがたい2つのテーマをどう1つに収めていいやら途方に暮れているところです。

そもそもこんなわかりにくい講座にしちゃったら受講者なんて来ないんじゃないかと思っていましたが、

フタを開けてみたら30名程度という定員を超えて40名近くの申し込みが殺到しているそうです。

マジかっ

さて、どんな話をいたしましょうか。

今日はまだ月曜日だし、講座は土曜日だし、まだまだ時間はあるな。

あっ、パワポのファイルは水曜日までに送れと言われていたんだった。

明日は1日外回りの仕事だし、うん、そうするとちょっと追い込まれてるかもね。

うん、さすがのギリギリスさんも少しは頑張んなきゃ。

ま、でもとりあえずお腹空いてきたので、今日は帰ることにするかな。

あわてない、あわてない。

ひとやすみ、ひとやすみ。

 




猥褻なポスター完成!

2017-08-07 22:08:20 | 哲学・倫理学ファック
今週末のてつカフェは 「猥褻」 がテーマです!

今回のポスターはいつもの卒業生また作っていただけるということで、

テーマも早くに決まっていたし、ポスターも早めに発注していたのですが、

テーマがテーマなだけに彼女も相当悩んでしまっていたようです。

その挙げ句にやっとこの週末、こんなメールが添えられて原案が届けられました。

「いつにも増して難しかったです。

 露出狂で性的嗜好の自由を連想させるとか…

 男性器・女性器のイラストで表現の自由を連想させるとか…

 もろもろ考えてはみたのですが、結果これにしてみました。

 うーーーん、これで良かったのか???」

その悩みに悩んだ末のポスターがこちらですっ!



いやあ、素晴らしいっ!

That’s What I Want!

私も頼んでおきながら、こんなテーマをどうやって表現すればいいんだろうと、

まったく何も思いつかずノーアイディア状態で、

したがって 「こんな感じで」 みたいな方向性を何も指示することもできずに、

完全におまかせ状態で丸投げの発注をしてしまいました。

最近無罪が確定したろくでなし子さんの裁判もありましたが、

いろいろな意味で彼女の作品の画像とかを使うわけにもいかず、

また、駅前で暑かったからと下着姿になって逮捕された女性もいらっしゃいましたが、

そんな画像があるわけもなく、あったとしてもゼッタイに使えませんし、

はたしてどうやって猥褻を表現してくれるのか、他人事のように楽しみにしていたのです。

そこに届いたのがこれですよ。

いやホント、よくぞやってくれました。

桃を使ったかあ。

ちょうど今、福島は桃の出荷真っ盛りの時期でとてもタイムリーだし、

言われてみれば、桃のピンクは猥褻を表すのにピッタリの色です。

猥褻を表現したいとはいっても、

このポスター自体が猥褻物として取り締まられてはいけませんし、

つまり、猥褻ではないものでどうやって猥褻を表現するのか、

そのきわめて難しいミッションをひじょうに高度なところでかなえていただきました。

もはやプロの仕事と言っても過言ではないな。

本当にどうもありがとうございましたっっっ!!!

さあ皆さん、今度は 「猥褻とは何か?」 がテーマですよ。

ふだんあまり口にできない猥褻について、

自由に、気楽に、そして大いに語り合おうではありませんか

そんな名詞はないっ!

2017-08-03 22:58:27 | 人間文化論
大学のエレベーターと自宅マンションのエレベーターは、

たまたまどちらも同じフジテック社製だったようで、先月だったか先々月だったか、

ちょうど同時にエレベーターの中にこんな注意書きのパネルが貼り出されました。



まあよくある、エレベーターを安全に利用するための注意事項です。

最近、「階段ダイエット」 をサボりがちなため、

毎日これを何度となく目にすることになりますが、見かけるたびにイラッとしてしまいます。

その元凶は左上のこいつです。



そんな名詞はないっ

「はさまれ」 って何ですか?

何かにはさまれることをいつから 「はさまれ」 などと呼ぶようになったのですか?

そんな勝手な名詞化はゼッタイに許さんっ

しかも頭に来るのは、これの右側のひもやコード類に関する注意書きです。



ここではちゃんと正しい日本語が使われているのです。

自分の身体ではなくひもやコード類がはさまれるという複雑な事態を、

全3行にわたって、総字数26字で表現しているのです。

だとしたら、あちらもわけのわからない名詞を用いて総字数16字に縮めるよりも、

「ドアにはさまれないよう

 ご注意ください。」

と、たった3文字多いだけの19字で正確に言えばよかったじゃないですか。

フジテックはこのパネルを日本全国のエレベーター内に掲示しているのでしょうか。

そしてそれに乗降する何千万人という日本人を日に何度も不愉快にしているのでしょうか。

ああ、この手のものの校正を一手に引き受けたい。

こうしたパネル看板が誤って世に出てしまう前にすべてチェックする人になりたい。

別にこれで儲けようとは思わないので1件1,000円くらいでOKです。

これから何か人目に触れるパネルや看板を製作しようとする人は、

ぜひ 「誤植ハンターまさおさま」 にご用命のほどよろしくお願い申し上げます。