インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

戦士が生きる環境

2014-01-08 08:38:02 | 身の回り
 雅太は朝方マジカルパスをした後、小説の登場人物になったかのようなスリルあふれる事件の夢を見た。体外離脱前の前兆としてこういう夢を見る。実際に温泉に浸かったり、強盗と戦ったり、ドタバタする感触にリアル感があった。雅太は「これをそのまま原稿に記入すれば…」という何時もの発想になり、一応記録しておく。正月に雅太がこういう冒険的な夢見られなかったのは、精神的ストレスがに由来するものと思われた。

 出勤時間を気にしながらブログを書いたり眠りに就いたりするのも、戦略的に重要なのかなとも、雅太は思い始めた。時間が有り余れば、案外、密度が薄くなったりするものである。

 正月に雅太は何もかも捨て、ひたすら眠った。それは夢見を体験するための戦士の道であったのだが、外から見れば寒い冬に起きられない、働きたくないといった怠け者の道であったのかもしれない。

 インディアンの若者は断じて働いてはいけない、それは夢見が出来なくなるからだという声は、次元が違う社会での話であり、雅太が今、ここで生活しているのは、カネを媒介として支え合っている資本主義社会である。

 ブログを書くにも、水を使うにも全てカネがかかるという世界で、賃借であれば家賃が、持ち家であれば固定資産税が課されるのである。そこに住んでいるだけで住民税が課され、失業しても逃げ切れるものではなく、差し押さえという手段で圧迫してくるわけである。社会に背を向ける者に対する当然の仕打ちかもしれぬ。「生き方は他にある、人生はカネではない!」と幾ら戦士の道を叫ぼうが、何か空虚な響きを持つ。現実はカネという化け物が、戦士が戦うもう一つの心さえも占めているのであろう。

 と、そこまで書いていた時、雅太の頭に、そろそろオイル交換やらフィルター交換が必要でと、千円札が羽をつけて羽ばたいていく姿が過ぎる。三か月後には車検が控え、万札が飛んでいく姿も重なる。
 経済的な精神ストレスというのは、労働ストレスを凌駕するものだと、雅太は大きく息を吐いたのでった。

 

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