インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

本物志向?

2013-09-06 17:23:28 | 身の回り
  雅太は、チョコレート効果カカオ86%を一切れ齧って、さっき宅配で届いたばかりのペーパーバックを眺めた。雅太がインターネットで衝動買いした書物は全部で5冊あった。一冊を手に取る。『THE POWER OF SILENCE』。ペラペラ捲ってみると、翻訳されたものと一味違うと思った。雅太は本棚から『沈黙の力』を取り出し、裏返してみた。値段は2,200円。ペーパーバックは897円である。重量も半分ぐらいしかなく、字面も簡潔であるような気がした。雅太は昔は英語をそれなりに勉強した気がしたが、今では錆びついており、無駄ではなかったかと思うこともあったが、ここで役立たせようと決意したのであった。
 雅太は、有機栽培コーヒーを一口飲み、英語版では何でこんなに簡潔なのに、翻訳版では難解極まりないのかと首をひねる。忍び寄りが、stalking、見る者が、seersとなるが、いっそのことストーキング、シーアーズと造語のような感じであった方が分かりやすかったのではと思ったりする。雅太は分からないところがひょっとして原書で分かるのではないかと期待しているのだが、同時に英語もスラスラ読めるようになることも望んでいたりした。だが、スラスラ読めるのは、翻訳版を読み込んでいるので当然であるわけだから、何て自分はバカなことを期待しているのかと雅太は苦笑いをしたりしていた。
 本物を生でそのまま食べる。それは雅太が玄米をギャバ増強で炊飯し、電気圧力鍋でカボチャやらサツマイモ、さらにはアジ、イワシまで丸ごと食べてしまうという、日常生活をそのまま反映しているのかも知れなかった。コーヒーも砂糖も入れず、高級品をストレートで味わう。砂糖を使うならば、黒砂糖、いや、はちみつにして、それ自体を味わうのである。健康志向の雅太であるが、風邪が治らず、何度も咳をしていた。今、不健康な読書に耽ろうとしている。そして何日か経った後、雅太は愕然とするのかもしれない。

 それなりの調理器がなければ、かたい野菜や玄米など食べれるものではない。雅太は果たしてペーパーバックを消化できるのか。大昔に使った英単語集や参考書を読み返してみたりするのであった。