インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

最近の読書傾向

2010-03-21 22:47:53 | 映画や小説、テレビなど
 本を集めるのが趣味で、それゆえに読書をするが(何か表現が変だ)、最近面白い本をGETした(珍しく連続で読了した)。

 まずは平成の蟹工船なる横帯があるモノ。
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
黒井勇人
新潮社

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 IT企業に入社した28歳の若者の体験談(2ちゃんねる形式)であるが、実に面白かった。かなり濃いキャラの仕事仲間(井出、藤田、上原?)に囲まれた主人公のマ男が、サービス残業ばかりして、「IT業界はすげ~な~」と思わせられる一作(ココが特殊なのか?)。

 最もブラック会社は珍しくなくて、自分が今勤めている所も…(灰色か)。しかし、この間のバイト先は完全にブラックだったから、ましに思えるし、求人募集を見れば、ブラックばかりなのではないのか。

 そもそも、「ブラック企業は嫌だ」というなら、自分がプレーヤーとなって事業をすればいいだけの話で、ブラックに自分を委ねたのは自分の勝手であるから、恨むのは筋違いか。

 次に強烈な新書。リーマンショック以降に発行されたから割と新しい。

 
リストラされた100人貧困の証言 (宝島社新書)
門倉 貴史,雇用クライシス取材班
宝島社

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 リストラといっても、元々の立場が高いほど、転落の衝撃が激しいわけで、その不幸が描かれている(それを読みたがるというのも…)。まさに「他人の不幸は蜜の味」って感じで、youtubeのネットカフェ難民を閲覧するのと同じ感覚か?(それをやると、運勢学的に、いつの間にか同じドツボにはまるらしい)。

 昔は某会社で儲けていたが、今は警備員やタクシー運転手、介護士、レジの店員で収入が少ないとか、至る所で見られる現象だから、全然珍しくないわけだが、こう具体的に叙述されると想像力が膨らみ、心に響くものがある。

 金持ちの飼い主に捨てられた犬の場合、野良犬になったら苦労するのは間違いない。