インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

原油帝国主義

2008-03-21 22:54:47 | 経済
 恒例になった経済雑誌を紹介するコーナー。今回は、東洋経済『アジア激変~中国と向き合う小国の大決断~』とエコノミスト特大号『原油「帝国主義」~100㌦時代、進む新興国へのパワーシフト~』である。

 二冊で1200円もした。ネットを漁ればこれくらいの情報は出てくるだろうから、もったいない気もする。無数にある情報の一掴みにすぎないのだから…。

 アジア激変では、「アジア企業成長力ランキング」なる一覧表が4ページ続く。「世界景気のセンサーは韓国とマレーシアだった」という記事で、シグナル国の生産増加率が若干高まっている(景気は良くなる?)とある。アジア株を買う予定の人は買って読む価値があるだろう(ないかもしれない)。

 今回は、特大号で値段が60円高いエコノミストのほうが面白かった。「石油消費国から産油国へ流れた巨額の資金は、オイルマネーとなって再び先進国経済に還流している」とあり、「サブプライムで膨らんだオイルマネーが、サブプライムで財務体質の劣化した欧米金融機関を救済する奇妙な資金循環が出来上がっている」ようだ。

 アメリカにとってエネルギー産業は、農業、ITハイテク、航空宇宙と並ぶ重要産業であるが、石油メジャー(セブン・シスターズ)が凋落し、資源ナショナリズムによって国営石油企業の新セブン・シスターズ(ロシアのガスプロム、中国石油天然気集団、イラン国営石油会社、ベネズエラのPDVSA、マレーシアのペトロナス)が世界のエネルギーの主導権を握るらしい。

 ここまで書くと、もはやインディオ通信の領域ではないが、古代インディオの発明したトウモロコシのバイオエタノールが、米国の代替エネルギー戦略である。これでトウモロコシの需要が増えて、シカゴの穀物市場で値段が二倍となっているらしい。しかしバイオ燃料にも限界があり、「農業部門」まで共倒れになるかもしれない、という。

 今後も石油価格は上昇し続ける(らしい)。オイルマネーは世界的な分散投資を、英国などの国際金融センター経由で、米国など世界に還流する。中東は通貨がドルと連動しているが、ドル離脱へ…。

 総じて、アメリカに関しては、良いことが書かれていない。これからは中国、中国の時代だとはいえ、貿易黒字の6割以上はアメリカへの輸出から生じているから、アメリカが倒れれば、中国も傾くわけで、わが日本も傾くだろうから、これから世界が不況に陥るだろう。

 特に円高が酷いから、エコノミストを参考に、なんでそうなるか、マネー神の崇拝でUPしておいた(苦しい文章ですね)。

 う~ん、日本経済がスランプに陥るなら、…こんな雑誌を買うより、節約しといた方がいいかもしれん(大して変わらないか)。