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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

エボラウイルス研究の最前線

2015-07-24 23:05:05 | 大学公開講座
 講師の高田礼人教授は今やエボラウイルス研究の世界の第一人者といえるほど注目を浴びる存在のようである。私は高田教授の話に期待していた。しかし、ミクロの世界の話は難しい!! マイリマシタ…。 

 北大公開講座「人と環境が抱える難問~その解決の最前線~」第7講は、第6講と同じ20日(月・祝)の午後、第6講に続いて行われた。第7講のテーマはタイトルと同じ「エボラウイルス研究の最前線」と題して、人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人(あやと)教授が務めた。
 私が高田教授の存在を知ったのは、NHK・TVの「プロフェッショナル・仕事の流儀」が高田氏を取り上げた回を視聴したことからだった。

               

 番組では高田教授の業績を次のように紹介していた。
「高田氏はエボラ感染を防ぐ『究極の抗体』の発見したのである。エボラウイルスには現在知られているだけでも5つの種類があり、これまで一定の効果が認められている治療薬などは1つの種類にしか効かない抗体を利用したものだ。高田氏が発見した『究極の抗体』は5つすべての種類に効力を発揮するため、どの種類のエボラウイルスに感染しても対応ができるという、かつてない治療薬といわれ、世界が待ち望んだ世紀の発見とも言うべき偉業なのである」と…。

 ところが講義において高田氏はそうした業績を誇ることもなく、エボラウイルスの実態を淡々と紹介するだけだった。その淡々さが素人には厄介なのである。何せ日常的にはまったく縁のないミクロの世界の話である。ウイルス自体、野口英世博士時代の光学顕微鏡では確認することができないほど微細なものだそうだ。
 以下は、私が高田氏の話から断片的に理解できたことを整理するしかないレポートである。

 ウイルスは自然界の野生動物に寄生しているものだという。これを〔自然宿主〕と称する。これが家畜や家禽、ヒトなどに伝染して感染症を引き起こすということだ。ウイルスがヒトなど伝染した場合、それを〔終生宿主〕と称する。
 エボラウイルスの場合、致死率が高いため、そこからの伝染はあまり考えられなく(つまり、長い期間ヒトの中で生存し続けない)、現在課題となっていることはエボラウイルスの〔自然宿主〕を見つけ出すことだという。
 候補としては、フルーツバット(こうもり)が有力視されているらしいが、まだフルーツバットからウイルスを見つけるに至っていないということだ。

 以上が精一杯だった。
 高田氏をはじめとした研究グループはアフリカ・ザンビアに北大人獣感染症リサーチセンターの拠点を設けて研究を進めているとのことだ。
 また、きわめて致死性の高いウイルスが相手の研究のため、BSL4(バイオセーフティレベル4)という緻密性の高い施設での研究を余儀なくされているとのことだが、この施設がまだ日本にないこともあり、世界中を飛び回っている日常だということだ。

 ともかく、私たち凡人には理解の範疇を越える研究に没頭する毎日の高田教授のようである。
 Wikiで知ったのだが、高田教授は2010年にTBS系の「情熱大陸」でも取り上げられたらしい。
 そこでのエピソードだが、「エボラウイルスに感染して死ぬのは怖くないのか?」と問われて、「仮に、そりゃ死ぬの考えたら嫌だなぁとは思うけど、もし、俺、アフリカで感染したら絶対感染したまま日本に帰ってきますから」と笑顔で答えたという。その理由を彼は「それくらいやらないと、日本でそういうことが起きないと、日本にBSL4施設を作りましょうってならないんだもん」いうことだった。

 高田氏の世界的な研究がまだ日本ではそれほど注目を浴びていないことの一つのエピソードではないだろうか?
 高田氏がウイルスに感染することなく、これからも研究を進められることによって、やがては日本にも理想的な研究環境が整えられることを願いたいと思った。
 う~ん。ミクロの話は難しい!


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