北海道内を舞台にした懐かしい映画(と言っても新しい映画もあるのだが)を連続上映する「シネマの風景フェスティバル」が札幌東宝プラザ(中央区南2西5)で6/26~7/2の日程で始まった。私はお得な回数券を購入し、6本全部を観ようと張り切っている。懐かし映画の感想を数回にわたってレポートすることにする
※ 映画「Love Letter」のポスターです。
秀作である。間違いなく第一級の映画である。
日本映画界の俊英 岩井俊二監督の初の長編映画ということだが、脚本・監督の手腕によって映画が輝きもすれば、曇りもするということを改めて教えられた思いである。
1995年制作のこの映画は日本でも高く評価されましたが、韓国で公開され大ブームになったということであるが、そのことが心から納得できる思いである。
映画のロケ地は小樽市である。
ヒロイン(中山美穂)の亡くなった恋人が育った街という設定である。岩井監督とコンビの撮影監督(篠田昇氏)が小樽の街を幻想的に描いている。
ストーリーに興味のある方はこちら(⇒)でご覧ください。
主演の中山美穂をはじめとして出演者陣の自然な演技が観ているものをストーリーの中に引き込んでいきます。じわ~っと心を温かくしてくれるスクリーンに涙線の弱くなったおじさんは目の周りをうっすらと湿られせたのでした。
ネット上にこの映画の良さを能弁に語っていた投稿があったので、その一部を作者に無断で転写することにします。
うっわあ、やられた~、完敗だ~、もうたまんないよ、その瞬間の樹の表情!
その時、いろんなシーンが頭によぎるんですが、やっぱ一番は図書室でのやり取りなんですね、自分は。
この作品は、婚約者と同姓同名の女性、その女性が自分とうり二つであること、そしてそれを知ったことで婚約者が自分を愛した理由が分かるという重層的な構成が魅力的だと思います。 なにげに物語前半、伏線張ってるんですよね。
中山美穂の演技はもちろん素晴らしくて、だけど同じくらいに出演者から自然な演技を引き出している岩井監督の演出力は見事だと思います。
観終わった後、「ハァ~、温かいものをごちそうさま」って感じです(笑)。
そんな岩井監督らしい作品が最近観られないのはファンとしては残念なこと。
聞くとこによれば、岩井作品の常連である撮影監督の篠田昇氏が逝去したことが少なからず、というか、かなり影響を与えているみたいですね。
岩井俊二作品には欠かせない、独特の淡い画調はこの人の才能に依る所が大きかったと聞きますから、岩井ファンとしても誠に残念でなりません。
でも...それでも...また才能のある人を見いだして、彼らしい世界を、物語を紡いで欲しいです。
そう、私たち岩井俊二ファンはあなたに心を込めてLove Letterを送ります。
願わくば、私たちの願いがあなたの心に届きますように......。
※ 主演の中山美穂と豊川悦司が演ずるワンシーンです。
ちょっと興醒めのエピソードを紹介します。
映画の中で小樽市の中学校の入学式のシーンがありました。
その中でサクラの花びらが舞っているシーンが映りました。北海道の4月初めにサクラはあり得ません。昔、小学校時代に学習雑誌などを購入すると4月号は決まってサクラの花が表紙を飾っていて違和感を感じたものですが、やはり日本人(本州人)にとっては「入学式とサクラ」はセットとして刷り込まれていることを感じさせてくれたシーンでした。
(映画観賞日 ‘10/06/29)
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また、ロケ地となった小樽市には大挙して韓国人観光客が訪れたということですよ。
日本と韓国はつい最近までいろいろな経緯からいがみ合うことが多かったのですが、こうしてお互いの文化交流を深めることによって互いを尊重しあうような間柄になっていきたいですね。