映画は1982年制作のアメリカの空軍士官学校における士官候補生の青春を描く作品である。若者ザック(リチャード・ギア)が士官学校において人間的に鍛え上げられていく過程を縦糸に、ほんの出来心だったポーラ(デブラ・ウィンガー)との恋を育んでいくことを横糸にして甘く切ない青春を綴った佳作である。
BS映画がばかりで恐縮だが、BS映画の良さの一つは途中でCMが入らない点である。さらに吹き替えではなく、オリジナルの音声に字幕が付いている映画ということで、映画館で観るのと同じように観ることができる点に良さを感じている。また、今回は録画してあったために、このブログを作成するために昨夜もう一度見直すこともできた。
ザックの幼年時は母親が自殺し、父親は海軍に所属するも淫らな生活を送りザックを顧みようともせず、ザックは周りから虐められるばかり幼年期をおくったため、他人を信じられない性格の青年となってしまった。そんな彼は父親を見返してやろうとパイロットを目指し空軍士官学校に入校する。そこで待っていたのは鬼軍曹のフォーリー軍曹(ルイス・ゴセット・ジュニア)だった。
※ 士官学校入校時、早くもフォーリー軍曹に目を付けられたザックです。
鬼軍曹の理不尽とも思える徹底的なしごきの中でザックは徐々に周りの人間とも溶け込めるようになり人間的な成長を見せていく。
一方で訓練の息抜きくらいの軽い気持ちから地元の女子工員のポーラと親しくなる。ポーラの誠実な心はザックの心を捉え始める。
しかし、ザックは厳しかった士官学校の過程を無事乗り越え、次の訓練施設に移らなければならなかった。さて、出来心だったポーラとの仲はいかに??
※ ザックがポーラをお姫様抱っこした場面はかなり有名になりました。
主演のリチャード・ギアは映画出演時、計算するとすでに33歳とけっして若くはない。しかし、空軍士官学校生を違和感なく演じていたように思う。また、耳に懐かしい主題歌が良い。主題歌を歌ったジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズはけっして美声ではないが、リフレインされる歌の最後の部分「Love lift us up where we belong」が非常に耳に残る名曲である。
なお、邦題は「愛と青春の旅立ち」だが、原題は「an officer and a gentleman」である。直訳すると「士官である前に紳士たれ」である。アメリカ人が邦題を聞いたらびっくりするのではないだろうか?