お一人は若い時に一週間のセミナーに参加した体験談を、そしてもうお一人は信者だった知人の娘さんを親元に連れ戻すまでの体験談を、それぞれ語ってくれた。お二人にお話を伺い、改めて統一教会の凄まじさを知る思いだった…。
私が所属するシニアの生涯学習グループ「めだかの学校」は、10月から本年度後期の新しい学習に入った。その一つは、映像資料を用いた学習で、北海道を舞台とした大泉洋さん主演の三部作と、産経新聞制作の「平成三十年史」をミックスして、視聴後に感想を語り合う学習と、もう一つが「トーク&ディスカッション」と称して、会員がテーマを設定して30分間程度にわたってお話をし話題提供をした後、全体で語り合うという学習である。
10月23日(月)は、その「トーク&ディスカッション」の第1回目が行われた。
最初に登壇したK氏は、60年前の若き頃に路上で「唯物論と唯心論の総合理論のセミナーに興味ありませんか?」と問いかけられ、さらに「キリストが復活し、予言のとおり現代に生まれ変わられたのですが、おとうさまと呼んでおります。是非とも研修セミナーに参加を」と誘われてそのセミナーに参加したそうだ。一週間のセミナーだったそうだが、K氏はそこでセミナーのうさん臭さに気付いたそうだ。K氏はセミナーの内容そのものについては詳しく触れなかったが、そこにはその後に旧統一教会が財産家を狙う勧誘や高学歴の学生を勧誘すること、あるいは高額献金、霊感商法、原理研究会、合同結婚式、等々に繋がる原風景があったという。
続いて登壇したM氏はおよそ30年前の体験談を語った。M氏の会社の上司が仕事が手に着かないほど焦燥している原因が、娘さんが旧統一教会の信者となって家に寄りつかなくなったことだと分かり、上司や知人と共に娘さんを旧統一教会から離脱させるために奮闘した経緯をお話された。M氏によると、家族や関係者が信者を離脱させるための動きを始めると大変な警戒をするそうだ。M氏たちは何度も何度も失敗を繰り返した後になんとか娘さんを取り戻すことができたそうだ。娘さんは大きな病院の看護師をされていたそうだが、そこで先輩の看護師から勧誘されたという。
お二人のお話を聴いてから、私がコーディネーターを務めながら会員同士のディスカッションに移った。すると会員の中から、「実は私も半分信者になりかけた体験があります」という発言があった。その方にお話によると、当時は病気がちで体調に不安があったところをついて非常に親切に近づいてきたという。そして時をみて、教会の高額商品の購入を勧めてきたという。断り切れずに最も低額の壺を購入させられそうだが、低額とはいっても云十万円だったそうだ。そのことでその方は相手方のねらいに気付き、強く拒否したことでそれ以後近づいてこなかったことで難を逃れたという。
話題が話題だけに、話し合いとしては盛り上がった話し合いとは言い難く、進行の難しさも感じたが、そのことより私たち10数人の小さなグループの中で、これほど旧統一教会に関する体験談を聴かされるとは思っていなかった。
旧統一教会は今、文科省大臣から解散請求が裁判所に提出されたと聞いている。しかし、旧統一教会がすでに「世界平和統一家庭連合」と名を変えたように、今後も名を変え、手段を変えて、私たちの前に現れることは十分に予想される。信仰は本来自由なものではあるが、私たちはその本質を見抜く目が要求されるということなのかもしれない。う~ん。難しい世の中ですなぁ…。
※ 今回はコーディネーターを務めていたこともあり、写真を撮る余裕がなかったのでイラストでお茶を濁すことにします。