田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

世界経済を俯瞰する。そして…

2019-11-17 16:53:06 | 講演・講義・フォーラム等

 それはまるでトークショーと称するようだった。経済の話など、私にとってはいつもちんぷんかんぷんだったが、今回のお話には惹き込まれるように話を聞き入ってしまった。それほど講師の話は魅力的だった。

        

 11月15日(金)午後、札幌文化芸術劇場hitaruにおいて「野村証券札幌支店開設80周年記念特別講演会」が開催された。私に受講資格はなかった(野村証券の顧客が対象のようだった)が、知人が受講券を譲ってくれたので厚意に甘えて受講させてもらった。

 講演は二部となっていて、第一部が野村ホールディングスの池上浩一シニア・コミュニケーションズ・オフィサー(SCO)が「グローバル化する世界~新たな時代にチャンスをつかむ日本、そして北海道~」、第二部は日本ラグビーフットボール協会清宮副会長「清宮流マネージメントの極意「情熱、言葉の力、独自性」~人を支え、組織を動かす~」と題してそれぞれ講演された。

 私は清宮克幸氏の話を聞きに行ったつもりだった。だから拙ブログでは清宮氏の話をレポするつもりだった。しかし、第一部の池上氏の講演にすっかり惹き込まれてしまった私はこのことをどうしても記録として残しておきたくなった。予定外ではあるが、清宮氏のレポは明日アップすることにして、ここでは池上氏のお話にフォーカスしてレポすることにした。

               

 池上氏の肩書は前述したとおり野村ホールディングスのSCOである。つまりは野村證券の顧客に対して株式投資をお勧めするのがその役割である(と思う)。だから投資の話などその資力もない私にとっては関心外のことであった。だから池上氏の話は、清宮氏の話の前座くらいにしかとらえておらず、聞き流そうと思っていた。ところが…。いざ講演が始まってみると、一瞬の淀みもなく滔々と語りながら、その内容も実に明快な話に私はすっかり魅了されてしまった。

 池上氏の話をかいつまんでレポしてみたい。池上氏は世界の経済の長期的な流れは“グローバル化しフラット化する”とした。“グローバル化”については今や各界において常識化しつつあるが、“フラット化”という概念は耳新しく私には聞こえた。つまり、世界の経済の歴史を眺めてみると、20世紀初頭はイギリスの時代であり、やがてそれはアメリカに取って代わられ、20世紀後半になると日本、ドイツが席巻し、今や中国、インドなどアジアの国々が伸長し、近い将来はさらなる新興国や資源国がのし上がってくるとした。つまり世界は経済的には平準化(フラット化)の道を歩むとした。こうした動きは投資家たちの“国際分散投資”の動きを生んでいるとした。

 私は投資の話より、池上氏の新たなる時代の読み方に注目した。それによると、グローバル化し、フラット化した時代に入り日本企業は地球企業に変貌しつつあるとし、さらには農業改革によって日本は世界一の農業国となり、観光業改革によって世界最高の観光大国になるという。そうすると北海道は世界の中心となるのではないか強調された。(道民に対するリップサービスも含まれているか?)続いて外国人の永住権を認める制度によって、日本が外国人にとって世界で最も働きやすい国となれば日本の未来は明るいとし、日本の産業構造の改革で地方が活性化されれば、格差の是正を世界で最初に解決する先進国となり、世界で最も尊敬を集める国になるとした。

 なんだかずいぶんと楽観的な見方にも思えるが、最後に池上氏は忠告も忘れなかった。過去の歴史を謙虚に学べば、過去から現在までの延長線上に日本の明るい未来はないとし、来るべき厳しい未来を予想した上で、現在何をしたら良いかを考えるべきだと指摘した。そのためには、日本から世界を見るのではなく、世界から日本を見る視点が大切であるとした。

 そして投資家に対しては、国際分散投資をしていかねばならないと強調した。

 株の世界のことなど全く分からない。経済のことについても専門家の見通し通りにはいかない場合が多々あるようにも思える。ただ、一つの考え方として興味深く拝聴した池上氏のお話だった。



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