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地域運営組織って何のこと?

2025-03-18 14:30:24 | 講演・講義・フォーラム等
 我が国の地方の人口減少、高齢化は私たちが思っている以上に深刻なようです。そうした状況の中で語られる「地域運営組織」という言葉を初めて耳にしました。いったい「地域運営組織」って何のこと?

     

 昨日(3月18日)午後、北海道立道民活動センター「かでるホール」において第9回目となる「道総研オープンフォーラム」が開催され、参加してきました。
 今回のテーマは「北海道で暮らし続けるために、これからの地域運営をどう支援するか」というものでした。「地域運営を支援する…」と言ったような文言がテーマに表現されるのは初めてのことではないでしょうか?

 フォーラムの構成は次のようになっていました。
 ◆基調講演 「地域づくりと地域運営組織のあり方」 明治大教授 小田切徳美氏
 ◆成果発表 道総研の各部局の方6名が、テーマの沿った研究成果、または研究経過を発表された。
 ◆パネルディスカッション 「実践ガイドを、現場でどう役立てるか」
   4人のパネリストによるディスカッション

 となっていました。私は基調講演と成果発表には耳を傾けることが出来ましたが、パネルディスカッションは所用があったために退席し聴くことが出来ませんでした。
 その中、私が注目したのは小田切氏の基調講演でした。小田切氏は、「我が国の人口減少、高齢化は地方へ行くほど推計を上回るスピードで進展している」とし、特にその傾向が西日本において顕著であるとも指摘されました。そうした地域では、住民の足、食料の確保、等々、いわゆる地域のインフラを護ることが課題となっているそうです。そこで今、総務省が提唱している住民主体による「地域運営」の組織づくりを進めることが喫緊の課題となっていると指摘しました。

      
      ※ 講演をされる小田切明治大教授です。

 その「地域運営組織」とは、小田切氏が説明されたことがネット上でも要約されたものが見られたのでそれを転写すると…、
 「地域運営組織とは、地域の暮らしを守るために、地域住民が中心となって 
 形成され、地域課題の解決に向けた取り組みを持続的に実践する組織です。
 これらの組織は、協議機能と実行機能を持つ一体型や、協議機能を持つ組織
 から実行機能を切り離した分離型など、地域の実情に応じた様々な形態があ
 ります。地域運営組織は、人口減少や高齢化が進む地域においても、必要な
 生活サービス機能を維持し、地域 住民自らが主体的に地域の将来プランを
 策定することを目指しています。」
となっています。

 この説明を読むかぎり、これまでこうした住民のためのインフラ整備や住民の命を守ることは地方自治体の役割だったのですが、今や自治体も職員減の状況の中で十分にその役割を果たすことが難しくなっている状況から「自分たちのことは自分たちで…」ということを国から求められていることなのでは?と解釈しなくてはならないす状況を迎えていることなのか、理解せざるを得ませんでした。

 小田切氏は面白い言葉を使われました。それは「天気と人口、農業は西から変わる」と述べられました。そしてまた、こうした地域課題解決に向けての動きも西日本各地ではいち早く動き始めているとのことでした。
 2023年度現在で、日本各地、特に西日本を中心にしてこうした地域運営組織がすでに7,710組織(それは全国の50.2%の市町村にあたります)が起ち上がっているそうです。一方、北海道はというと、疎の組織率はまだ20.7%に止まっているとのことでした。(組織数については不明)

 その後、小田切氏は既存の地域運営組織の具体例をいくつか紹介してくれましたが、そのことは割愛させていただきますが、その特徴はこれまでの住民活動が助成金などをもとに動いていたものが、この地域運営組織では「利益」も生み出そうとする組織だということなのです。つまり自立した組織を求めているということが大きな特徴のようです。
 
 う~ん。人口減少という問題は、これまで「困った時には行政頼み」的な気持ちが私たちの中にはありましたが、これからはそうした意識を変えていかねばならないということなのでしょうかねぇ~。
 それにしても、北海道総合研究機構(略称:道総研)は、これまでは地域が抱える科学的な諸問題を解決するための研究機関だったものが、地域そのものを維持するために支援する機関へと変貌を迫られているということなのでしょうか???
 時代の変遷を肌で感じさせられた今回のフォーラムでした…。


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