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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

リカレント教育の今を知る

2024-03-07 15:52:11 | 講演・講義・フォーラム等
 リカレントとは?「循環する」、「再発する」という意味がある。つまり「リカレント教育」とは一度社会へ出た人が学び直す教育を指す言葉である。現職時代、多少関わった経験のある私は、その現状を知りたくて会場に足を運んだ。

     

 3月4日(月)午後、TKPガーデンシティPREMIUMにおいて「北海道リカレント教育プラットフォーム」なるところが主催する「第2回北海道リカレント教育プラットフォームシンポジウム」なる催しが開催され「リカレント教育」という言葉に現職時代に多少関わった経験があったことから触発され参加した。
 プログラムは、まず基調講演として帯広畜産大学長であり、「とかち熱中小学校」校長も務める長澤秀行氏「もういちど七歳の目で世界を―熱中小学校の取組み」と題しての講演があった。

        
                 ※ 講演される長澤秀行帯広畜産大学々長(十勝熱中小学校長)です。         

 続いて、一昨年経営統合した帯広畜産大学、小樽商科大学、北見工業大学の担当者がそれぞれ自大学におけるリカレント教育の事例と成果報告をそれぞれされた。
 そして最後に関係者3名が登壇して「北海道におけるリカレント教育の課題と展望」をテーマに意見を交換しあった。
 長澤秀行氏の「とかち熱中小学校」のお話は大変興味深かった。
 「とかち熱中小学校」は帯広市を拠点として、広域連携型の人材交流や学びのシェアを目的に、大人の学びの場を提供して、開設からすでに6年も継続しているとのことである。
 同じような目的を持った「熱中小学校」は全国的に展開されており、講師陣も充実していて、そうした講師が全国を飛び回って講義を展開しているとのことだった。受講生はそこで新たな知識を得るとともに、異業種の方々と人脈を結ぶなどの効果で出ているという。
ただ、開設が6年前から、ということは三大学が経営統合する前から活動しているということでは、経営統合による効果とは別次元のことなのかなぁ、という思いが私の中に「?」の思いが残った。
 一方、統合を機に始められた「北海道リカレント教育プラットフォーム」をベースとした各大学の「リカレント教育の事例と成果報告」では、それぞれの大学の取組みの内容が報告されたが、正直な感想としてそこに三大学が経営統合されたことによる相乗効果のようなもの感ずることはできなかった。考えてみれば、社会人が学び直すということは、各々の専門性をさらに高める、あるいは新知識を得るということであるから、それぞれの大学の専門性を追求するという意味において、リカレント教育において三大学が連携を図るということ自体が無理な話なのかもしれないのだが…。
 プログラムの最後に「北海道におけるリカレント教育の課題と展望」と題するパネルディスカッションがあった。登壇者は、◇キャリアバンク(株)取締役:益山健一氏、◇北海道労働局:内海晴之介氏、◇小樽商科大学:北川泰治郎氏の3人と、コーディネーターとして北海道国立大学機構の鈴木将史氏が登壇した。

         

         
         ※ パネルディスカッションに登壇した方々です(上の写真も)

 キャリアバンクの益山氏はさすがに民間の人材サービスを展開する会社の方である。これから企業においては、ITスキルを持ち、それをビジネスに転用できる人材が求められとし、そのためにリカレント教育はますます重視されるだろうと指摘した。また、将来の日本企業の姿はラグビーの日本代表のように多国籍の人材が在籍するものとなるだろうとした。したがって、外国人にもリカレント教育を受けさせる体制が必要だと指摘した。
 北海道労働局の内海氏からは、リカレント教育を推し進めるための厚労省が用意している助成制度について説明された。助成制度自体がまだまだ企業側に行き渡っていない現状を憂慮され、労働局としては制度の周知徹底を図っていきたいと述べた。
 対して、北川氏はリカレント教育を実施する側として、企業の経営者の理解と社員の再教育を後押しする姿勢の変化を求めた。また、研修自体を評価するような企業の姿勢を求めた。
 シンポジウム全体を通じて私が感じたのは、三大学が経営統合して「北海道リカレント教育プラットフォーム」を起ち上げたということだが、本当に三大学が統合して起ち上げたプラットフォームが機能しているのだろうか?という疑問が若干残った。先述したようにリカレント教育自体は専門性が求められることから、それぞれの大学の専門性に依拠した教育が行われると想像されるのだが、そこで止まってはいないだろうか?私はまったくの外野の人間であるが、そんな外野の人間にも「あゝ、統合によってこんなメリットがあったんだ!」というものを、これからの実践の中で見せていただきたいと思ったのだが…。
 なお、私が多少関わった経験とは、現職時代に6年間ほど社会教育の仕事をやらせていただき、社会人の教育(学習)のお手伝いをした体験があったので、そうした表現をさせてもらいました。


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