吹奏楽としては北海道内のトップクラスを自認する北部方面音楽隊の演奏は、さすがに熟達した技を十分に披露してくれた。ただ、演奏を聴いていた私の中で、いま一つ音楽を楽しむときの心地良さを感じられたのは何故だったのだろうか?
1月25日(日)午後、キタラ(札幌コンサートホール)で陸上自衛隊 北部方面音楽隊第73回定期演奏会が開催され、入場券を申し込んだところ、運良く入場券が舞い込んだので会場に赴いた。北部方面音楽隊の人気は高いようで、大ホールはほぼ満員の聴衆で埋まった。
演奏は、聞き覚えのあるワーグナーの「歌劇『タンホイザー』より大行進曲」から始まった。さすがにプロの集団である。前日聴いた「市民吹奏楽祭」に出演した団体との格の違いをみるような演奏だった。演奏陣も総勢60名を超え、音に厚み、音のバランス、全てが一級品といった感じだった。
その他のプログラムは次のとおりだった。
◇「吹奏楽のための序曲」 F.メンデルスゾーン
◇「4つのスコットランド舞曲」 M.アーノルド
《 休 憩 》
◇「パンチネロ」 A.リード
◇「シンコペーテッド・マーチ『明日に向かって』」 岩井 直博
◇「吹奏楽のための交響詩『ぐるりよざ』」 伊藤 康英
このラインナップを見て、音楽ファンならいざ知らず、一般の方でどれだけの方が聞き覚えのある曲が入っているだろうか? 私は残念ながら、最初の「タンホイザー」以外は初めて聴く曲ばかりだった。
何かのイベントを盛り上げるために演奏するのとは違い、定期演奏会であるから自分たちの最高のものを披露しようとする姿勢は理解できるが、それにしても1~2曲程度は親しみのある曲の選定はできないものなのだろうか?
私が心地良さをいま一つ感ずることができなかった二つ目の理由は、加藤音楽隊長の指揮をはじめとして、音楽隊全体の雰囲気がとても固く感じられたことだ。自衛隊という組織内の音楽隊であれば、くだけた感じの演奏はもちろんご法度だろうが、それにしても…、である。ピシッときまった制服姿もそれに輪をかけていたように思われた。
とここまで書きながら、それは自衛隊音楽隊がもつある種の宿命なのかもしれない、とも思っている。彼らの曲の選択、彼らの醸し出す雰囲気、それこそが自衛隊音楽隊に求められているものなのだろう。
そうしたことを、彼らの音楽を楽しむときには楽しむ側も理解して参加せよ、ということか?
最後の曲「吹奏楽のための交響詩『ぐるりよざ』」は、海上自衛隊佐世保音楽隊の委嘱によって作曲された、鎖国時代の長崎の隠れキリシタンの文化に着想を得た曲だそうだ。この曲はいわば自衛隊の音楽隊にとっては特別な意味を持つ曲なのだと思われる。
演奏には旭川護国神社の宮司による龍笛とのコラボの場面もあり、特に力を入れた演奏だったようだ。
なお、「ぐるりよざ」とは、キリスト教の聖歌"Gloriosa"が訛った言葉だと言われている。
北部方面音楽隊は、毎年2回の定期演奏会を行っているようであるが、次回は会場が教育文化会館だという。もしかすると、会場によっても曲の選定が違ってくるのだろうか?次回ももし入場券が手に入るようであれば、聴いてみたいと思っている。
1月25日(日)午後、キタラ(札幌コンサートホール)で陸上自衛隊 北部方面音楽隊第73回定期演奏会が開催され、入場券を申し込んだところ、運良く入場券が舞い込んだので会場に赴いた。北部方面音楽隊の人気は高いようで、大ホールはほぼ満員の聴衆で埋まった。
演奏は、聞き覚えのあるワーグナーの「歌劇『タンホイザー』より大行進曲」から始まった。さすがにプロの集団である。前日聴いた「市民吹奏楽祭」に出演した団体との格の違いをみるような演奏だった。演奏陣も総勢60名を超え、音に厚み、音のバランス、全てが一級品といった感じだった。
その他のプログラムは次のとおりだった。
◇「吹奏楽のための序曲」 F.メンデルスゾーン
◇「4つのスコットランド舞曲」 M.アーノルド
《 休 憩 》
◇「パンチネロ」 A.リード
◇「シンコペーテッド・マーチ『明日に向かって』」 岩井 直博
◇「吹奏楽のための交響詩『ぐるりよざ』」 伊藤 康英
このラインナップを見て、音楽ファンならいざ知らず、一般の方でどれだけの方が聞き覚えのある曲が入っているだろうか? 私は残念ながら、最初の「タンホイザー」以外は初めて聴く曲ばかりだった。
何かのイベントを盛り上げるために演奏するのとは違い、定期演奏会であるから自分たちの最高のものを披露しようとする姿勢は理解できるが、それにしても1~2曲程度は親しみのある曲の選定はできないものなのだろうか?
私が心地良さをいま一つ感ずることができなかった二つ目の理由は、加藤音楽隊長の指揮をはじめとして、音楽隊全体の雰囲気がとても固く感じられたことだ。自衛隊という組織内の音楽隊であれば、くだけた感じの演奏はもちろんご法度だろうが、それにしても…、である。ピシッときまった制服姿もそれに輪をかけていたように思われた。
とここまで書きながら、それは自衛隊音楽隊がもつある種の宿命なのかもしれない、とも思っている。彼らの曲の選択、彼らの醸し出す雰囲気、それこそが自衛隊音楽隊に求められているものなのだろう。
そうしたことを、彼らの音楽を楽しむときには楽しむ側も理解して参加せよ、ということか?
最後の曲「吹奏楽のための交響詩『ぐるりよざ』」は、海上自衛隊佐世保音楽隊の委嘱によって作曲された、鎖国時代の長崎の隠れキリシタンの文化に着想を得た曲だそうだ。この曲はいわば自衛隊の音楽隊にとっては特別な意味を持つ曲なのだと思われる。
演奏には旭川護国神社の宮司による龍笛とのコラボの場面もあり、特に力を入れた演奏だったようだ。
なお、「ぐるりよざ」とは、キリスト教の聖歌"Gloriosa"が訛った言葉だと言われている。
北部方面音楽隊は、毎年2回の定期演奏会を行っているようであるが、次回は会場が教育文化会館だという。もしかすると、会場によっても曲の選定が違ってくるのだろうか?次回ももし入場券が手に入るようであれば、聴いてみたいと思っている。
雪道は気をつけて歩いてくださいね。
ところで、最近のコメントをいただく方の名前が、りんりん、りん、みりん、みすず、みー、すず、ときたらかなり鈍い私でも気づいてしまいました。どうやらお一人の方からのではコメントではないか、と推測したのですがいかがでしようか?