懐かしい童謡が、お馴染みの歌謡曲が、声楽家の女性たちによって次々と披露された。声楽家が歌うと同じ曲でも地声で歌う歌手の歌とは違って聴こえてくるが、興味深い発見もあった。
1月5日(日)午後、札幌サンプラザホールで「声楽研究会CANTOR」が主催するニューイヤーコンサートが開催され、ちょっと興味を抱いて会場に駆け付けてみた。
声楽研究会CANTORとは、北海道教育大学名誉教授の雨貝尚子氏が教え子の声楽家たちの研鑽・発表の場として設けたのが「CANTOR」ということのようだ。その「CANTOR」の年に一度の発表会が今年で41回目を迎えたということだ。
※ それぞれの声楽家の皆さまの衣装の華やかさ華やかさは聴衆の目も楽しませてくれました。
開会で雨貝氏は「41年目ですから歳もとりますねぇ」と語って聴衆を笑わせたが、氏自身81歳という高齢であるが矍鑠として若々しかった。
コンサートの出演者は北海道教育大学をはじめ、大谷大学(雨貝氏は大谷大学の講師も兼務されていたようだ)の教え子、さらには他大学で学んだ方も数名加えた総勢25名がステージに登場した。披露された曲を羅列してみると、
◎「日本の歌百選」より残したい日本の名曲~歌謡曲編として
◇リンゴの唄、◇いつでも夢を、◇上を向いて歩こう、◇さくら貝の歌、◇秋桜〈コスモス〉、◇翼をください、◇涙そうそう、◇花、◇時代、◇いい日旅立ち、◇川の流れのように、◇見上げてごらん夜の星を
◎「大人のための童謡曲集」として
◇冬の夜、◇あの町この町、◇鞠と殿様、◇故郷〈ふるさと〉、◇十五夜お月さん、◇赤い靴、◇ゴンドラの唄、◇カチューシャの唄
※ 童謡曲の一部では、ディオによるアンサンブルの発表もあった。
◎全員による「合唱」として
◇荒城の月、◇今日の日はさようなら
以上、23曲だった。
※ それぞれの独唱も素晴らしかったですが、合唱は圧巻の迫力も感じることができました。
リード文でも触れたが、私のような素人が聴くと基礎がしっかりしている声楽家の歌う歌はどれも同じように聴こえてきてしまうところがある。今回もまたそのような思いにとらわれたのだが、よ~く聴いていると、やはり歌い手による違いのようなものが分かる思いがした。それはやはりそこに歌い手としての感情をどのように込めるかということではないだろうか?選曲の違いもあろうかと思われるが、感情が込められた歌を聴くと、それは聴き手にも伝わってくるように思えたのだ。コンサートは全体で4部に分かれていたが、それぞれの部で私なりに感動した歌があった。
※ 本日のフォトジェニック賞(?)歌ももちろん素晴らしかったです。
CANTORの主宰者である雨貝尚子氏も最後に「見上げてごらん夜の星を」を披露されたが、さすがに高齢とあって声量的にはいたしかたないところもあったが、声楽家らしく堂々と歌い上げたところはさすがに大御所といった貫録だった。
※ 主宰者である雨貝尚子氏の「見上げてごらん夜の星を」の独唱です。
披露されたどの曲も聞き覚えのある曲ばかりだったので、親しみ深く楽しむことができたコンサートだった。