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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 75 雌阿寒岳(オンネトーコース)

2017-08-19 21:07:37 | 北海道低山紀行 & Other
 言葉は悪いが、私は「雌阿寒岳をなめていた」ところがあったようだ。というのもこれまで何度も登頂経験があったからなのだが…。しかし、高度1,499m、標高差854mの山は、今の私にとってそれほど簡単な山ではなかった…。 

 雌阿寒岳は私が育ったところ、現職として勤務していたところからもそう遠くなかったことから、何度か登頂の経験があった。家族登山や友人との登山など…。
 特に思い出に残っているのは、○○小学校に勤務していた時代、私は全校の行事企画や実施計画を担当する部署に就いていた時、「全校野外体験活動」を企画した。その内容は、6年生が斜里岳登山、5年生は25キロ海浜ウォーク、4年生が雌阿寒岳登山、(以下1年生までそのレベルに合わせた野外体験活動を組んだ)を計画した。
 私は企画担当として、事前踏査のための登山、そして本番にと、何度も雌阿寒岳に登っていたこともあり、「まあ、大丈夫だろう」という感じで、今回の雌阿寒岳登山に臨んだのだったが…。

               

 8月15日(火)朝、北見から登山口のあるオンネトー湖畔に移動し、7時55分登山口をスタートした。雌阿寒岳は人気のある山とみえて、駐車場にはたくさんの車が駐車していて、すでに多くの登山者が出立しているようだった。

               

 スタートして間もなく、野生動物を観察するカメラが目に入った。傍に寄ってみると、入山者数をカウントする機器だった。

                    

 そこを過ぎると、間もなく階段状の長い急登が待っていた。それでもそこを通過すると、針葉樹林に囲まれた平坦な道がしばらく続いた。その針葉樹林の間には苔が張り巡らされた素晴らしい光景だった。

                    

                

 雌阿寒岳の登山道の特徴の一つのように思えるのだが、針葉樹の根が張り巡らされ、それがちょうど階段状になっていて、高度を増していった。どこの登山道でも木の根がうまく登山者を助けてくれるが、雌阿寒岳はそれが非常に特徴的に思える。

                    

                    

 特に厳しい上りはないものの、時に下る場面も交えながら、高度をぐんぐん上げていく。
 林相が低くなり、ハイマツが目立ってきたな、と感じたとき6合目の標識があった。登り始めて1時間45分が経過していた。

                    

                    

 6合目辺りから足場は火山らしくザレ場となってきた。周りもハイマツだけとなってきた。
 上空は山霧が全体を覆っている。7合目に到達したとき、霧が小雨状になってきたのでレインウェアを羽織った。
 ザレ場は続く。周りはまったく見えない状態の中、黙々と山頂を目指した。何も見えないモノトーンの世界の中で、足元に咲き残ったかのような一輪のイワブクロが唯一目を楽しませてくれた。

               
               ※ カメラがよれているのではありません。立っている木が゜斜めになっているのです。

               

               

               

 8合目を過ぎると、硫黄の臭いが漂い始めた。火口からの噴煙のせいだと思われるのだが、火口はまったく見えない。
 
 私の記憶では、8合目を過ぎると火口の外輪山の淵を登山道が通っていたように記憶していたが、淵からはやや離れたところに登山道は設置されていた。
 やがて霧の中に、外輪山の淵が姿をわずかに現したが、全体は霧の中だった。

               

               

               

 9合目付近だったろうか、一人の登山者Fさんと話を交わした。雌阿寒温泉コースから登り、「阿寒富士を目指しているのだが…」ということだった。Fさんは、そうしてオンネトーコースに下りるということだった。私はそのとき「あゝ、その反対に自分は雌阿寒温泉コースに下りるという選択肢もあるなぁ」と考えていた。

 登山開始から2時間55分後、たくさんの登山者が憩う雌阿寒岳山頂に到達した。

                    

 風はなかったが、何も見えない山頂に長居は無用である。私は20分間佇んだだけで下山を開始した。雌阿寒温泉コースへ下りるか検討したが、この時点ではまだ阿寒富士への登頂も考えの中にあったので、登ってきたオンネトーコースを下りることにした。

 阿寒富士との分岐点の8合目に至り、阿寒富士を目指すべきかどうか迷った。しかし、先のブログにも書いたように、単に足跡を記すための登山では虚しさしか残らないと考え、そのまま下山することにした。
 その下山の途中で、件のFさんに再会した。Fさんも熟慮の末断念したという。
 そこで、山中で二度も出会ったのも何かの縁と考え、Fさんをオンネトー登山口から、Fさんの車が停車している阿寒温泉口まで私が送ることを提案した。

 Fさんは私とほぼ同年代で、神奈川県にお住まいの方で、釧路の姉のところに滞在しているということだった。学者然とした風貌のFさんは、動物の死骸や糞などを研究対象とされているというちょっとユニークな方だった。Fさんのホームページやブログを紹介してくれた。面白い出会いのあった雌阿寒岳登山だった。
 
【雌阿寒岳(オンネトーコース) 登山データ】
標 高  1499m (標高差 854m)
駐車場  登山口のあるオンネトー野営場に広い駐車場有り
行 程  ※ グランドシニアの足とお考えください。
     登山口→(1時間45分)→6合目(森林限界)→(1時間10分)→雌阿寒岳山頂→(45分)→6合目→(1時間15分)→登山口 
時 間  上り(2時間55分)  下り(2時間00分)  
天 候  曇り、微風
登山日  ‘17/08/15

【おまけの情報】 
 前日、兄弟で談笑しているときに「道の駅 あいおい」のことが話題になった。「道の駅 あいおい」は、タイヤキならぬ「クマヤキ」が最近話題になっている。クマの出没が多い道東ならではのグッドアイデアである。その道の駅の壁に「クマヤキ」が大きくデザインされていて、観光客がそこで記念写真を撮るのが定番となっているらしい。
 ところが、そのデザインの前に自動販売機がデーンと置かれていて、艶消しとなり評判が悪かったらしい。道の駅側も観光客の意見を取り入れ、自販機の設置会社に撤去を申し入れたという。すると、自販機の設置会社は、自販機の外観を塗り替えて、壁のデザインとの一体感を出したというのだ。兄弟は「ぜひ見て行け」と言ってくれたので、そこはしっかり道の駅に寄って、そこを写真の収めてきたということである。