ヒトリシズカのつぶやき特論

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国際ナノテクノロジー総合展で、電子ペーパーの試作品を拝見しました

2014年02月03日 | イノベーション
 2014年1月29日から31日までの3日間にわたって開催された、第13回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2014)に行ってみました。場所は、東京都江東区の東京国際展示場(通常、東京ビックサイト)です。

 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議の入り口近くには、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の大きなブースがあり、その中に入ってみました。

 その展示の中で、次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)が開発をしている電子ペーパー系の開発状況を垣間見ました。この技術研究組合に参加しているリコー、凸版印刷、大日本印刷が展示しています。

 この展示された電子ペーパーでは、プラスチックフィルムの上に、高精細な画像を表示する機能をつくり込むことによって、従来の液晶ディスプレーなどに比べて、軽くてしなやかなディスプレーを製品化しようとしています。

 約6型(15センチメートル程度)のフルカラーを表示できるフィルムパネルディスプレーの試作品です。



 マゼンタ(赤)やイエロー(黄)、シアン(青)、ブラック(黒)のそれぞれの原色を、透明状態と着色状態に可逆的に変化させるエレクトロ・クロミック・インクを印刷したものを重ねて、カラー表示できるディスプレーの試作品です。

 低温製膜技術や積層コーティング技術を盛り込んで、柔軟で軽いディスプレーシートが試作できたそうです。

 この試作品のディスプレーが画面を表示する様子の画像を、既存の液晶ディスプレーによって表示しています。ある意味で少し悲しい展示方法です。





 現在、電子ペーパー向けの薄膜トランジスタ(TFT)を印刷法によってつくる技術をほぼ確立し、高精細化や高機能化を図っている途中とのことです。各応用に向けて、現在どこまで来ているのかは、知識不足で読み取れませんでした。

 今回の電子ペーパー系試作品の展示品によって、将来、日本の企業がまた電子ペーパー系の表示系デバイスによって、グローバル市場で支配権をとることを祈るばかりです。

 つい先日の1月27日には、エプソンが電子ペーパーを表示デバイスとして採用した腕時計の「Smart Canvas」を発売すると発表しています。この電子ペーパーがどんなものなのかは、分かりません。日本の各企業が、電子ペーパーを表示デバイスに使う時代が近いのかもしれません。