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神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

寺岡良信著『焚刑』出版記念会ほか

2009年05月07日 17時35分55秒 | めらんじゅ
さて、薫風さわやかな五月となりました。
私の周辺で、二人の女性が髪の毛をリニューアルしています。もともと髪の毛の多く
ない私は髪型を替える余裕なぞなく羨ましい限りです。
今回のお知らせはインデックス付きです。5項目あります。 

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◆1.--寺岡良信氏の第二詩集『焚刑』(まろうど社)出版記念会
◆2.--第42回『Melange』合評会のお知らせ
◆3.--小池正博著『蕩尽の文芸--川柳と連句』(まろうど社)が上梓されました。
◆4.--「月刊めらんじゅ42号」に掲載する『焚刑』書評について。
◆5.--「神戸詩人事件」についての映画鑑賞会
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◆1.--寺岡良信氏の第二詩集『焚刑』(まろうど社)出版記念会

☆詩誌『Melange』編集人である寺岡良信氏の第二詩集『焚刑』(A5判変型上製本 
本文80頁 本体2000円)が、まろうど社から上梓されました。第一詩集『ヴカリーズ』
よりもさらにきわまった寺岡ワールドの展開が極楽です。ぜひ、みなさん、詩集刊行の
言祝ぎの場に参集してください。

☆日時/5月24日(日)午後6時から(開場は午後5時30分から)
 会場/神戸・三宮のスペイン料理カルメン--阪急三宮駅西口から徒歩一分    
   (078-331-2228)
 会費/食事・ワインつきで5000円(ワインはたんまりあります)   

◆2.--第42回『Melange』合評会のお知らせ

☆今回は、出版記念会をするために、読書会はお休みです。合評会の開催日は、24日
(日)です。詩の合評会に提出する詩作品の締め切りは、5月21日(木)です。
詩稿はこのメールに送信してください。ただし開始時間が午後2時ですので、ご注意く
ださい。当日配布する「月刊めらんじゅ」には、合評会用に寄せられた詩作品ととも
に、詩集『焚刑』の書評も何本か掲載されます。

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◇◇◇5月24日(日)第42回『Melange』合評会
時間/午後2時00分~5時30分
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詩稿締切は、5月21日(木)です。厳守をお願いいたします。
送稿していただいた詩稿は、23日(土)にみなさんにメール送信いたします。事前に
お読みになってください。
 
◆3.--小池正博著『蕩尽の文芸--川柳と連句』(まろうど社)が上梓されました。

☆まろうど社からのお知らせです。同書の刊行は、おそらく川柳、連句関係の批評世
界では、大きなメルクマールとなるであろうと思われれるレベルの高い内容です。
帯文はこのように謳っています。「関係性の文学〈連句〉・ 独立詩型の〈川柳〉
二つの焦点を持つ楕円を俯瞰することで本書はあらたな批評空間を切り拓いた」。ま
た帯裏文では「あとがき」より「他者の言葉に自分の言葉を付ける共同制作である連
句と、一句独立の川柳の実作の あいだに矛盾を感じることもあったが、いまは矛盾
が大きいほどおもしろいと思っている。連句と川柳----焦点が二つあることによって
大きな楕円を描きたいのだ。」を引用しています。
☆小池正博著『蕩尽の文芸--川柳と連句』(四六判上製本 本文346頁 本体2500円)
 
◆4.--「月刊めらんじゅ42号」に掲載する『焚刑』書評について。

☆「月刊めらんじゅ」に掲載する『焚刑』書評文は、富哲世氏、大西隆志氏、高谷和
幸氏、野口裕氏と私の五人が執筆します。(野口氏の原稿は入稿済みです)。この書
評文も締め切りは21日(木)です。よろしくお願いします。

◆5.--「神戸詩人事件」についての映画鑑賞会

☆昨日、たかとう匡子さんから電話が入って、「神戸詩人事件」に関する映画鑑賞会
があることを教えてもらい、永井ますみさんが発信しているメール文で確認すること
ができました。来年でちょうど70年を迎える「神戸詩人事件」は、神戸や姫路で詩を
つくる人間にとって、歴史的事件だったと簡単に片づけることのできない事案です。
姫路にはまだ事件にかかわった方が生存されていると聞き及んでいます。わたしもこ
の事件に強い関心を寄せている者の一人です。

<治安維持法犠牲者国賠要求同盟神戸中央支部=支部 5月例会の催し=>
 昭和10年の治安維持法による弾圧「神戸詩人クラブと姫高映画鑑賞会」 
 <参加無料>
* と き :5月23日(土) 午後2時~
* ところ :兵庫文化クラブ(元町6丁目・山本ビル3F)
* 連絡先 :078-251-6363(戸崎)



月刊『Melange』のことなど

2008年12月01日 22時00分15秒 | めらんじゅ
12月となりました。みなさま多忙な日々を過ごされていると思います。わたしも公私
ともにばたばたしています。体調管理をなによりも心がけたいと思っています。
さて、今月は『Melange』読書会・合評会はありません。それでもいくつか連絡事項
がありますので、お伝えしておきます。
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◆1.--今月も月刊『Melange』(39号/特別号)が発行されます。
◆2.--2009年1月の第38回『Melange』読書会・合評会のお知らせ
◆3.--同人、誌友の出版物紹介
◆4.--2009年1月10日(土)に神戸文学館で行われるパネルディスカッション「震災
と神戸と文学と-----あれから14年 なにが生まれなにかむ生まれなかったのか」のお知らせ
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◇◇◇◆1.--今月も月刊『Melange』(39号/特別号)が発行されます。
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いつもは、合評会に出された詩作品を中心に編集されていますが、今月は読書会・合
評会はありませんので、月刊誌のみの発行となります。内容は以下の三作品を予定し
ています。
(1)富哲世「詩の月評」(予定/「2008年を振り返って」)
(2)寺岡良信 エッセィ「夜の調べに寄せて no.11」
(3)大橋愛由等 短編小説「菊ばなし--01」(突然ですが、菊に関する短編小説を
書きました。計2作品のうち、第一作を掲載します)
 
この号はみなさんにお配りできませんので、PDF版にして添付してメールで送ります。

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◇◇◇◆2.--2009年1月の第38回『Melange』読書会・合評会のお知らせ
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☆読書会では、堀本吟さんが、俳人・安井浩司について語ってもらいます。わたしも
今夏に一日一句を読んで「安井浩司を読む」という小冊子にまとめたばかりです。詩
人にもファンが多い詩的要素の強いこの俳人の作品世界をみなさんと堪能しましょう。


☆読書会・合評会の開催日は、1月18日(日)です。第二部の詩の合評会に提出する
詩作品の締め切りは、1月15日(木)です。このメールに送信してください。


☆日時=10月19日(日)1時00分から第1部。~午後3時 午後3時15分から第2部。

☆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分
の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/)。

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◇◇◇◆3.--同人、誌友の出版物紹介
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著者五十音順に紹介します。

(1)今野和代著 ポエトリーディング詩集『ニコラス・スレッジ・ブルース・マシー
ンを聴きながら』(思潮社、定価本体2500円)
(2)滝悦子著 第一詩集『薔薇の耳のラバ』(まろうど社、定価本体2500円)今月出版
(3)福田知子著 論文集『詩的創造の水脈--北村透谷、金子筑水、園頼三、竹中郁』
(晃洋書房、定価本体3300円)

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◇◇◇◆4.--2009年1月10日(土)に神戸文学館で行われるパネルディスカッション
「震災と神戸と文学と-----あれから14年 なにが生まれなにかむ生まれなかったのか」のお知らせ
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神戸文学館 阪神大震災のシンポジウム企画

☆〈企画趣旨〉
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、神戸の歴史や文学に大きな断層を生
み出した出来事です。この震災が、神戸の文学のありようどのように変化させていっ
たのかを検証することが、神戸で生き、生活している者の大きな仕事であり続けると
思っています。1.17の時期に合わせて、神戸市内で多くの事業が行われていますが、
このたび私からもささやかな文学イベントを開催することで、参画いたしたいと思っ
ています。今回のテーマは、震災によって神戸の文学はどのように表現されたのか、
また震災後の神戸はどのように表現されたのかを、それを1.17の直前にあたる時に改
めて討議してみたいと思っています。

☆〈テーマ〉「震災と神戸と文学と----あれから14年 なにが生まれなにかむ生まれなかったのか」

☆パネラー(3人)
1.俳句(堀本吟氏・俳人)
2.現代詩(富哲世氏・詩人)
3.オーラル文芸分野(日比野純一氏・FMわぃわぃ代表)
    司会・進行(大橋愛由等)

☆日時/2009年1月10日(土)午後2時~3時30分
☆場所/神戸市立神戸文学館
 〒657-0838神戸市灘区王子町3丁目1番2号 電話・FAX 078-882-2028 阪急「王
子公園駅」下車、神戸市立王子動物園の西隣。徒歩7分。JR「灘駅」からは北へ徒
歩10分。
☆参加費/200円(当日は小冊子もついています)


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第37回『Melange』読書会・合評会のお知らせ

2008年11月12日 08時35分58秒 | めらんじゅ
◆--第37回『Melange』読書会・合評会のお知らせ

今年最後の会となります。12月はお休み。1月に再び始まります。

☆読書会には、われらが『Melange』同人の栗山要氏に語っていただきます。

その題を勝手につけさせていただければ、「戦後における神戸・兵庫の文化人の思い出」(仮題)となりましょうか。先の戦争によって焼け野原になった神戸や兵庫県を舞台にして、栗山氏は、戦後の文学、文化を切り開いていこうとする文化人、作家たちと多く接してきました。そうした交友録を聞くことによって、時代は異なるものの神戸というトポスを共有していることの視点から、表現者の後輩であるわれわれの立ち位置というものをあらためて確認できれば、と思っています。神戸という街の諸相が、共時的に連関していくことが期待されます。

☆読書会・合評会の開催日は、23日(日)です。第二部の詩の合評会に提出する詩作品の締め切りは、11月20日(木)です。


11月の36回読書会・合評会のお知らせ
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◇◇◇ 11月23日(日)第36回
『Melange』読書会のお知らせ
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発表者/栗山要氏
テーマ/「戦後における神戸・兵庫の文化人の思い出」(仮題)
時間/午後1時~3時

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◇◇◇ 10月19日(日)第37回
『Melange』合評会
時間/午後3時15分~5時ぐらい
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詩稿締切は、10月16日(木)です。厳守をお願いいたします。


送稿していただいた詩稿は、18日(土)にみなさんにメール送信いたします。事前に
お読みになってください。
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☆日時=10月19日(日)1時00分から第1部。~午後3時
 午後3時15分から第2部。

☆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口
の北へ徒歩2分
の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/)。

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第36回『Melange』読書会・合評会のお知らせ

2008年10月12日 09時32分54秒 | めらんじゅ
第36回『Melange』読書会・合評会のお知らせです。

『Melange』読書会・合評会は8月と12月をのぞく年10回、神戸で開催しています。
参加していのは、主に詩誌『Melange』同人と誌友のみなさん。でも誰でも参加できます。
第一部は、参加者の誰か、またはゲストが、1時間ほど発表してその後に討論。
第二部は、各人の詩作品の合評を行います。詩について毎月中身の濃い語りが展開されます。

☆36回目を迎える読書会は、寺岡良信氏が、青年時代から読み込んでいる西脇順三郎の詩について語ってもらいます。私も高校時代に一番熱心に読んでいた詩人が西脇でした。
取り上げるのは、『詩集 Ambarvalia』。初期の作品集で、古代ギリシア世界を「詩郷」とみなす西脇のリリカルな作品が展開されています。この詩集をお持ちでない方は、岩波文庫『西脇順三郎詩集』が比較的入手しやすいテキストとなっています。

☆第二部の合評会の締め切りは、16日(木)です。今回を含めて今年はあと二回になってしまいました。意欲的な作品をお待ちしています。

☆11月15日(土)、神戸文学館で行われる「第2回 神戸から神戸の女性作家を語るパネルディスカッション〈詩・短歌・俳句・川柳〉」も準備をすすめています。企画・進行・司会は、大橋。パネラーは全員女性です。詩= たかとう匡子さん、短歌=彦坂美喜子さん、俳句=堀本吟さん、川柳=樋口由紀子さん。テーマは「女性のジェンターと身体性について」です。現在、討議内容をつめている最中です。時間は午後2時~4時です。

☆今夏に一日一句評を続けていた「俳人・安井浩司を読む」を冊子化しています。B5判で24ページほどとなります。今度の『Melange』読書会・合評会に持参したいと思っています。


10月の36回読書会・合評会のお知らせ
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◆◇◆ 10月19日(日)第36回
『Melange』読書会のお知らせ
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発表者/寺岡良信氏
テーマ/西脇順三郎『詩集 Ambarvalia』を読む。
時間/午後1時~3時

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◆◇◆ 10月19日(日)第36回
『Melange』合評会
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詩稿締切は、10月16日(木)です。厳守をお願いいたします。
午後3時15分からスタートします。

☆忌憚のない評がとびかう会です。自らの作品を晒し、そして他者の試作品を真正面
から向き合うことで、詩という文学の持つさまざまなありようを、さぐるキッカケと
なります。

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◆日時=10月19日(日)1時00分から第1部。~午後3時
 午後3時15分から第2部。

◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分の場所にあります。
http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/
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第11回ロルカ詩祭は16日に開催

2008年08月08日 14時32分37秒 | めらんじゅ
今年も「ロルカ詩祭」を行います。

その開催要項を読んでください。

私も第二部に出演します。
新作を書く予定ですが、どうなりますでしょう。

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哀しみを哀しみのままに生きる者たちへ
   第11回 ロルカ詩祭

◆神戸で、1998年から「ロルカ詩祭」をしています。今回で11回目です。

スペインの国民的詩人であるガルシア・ロルカの生誕百年の年から始めた文学イベントです。開催するのは、ロルカが1936年に勃発したスペイン内戦の直後に銃殺された八月の命日に近い日。40度を超える炎暑のアンダルシーアで、いとも簡単に殺されてしまったロルカ。その時、ナランハとオリーブの実は慟哭し、カンテたちはアーイをどこまでも哀しく歌い、ペガーソスはいななきを、止めなかったでしょうか。

詩祭では、スペイン語によるロルカ詩の朗読をします。そして詩人たちはロルカの深い瞳を憶い、自分たちの詩〈うた〉を吟じます。ロルカへの、すべての哀しみを哀しみのままに生き者たちへ、そして1995年1月17日の死者たちに向けて、8月16日に神戸の地に屹つのです。みなさま、どうぞお越し下さい、1956年からこの国で初めてスペイン料理店を坦懐している老舗・カルメンの料理を楽しみつつ、暑のひとよをお過ごし下さい。 

◆◆詩祭要項
◇参加者/〈第一部〉①浜崎利枝子②DANIEL・SASTRE
 〈第二部〉③大橋愛由等④中堂けいこ⑤今野和代⑥高谷和幸⑦富 哲世⑧大西隆志⑨寺岡良信⑩福田知子
◇演奏/山沢輝人(テナーサックス)、中島直樹(ウッドベース)
◇スケジュール/午後5時開場・第1部(スペイン語による
 ロルカ詩の朗読)午後5時30分~  第2部(詩人たちの自作詩の朗読)午後6時~8時
◇料金/〈Aコース〉タパス一品+ドリンク一品+チャージ=2000円
    〈Bコース〉冷製スープ+季節のサラダ+肉か魚のメインディッシュ+パエリア
+デザート+コーヒー+チャージ=3500円

◆場所/スペイン料理カルメン
★阪急三宮駅西口の北出口を出て「青山」とドラッグストアの間の南北の筋を
北に30M歩き、一階が焼き肉屋「新撰組」が入る二階建てビルの2F 
〒650-0012 神戸市中央区北長狭通1-7-1 
 TEL&FAX 078-331-2228

gooブログは不便なブログだ

2008年05月29日 13時49分06秒 | めらんじゅ
先日も書きましたが、このgooブログは、最新のブログ動画情況にコミットしていません。

動画をブログに貼付けるという意味では、このサイトを撰んだのは失敗です。

先日行われた詩誌『Melange』の読書会・合評会の様子(Stickamにアップロードしている動画)を、このブログ本体に貼り付けようと思ったのですが、現在のところ対応していません。仕方なく、別のサイトに貼り付けて、そこで動画をみてもらうという迂遠なことをしなければなりません。

合計で3時間ほどあるでしょうか。
集音はパソコンの内蔵マイクを使っているので、決してよくありません。
次回からはさらに技術的に向上していきたいと思っています。

ではわれわれがしている神戸の詩のグループの合評会と読書会の様子をご覧になってください。

http://www.eonet.ne.jp/~maroad/Melange080525.html


日付のある詩

2008年05月25日 23時34分02秒 | めらんじゅ
『Melange』読書会に、京都在住の詩人・河津聖恵さんをお招きしました。
去年夏、一カ月毎日書き続けた「日詩」を一冊の本にまとめたのです。

私が注目したのは、河津さんの他者とのかかわりとその表現です。
「日詩」という日々の記録の要素もあるために、現実に生存している夫や友人なども出てきます。
ところがその他者の存在はどこか希薄なのです。

そして詩のところどころにある「私たち」についてもイメージが茫洋としている。
著者本人に聞くと、この「私たち」の持っている範囲の広さに驚いたのです。グローバルな視点から「私たち」を感受しているのには関心しました。でも同時に河津さんにとって、なにが「私たち」なのかということを考えていきたいと思っています。

また、描出される「家族」「家」の姿もどこか希薄なものがあります。一家離散してしまった家族のことをいとおしむように書いた「家」という作品は、想像としての家族であり、過去としての家族、潰えてしまった欠落態としての家族なのです。
こうした河津さんの他者、家族に対する希薄さ、茫洋とした感覚と表現がこの人の詩世界の特性なのでしようね。


第32回『めらんじゅ』読書会・合評会のお知らせ

2008年05月14日 13時51分33秒 | めらんじゅ
25日(日)に開催します。
読書会のゲストとして河津聖恵さんを迎えます。
三月に上梓された詩集『神は外せないイヤホンを』(思潮社)の作品世界について自ら語っていただきます。

今回は一部を「詩の合評会」とし、二部に「読書会・河津聖恵さん/自作詩集を語る」といたします。また開始時間が30分いつもより早くなっていますので、ご注意ください。

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◆◇◆ 5月25日(日)第32回『Melange』合評会
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合評会用詩稿の締め切りは、22日(木)といたします。

開始を12時30分とします。~午後3時まで

毎回合評会に寄せられる詩稿を『月刊Melange』という冊子にまとめています。28号(2008年1月号)からは、詩稿以外の連載文章の、「詩の月評」富哲世、「神戸詞(うた)あしび」大橋愛由等に加えて、あらたに「夜の調べに寄せて」寺岡良信の連載も
始まりました。16ページ~24ページの小冊子でずが、なかなかに読み応えのあるメディアになっています。ご希望の方は申し出てください。郵送します。

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◆◇◆ 5月25日(日)第32回『Melange』読書会
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「読書会・河津聖恵さん/自作詩集を語る」

午後3時15分からスタートします。
毎日詩を書き続けて一冊の本にまとめたその表現営為など、同じ詩を書く者として興味深いテーマが展開されると思います。期待しています。面白い内容になると思います。詩集をお持ちでない人は早めに入手してください。


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◆日時=5月25日(日)12時30分から第1部。~午後3時まで
   午後3時15分から第2部。

◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/)。

◆第1部=詩誌の合評会/詩稿締め切りは、5月22日(木)締め切りは必ず守ってください。送稿された作品は24日(土)朝に、みなさんあてにメール発信します。ではみなさん、詩稿を鶴首してお待ちしています。今回は12時30分からです。開始時間が早くなっています。ご注意ください。

◆第2部=「読書会・河津聖恵さん/自作詩集を語る」午後3時15分~

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第31回『めらんじゅ』読書会・合評会について

2008年04月22日 09時59分53秒 | めらんじゅ
『Melange』読書会・合評会のお知らせです。

月に一回のこの会合ですが、春以降も着実に読書会と合評会を重ねていきたいと思っています。

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◆◇◆ 4月27日(日)第31回『Melange』読書会・合評会のお知らせ
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毎月行っている詩誌『Melange』の読書会・合評会も今回で31回目を迎えました。
「ロルカ詩祭」のある8月と皆さんの繁忙期である12月をのぞいて毎月やっていますので、機会をみつけて参加してください。お持ちしています。

開催は、4月27日(日)です。読書会の発表者は、高谷和幸氏です。テーマは、「神戸(都市空間)のメディアを駆けるアイコンとインデックス」。具体的には〈堀尾貞治・現代美術〉を語ってもらいます。高谷さんから届いたメールによりますと以下のごとくの内容になります。楽しみにしています。

「年間100回を超える展覧会・パフォーマンスの豊富な話題性など、堀尾貞治を言葉の世界で捉えようとするとき、堀尾貞治は言葉からするりと抜け出て、語り手の思い込みや推測が浮き上がってしまうといった印象を私はずっと持ち続けてきました。
それは、「具体美術」の当初からある傾向といえるものです。物体性に芸術の真理を見ようとしたわけですが、後期の村上三郎にそれは顕著に言葉・文学性の忌避があり、それに影響が一番受けたのが堀尾貞治だといえます。
あたりまえのこと・一即多などまるで禅問答のように、自在にテキスト性を潜り抜けるかのようです。
私は高速で生成し破壊される意味を追うことを、観者に強いる構造に堀尾のポストモダンがあるように思います。
それは神戸(都市空間)のメディアを突っ走るアイコンであり、連続に現れるインデックスだといえます。
もう一つはモンドリアンの矩形の絵画(ニューヨークの市街を上方から俯瞰したといわれている)と堀尾貞治の町を描いた絵画と比較をして、視線について話したいと思っています。」

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◆◇◆ 4月27日(日)第31回『Melange』合評会の締め切りなど
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合評会用詩稿の締め切りは、24日(木)といたします。

毎回合評会に寄せられる詩稿を『月刊Melange』という冊子にまとめています。28号(2008年1月号)からは、詩稿以外の連載文章の、「詩の月評」富哲世、「神戸詞(うた)あしび」大橋愛由等に加えて、あらたに「夜の調べに寄せて」寺岡良信の連載も始まりました。16ページ~24ページの小冊子でずが、なかなかに読み応えのあるメディアになっています。ご希望の方は申し出てください。郵送します。

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◆日時=4月27日(日)午後1時00分から第1部。
   午後3時00分から第2部。

◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分
の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/
 )。

◆第1部=読書会=高谷和幸氏による、「神戸(都市空間)のメディアを駆けるアイコンとインデックス」。

◆第2部=詩誌の合評会/

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ドイチェ どいちぇ

2008年03月21日 14時03分05秒 | めらんじゅ
昨夜、ドイツの大学で比較思想を教え、詩人でもある岩脇豊美さんを囲む会が神戸・三宮でありました。

その会に、ベルリン自由大学修士課程に在籍しているサシャ・クリンガーくん(27歳)も参加。ドイツ縁で盛り上がったのです。

サシャ君は、5月まで神戸に滞在していて、YouTubeで彼の作品を見ることができます。
日本におけるマイノリティーを研究しています。以下の動画は、FMわぃわぃに通って一本の作品にまとめたもので、なかなに充実しています。(YouTube日本語版で「FMわぃわぃ」と検索してもヒットします)。

http://jp.youtube.com/watch?v=0fdQZdCOKhM

めらんじゅ読書会・合評会のお知らせ

2008年03月15日 10時10分46秒 | めらんじゅ
『めらんじゅ』同人のみなさん ならびに 誌友のみなさんへ-----

大橋愛由等@『めらんじゅ』同人より

三月になって急に暖かくなりました。それにしても二月の神戸はさんざ寒かったのに、なんという変わりようでしょう。

今回は、二つの項目のお知らせです。

◆1◆ 3月20日(祝/木)の岩脇豊美さんを囲む会

◆2◆ 3月23日(日)第30回『めらんじゅ』読書会・合評会のお知らせ

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◆1◆ 3月20日(祝/木)の岩脇豊美さんを囲む会
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ドイツのヴュルツブルク大学で哲学を教え、詩をつくっておられる岩脇豊美さんが、神戸に来られることを機に、『めらんじゅ』同人・詩友のみなさんと交流会をもちたいと思っています。この方は、福田知子さんが、去年暮れにドイツに滞在した折りに知己を得た方です。日本とドイツをまたぐ言葉や詩、文学、哲学など多様な話題が期待できそうです。みなさんふるっての参加をお持ちしています。
〈日時〉--3月20日(祝/木)午後6時ぐらいから
〈場所〉--神戸三宮のスペイン料理カルメン(阪急三宮駅西口下車 北へ徒歩2分)
     場所はhttp://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/で確認してください。

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◆2◆ 3月23日(日)第30回『めらんじゅ』読書会・合評会のお知らせ
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さて、いよいよ、詩誌『めらんじゅ』の読書会・合評会も今回で30回目を迎えました。まるまる三年を経過したことになります。8月と12月をのぞいて毎月やっていますので、機会をみつけて参加してください。お持ちしています。

開催は、3月23日(日)です。読書会の発表者は、寺岡良信氏です。テーマは、大澤壽人(後ろに人物紹介)の音楽を寺岡氏のナビゲートによって鑑賞しながら、神戸・阪神間に根付いたモダニズムの諸相を共感してもらう内容です。

合評会用詩稿の締め切りは、20日(木)といたします。「岩脇豊美さんを囲む会」の日と重なりますが、意欲的な作品をお寄せください。

毎回合評会に寄せられる詩稿を『月刊めらんじゅ』という冊子にまとめています。28号(2008年1月号)からは、詩稿以外の連載文章の、「詩の月評」富哲世、「神戸詞(うた)あしび」大橋愛由等に加えて、あらたに「夜の調べに寄せて」寺岡良信の連載も始まりました。16ページ~24ページの小冊子でずが、なかなかに読み応えのあるメディアになっています。ご希望の方は申し出てください。郵送します。

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◆日時=3月23日(日)午後1時00分から第1部。
   午後3時00分から第2部。

◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/
 )。

◆第1部=読書会=寺岡良信氏による大澤壽人の音楽と神戸・阪神間モダニズムの諸相

◆第2部=詩誌の合評会/詩稿締め切りは、3月20日(木)締め切りは必ず守ってください。送稿された作品は22日(土)朝に、みなさんあてにメール発信します。ではみなさん、積極果敢に詩稿を送ってくださいね。


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〈大澤壽人の紹介〉
近年注目を集めている音楽家。1907年に神戸に生まれる。岡崎隆氏の紹介文(http://www.medias.ne.jp/~pas/ozawa.html)によると、「父は神戸製鋼所の技師で、大澤は少年期よりオルガンや合唱に親しみ、関西学院中・高等部在学中にピアノを習い、また同校の音楽サークル活動を通して、音楽理論を半ば独学で習得した。同校卒業後大澤はただちにアメリカに渡り、ボストン大学・ニューイングランド大学で音楽理論を学んだ」。戦前から活躍している人で、そのモダニズム的手法は時を超えていまも高く評価されている。現在は、かつて教鞭をとっていた神戸女学院(大学)を中心に顕彰活動が盛んになり、あらたにCDも何枚か発売されています。

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第29回『めらんじゅ』読書会・合評会について

2008年02月20日 10時22分20秒 | めらんじゅ
『Melange』同人のみなさん ならびに 誌友のみなさんへ かつまたこの「神戸まろうど通信」の読者のみなさんへ

大橋愛由等@『Melange』同人より

さて、神戸の二月はきびしい寒さが続いています。

今月も沖縄へ行き、まろうど社から刊行した藤井貞和氏の著作『甦る詩学』の「第35回伊波普猷賞」授賞式に臨み、版元としての美酒を飲んできました。たった一泊二日だけの那覇旅でしだか、畏敬する詩人・川満信一氏とも語り合うことが出来、かつまた、とある記者とつかみあい寸前の大喧嘩をした後によもよも語りを続けるなど、あいかわらず濃い旅をしてきました。

詩誌『Melange』の第29回読書会・合評会の開催予定日をお知らせします。

2008年2月24日(日)に行います。読書会の発表者は、今野和代さんです。初めての発表です。テーマは、ちょうど一年前の今日(2月20日)に急逝した布村真理さんの詩業について語ります。参考文献は真理さんの詩集『ドリームチャイルド』(紫陽社)ですが、入手は困難です。当日の発表資料を参考にしてください(詩集をお持ちの方は参考文献として持参してください)。

また合評会の締め切りは、22日(金)といたします。お知らせのメール送信が遅れてすみません。今回も力の入った作品をお待ちしています。


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◆日時=2月24日(日)午後1時00分から第1部。
   午後3時00分から第2部。

◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/
 )。

◆第1部=読書会=今野和代さんによる〈布村真理さんの詩のこと〉について。

◆第2部=詩誌の合評会/詩稿締め切りは、2月22日(金)締め切りは必ず守ってください。送稿された作品は23日(土)朝に、みなさんあてにメール発信します。ではみなさん、積極果敢に詩稿を送ってくださいね。


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文責・大橋愛由等@『Melange』同人

岩成達也さんをゲストに読書会&合評会

2007年11月20日 10時12分43秒 | めらんじゅ
『Melange』同人のみなさん ならびに 誌友のみなさんへ

大橋愛由等@『Melange』同人より

詩誌『Melange』の第27回読書会・合評会のお知らせです。11月25日(日)に開催しま
す。

今回は、岩成達也さんをゲストにお招きします。「詩論の方へ」というタイトルでお話し願います。以下、岩成氏制作のメモを本文貼り付けします。とワード添付をします。また、「現代詩手帖」に岩成氏が書いた詩論も2篇、富氏から預かっています。
まだ渡していない方は至急大橋まで連絡してください。maroad@warp.or.jp 

詩論の世界で大きな問題提起をし続ける岩成氏のお話しに期待しています。    
          

岩成さんのお話しを、第二部〈午後3時~〉にしますので、詩の合評会を第一部といたします。開始時間も30分早くなっていますので、ご注意下さい。

第一部の詩の合評会について、
詩稿の締め切りは、11月22日(木)とします。
今回も意欲的な作品、実験的な作品をお寄せ下さい。
お待ちしています。


ちなみに、詩稿は毎回小詩集に仕立てて、製本しています。出席されない方でご希望ので、大橋まで請求してください。さて、今月も聞いて学ぶだけでなく自作品を携えて参加するわれらの読書会・合評会にみなさん参加してください。

11月10日(土)に、甲南大学(神戸市東灘区)で「第15回島尾文学研究会」が開かれ、「島尾敏雄と神戸」というタイトルのシンポジウムが開かれ、わたし(大橋)は、パネラーとして出席。〈奄美と神戸をつなぐもの〉というタイトルで発言してきました。
会の様子は、私が記事送稿した文章が、南海日日新聞に掲載されていますので、当日お配りいたします。島尾伸三氏(敏雄の長男)の講演が特に興味深いものでした。神戸で一家をなした島尾家の最後の一人となってしまった伸三氏が語り部として語り始めた感があります。


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◆日時=11月25日(日)午後0時30分から第1部。午後2時30分まで。詩の合評会。(いつもより開始が30分早いのでご注意ください。)
午後3時00分から第2部。岩成達也さんのお話。「詩論の方へ」

◆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口の北へ徒歩2分
の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/
 )。

◆第1部=詩誌の合評会/詩稿締め切りは、11月22日(木)締め切りは必ず守ってください。送稿された作品は24日(土)朝に、みなさんあてにメール発信します。ではみなさん、積極果敢に詩稿を送ってくださいね。

◆第2部=読書会=岩成達也さんのお話。「詩論の方へ」

なお、申しわけありませんが、岩成氏をお呼びするため、若干のカンパを要請しのすので、ご了承ください。

                           
大橋愛由等
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詩論の方へ(メモ)                07・11・25(sun)
岩成達也

( 0 ) 詩は要請(定義)できるか・・・・二、三の例

   R・ヤーコブソン : (発信者/受信者間の)メッセージそのものへの指向、メッ
セージそのものへの焦点合わせが、言語の詩的機能である。[『一般言語学』P192]
藤井貞和     : 《詩のことば》なんか存在しないかもしれない。きわめ
て意識的な言語体験が重ねられるだけではないか。[『詩的分析』の帯]
    瀬尾育生    : 言語とはほんらい、いまだ対象でないものが自らを
開き、対象としてはじめて姿をあらわす場所のことである。詩的言語は、意志体・情
熱体がそこで開示される場所そのものを直
接的に実在のものとする。一方非詩的言語は、意志体・情熱体を遠近法のなかへ移し
置き、そこで関係のなかの主体へと翻訳する。この二つの言語は互いに「逆立」する。
[『戦争詩論1910-1945』P312]
岩成達也    :(イ)詩的関係においては〈表現:内容〉という関係において言語
(構造)が充足しない。
         (ロ)あるテキストが詩(作品)であるためには、関与者の宣言を必
要とする。[『詩的関係の基礎についての覚書』p72p90]


( 1 ) 第二要請

1) 私(達)の世界を定義し構成するものは言語である。

2) 詩とは、言語でもって私(達)の世界を超出(/脱在-excendance)しようとする営為
である。

(註)ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」論による「世界」の漂流性

( 2 ) 規範の侵犯―言語関係の異常

0) 詩=「規範の侵犯」という見方:第二要請との関係,その見方の問題点

1)言語構造に係わる異常
 (イ)従前の主流詩観―行分けと抒情(感情/感慨の表出)中心主義
 (ロ)音韻の前面化による異常
    →記号表現(視聴覚イメージ)の異常増殖(関係錯綜:『フィネガンズ・ウエ
イク』)
(ハ)喩/アレゴリーの前面化による異常 
    →記号内容(概念等)の異常増殖(多義性/過剰解釈/ヘルメス定義:『フー
コーの振り子』)

2)言述(discours,わ話)に係わる異常
  (イ)ディスクール:「だれかが(わたし)、なにかを(意味)、なにかについ
て(指示)、だれかに(あなた)、語る」こと。
     (註)ラングの現働化、ラングの内在性(意味)とディスクールと超越性(指
示、人称)
 (ロ)一人称の異常―P・リクールのテクスト論(杉村靖彦『ポール・リクールの
思想』)
    a)「わたし」の匿名化/抹消―指示の逆転/世界の逆転
b)言述=出来事から意味への乗り超え(疎隔―distanciation)
      →発語に対する書記の優位
      →テクスト論;「テクストにおいては指示は「世界」に向かうのではな
く、そこで開かれた指示の総体が世界である。(テクストは指示を直示的な指示の限
界から解き放つ)」

        (参考)リクールの言語観
・ いかなる言述も出来事として生起するが、意味として了解される。
・ この〈出来事から意味への乗り越え〉、〈言うことの、言われるものにおける疎
隔〉という見方が、リクールの言述論の核芯を成す。(杉村)
・ 言述に注目することによって,出来事から意味が湧き出す瞬間に立ち会うことが重
要なのであって、(この意味では)〈疎隔〉とはむしろ言葉の意味産出の条件であり、
言述が出来事として孕んでいた力は、出来事を乗り越えたときに初めて解放され、以
降ますます強くなっていく反響のように、絶えざる意味の探究へと引き継がれていく。
(杉村)

    (ハ)二人称の異常―E・ レヴィナスの他者論(コリン・デイヴィス『レヴィ
ナス序説』)
       a)「あなた」の絶対化/把握不能―指示の無効/ディスコミュニケー
ション
       b)語ること(le Dire)と語られたこと(le Dit)との「相差」
        →「あなた」が絶対の「他者」の場合、出来事は意味へと回収さ
れない。
        →この場合、語る「私」は専ら「他者」にあますところなく暴い
て(暴かれて)いる。

         (註)詩とは(絶対の)「他者」との遭遇である。(第二要請
―2)

    (参考)レヴィナスの言語観
・〈語ること〉と〈語られること〉とは言語活動の二つの相である。
・〈語ること〉は〈語られること〉に「前―起源的」(先行的)であり、しかも「離―
時性(単一の時間のなかに走る亀裂)としてみれば、両者は(分離不能で)同時的に生
起し、かつ相克しない。(デイヴィス)
・〈語ること〉は、姿をみせないまま言説の語り手あるいは聴き手としての〈他者〉
に私が曝露されているような状況、構造、あるいは出来事におけるあらゆる発語を基
礎づけている。(デイヴイス)

       (補足)思考するとはディスクールにおいて「わたし」が
「わたし」に語ることである。
                                     
 (P・ヴァレリー『カイエ』) 


( 3 ) 言語系の限界―特異な言語関係           cf.他者との遭遇の様


0) 三つの問題(言語哲学的)・・・論者にとってまだ十分な決着はみていない。
(イ)知と言語の関係
(ロ)身体と知/言語の関係
(ハ)「私」と知/言語の関係
(参考)バンヴェニスト『一般言語学の諸問題』
    特に「6.思考の範疇と言語の範疇」「17.ことばにおける主体性について」

1) 触知―知の下部(基礎)限界の突破
・触知はドリフト(漂流)する。
・触知を捉えるのは、多くの場合、言語の周辺部分(意味的、視聴覚像的に非中心部
分)によってであって、その場合の言語運動も通常の(言語)組織化運動から逸脱する。
(仮説) ・・ ( 断片化、 物語の破綻、等)

 (註)言語の連合(パラディグマティック)関係→多義性、中心/周辺

2) 分節―知/言語の分節/未分節(分節以前)と もの/ことのそこへの現われ

    例;a.logosがratioとoratioとに分節されたとき何が生じたのか
      b.アウグスティヌスの「聞く言葉」と「光る(見る)ことば」

   (註)知/言語の分節化の増大と知(特に科学知/理性知)-散文―の精密化
の増大  

3)超越(志向)―知の上部限界の突破
  ・知/言語は常にその根源を求めてやまず、更にそれを超えようとする。
    -知/言語の志向性/逆流
・神学、特に聖トマスの言語観モデル
      (参考)聖トマスの言語観―discomunicationの克服    
    ・ 稲垣良典『神学的言語の研究』
         _ アナロギア;同語同義と同語異義 との中間 (語;nomen/義:
ratio)       
_ 二つの言語とその方向性の一致
           「表示の様式」(modus significandi):感覚から出発する
人間理性に固有の認識
           「表示されたもの」(res significata)
         「因果性の道」による推論⇒「表示された完全性そのもの_ 
恩寵(の言語)
・澤崎幸子『内なることばの研究』
外なることば
ことば          表象において:表象像(phantasma)
内なることば         ↓※
        知性において:可知的形象
                                     (
※)能動知性が受動(可能)知性の中に可知的表象象を
つくる。これは更に概念形成(直知/定義)から
判断形成(判断/言表)を経て存在把握にいたって
究極点に辿りつく。

4)信憑性/断片集積の自己同一性の問題(独白)
  「私」がもはや「個」であることが疑わしいとき、「私」が係わる、この分裂し、
断片化し、相矛盾す  
     る言葉や言表を自己同一的な関係として、「私」に「開く」ものは何か。
     →書く/話す(読む/聞く)という身体性を伴う営為それ自体ではないか(
「私」/「開く」)

(註)書くということのありようは、「いま(ここに殺到する無数の過
去)」のありように似ている。
          つまり「私」=「いま」 





詩人の恋

2007年10月26日 09時33分42秒 | めらんじゅ
ねじめ正一著『荒地の恋』(文藝春秋)を読了。

著者インタビューが読売新聞に掲載されていたので気になっていたところ、私の携帯に電話が入って「新古書店でみつけました」とAさんから連絡が入ったので、購入してもらい一気に読み上げた。

戦後を代表する荒地派詩人の田村隆一、鮎川信夫、中桐雅夫や主人公である北村太郎が華々しく登場する。

物語は、朝日新聞東京本社校閲部に勤務していた北村太郎と、田村隆一の夫人である明子との恋愛から始まる。平穏な家庭生活を営んでいた北村だったが、詩人としては寡作家だった。それが明子との恋に落ちて以来、家を出て、貧窮しながらも、詩を多く書き、カルチャーセンターで教え、翻訳稼業をしながらなんとか生きていく。荒地の詩人たちの濃密な人間関係が巧妙に描写されているのが本書の読みどころのひとつだろう。

表現者たちというのは、単に文学創作を共にするといった淡い関係に成り立つ集団ではなくて、時に愛憎の場をつくる生々しい人間関係の場でもあるのである。

今、私が属している詩誌『Melange』同人についても、いくばくかの物語性に満たされている。将来誰か、「メランジュ物語」を書かないしら。