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神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

詩誌『豹樹12号』

2010年08月24日 12時43分29秒 | 文学
詩誌『豹樹12号』が届く。良い作品が多い。

ゲストの神屋信子氏の散文詩「桜の精霊」は幻想掌編小説風。龍神雅子氏「進水式」は父の思い出記。松木俊治氏(発行人)「瞼が触れる」は深い心象描写。田中紀子氏「雨音」は〈わたし〉と〈母〉の詩的交歓。この人のエッセイ「野辺山にて」も散文詩の趣きがある。

文学イベントさまざま

2010年08月23日 13時14分08秒 | 文学
8月から9月にかけて、いくつかの文学イベントがありますので、お知らせしておきます。

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◆1.--第13回ロルカ詩祭への感謝
◆2.--第55回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(8月29日)
◆3.--「金時鐘・詩的邂逅とその軌跡」のお知らせ(9月4日)
◆4.--高谷和幸さんの詩集『ヴェジタブルパーティ』出版記念会のこと(9月11日)
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◆1.--第13回ロルカ詩祭への感謝
今回の朗読作品は、各個人から発信された作品群ではあるものの、浮かび上がってきたテーマは、“声”だったような気がします。言葉にならなかった声、言葉にできなかった声、さけび、かなしみ……などが、詩作品の中に、表れていました。

そして今回の朗読は、スペイン語から始まって、日本語に転じ、最後は韓国語が吟じられるという多彩なものでした。伴奏をしていただいたベーシストの中島直樹氏の演奏も素晴らしかった。

そして、第13回ロルカ詩祭実行委員会世話人・寺岡良信氏からのメッセージが届いていますので紹介します。

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ゲスト出演ありがとうございました。

上野都様     中島直樹様
金里博様     イ・ヨンボ様
岸田将幸様
生野毅様
鼓直様
平岡けいこ様

今年のロルカ詩祭も、ゲストの皆さまの熱演で盛り上がり、無事に終えることが出来ました。遠方から来て下さったに方には交通費さえ支給できず、しかも限られた時間進行を強いてしまったことが、誠に申し訳なく、改めてお詫びと感謝を申し上げ
ます。
しかし様々な世代と作風の詩人が一堂に会するこのささやかな催しは、今年も多くの文学的稔りを生みました。これを機会に、今後とも私どもと息の長い交流をお願いする次第です。
皆様方の一層のご活躍、ご健康をお祈りします。

2010・8・23

第13回ロルカ詩祭実行委員会世話人 寺岡良信
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みなさま、また来年(2011年)の8月第三土曜日(予定)に、第14回ロルカ詩祭の会場で、お会いしたしましょう。

◆2.--第55回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(8月29日)

われわれは、ロルカ詩祭の余韻にひたる間もなく、次なる詩のイベントを実施いたします。例年は、ロルカ詩祭のある8月は、『Melange』読書会・合評会はしないのですが、ゼロ年世代を代表する詩人の一人である安川奈緒さんをゲストとして迎えて
、29日(日)に開催することにしました。(安川さんが9月から渡仏されるため、その直前に日程を組んだのです)。

ナビゲート役は、高谷和幸氏。テキストとして『詩集 MELOPHOBIA』(思潮社)と、2010年の現代詩手帖の年鑑に書かれた「詩の存在論的倨傲について」。内容は「ゼロ年代詩がなにを目指しているのか? そしてわたしたちが詩を書くことにおいて、
見落としてきたもの。瀬尾育男さんが言う「決然とした抒情」とは何か? などを話し合えたらと考えています」(高谷氏)。

また、この日合評会もします。詩稿の締め切りは、26日(木)です。
ちなみに、第1部を「読書会」としますが、スタートは午後2時です。いつもより1時間遅らせての開始です。お間違えなく。第2部は、午後4時開始予定です。


◆3.--「金時鐘・詩的邂逅とその軌跡」のお知らせ(9月4日)

『70年代の金時鐘論 日本語を生きる金時鐘とわれらの日々』(松原新一、倉橋健一著、砂小屋書房)『在日と50年代文化運動 幻の雑誌「チンダレ」「カリオン」を詠む』(チンダレ研究会編、人文書院)『失くした季節 金時鐘四時詩集』(金時
鐘著、藤原書店)といった三つの書籍刊行を祝う発刊記念シンポジウムが、9月4日(土)に行われます。(会場は、今野和代さんの職場になります)

場所/大阪産業大学付属中学校高校5号館3階 06-6939-1491 
時間/9月4日(土)午後3時~5時(開場午後2時30分)
参加費/資料代として500円
問い合わせ/今野和代さんまで 090-1149-4042 要予約です
参加者/(綜合司会)細見和之(詩人、ドイツ思想)
    パネリスト(1)宇野田肖哉(日本思想史)
    (2)金時鐘(詩人) (3)倉橋健一(詩人) 
    (4)松原新一(文芸評論家) (5)今野和代(詩人)

◆4.--高谷和幸さんの詩集『ヴェジタブルパーティ』出版記念会のこと(9月11日)

いよいよ、待望の詩集『ヴェジタブルパーティ』出版記念会が9月11日にスペイン料理カルメンで行われます。会場ではいくつかの仕掛けがあるようです。楽しみにしています。

◇また、高谷和幸さんの詩の教室「エクリ」が、たつの市のガレリアで9月6日(月)11時から行われます。 詩稿を自ら10部程度コピーして持参してください。
この時に店主の井上さんにお願いして、名物のそうめんを用意していただく予定です。

アクセス (JR神戸駅から/なにぶん、たつのに行くのは少し時間がかかります)
新快速    神戸   午前9時40分発
       姫路   10時16分着
JR姫新線  姫路   10時24分発
       本竜野  10時45分着
徒歩でガレリアまで   15分

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ロルカ詩祭を終えて

2010年08月22日 12時46分29秒 | 文学

ロルカ詩祭のこと--13回も重ねると、レギュラー出演組の詩人たちも、その表現のありようが卓越してきたことを実感する。特に今野和代さんは近年詩の朗読会を重ねていることもあり、伴奏者のフリージャズベーシスト・中島直樹氏とのコラボも息がぴったり。朗読詩の醍醐味を充分に堪能させてくれる。


--今年80歳になるも壮健な鼓直氏は、我々の詩祭の宝である。今年も翻訳したてのロルカ詩をひっさげての参加。かのラテンアメリカ文学を日本に本格的に紹介した有為なる翻訳者が、われわれと同じ神戸の街に住み、かつロルカ詩祭に参加していただけることの至福を感じざるを得ない。


--そしてぼくの作品は、詩祭のために書き下ろしたもの。「周回道」と題し、「永久に死に続ける」ロルカを探す内容も含まれている。ぼくが自作詩を朗読するようになったのは2005年から。それまで第一部のロルカ詩朗読のみの参加だった。そしてこの年、様々な意味でぼくは変った。


--二年ぶりに参加した富哲世氏。第一部「ロルカ詩」で、「イグナシオ・サンチェス・ メヒーアスへの哀歌」を朗読。その圧倒的な表現力量は、聞く者を感動させる。われらの詩祭の見せどころの一つである。スペイン文学者の鼓直氏がその朗読を聴いて、深く感動されていたのが印象的。


--ゲスト詩人たちも多様であった。「反テキスト」的な朗読で異彩を放ったのが、生野毅さん。俳句作品(摂津義彦)を冒頭に、提示したテキストに依らず、声に近い音を重ねながら、身体表現をも声と同じく即自的に展開。テキストに依拠し、それを変容させていく詩人たちをも刺激した。

第13回ロルカ詩祭

2010年08月17日 19時29分19秒 | 文学
第13回ロルカ詩祭の案内

今年も、夏恒例の「ロルカ詩祭」を行います。
今回はゲスト朗読者が豪華です。
みなさん、楽しみにしてください。

▼ゲスト詩人------
生野 毅 / 平岡けいこ /  岸田将幸
上野 都 / 金 里博       〈朗読予定順〉

▼スケジュールと出演者
 ★開 場/午後5時
 ★第1部/午後5時30分~ロルカ詩の朗読 1.アグスティン2.今野和代 3.富 哲世 4.鼓 直
 ★第2部のA(自作詩の朗読)/5.福田知子 6.大橋愛由等 7.にしもとめぐみ 8.安西佐有理 9.大西隆志 10.高木冨子
      11.高谷和幸 〈10分休憩〉
      12.生野 毅 13.平岡けいこ 14.岸田将幸
 ★ 第2部のB(朝鮮・韓国と在日をモチーフにした自作詩の朗読)/
      15.寺岡良信 16.今野和代 17.富 哲世 18.上野 都  19.金 里博
      ◇演奏/中島直樹(ウッドベース)

◆日時/2010年 8月21日〈土〉
◆料金/1.コースA特別コース 3500円(スープ+サラダ+メインディッシュ(A.黒豚ロース肉の香味焼き B.マルタミコ(カツオの漁師風煮込み)のどちらか選択)+パエリア+デ ザート+コーヒー+チャージ料・税込)
2.コースB 2000円(One Drink +One Food +チャージ料・税込)One Foodは、1.スペイン産生ハム 2.チョリソー 3.タコとポテトのアリオリソース 4.ムール貝のアリオリソース 5.西洋キノコのガーリックいため 6. フラメンカエッグ のうちいずれかひとつ。
◆場所/神戸三宮 スペイン料理カルメン
◆問い合わせ先/ 078-331-2228

▼ロルカ詩祭への誘い……高木富子

 セマナサンタ「聖週間」にグラナダを訪れたことを思い出す。その夜、音楽隊、磔のキリスト、マリアの山車の行進をホテルの窓から見た。昼の雰囲気と異なり、女たちの衣裳が印象的だった。黒い服 胸にクルス、髪を高く結い上げた頭頂からイスラムの影響といわれるレースの大きな肩掛けマンティリャを垂らし、スペイン櫛でとめていた。行列はゴメレス坂をアルハンブラ宮殿の方へ登っていった。これは……葬列なのだ……。黒い馬と赤い月、ロルカの死を思った。アルバイシン、アルハンブラの夜空が薄暗かった。
 グラナダ、ロルカが少年期を過ごした街、マドリッドやアメリカに過ごした時も夏には戻り家族と過ごし執筆に励んだ街。
 1936年7月16日グラナダへ、18日内戦勃発、8月16日逮捕、19日銃殺された。
 何故フランコひきいる反乱軍の手により慌しく銃殺されなければならなかったか? 
 フランコ支配のスペインで久しく語ることさえ憚られた彼の詩と死。
 ロルカ38歳の死の意味……当時の国際義勇軍と右翼フランコの対峙や主義思想以前の問題として、もっともスペイン的なるもの、蔑まれ傷めつけられた人々の魂の声を代弁していたからこそ彼は殺されたのだ。最期の地は今「ロルカ公園」となり、荒地
にオリーブの木があるという。その一本のオリーブの木にロルカをスペインの魂を重ねる。自身の運命を予告するかのように彼は歌っていた。
 「若々しい裸形の空想は身を焼かれるごとく……」
 わたしたちは思う、願う。裸形の空想は受け継がれ生きていく、と。
 歴史を辿り記憶を這って 今なお繰り返され遠ざからない悪夢を超えてぺシミズムに絶えず馴らされるとしても 口噤まないこと、とわたしたちは集う、ロルカ詩祭に。

三宮徘徊

2010年08月16日 20時10分31秒 | 神戸
昨夜、詩人Tさんと「ガールズ立ち飲み屋」とも言うべき店へ。
揃いのTシャツを着た若い女性が三人。やたらテンションが高い。
Tさんは「ここに来るのはもてない男ばかり。擬似恋愛を経験するために来ている」。
女性スタッフのひとりは、なんと徳之島天城町出身だった。
島の話をして、ぼくが南海日日新聞に書いているコラムのコピーを手渡した。