神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

航海には荒天がつきもの

2006年11月28日 14時09分18秒 | こうべ花気だより
かたります。
体温があたたかいわたしの手をかざします。
すこしずつみえてきます。
細身がさらに細くなったかもしれません。
「きっと」ではなく
「たぶん」という気息に似た発音。
空想上の鳥族が、われわれの間近に迫っているのかもしれません。
いるとすれば、六甲あたりに羽根を休んでいねのかしら。ちょっといじわるな奴かもしれません。


ふたりだけで

2006年11月27日 14時08分03秒 | こうべ花気だより
その決断を伝えた時、短く重い沈黙が訪れます。
そして次に、その決断を正当化する理由をみつけていきます。
決断を伝えたわたしが、こんどはその決断の正統性をひとつずつ拒否していくのです。
そしてその決断を撤回したのです、わたしが。

昨夜から日をまたいで、その人と語り合っていました。
ながくつらい数日間でした。
それはふたりにとって。
ふたりの魂(たま)がはげしく交換されます。
夜中、その人を送る時、背中をぽんとやさしく押したのです。

詩集『ボオカリーズ』出版記念会ひらかれる

2006年11月26日 14時06分47秒 | めらんじゅ
寺岡良信さんの詩集『ボオカリーズ』(まろうど社刊)出版記念会が、神戸市内のレストランCで開催されました。

20人近く集まった詩人や友人たちは、閑かに、詩業をたたえ、宴もおだやかに進行していきます。
わたしは版元として、「鳴り響(とよ)む」と「嗚咽」というコトバをつかって、出版を言祝ぎました。

いい会でした。
しっとりとしていて、著者本人は多くを語らず、真ん中に座して、耳の人となっていました。
こういう会はいつまでも記憶に残ります。
寺岡氏はこの詩集刊行を機に詩人として大きく飛躍することでしよう。

事務連絡は

2006年11月25日 14時05分46秒 | こうべ花気だより
メールだけはなんとか通じていたので、事務連絡をしてみました。
返事がきます。
それ対して返信。
相手からの返信。
その人は携帯メールを何度も往復するというタイプではないのでずが。
ふたたび返信を返す。
間をおいて電話がかかる。
その一本の電話がなかったら、糸は切れていた。

糸が切れそうです

2006年11月23日 14時03分27秒 | こうべ花気だより
糸をたぐろうと思いつつ、今日は特別な記念日なので、その祝祭的気分のままに自分を置いていたくて、しなかったのです。

独酌をしつつ、来し方を振り返り、これからの年月の重なりを考えて行きます。
でも、糸が切れそうなんだよね。
もうひとつわたしがかかわっている「秘匿ブログ」にメッセージは送り続けているのですが、果たして届いているのかどうか。

出版社の仕事

2006年11月22日 14時02分05秒 | 出版
いよいよ、本文だけでも、766ページもあるという『甦る詩学』がわたしの許を離れ、印刷・製本の段階となりました。

もちろん、出版社の仕事は、本を出すというだけでなく、その本がしかるべき評価を得るために市場や評論の世界で努力しなければなりません。
仕事はこれから始まったばかりです。

ある「判定」をめぐって

2006年11月21日 14時00分46秒 | こうべ花気だより
その「判定」結果を報せて以降、ぷっつりと連絡が途絶えてしまったのです。
わたしは今日『甦る詩学』を責了するために大阪の印刷会社に。
その間、その「判定」をめぐって、携帯から情報を集めます。
無事、責了をすませた後、安堵する間もなく、気になって仕方ありません。

武満徹を聴きながら

2006年11月18日 13時57分58秒 | こうべ花気だより
二人が乗ったロープウェイは山頂を目指します。
用意したMDプレーヤーから、武満徹の映画音楽「燃える秋」を流しています。
二人で聴くために、今朝LPレコードからMDに録音しておいたものです。
ハーブの香りが満ちたその山頂で、逍遥し、休息し、語り、ハーブティーを呑みます。
あえかな時間が流れています。
武満の曲が環境音楽として、閑かに、鳴り響いていたのです。

スペイン内戦勃発から70 年

2006年11月17日 22時20分04秒 | 出版
数日前、京都外大の板東省次氏から電話。
12月17日(土)に、1936年に起きたスペイン内戦から70年、ロルカの没後70年の節目にあたることについて考えるシンポウジムが同大学で行われるとのこと。

その二部として、ロルカの詩を朗読する時間を設けるので、朗読者を紹介してほしい、との打診がありました。

さっさく「ロルカ詩祭」第一部のロルカ作品を朗読する詩人たちに声をかけたのです。

明日、打ち合わせをしますが、わたしも朗読に参加する予定です。


本を読まなくなったのは

2006年11月15日 13時56分24秒 | 出版
果たして若者たちだけが本を読まなくなったのでしょうか。
中年の域に達した人たちも、そう多く読書をしているとは思えません。
出版社を営んでいる立場からすると、読書人口がいつも安定していることが望ましいのですが、わたしと同世代の人たちを見ていると、働くのに、生きて行くのに毎日を乗り越えるのが必死で、読書を楽しむまでの余裕がないことは確かです。
すくいう私も、本を編集していて、活字の世界にはとっぷり浸かっていることは確かですが、溢れんばかりの読書をしているかというと、疑問です。また、読書をするくらいなら、自前の出版物をより多く売る算段をしているほうが、生産的であるとの打算も浮かんでくるのです。

編集大詰め

2006年11月14日 11時03分13秒 | 出版
藤井貞和著『甦る詩学 「古日本文学発生論」続・南島集成』の編集が佳境に入っています。

本書は本文が760ページもの大著。項目でいえば、96ほどあり、まさに、知の大河と呼ぶのにふさわしい内容です。

編集はこれからが勝負。まだまだ気が抜けません。