9月となりました。
先月末から天候が不安定で、梅雨のように雨続きです。
これから催される詩や俳句に関するイベントのお知らせをみなさんにいたします。
----INDEX----------------------------------------------------------------------------------------------------------
◆1.--第106回「Melange」読書会・合評会〈9月27日(日)〉←再掲
◆2.--カフェ・エクリ〈9月14日(月)〉←第一部読書会は高谷和幸、大橋愛由等が発表
◆3.--文学短報=A/〈2015年―ふれあいの祭典 詩のフェスタひょうご〉〈10月4日(日)〉 B/――詩友・句友近況
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◆1.--第106回「Melange」読書会・合評会〈9月27日(日)の予定〉
「月刊めらんじゅ」の105号〈8月15日付〉」は、第18回ロルカ詩祭で朗読された「書き下ろし朗読作品」を中心に編集します。
したがって、9月に開催するのは、第106回「Melange」読書会・合評会となります〈「月刊めらんじゅ」の号数に合わせて月例会開催の回数をカウントするためです〉
9月は変則的な構成となります。第一部に合評会をして、第二部として、上野都訳『尹東柱詩集 空と風と星と詩』(コールサック社)を読む会といたします(訳者の上野さんも同席されます)。そしてそのまま出版を祝う会を、同じ会場(神戸・三宮のスペイン料理カルメン)で午後6時から行います。
(「Melange」月例会は、参加費などは不要です。参加していただいた方には、「月刊めらんじゅ」最新号をさしあげます)
☆/第1部・合評会(PM1:00-4:00)
作品の締め切りは、9月24日(木)です。合評会に出席できなくとも、送っていただいた詩稿は、「月刊めらんじゅ」に掲載します。(Wordの添付ファイルで送稿される方が多いのですが、Wordのバージョンによって文字化けが必ずといっていいほど起きます。詩稿の送信は、添付ファイルを付けてもいいのですが、その際には、メール本体に詩稿を貼り付けておいてください。これは必ずお願いします)
☆/第2部・読書会(PM4:00-6:00)
上野さんが永年かかわりつづけた尹東柱の作品世界を、上野さんならではの感性で翻訳されました。ここ数年、尹東柱の詩碑がある同志社大学今出川キャンパスで、尹東柱の命日(2/16)にあわせて、追悼会をしている仲間として、この訳詩集が上梓されたことに、深い感銘をうけるのです。どうぞみなさん、この詩集の世界に分け入ることで、国家に生と表現を翻弄された夭折詩人の詩世界に接してください。
◇追伸/8月15日に行われた第18回ロルカ詩祭にゲストとして参加していただいた海埜今日子さんが、詩祭と神戸の印象記をブログに書かれています。(感謝です/大橋)
http://www.haizara.net/~shimirin/nuc/OoazaHyo.php
◆2.--カフェ・エクリ〈9月14日(月)〉
〈高谷和幸氏からのメッセージ〉
☆会場変更/「予定していました姫路アイメッセ会議室は休館日になっていまして、斜め向かいにあります納屋工房に変更します。秋の馬、森のふくろうたちがお待ちします。わっはっはっ…。」
○9月14日(月) 午後2時から 納屋工房(JR姫路駅下車、「みゆき通り」をずっと北上。アーケードの果ての左(西)側の建物である大手前第一ビル4Fにあるフリースペース)で。
読書会を大橋と高谷が受け持ちます。
○高谷和幸のテーマ/瀬尾育生(詩人)『純粋言語論』五柳書院刊から(事前に読まなくても可)
前回は山鳥重著「言葉と脳と心」講談社現代新書から、「失語症」には心・言葉・脳という3つの分有する世界があることを見てきました。今回は瀬尾育生の「純粋言語論」を取り上げます。「純粋言語論」はベンヤミンからの引用ですが、3.11以降の言語のショート状態にあるときに瀬尾育生が「人間は誰に自己を伝達するのか?」という疑問からイベント、講演会を続けました。その記録が書物になったものです。基底にあるものは、物質と人間の言葉の関係だと思います。面白いのは法華経の経文を全員で読んだり、宮澤賢治の「歌曲」の中の「応援歌」を読みあったり?、唱和?するという実験をしているところです。今回は瀬尾育生のイベントを再現してみようと考えています。さてどうなるかお楽しみに。
○大橋愛由等のテーマ/北原白秋~近代詩の断層
これほど出自の町をあげて顕彰される詩人は、珍しいのではないか。
北原白秋(1885年〈明治18〉~1942年〈昭和17〉)。詩人で、童謡・新民謡を創作し、歌人でもある。
福岡県柳川市では、生家が保存され、記念館になっている。
また命日にあたる11月2日は、市民が集い、花火が打ち上げられ、その文学的偉業がたたえられる。
今夏、ふとした機縁で、柳川市を訪れることになった。うるわしき水郷の地。もちろん“白秋さん”と出会うためである。
しかし私にとって、この旅がなければ、“白秋さん”と出会うことはなかっただろう(私の今回の九州旅の主目的は、日本に三体しかない毘盧遮那仏のひとつがある〈太宰府・戒壇院〉に向かい、華厳思想を深めることにあった)。
「あめふり」「この道」「ペチカ」「あわて床屋」「ちゃっきり節」などいまでも愛唱される童謡・民謡の多くを作ったことでも知られ、「国民的詩人」と呼称される“白秋さん”。しかしその溢れんばかりの叙情性は、現代に生きる詩人たちが向き合っている(あるいは受肉化している)とはいいがたい。しかし、短歌の世界ではいまだ白秋は、作歌の現場にいる歌人たちの表現世界にも通じる「短歌界の先達」に位置づけられているのである。詩の、戦後に築かれた〈現代詩〉と、戦前までの〈近代詩〉によこたわる越えがたき断層について思いをはせる時、短歌の世界では、戦後に展開された「第二芸術論」「奴隷の韻律」といった批評を乗り越えて、戦前から戦後をつらぬくひとつの〈表現(抒情)の共時態〉があることが分かる。そうした差異を思念のひとつとして、“白秋さん”の詩業(その叙情性のありか)をわたしなりに考えてみたい。
〈参考文献〉特になし。ネット上で、北原白秋の童謡や民謡を検索して、その口誦性ゆたかな作品世界を動画などで、味わってください。評論集では『北原白秋』(横木徳久、思潮社、1989)、『北原白秋ノート』(飯島耕一、小沢書店、1978)
☆2部は合評会です。意欲的な自作詩を歓迎。12部コピーしてください。
※追記 会場費が500円になります。別途テキストのコピー代、茶菓代がかかります。(持ち込み歓迎)
☆「カフェ・エクリ」8月31日(月)~9月1日(火)は「岡山・新見一泊紀行」を致しました。詩人・木澤豊さんが所有している岡山県新見市の別荘に合計9人で向かいました。楽しいひとときでした。宴の一部を動画に収めています。食べては語り、語っては呑み、歌ったり、踊ったり、自作詩を朗読する人も。以下の動画は、とりとめない内容ですが、参考までに。
http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/197266216
http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/197266216
以下は、10月からの「カフェ・エクリ」の開催予定です。曜日はすべて月曜日です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・10月19日(月)午後2時~/姫路市・納屋工房/大橋愛由等が「スピノザを読む」の第二弾~「ドゥールーズはスピノザはどう語ったか」を担当予定(参考文献/ドゥールーズ著『スピノザ』〈平凡社ライブラリー〉)
・11月09日(月)午後2時~/たつの市「ガレリア」
・12月07日(月)午後2時~/姫路アイメッセ会議室
2016年
・01月/休会
・02月08日(月)午後2時~/姫路アイメッセ会議室
・03月07日(月)午後2時~/たつの市ガレリア
・04月04日(月)午後2時~/姫路アイメッセ会議室
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
☆高谷和幸氏の主宰詩誌「Oct.」3号の締め切りは、9月10日(木)です。
詩稿は、見開きなら、36行✕30字(タイトル・筆者名のぞく)。
エッセイ、評論は、二段組82行✕26字(タイトル・筆者名のぞく)
☆以上、エクリに関する問い合わせ先は、高谷和幸 <takatani_kk@yahoo.co.jp>へ。
◆3.--文学短報
A/-----〈2015年―ふれあいの祭典 詩のフェスタひょうご〉が10月4日(日)に開かれます。
(私・大橋が制作したチラシを添付しておきます)
時間/午後1時から4時まで(受付は12時30分から)
会場/ラッセホール(神戸市中央区)
主催/詩のフェスタひょうご実行委員会
共催/兵庫県、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、兵庫県現代詩協会
参加費/無料
―――――――――――――――――――――――――――――――☆
〈第1部 講演〉pm1:00~
講師/佐々木 幹郎
演題/「書く」こと、「待つ」こと。
―中原中也とチェホフをめぐって
〈第2部 詩の朗読会〉pm3:00~
一般募集による自作詩の朗読会
参加者募集中です
―――――――――――――――――――――――――――――――☆
佐々木幹郎氏プロフィール
1947年奈良で生まれ、大阪で育つ。東京都在住。『新編中原中也全集』(全5巻別巻1)の責任編集委員。詩集に『死者の鞭』、『蜂蜜採り』(高見順賞)、『悲歌が生まれるまで』、『明日』(萩原朔太郎賞)。評論・エッセイ集に『中原中也』(サントリー学芸賞)、『アジア海道紀行』(読売文学賞)、『やわらかく、壊れる』、『旅に溺れる』、『瓦礫の下から唄が聴こえる』、『東北を聴くー民謡の原点を訪ねて』ほか。
―――――――――――――――――――――――――――――――☆
会場/ラッセホール
神戸市中央区中山手通4-10-8
電話078-291-1117
JR・阪神元町駅・市営地下鉄県庁前(東出口1番)より徒歩8分
阪急三宮駅・地下鉄三宮駅から徒歩15分
申込み・問合わせ先/詩のフェスタ実行委員会事務局
〒663-8006 西宮市段上町6-14-4(神田さよ方)
tel 0798-53-0686 fax 0798-53-6991
―――――――――――――――――――――――――――――――☆
B/――詩友、句友近況
01* 柳人・小池正博氏は、11月21日(土)に神戸文学館で講演をします。テーマ、内容をお知らせします。
◇橋石の俳句と連句
金沢に生まれ、神戸商科大学の英文学教授をつとめた橋石は神戸ゆかりの俳人・連句人です。
俳誌「白燕」を創刊。俳句・連句・エッセイを三本柱としました。『和栲』で第18回蛇笏賞を受賞。
「銀河系のとある酒場のヒヤシンス」などの句が有名です。「僕は芭蕉に会ったら聞きたいことがある」と言っていた石が俳諧に求めていたものは何だったのか。
石の俳句と連句について振り返りながら、簡単な連句のワークショップも行ないます。
【講師】小池正博(日本連句協会・理事)
◇午後2時からです。3時30分修了予定
◇参加費/資料代として徴収します(200円程度)
◇問い合わせ・申し込み先/神戸文学館 〒657-0838神戸市灘区王子町3丁目1番2号 電話・FAX 078-882-2028
02*北の句会9月句会
日時/2015年9月23日(祝)13:00-17:00
場所/なんば市民学習センター第4会議室 電話06-6643-7010
毎回、句会終了後に懇親会を行っています。
作品/課題詠1句、自由詠2句の合計3句を事前提出。課題は「擬態」です。
締切/9月16日(水)
03*「奄美語り」
大橋愛由等は、11月23日(祝・月)に、神戸市長田区で、奄美について語ります。
この語りは、「大阪教区沖縄交流・連帯委員会」から招かれたものです。同委員会はこれまで、沖縄について学習し、沖縄と連帯していこうと活動している牧師と信者のみなさんの集団です。いままで沖縄についての学習がもっぱらでしたが、今回は奄美が中心となります。語りの内容は、鹿児島でもなく、沖縄でもない奄美のありようについてをいくつかの角度から紹介します。また、聴衆がキリスト教関係者ですので、戦前にあった奄美におけるキリスト教弾圧についても語ります。
◇時間/11月23日(祝・月)午後2時JR新長田駅改札口集合
◇会場/まず、新長田駅から徒歩4分の「神戸奄美会館」に向かいます。この会館は、奄美出身者が所有しているもので、神戸市内にはもうひとつ「沖州会館」があります(奄美出身者は本土〈ヤマト〉に多く住んでいますが、自前の会館(集会所)を二カ所も所有しているのは神戸だけです)
・この会館で、まず大橋が奄美語りを90分ほどします。
◇奄美関係場所めぐり/長田は、奄美出身者にとって、縁(えにし)の深い場所です。この地の地場産業であるケミカルシューズ業界に従事する出身者は多いのです。また、奄美が米軍政によって支配=「行政分離」(1946-1953)されていた時期、奄美出身者は、Non-Japanese 扱いとなったため、出身者同士の互助組織が必要となって1946年2月には長田で早々に「奄美連盟」が結成されています。
◇徳之島しまうた鑑賞/再び、神戸奄美会館にもどり、徳之島出身の米川宗夫さんによるシマウタを、聞いてもらいます。徳之島はこの島独自のうたが多く、奄美大島とは異なる響きが魅力です。
◇懇親会/「シマジュウリ」という奄美料理を食べさせてくれる店に向かいます。大きな店ではないのですが、奄美大島出身で唄者でもある主人の心尽くしの料理と黒糖焼酎でもてなします。
先月末から天候が不安定で、梅雨のように雨続きです。
これから催される詩や俳句に関するイベントのお知らせをみなさんにいたします。
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◆1.--第106回「Melange」読書会・合評会〈9月27日(日)〉←再掲
◆2.--カフェ・エクリ〈9月14日(月)〉←第一部読書会は高谷和幸、大橋愛由等が発表
◆3.--文学短報=A/〈2015年―ふれあいの祭典 詩のフェスタひょうご〉〈10月4日(日)〉 B/――詩友・句友近況
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◆1.--第106回「Melange」読書会・合評会〈9月27日(日)の予定〉
「月刊めらんじゅ」の105号〈8月15日付〉」は、第18回ロルカ詩祭で朗読された「書き下ろし朗読作品」を中心に編集します。
したがって、9月に開催するのは、第106回「Melange」読書会・合評会となります〈「月刊めらんじゅ」の号数に合わせて月例会開催の回数をカウントするためです〉
9月は変則的な構成となります。第一部に合評会をして、第二部として、上野都訳『尹東柱詩集 空と風と星と詩』(コールサック社)を読む会といたします(訳者の上野さんも同席されます)。そしてそのまま出版を祝う会を、同じ会場(神戸・三宮のスペイン料理カルメン)で午後6時から行います。
(「Melange」月例会は、参加費などは不要です。参加していただいた方には、「月刊めらんじゅ」最新号をさしあげます)
☆/第1部・合評会(PM1:00-4:00)
作品の締め切りは、9月24日(木)です。合評会に出席できなくとも、送っていただいた詩稿は、「月刊めらんじゅ」に掲載します。(Wordの添付ファイルで送稿される方が多いのですが、Wordのバージョンによって文字化けが必ずといっていいほど起きます。詩稿の送信は、添付ファイルを付けてもいいのですが、その際には、メール本体に詩稿を貼り付けておいてください。これは必ずお願いします)
☆/第2部・読書会(PM4:00-6:00)
上野さんが永年かかわりつづけた尹東柱の作品世界を、上野さんならではの感性で翻訳されました。ここ数年、尹東柱の詩碑がある同志社大学今出川キャンパスで、尹東柱の命日(2/16)にあわせて、追悼会をしている仲間として、この訳詩集が上梓されたことに、深い感銘をうけるのです。どうぞみなさん、この詩集の世界に分け入ることで、国家に生と表現を翻弄された夭折詩人の詩世界に接してください。
◇追伸/8月15日に行われた第18回ロルカ詩祭にゲストとして参加していただいた海埜今日子さんが、詩祭と神戸の印象記をブログに書かれています。(感謝です/大橋)
http://www.haizara.net/~shimirin/nuc/OoazaHyo.php
◆2.--カフェ・エクリ〈9月14日(月)〉
〈高谷和幸氏からのメッセージ〉
☆会場変更/「予定していました姫路アイメッセ会議室は休館日になっていまして、斜め向かいにあります納屋工房に変更します。秋の馬、森のふくろうたちがお待ちします。わっはっはっ…。」
○9月14日(月) 午後2時から 納屋工房(JR姫路駅下車、「みゆき通り」をずっと北上。アーケードの果ての左(西)側の建物である大手前第一ビル4Fにあるフリースペース)で。
読書会を大橋と高谷が受け持ちます。
○高谷和幸のテーマ/瀬尾育生(詩人)『純粋言語論』五柳書院刊から(事前に読まなくても可)
前回は山鳥重著「言葉と脳と心」講談社現代新書から、「失語症」には心・言葉・脳という3つの分有する世界があることを見てきました。今回は瀬尾育生の「純粋言語論」を取り上げます。「純粋言語論」はベンヤミンからの引用ですが、3.11以降の言語のショート状態にあるときに瀬尾育生が「人間は誰に自己を伝達するのか?」という疑問からイベント、講演会を続けました。その記録が書物になったものです。基底にあるものは、物質と人間の言葉の関係だと思います。面白いのは法華経の経文を全員で読んだり、宮澤賢治の「歌曲」の中の「応援歌」を読みあったり?、唱和?するという実験をしているところです。今回は瀬尾育生のイベントを再現してみようと考えています。さてどうなるかお楽しみに。
○大橋愛由等のテーマ/北原白秋~近代詩の断層
これほど出自の町をあげて顕彰される詩人は、珍しいのではないか。
北原白秋(1885年〈明治18〉~1942年〈昭和17〉)。詩人で、童謡・新民謡を創作し、歌人でもある。
福岡県柳川市では、生家が保存され、記念館になっている。
また命日にあたる11月2日は、市民が集い、花火が打ち上げられ、その文学的偉業がたたえられる。
今夏、ふとした機縁で、柳川市を訪れることになった。うるわしき水郷の地。もちろん“白秋さん”と出会うためである。
しかし私にとって、この旅がなければ、“白秋さん”と出会うことはなかっただろう(私の今回の九州旅の主目的は、日本に三体しかない毘盧遮那仏のひとつがある〈太宰府・戒壇院〉に向かい、華厳思想を深めることにあった)。
「あめふり」「この道」「ペチカ」「あわて床屋」「ちゃっきり節」などいまでも愛唱される童謡・民謡の多くを作ったことでも知られ、「国民的詩人」と呼称される“白秋さん”。しかしその溢れんばかりの叙情性は、現代に生きる詩人たちが向き合っている(あるいは受肉化している)とはいいがたい。しかし、短歌の世界ではいまだ白秋は、作歌の現場にいる歌人たちの表現世界にも通じる「短歌界の先達」に位置づけられているのである。詩の、戦後に築かれた〈現代詩〉と、戦前までの〈近代詩〉によこたわる越えがたき断層について思いをはせる時、短歌の世界では、戦後に展開された「第二芸術論」「奴隷の韻律」といった批評を乗り越えて、戦前から戦後をつらぬくひとつの〈表現(抒情)の共時態〉があることが分かる。そうした差異を思念のひとつとして、“白秋さん”の詩業(その叙情性のありか)をわたしなりに考えてみたい。
〈参考文献〉特になし。ネット上で、北原白秋の童謡や民謡を検索して、その口誦性ゆたかな作品世界を動画などで、味わってください。評論集では『北原白秋』(横木徳久、思潮社、1989)、『北原白秋ノート』(飯島耕一、小沢書店、1978)
☆2部は合評会です。意欲的な自作詩を歓迎。12部コピーしてください。
※追記 会場費が500円になります。別途テキストのコピー代、茶菓代がかかります。(持ち込み歓迎)
☆「カフェ・エクリ」8月31日(月)~9月1日(火)は「岡山・新見一泊紀行」を致しました。詩人・木澤豊さんが所有している岡山県新見市の別荘に合計9人で向かいました。楽しいひとときでした。宴の一部を動画に収めています。食べては語り、語っては呑み、歌ったり、踊ったり、自作詩を朗読する人も。以下の動画は、とりとめない内容ですが、参考までに。
http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/197266216
http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/197266216
以下は、10月からの「カフェ・エクリ」の開催予定です。曜日はすべて月曜日です。
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・10月19日(月)午後2時~/姫路市・納屋工房/大橋愛由等が「スピノザを読む」の第二弾~「ドゥールーズはスピノザはどう語ったか」を担当予定(参考文献/ドゥールーズ著『スピノザ』〈平凡社ライブラリー〉)
・11月09日(月)午後2時~/たつの市「ガレリア」
・12月07日(月)午後2時~/姫路アイメッセ会議室
2016年
・01月/休会
・02月08日(月)午後2時~/姫路アイメッセ会議室
・03月07日(月)午後2時~/たつの市ガレリア
・04月04日(月)午後2時~/姫路アイメッセ会議室
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☆高谷和幸氏の主宰詩誌「Oct.」3号の締め切りは、9月10日(木)です。
詩稿は、見開きなら、36行✕30字(タイトル・筆者名のぞく)。
エッセイ、評論は、二段組82行✕26字(タイトル・筆者名のぞく)
☆以上、エクリに関する問い合わせ先は、高谷和幸 <takatani_kk@yahoo.co.jp>へ。
◆3.--文学短報
A/-----〈2015年―ふれあいの祭典 詩のフェスタひょうご〉が10月4日(日)に開かれます。
(私・大橋が制作したチラシを添付しておきます)
時間/午後1時から4時まで(受付は12時30分から)
会場/ラッセホール(神戸市中央区)
主催/詩のフェスタひょうご実行委員会
共催/兵庫県、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、兵庫県現代詩協会
参加費/無料
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〈第1部 講演〉pm1:00~
講師/佐々木 幹郎
演題/「書く」こと、「待つ」こと。
―中原中也とチェホフをめぐって
〈第2部 詩の朗読会〉pm3:00~
一般募集による自作詩の朗読会
参加者募集中です
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佐々木幹郎氏プロフィール
1947年奈良で生まれ、大阪で育つ。東京都在住。『新編中原中也全集』(全5巻別巻1)の責任編集委員。詩集に『死者の鞭』、『蜂蜜採り』(高見順賞)、『悲歌が生まれるまで』、『明日』(萩原朔太郎賞)。評論・エッセイ集に『中原中也』(サントリー学芸賞)、『アジア海道紀行』(読売文学賞)、『やわらかく、壊れる』、『旅に溺れる』、『瓦礫の下から唄が聴こえる』、『東北を聴くー民謡の原点を訪ねて』ほか。
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会場/ラッセホール
神戸市中央区中山手通4-10-8
電話078-291-1117
JR・阪神元町駅・市営地下鉄県庁前(東出口1番)より徒歩8分
阪急三宮駅・地下鉄三宮駅から徒歩15分
申込み・問合わせ先/詩のフェスタ実行委員会事務局
〒663-8006 西宮市段上町6-14-4(神田さよ方)
tel 0798-53-0686 fax 0798-53-6991
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B/――詩友、句友近況
01* 柳人・小池正博氏は、11月21日(土)に神戸文学館で講演をします。テーマ、内容をお知らせします。
◇橋石の俳句と連句
金沢に生まれ、神戸商科大学の英文学教授をつとめた橋石は神戸ゆかりの俳人・連句人です。
俳誌「白燕」を創刊。俳句・連句・エッセイを三本柱としました。『和栲』で第18回蛇笏賞を受賞。
「銀河系のとある酒場のヒヤシンス」などの句が有名です。「僕は芭蕉に会ったら聞きたいことがある」と言っていた石が俳諧に求めていたものは何だったのか。
石の俳句と連句について振り返りながら、簡単な連句のワークショップも行ないます。
【講師】小池正博(日本連句協会・理事)
◇午後2時からです。3時30分修了予定
◇参加費/資料代として徴収します(200円程度)
◇問い合わせ・申し込み先/神戸文学館 〒657-0838神戸市灘区王子町3丁目1番2号 電話・FAX 078-882-2028
02*北の句会9月句会
日時/2015年9月23日(祝)13:00-17:00
場所/なんば市民学習センター第4会議室 電話06-6643-7010
毎回、句会終了後に懇親会を行っています。
作品/課題詠1句、自由詠2句の合計3句を事前提出。課題は「擬態」です。
締切/9月16日(水)
03*「奄美語り」
大橋愛由等は、11月23日(祝・月)に、神戸市長田区で、奄美について語ります。
この語りは、「大阪教区沖縄交流・連帯委員会」から招かれたものです。同委員会はこれまで、沖縄について学習し、沖縄と連帯していこうと活動している牧師と信者のみなさんの集団です。いままで沖縄についての学習がもっぱらでしたが、今回は奄美が中心となります。語りの内容は、鹿児島でもなく、沖縄でもない奄美のありようについてをいくつかの角度から紹介します。また、聴衆がキリスト教関係者ですので、戦前にあった奄美におけるキリスト教弾圧についても語ります。
◇時間/11月23日(祝・月)午後2時JR新長田駅改札口集合
◇会場/まず、新長田駅から徒歩4分の「神戸奄美会館」に向かいます。この会館は、奄美出身者が所有しているもので、神戸市内にはもうひとつ「沖州会館」があります(奄美出身者は本土〈ヤマト〉に多く住んでいますが、自前の会館(集会所)を二カ所も所有しているのは神戸だけです)
・この会館で、まず大橋が奄美語りを90分ほどします。
◇奄美関係場所めぐり/長田は、奄美出身者にとって、縁(えにし)の深い場所です。この地の地場産業であるケミカルシューズ業界に従事する出身者は多いのです。また、奄美が米軍政によって支配=「行政分離」(1946-1953)されていた時期、奄美出身者は、Non-Japanese 扱いとなったため、出身者同士の互助組織が必要となって1946年2月には長田で早々に「奄美連盟」が結成されています。
◇徳之島しまうた鑑賞/再び、神戸奄美会館にもどり、徳之島出身の米川宗夫さんによるシマウタを、聞いてもらいます。徳之島はこの島独自のうたが多く、奄美大島とは異なる響きが魅力です。
◇懇親会/「シマジュウリ」という奄美料理を食べさせてくれる店に向かいます。大きな店ではないのですが、奄美大島出身で唄者でもある主人の心尽くしの料理と黒糖焼酎でもてなします。