冬まっさかり。
2019年2月のメールニュースです。
24回目の〈奄美ふゆ旅〉から帰ってきました。
奄美のヲナリ神に守られたり、試練をあたえられたり、今年も多くの物語が誕生したのです。
神戸から、詩と俳句を中心とした文学イベントのお知らせです。2019年がじくじくと月日を重ねていってます。
今回はじめてこのメールニュスを送る方がいらっしゃいます。月に一回、神戸から発信されるささやかな文学情報メールニュースです。
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◆1.--第140回「Mélange」例会〈2月24日(日)〉読書会と合評会←読書会テーマ〈短歌の今を語る(仮題)〉
◆2.--カフェ・エクリの活動〈2月4日(月)〉
◆3.―2019年〈日本・韓国・在日コリアン詩人共同ユン・ドンジュ追悼会〉→2月18日(月)開始時間は午後2時
◆4.--文学短報=A/――南海日日新聞の連載コラム「つむぎ随想」 B/――FMわぃわぃ奄美専門チャンネル「南の風」2019年の特集は「世(ゆ)替わり―奄美の視点から」 C/――24回目の〈奄美ふゆ紀行〉1月21日(月)~24日(木)C/――俳句情報〈俳句と評論誌「奔」〉D/――近況集 E/――元正章牧師の「宣教」から引用〈1.17について〉 G/――韓国映画「金子文子と朴烈(パク・ヨル)」の上映について(再掲)
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◆1.--第140回「Mélange」例会〈2月24日(日)〉読書会と合評会
140回目の「Mélange」例会は第一部「読書会」(pm1:00~3:00)。第二部「合評会」(pm3:15~6:00)です。
2月の例会「読書会」は、詩人で歌人である野田かおり氏の語りです。「Mélange」例会で短歌を取り上げるのは、今回で2回目です(前回は吉野節子さんが前登志夫氏の作品世界を取り上げました)。近年の短歌世界は若い世代が意欲的に創作していて活況を呈しています。同時代に生きる若き歌人たちはなにを表現しているのか、興味深いものがあります。野田氏には自作の短歌を含めて、推薦の作品をもとに語ってもらう予定です。「Mélange」の会は、詩と俳句を横断する人が多いのですが、短歌と横断するひとは少ないのです。
―――――――野田かおり氏からのメッセージ-----------------------------------☆
①短歌における詩的飛躍
②2018年に出版された若手歌人の歌集(今のところ4歌集を考えています)より、詩的飛躍がみられる歌について検討します。前半はわたしが歌を読んで多少の解説を加えていきますが、後半は参加者で歌のなかの詩的飛躍について意見交換したいです。私の作品は最後に紹介するくらいでいいと思います。
③文献は手にはいりにくそうなので、レジュメを作成します(当日持参します)。
―――――――-----------------------------------------------------------------☆
△第2部の詩の合評会き、午後3時すぎからスタートします。△第三部は、懇親会です(これがまた愉しい詩人たちのひとときです。去年暮れから例会に詩を愛好する方の参加があり、参加者の幅が広くなりました)。
△第二部(pm3:00~6:00)は、詩の合評会です。
今回も意欲的な作品をお寄せください。
作品の締め切りは2月21日(木)です。
合評会への詩稿は、「月刊めらんじゅ140号」に掲載。合評会当日にみなさんに配布(無料)します。
この会を運営しているのは、神戸を拠点とする詩のグループ「Mélange」。代表と事務局は私・大橋愛由等。詩の会(二部構成)をほぼ毎月開催しています)。
■会場:スペインレストラン「カルメン」電話:078-331-2228(阪急三宮駅西口から北へ徒歩一分)創業1956年の神戸でも有数の老舗レストランです。毎週土曜日にフラメンコライブをしています。
――――――――――◇
「Mélange」月例会、2019年の日程がすこしずつ決まっています。
今年もさまざまな人の語りで刺激を受けたいと思っています。
(敬称略・開催場所はすべて神戸三宮のスペイン料理カルメン・開催時間は毎回午後1時)
予定ですので変更する場合があります。
*2019年前半の現在決まっている読書会の内容です(敬称略)。
☆03月24日(日)141th/高木敏克(好評シリーズ「カフカを読む/『審判』を取り上げます」。日本を舞台にした在日英国人のジョン・ウィリアムズ監督による映画「審判」が先月上映されていました)
☆04月21日(日)142th/米田恵子(山口誓子の俳句世界〈仮題〉俳句界の巨星・山口誓子の作品世界を紹介してもらいます)
☆05月26日(日)143th/安西佐有理(〈通じる言語に詩はあるか―コミュニティ通・翻訳のしごとから〉通訳・翻訳の現場で多言語と格闘している立場から、ことばの交換性について語ってもらいます)
☆06月30日(日)144th/清眞人(エーリック・フロムについての研究書『フロムと神秘主義』(藤原書店 2018)を上梓した哲学者の清氏にフロムと神秘主義について語ってもらいます。)
☆07月28日(日)145th講演者未定
◇8月17日(土)第22回ロルカ詩祭/第一部ロルカ詩の朗読 第二部自作詩の朗読
☆09月29日(日)146th講演者未定
☆10月27日(日)147th講演者未定
☆11月24日(日)148th講演者未定
◆2.--カフェ・エクリの活動〈2月4日(月)〉
高谷和幸氏主宰の詩の会「カフェ・エクリ」についてです。
この会は、(兵庫県)播磨地域で表現活動することを全面に押し出した詩を中心とした文学集団です。
月に一回の詩の会(「Mélange」例会と同じく読書会パーツと詩・川柳の合評会パーツの2部制)を中心に、シンポジウム開催や、年に一回程度の一泊の宿泊をともなう小紀行を実施しています。
△2月の例会/開催は4日(月)午後2時から。会場・姫路市「姫路イーグレ」会議室。
第一部の読書会の話者は、小説家の千田草介氏。テーマは、チベットの高僧で詩人であったミラレパについてです。最初チベット仏教についての概略を語ってもらい、そののちにミラレパ(1052-1135)の生涯と詩作について語ってもらいます。「チベットでも最も有名な仏教修行者・聖者・宗教詩人の一人」とWIKIは紹介しています。
☆第一部を読書会。☆第二部は詩と川柳の合評会(詩稿をそれぞれ12-13部程度印刷して会場に持参してください)。
☆第三部は、姫路駅前で懇親会を開催します。
△現在、エクリでは年一回刊行の詩誌「Oct.」の編集作業の大詰めです。私は、詩稿、評論(映画評)、書評の三本の執筆を予定しています。
》》》》》》今後の「カフェ・エクリ」の開催日時(予定は変更されることがあります。敬称略・開催時間は毎回午後2時。日程は流動的です。決まり次第このメールニュースにてお知らせします)
・3月18日(月)会場・たつの市「ガレリア」/発表予定者・高谷和幸
以降の日程はおいおい発表いたします。
◆3.―〈日本・韓国・在日コリアン詩人共同ユン・ドンジュ追悼会〉2019年2月18日(月)←開始は午後2時です。
☆詩人・金里博氏と私・大橋愛由等が共同主宰しています〈日本・韓国・在日コリアン詩人共同ユン・ドンジュ追悼会〉についてです。
☆開催日時/2019年2月18日(月)午後2時から(開始時間をお間違えなく)
☆会場/京都市上京区・同志社大学今出川キャンパス「尹東柱詩碑前」(ハリス理化学館前)。午後2時から開催の予定です。
☆内容/共同主宰者の私・大橋愛由等が司会を担当。金里博氏が挨拶。出席した日本・韓国・在日コリアンの詩人、俳人たちがこの日のために書き下ろした自作詩を朗読します。
☆楽曲演奏/毎回好評をいただいている楽曲演奏は、琵琶奏者の川村旭芳さんにお願いしています。琵琶音楽をはぐくんだ京洛の街でひびく琵琶の音色にたゆたいながら、若くして獄死した詩人・尹東柱を忍びたいと思っています。
またこの日のために韓国からの参加者も来てくれます。舞踏家、美術家などが詩碑の前で演舞を披露していただく予定です。
☆参加/だれでも参加できます。作品がなくても参加可能です。詩人・俳人たちによるしめやかな冬の京都の野外詩祭です。独特の雰囲気がかもしだされます。同志社大学今出川キャンパスも独特の雰囲気があります。
☆詩祭終了後、近くの居酒屋で懇親会が開かれます。(冬の京都の野外詩祭です。あたたかい格好で臨んでください)
☆冊子/参加を予定している詩人・俳人たちの作品を印刷した冊子を当日会場で配布いたします。
◆4.--文学短報
A/――南海日日新聞(奄美で発行されている日刊紙)に私・大橋愛由等が執筆しているコラム「つむぎ随想」の8回目の原稿を送稿しました。沖永良部島で、中脇初枝さんの小説(『神に守られた島』『神の島のこどもたち』)の読書会をした模様を書いています。
B/――FMわぃわぃ奄美専門チャンネル「南の風」の2019年の特集は、「世(ゆ)替わり―奄美の視点から」シリーズを予定しています。元号が変わることに伴う新天皇の即位をことほぐといった位相とは関係なく、奄美にとってこの「世(ゆ)替わり」とはどんな意味を持つのかを考えるシリーズにしたいと思っています。詳細は後日に。
C/――今年の〈奄美ふゆ紀行〉は、1月21日(月)から24日(木)まで、奄美群島をめぐってきました。徳之島発の大島行きのボンバル機が欠航となり、急遽船で大島に渡りました。旅にアクシデントはつきものですが、よく徳之島発の飛行機に乗る時にアクシデントが発生します。奄美の友人たちは「大橋さんの日頃の行いが…」と言われたりしています。徳之島のヲナリ神を怒らせたつもりはないのですが。島ごとに友人たちと語らい合い、今回も濃い旅ができました。島々の友人・知人・シマンチュに感謝。
D/――俳句情報「俳句&評論 奔」
「奔(ほん)」(俳人・望月至高氏の個人発行誌)2号が発行されました。沖縄特集です。わたし・大橋愛由等は同人となっています。俳句と評論「俳句の自律―琉球弧の視座から」を書いています。発行事務局は望月氏。年に二回発行予定です。あと俳句寄稿者は、大井恒行氏、江里昭彦氏と沖縄の若手俳人たちです。「奔」は俳句と評論という珍しいコンセプトのメデイアです。第3号も編集が動き出しています。しっかした社会評論を掲載するメディアとして定着していってほしいものです。
E/――近況集
①俳人・夏石番矢氏から『鬼の細胞』を送っていただきました。日本語俳句と、英訳(エリック・セランド訳)、イラスト(番矢氏画)入りです
②奄美在住の詩人・仲川文子さんから詩誌「EKE 53号」(中里友豪発行・2018.09.28)を名瀬でいただきました。
③柳人・樋口由紀子さんから川柳誌「晴(hare)2号」が到着。
④俳人で最近俳誌「吟遊」同人になった中永公子氏の朗読会が、3月21日(木・祝)に神戸市灘区深田町1-1-11B1「テアトル・ラモー」で開かれます。中永氏が俳句を朗読。西村善子ヴィオラ・ダ・ガンバ、脇山幹士チェンバロで伴奏。午後2時半開場、3時から開演。前売り3000円。予約は078-587-2205
F/――元 正章牧師のこと
島根県益田市で牧師をしている元(はじめ)正章氏。今回は〈宣教〉のお知らせから一部を転載します。
-------------元 正章牧師からのメール転送----------------☆
益田教会での「宣教」から引用〈1.17について語っています〉
★15日の山陰中央テレビの2時間番組「BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸<傷ついた神戸に日常を・・・震災で寸断された鉄道開通までの74日の戦い!奇跡の実話ドラマ化>」を観ました。私にとってJR六甲道駅は、地元中の地元であり、そのすぐ向かい隣りのビルにある南天荘書店で働いていただけに、さすが臨場感がありました。もっともその内容となると、感動するまでには至らず、消化不良を起こしました。それだけ、24年間という歳月が経ったということでもあります。そして今や、神戸の街、六甲の町並みを歩いても、震災の跡を辿ることはほぼ不可能に近いほど、復旧・復興しています。町や人が変わっただけでなく、時代も変わって
いるのです。これからは、おそらく当事者の記憶の底にしか残らないでしょう。あのとき、あの場で、不運にして命を失った人がいれば、幸運にして命を免れた人がいました。その一瞬の差とはいったい何なのか。今もって、明確な答えは出てきません。それを、神の配剤でもって振るい分けられたとも思いません。ただ、こうして今も生きているということは、何か曰く言い難いものによって、生かされている
と思われてなりません。そこに人智を超えた神の働きのようなものを感じるのは、私だけでしょうか。「渇いているなら水を飲ませよ」。それは人の声というよりも、主なる神の声のように受けとめるのは、キリストの信仰者だからなのでしょうか。
★この1月17日は、阪神淡路大震災の起こった記念日でした。もう四半世紀にもなろうとするのに、毎年この日を迎えますと、震災被災者の当事者として、曰く言い難い想いに囚われます。いまや過ぎ去った出来事であれ、記憶の中にはしっかりと収められています。
その意味でも、経験した者とそうでない者との違いは、歴然としています。そして、体験者には、そのことを自分の中だけにしまってしまうのではなく、伝える役目、使命が与えられているとも思います。そういえば、あのとき「一杯の水を飲ませてくれる者」があちらこちらにいました。
東日本大震災の直後、NHKでは「花は咲く」の曲が絶えず流れていました。
花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く いつか恋する君のために
本日の主題は、「一杯の水を飲ませてくれる者」ではありますが、副題として「花を咲かせましょう」にします。いろんなことが思い出されて、「花を咲かせましょう」と心から願い、祈りたい思いにあふれてきます。
この世は、「一寸先は闇」ではなくて、「一寸先は光」なのです。聖書には「朝の来ない夜はない」と書かれています。春の来ない冬はありません。雨が降って、嵐が来ても、その後には必ず晴れます。まさしく「雨のち晴レルヤ」なのです。
「雨のち晴レルヤ」 ゆず
突然 偶然 それとも必然 始まりは気付かぬうちに
予想通りいかない模様 そんな時こそ 微笑みを
――――
どんな君でもアイシテイル 顔を上げてごらん 光が照らす
何があっても そばにいるよ 君と待っていたい 昇る朝日を
涙の河も 海へと帰る
誰の心も 雨のち晴レルヤ 雨のち晴レルヤ
この曲は、恋人同士のラブソングではありますが、そこに神さまのとこしえの愛(慈しみ)を感じずにはいられません。
フレーベルというスイスの有名な教育家が、こう言っています。「生活に喜びがあるということ、心が平和であること、清く明るい感情が持てるということ、これらこそが本当の幸福であり、これらはただ神からのみたまわる恵みである」。神さまによって、私たちは生かされている、そのことを素直に信じて、感謝し続けていくのならば、決して恐れることはありません。なぜならば、この世界は神さまによって、信頼に値するものとして造られたからです。「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった」(創世記1:31)。
ある人は、こうも言っています。「どんなに世の中が変わっても、男と女が互いに愛し合い、そして子どもが生まれ、育っていく。このことは変わらない。そのことが、人間が絶えず新たにされていく根本ではないだろうか」。ほんとに、その通りだと思います。たしかに、今の社会を眺めますと、良いニュースよりも、忌まわしい悪いニュースの方が氾濫しているようですが、人間が生きていく上で一番大事な、基礎となるところは、大きく崩れていません。そこは、信じることができます。美しいものは、美しいし、いいものは、やはりいいのです。そして、いつまでもそのように感動を与えてくださるところに、神さまの愛が注がれているのです。「大丈夫だよ」と、励ましてくださっているのです。
〒698-0021 益田市幸町4-54 日本基督教団益田教会牧師 元 正章
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G/――いつか上映されるだろうと楽しみにしていた韓国映画「金子文子と朴烈(パク・ヨル)」(イ・ジュンイク監督、2017)が2月16日(土)から大阪「心斎橋シネマート」で上映されます。イ・ジュンイク監督は、尹東柱の映画「空と風と星の詩人 尹東柱の生涯」を制作しています。良い作品でした。韓国映画のすぐれたところは、主人公に敵対する人物の描き方が悪者の吐く理不尽な言葉というステレオタイプな内容ではなく、セリフを徹底して濃密に書き込んで、その敵対人物のセリフにも普遍性をもたせているということです。「空と風と星の詩人 尹東柱の生涯」では尹東柱を取り締まる日本の特高警察のセリフ、「1987、ある闘いの真実」(チャン・ジュナン監督2017)では容共と疑った人物を弾圧する南営洞警察のパク所長のセリフに、凄みと深さを感じました。それら敵対人物の演技がまことに渋く、そして実力派の俳優たちであることも感動ものです。
映画の内容をネットから紹介しておきましょう。(日本では、金里博氏が個人誌で紹介したことでアナキスト・朴烈のことは知っていました)
「1923年、東京。金子文子は、アナキスト朴烈が書いた「犬ころ」という詩に心を奪われた。出会ってすぐに彼の強靭な意志とその孤独に共感し、唯一無二の同志、そして恋人として生きることを決意する。ふたりの発案により日本人や在日朝鮮人による「不逞社」が結成された。しかし日本列島を襲った関東大震災により、ふたりの運命は大きなうねりに巻き込まれていく。
本作は『建築学概論』『探偵ホン・ギルドン 消えた村』のイ・ジェフンと、イ・ジュンイク監督のミューズとして『空と風と星の詩人 尹東柱の生涯』で注目された新鋭チェ・ヒソがW主演を務め、2017年、韓国で大ヒットを記録。『王の運命 歴史を変えた八日間』『空と風と星の詩人 尹東柱の生涯』のイ・ジュンイク監督がメガホンをとり、大正期の日本に実在した金子文子と朴烈の愛と闘いの物語を描き出した。本作は、大鐘賞映画祭で監督賞をはじめ5冠を達成、計10冠を記録している。」
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2019年2月のメールニュースです。
24回目の〈奄美ふゆ旅〉から帰ってきました。
奄美のヲナリ神に守られたり、試練をあたえられたり、今年も多くの物語が誕生したのです。
神戸から、詩と俳句を中心とした文学イベントのお知らせです。2019年がじくじくと月日を重ねていってます。
今回はじめてこのメールニュスを送る方がいらっしゃいます。月に一回、神戸から発信されるささやかな文学情報メールニュースです。
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◆1.--第140回「Mélange」例会〈2月24日(日)〉読書会と合評会←読書会テーマ〈短歌の今を語る(仮題)〉
◆2.--カフェ・エクリの活動〈2月4日(月)〉
◆3.―2019年〈日本・韓国・在日コリアン詩人共同ユン・ドンジュ追悼会〉→2月18日(月)開始時間は午後2時
◆4.--文学短報=A/――南海日日新聞の連載コラム「つむぎ随想」 B/――FMわぃわぃ奄美専門チャンネル「南の風」2019年の特集は「世(ゆ)替わり―奄美の視点から」 C/――24回目の〈奄美ふゆ紀行〉1月21日(月)~24日(木)C/――俳句情報〈俳句と評論誌「奔」〉D/――近況集 E/――元正章牧師の「宣教」から引用〈1.17について〉 G/――韓国映画「金子文子と朴烈(パク・ヨル)」の上映について(再掲)
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◆1.--第140回「Mélange」例会〈2月24日(日)〉読書会と合評会
140回目の「Mélange」例会は第一部「読書会」(pm1:00~3:00)。第二部「合評会」(pm3:15~6:00)です。
2月の例会「読書会」は、詩人で歌人である野田かおり氏の語りです。「Mélange」例会で短歌を取り上げるのは、今回で2回目です(前回は吉野節子さんが前登志夫氏の作品世界を取り上げました)。近年の短歌世界は若い世代が意欲的に創作していて活況を呈しています。同時代に生きる若き歌人たちはなにを表現しているのか、興味深いものがあります。野田氏には自作の短歌を含めて、推薦の作品をもとに語ってもらう予定です。「Mélange」の会は、詩と俳句を横断する人が多いのですが、短歌と横断するひとは少ないのです。
―――――――野田かおり氏からのメッセージ-----------------------------------☆
①短歌における詩的飛躍
②2018年に出版された若手歌人の歌集(今のところ4歌集を考えています)より、詩的飛躍がみられる歌について検討します。前半はわたしが歌を読んで多少の解説を加えていきますが、後半は参加者で歌のなかの詩的飛躍について意見交換したいです。私の作品は最後に紹介するくらいでいいと思います。
③文献は手にはいりにくそうなので、レジュメを作成します(当日持参します)。
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△第2部の詩の合評会き、午後3時すぎからスタートします。△第三部は、懇親会です(これがまた愉しい詩人たちのひとときです。去年暮れから例会に詩を愛好する方の参加があり、参加者の幅が広くなりました)。
△第二部(pm3:00~6:00)は、詩の合評会です。
今回も意欲的な作品をお寄せください。
作品の締め切りは2月21日(木)です。
合評会への詩稿は、「月刊めらんじゅ140号」に掲載。合評会当日にみなさんに配布(無料)します。
この会を運営しているのは、神戸を拠点とする詩のグループ「Mélange」。代表と事務局は私・大橋愛由等。詩の会(二部構成)をほぼ毎月開催しています)。
■会場:スペインレストラン「カルメン」電話:078-331-2228(阪急三宮駅西口から北へ徒歩一分)創業1956年の神戸でも有数の老舗レストランです。毎週土曜日にフラメンコライブをしています。
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「Mélange」月例会、2019年の日程がすこしずつ決まっています。
今年もさまざまな人の語りで刺激を受けたいと思っています。
(敬称略・開催場所はすべて神戸三宮のスペイン料理カルメン・開催時間は毎回午後1時)
予定ですので変更する場合があります。
*2019年前半の現在決まっている読書会の内容です(敬称略)。
☆03月24日(日)141th/高木敏克(好評シリーズ「カフカを読む/『審判』を取り上げます」。日本を舞台にした在日英国人のジョン・ウィリアムズ監督による映画「審判」が先月上映されていました)
☆04月21日(日)142th/米田恵子(山口誓子の俳句世界〈仮題〉俳句界の巨星・山口誓子の作品世界を紹介してもらいます)
☆05月26日(日)143th/安西佐有理(〈通じる言語に詩はあるか―コミュニティ通・翻訳のしごとから〉通訳・翻訳の現場で多言語と格闘している立場から、ことばの交換性について語ってもらいます)
☆06月30日(日)144th/清眞人(エーリック・フロムについての研究書『フロムと神秘主義』(藤原書店 2018)を上梓した哲学者の清氏にフロムと神秘主義について語ってもらいます。)
☆07月28日(日)145th講演者未定
◇8月17日(土)第22回ロルカ詩祭/第一部ロルカ詩の朗読 第二部自作詩の朗読
☆09月29日(日)146th講演者未定
☆10月27日(日)147th講演者未定
☆11月24日(日)148th講演者未定
◆2.--カフェ・エクリの活動〈2月4日(月)〉
高谷和幸氏主宰の詩の会「カフェ・エクリ」についてです。
この会は、(兵庫県)播磨地域で表現活動することを全面に押し出した詩を中心とした文学集団です。
月に一回の詩の会(「Mélange」例会と同じく読書会パーツと詩・川柳の合評会パーツの2部制)を中心に、シンポジウム開催や、年に一回程度の一泊の宿泊をともなう小紀行を実施しています。
△2月の例会/開催は4日(月)午後2時から。会場・姫路市「姫路イーグレ」会議室。
第一部の読書会の話者は、小説家の千田草介氏。テーマは、チベットの高僧で詩人であったミラレパについてです。最初チベット仏教についての概略を語ってもらい、そののちにミラレパ(1052-1135)の生涯と詩作について語ってもらいます。「チベットでも最も有名な仏教修行者・聖者・宗教詩人の一人」とWIKIは紹介しています。
☆第一部を読書会。☆第二部は詩と川柳の合評会(詩稿をそれぞれ12-13部程度印刷して会場に持参してください)。
☆第三部は、姫路駅前で懇親会を開催します。
△現在、エクリでは年一回刊行の詩誌「Oct.」の編集作業の大詰めです。私は、詩稿、評論(映画評)、書評の三本の執筆を予定しています。
》》》》》》今後の「カフェ・エクリ」の開催日時(予定は変更されることがあります。敬称略・開催時間は毎回午後2時。日程は流動的です。決まり次第このメールニュースにてお知らせします)
・3月18日(月)会場・たつの市「ガレリア」/発表予定者・高谷和幸
以降の日程はおいおい発表いたします。
◆3.―〈日本・韓国・在日コリアン詩人共同ユン・ドンジュ追悼会〉2019年2月18日(月)←開始は午後2時です。
☆詩人・金里博氏と私・大橋愛由等が共同主宰しています〈日本・韓国・在日コリアン詩人共同ユン・ドンジュ追悼会〉についてです。
☆開催日時/2019年2月18日(月)午後2時から(開始時間をお間違えなく)
☆会場/京都市上京区・同志社大学今出川キャンパス「尹東柱詩碑前」(ハリス理化学館前)。午後2時から開催の予定です。
☆内容/共同主宰者の私・大橋愛由等が司会を担当。金里博氏が挨拶。出席した日本・韓国・在日コリアンの詩人、俳人たちがこの日のために書き下ろした自作詩を朗読します。
☆楽曲演奏/毎回好評をいただいている楽曲演奏は、琵琶奏者の川村旭芳さんにお願いしています。琵琶音楽をはぐくんだ京洛の街でひびく琵琶の音色にたゆたいながら、若くして獄死した詩人・尹東柱を忍びたいと思っています。
またこの日のために韓国からの参加者も来てくれます。舞踏家、美術家などが詩碑の前で演舞を披露していただく予定です。
☆参加/だれでも参加できます。作品がなくても参加可能です。詩人・俳人たちによるしめやかな冬の京都の野外詩祭です。独特の雰囲気がかもしだされます。同志社大学今出川キャンパスも独特の雰囲気があります。
☆詩祭終了後、近くの居酒屋で懇親会が開かれます。(冬の京都の野外詩祭です。あたたかい格好で臨んでください)
☆冊子/参加を予定している詩人・俳人たちの作品を印刷した冊子を当日会場で配布いたします。
◆4.--文学短報
A/――南海日日新聞(奄美で発行されている日刊紙)に私・大橋愛由等が執筆しているコラム「つむぎ随想」の8回目の原稿を送稿しました。沖永良部島で、中脇初枝さんの小説(『神に守られた島』『神の島のこどもたち』)の読書会をした模様を書いています。
B/――FMわぃわぃ奄美専門チャンネル「南の風」の2019年の特集は、「世(ゆ)替わり―奄美の視点から」シリーズを予定しています。元号が変わることに伴う新天皇の即位をことほぐといった位相とは関係なく、奄美にとってこの「世(ゆ)替わり」とはどんな意味を持つのかを考えるシリーズにしたいと思っています。詳細は後日に。
C/――今年の〈奄美ふゆ紀行〉は、1月21日(月)から24日(木)まで、奄美群島をめぐってきました。徳之島発の大島行きのボンバル機が欠航となり、急遽船で大島に渡りました。旅にアクシデントはつきものですが、よく徳之島発の飛行機に乗る時にアクシデントが発生します。奄美の友人たちは「大橋さんの日頃の行いが…」と言われたりしています。徳之島のヲナリ神を怒らせたつもりはないのですが。島ごとに友人たちと語らい合い、今回も濃い旅ができました。島々の友人・知人・シマンチュに感謝。
D/――俳句情報「俳句&評論 奔」
「奔(ほん)」(俳人・望月至高氏の個人発行誌)2号が発行されました。沖縄特集です。わたし・大橋愛由等は同人となっています。俳句と評論「俳句の自律―琉球弧の視座から」を書いています。発行事務局は望月氏。年に二回発行予定です。あと俳句寄稿者は、大井恒行氏、江里昭彦氏と沖縄の若手俳人たちです。「奔」は俳句と評論という珍しいコンセプトのメデイアです。第3号も編集が動き出しています。しっかした社会評論を掲載するメディアとして定着していってほしいものです。
E/――近況集
①俳人・夏石番矢氏から『鬼の細胞』を送っていただきました。日本語俳句と、英訳(エリック・セランド訳)、イラスト(番矢氏画)入りです
②奄美在住の詩人・仲川文子さんから詩誌「EKE 53号」(中里友豪発行・2018.09.28)を名瀬でいただきました。
③柳人・樋口由紀子さんから川柳誌「晴(hare)2号」が到着。
④俳人で最近俳誌「吟遊」同人になった中永公子氏の朗読会が、3月21日(木・祝)に神戸市灘区深田町1-1-11B1「テアトル・ラモー」で開かれます。中永氏が俳句を朗読。西村善子ヴィオラ・ダ・ガンバ、脇山幹士チェンバロで伴奏。午後2時半開場、3時から開演。前売り3000円。予約は078-587-2205
F/――元 正章牧師のこと
島根県益田市で牧師をしている元(はじめ)正章氏。今回は〈宣教〉のお知らせから一部を転載します。
-------------元 正章牧師からのメール転送----------------☆
益田教会での「宣教」から引用〈1.17について語っています〉
★15日の山陰中央テレビの2時間番組「BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸<傷ついた神戸に日常を・・・震災で寸断された鉄道開通までの74日の戦い!奇跡の実話ドラマ化>」を観ました。私にとってJR六甲道駅は、地元中の地元であり、そのすぐ向かい隣りのビルにある南天荘書店で働いていただけに、さすが臨場感がありました。もっともその内容となると、感動するまでには至らず、消化不良を起こしました。それだけ、24年間という歳月が経ったということでもあります。そして今や、神戸の街、六甲の町並みを歩いても、震災の跡を辿ることはほぼ不可能に近いほど、復旧・復興しています。町や人が変わっただけでなく、時代も変わって
いるのです。これからは、おそらく当事者の記憶の底にしか残らないでしょう。あのとき、あの場で、不運にして命を失った人がいれば、幸運にして命を免れた人がいました。その一瞬の差とはいったい何なのか。今もって、明確な答えは出てきません。それを、神の配剤でもって振るい分けられたとも思いません。ただ、こうして今も生きているということは、何か曰く言い難いものによって、生かされている
と思われてなりません。そこに人智を超えた神の働きのようなものを感じるのは、私だけでしょうか。「渇いているなら水を飲ませよ」。それは人の声というよりも、主なる神の声のように受けとめるのは、キリストの信仰者だからなのでしょうか。
★この1月17日は、阪神淡路大震災の起こった記念日でした。もう四半世紀にもなろうとするのに、毎年この日を迎えますと、震災被災者の当事者として、曰く言い難い想いに囚われます。いまや過ぎ去った出来事であれ、記憶の中にはしっかりと収められています。
その意味でも、経験した者とそうでない者との違いは、歴然としています。そして、体験者には、そのことを自分の中だけにしまってしまうのではなく、伝える役目、使命が与えられているとも思います。そういえば、あのとき「一杯の水を飲ませてくれる者」があちらこちらにいました。
東日本大震災の直後、NHKでは「花は咲く」の曲が絶えず流れていました。
花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く いつか恋する君のために
本日の主題は、「一杯の水を飲ませてくれる者」ではありますが、副題として「花を咲かせましょう」にします。いろんなことが思い出されて、「花を咲かせましょう」と心から願い、祈りたい思いにあふれてきます。
この世は、「一寸先は闇」ではなくて、「一寸先は光」なのです。聖書には「朝の来ない夜はない」と書かれています。春の来ない冬はありません。雨が降って、嵐が来ても、その後には必ず晴れます。まさしく「雨のち晴レルヤ」なのです。
「雨のち晴レルヤ」 ゆず
突然 偶然 それとも必然 始まりは気付かぬうちに
予想通りいかない模様 そんな時こそ 微笑みを
――――
どんな君でもアイシテイル 顔を上げてごらん 光が照らす
何があっても そばにいるよ 君と待っていたい 昇る朝日を
涙の河も 海へと帰る
誰の心も 雨のち晴レルヤ 雨のち晴レルヤ
この曲は、恋人同士のラブソングではありますが、そこに神さまのとこしえの愛(慈しみ)を感じずにはいられません。
フレーベルというスイスの有名な教育家が、こう言っています。「生活に喜びがあるということ、心が平和であること、清く明るい感情が持てるということ、これらこそが本当の幸福であり、これらはただ神からのみたまわる恵みである」。神さまによって、私たちは生かされている、そのことを素直に信じて、感謝し続けていくのならば、決して恐れることはありません。なぜならば、この世界は神さまによって、信頼に値するものとして造られたからです。「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった」(創世記1:31)。
ある人は、こうも言っています。「どんなに世の中が変わっても、男と女が互いに愛し合い、そして子どもが生まれ、育っていく。このことは変わらない。そのことが、人間が絶えず新たにされていく根本ではないだろうか」。ほんとに、その通りだと思います。たしかに、今の社会を眺めますと、良いニュースよりも、忌まわしい悪いニュースの方が氾濫しているようですが、人間が生きていく上で一番大事な、基礎となるところは、大きく崩れていません。そこは、信じることができます。美しいものは、美しいし、いいものは、やはりいいのです。そして、いつまでもそのように感動を与えてくださるところに、神さまの愛が注がれているのです。「大丈夫だよ」と、励ましてくださっているのです。
〒698-0021 益田市幸町4-54 日本基督教団益田教会牧師 元 正章
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G/――いつか上映されるだろうと楽しみにしていた韓国映画「金子文子と朴烈(パク・ヨル)」(イ・ジュンイク監督、2017)が2月16日(土)から大阪「心斎橋シネマート」で上映されます。イ・ジュンイク監督は、尹東柱の映画「空と風と星の詩人 尹東柱の生涯」を制作しています。良い作品でした。韓国映画のすぐれたところは、主人公に敵対する人物の描き方が悪者の吐く理不尽な言葉というステレオタイプな内容ではなく、セリフを徹底して濃密に書き込んで、その敵対人物のセリフにも普遍性をもたせているということです。「空と風と星の詩人 尹東柱の生涯」では尹東柱を取り締まる日本の特高警察のセリフ、「1987、ある闘いの真実」(チャン・ジュナン監督2017)では容共と疑った人物を弾圧する南営洞警察のパク所長のセリフに、凄みと深さを感じました。それら敵対人物の演技がまことに渋く、そして実力派の俳優たちであることも感動ものです。
映画の内容をネットから紹介しておきましょう。(日本では、金里博氏が個人誌で紹介したことでアナキスト・朴烈のことは知っていました)
「1923年、東京。金子文子は、アナキスト朴烈が書いた「犬ころ」という詩に心を奪われた。出会ってすぐに彼の強靭な意志とその孤独に共感し、唯一無二の同志、そして恋人として生きることを決意する。ふたりの発案により日本人や在日朝鮮人による「不逞社」が結成された。しかし日本列島を襲った関東大震災により、ふたりの運命は大きなうねりに巻き込まれていく。
本作は『建築学概論』『探偵ホン・ギルドン 消えた村』のイ・ジェフンと、イ・ジュンイク監督のミューズとして『空と風と星の詩人 尹東柱の生涯』で注目された新鋭チェ・ヒソがW主演を務め、2017年、韓国で大ヒットを記録。『王の運命 歴史を変えた八日間』『空と風と星の詩人 尹東柱の生涯』のイ・ジュンイク監督がメガホンをとり、大正期の日本に実在した金子文子と朴烈の愛と闘いの物語を描き出した。本作は、大鐘賞映画祭で監督賞をはじめ5冠を達成、計10冠を記録している。」
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