日々、秋の装いが深くなっていきます。
みなさん、今年の夏はどのように過ごされたでしょうか。
私の小学校の同窓生で現在D大学の教授をしているA氏は長野の別荘で夏を過ごしたそうですが、ひどい湿気に悩まされたそうです。
この季節はイベントもりだくさんのシーズンでもあります。
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◆1.--第126回「Mélange」合評会〈9月24日(日)〉+寺岡良信追悼〈トオルネラ忌〉
◆2.--第20回「ロルカ詩祭」〈8月19日(土)〉は盛況のうちに終了しました。/詩祭のDVD発売。
◆3.--神戸文学館で「生誕100年/神戸ゆかりの作家島尾敏雄 リレートークイベント in 神戸文学館」〈10月21日(土)〉を開催します。
◆4.--カフェ・エクリの活動〈9月18日(月・祝)開催場所・姫路市アイメッセ〉+エクリ/秋の詩人紀行(10月10日~11日)
◆5.―「北の句会」次の句会は9月17日(日)
◆6.--文学短報=A/――9月分のFMわぃわぃ「南の風」は9月16日(土)から放送開始
B/――俳誌「吟遊」創刊20周年記念事業〈10月19日(木)〉C/――大橋愛由等のおすすめ映画・番組
D/――元 正章牧師の奄美=始原への旅 E/――福田知子さんからのイベントのお知らせ
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◆1.--第126回「Mélange」合評会〈9月24日(日)〉+寺岡良信追悼〈トオルネラ忌〉
9月例会はいつもと構成が異なります。第一部を詩の合評会として、第二部で寺岡良信氏を偲ぶ追悼の会「トオルネラ忌」をいたします。
この会を運営しているのは、神戸を拠点とする詩のグループ「Mélange」。事務局は私・大橋愛由等。
詩の会(二部構成)をほぼ毎月開催しています(8月と12月は休会)。
9月はいつもと違う構成です。
☆第一部〈午後1時から4時まで〉は詩の合評会を開催します。
作品の締め切りは9月21日(木)です。
送っていただいた詩稿は、合評会当日に「月刊めらんじゅ126号」に印刷・製本して、参加者のみなさんに配ります。
合評会に出席できなくとも、送っていただいた詩稿は、「月刊めらんじゅ126号」に掲載します。メールアドレス(maroad66454@gmail.com)に送ってください。
(Wordの添付ファイルで送稿される方が多いのですが、Wordのバージョンによって文字化けが必ずといっていいほど起きます。詩稿の送信は、添付ファイルを付けてもいいのですが、その際には、メール本体に詩稿を貼り付けておいてください。これは必ずお願いします)。
第一部は午後1時から4時まで。参加費無料です。ただ、講師へのカンパをお願いしています。
会場は、神戸・三宮のスペイン料理カルメン078-331-2228です。阪急神戸線三宮駅西口から徒歩一分の便利なところにあります。
第二部も原稿依頼があります。オルネラ忌のために選んだ寺岡作品に対して、その選んだ理由や感想を大橋愛由等までメール送稿してください。締め切りは9月21日(木)です。(字数は1000字程度。選択した詩への応答詩でも可)
――――――――トオルネラ忌=寺岡良信忌へのお誘い――――――――――――☆
(にしもとめぐみさんからのメッセージをもとに改稿しました)
私たちの大切な詩友である寺岡良信氏を偲んで集まり、寺岡氏の作品を読み、音楽を楽しむ会を企画しました。会の名は「トオルネラ忌」。この「トオルネラ」という名前は、寺岡氏の第一詩集『ヴオカリーズ』(図書出版まろうど社)のなかの「玩弄」という作品に登場します。トオルネラはフィンランドの言葉で、黄泉の国という意味です。フィンランドで生まれた叙事詩「カレワラ」をもとに同国の作曲家・シベリウスがつくった交響詩レンミンカイネン組曲の中で、トオルネラ川を白鳥が泳ぐモチーフをメロディーにしているのです。クラシック音楽に造詣が深かった寺岡氏が、このシベリウスの楽曲にイメージを膨らませてトオルネラの白鳥を登場させています。その静かな抒情的光景が寺岡氏の作品世界と共鳴するために、寺岡良信忌を「トオルネラ忌」と呼ぶようにしたのです。
寺岡良信氏の詩には白鳥が出てきます。例えば、
「不在」
かすかに鎖骨の砕ける音がして
星が落ちた
翼は戻れない
白鳥の産み月はいつも渇水季
嗚咽さえ薄れゆく月光に乾いて
鼻腔の潮だまりが
私を匿した (冒頭より)
などです。この透徹した詩世界は色褪せることなく魅力です。こぼれ落ちるような抒情性をわれわれに遺して旅立っていった寺岡氏を偲ぶ会にぜひみなさん参加して、語り合いましょう。
記
トウォネラ忌
日時 9月24日(日)午後四時半より
場所 神戸・三宮 スペイン料理 カルメン 電話078-331-2228
会費 4500円(税込)
発起人
大西隆志 大橋愛由等 神田さよ 木澤豊 北村虻曳 季村敏夫 杉本眞維子 高谷和幸 中嶋康雄 中堂けいこ にしもとめぐみ、福田知子 堀本吟 吉田ふみゑ
ゲストに外薗美穂さんを招きヴァイオリン演奏があります。
どうぞ一緒に寺岡詩を朗読しましょう。皆様お気に入りの詩を用意してきてください。お願いします。重複する場合もありますので第二第三候補も考えて頂ければ光栄です。選んだ寺岡詩の感想・理由(字数は1000字程度。選択した詩への応答詩でも可)を送っていただければ大橋愛由等氏が24日に「月刊めらんじゅ」126号に掲載します
呼掛け人/にしもとめぐみ
――――――――――――――――――――☆
「Mélange」月例会、2017年後半~2018年前半の日程です。
(敬称略・開催場所はすべて神戸三宮のスペイン料理カルメン・開催時間は毎回午後1時)
予定ですので変更する場合があります。その際には、この月報(「Mélange」メールニュース)あるいは、ブログ「神戸まろうど通信」をご覧になって確認してください。
*2017年 (注意/10月の例会の日程がかわりました。ご注意ください)
☆10月29日(日)/第127回/発表予定者/ 高木利勝氏による「カフカ語り その1 『カフカ短編集』について」
カフカ研究家である小説家・高木氏による合計5回の語りです。
以下、 (2)『流刑地にて』 (3)『審判 』(4)『城』 (5)「日記」 (6)「手紙」―と続きます。
(1)(2)(3)は文庫本がテキスト。(4)(5)(6)は高木氏制作のレジュメを中心に」
☆11月26日(日)/第128回/発表予定者/木澤豊「シリーズ・宮澤賢治語り」
◇(12月の例会は休みます)
*2018年の開催予定日
01月28日(日)/第129回/発表予定者/未定
02月25日(日)/第130回/発表予定者/未定
03月28日(日)/第131回/発表予定者/未定
04月22日(日)/第132回/発表予定者/未定
05月27日(日)/第133回/発表予定者/未定
06月24日(日)/第134回/発表予定者/未定
◆2.--第20回「ロルカ詩祭」〈8月19日(土)〉は盛況のうちに終了しました。/詩祭のDVD発売
20回目を迎えた「ロルカ詩祭」、今年も熱い詩祭となりました。
詩祭の様子を、詩人の永井ますみさんが録画してDVDにまとめておられます。
頒価500円です。税込みでかつ送料込みという良心的な値段設定です。
ご希望の方は以下のメールアドレスへ直接注文してください。(DVDは良い出来になっています)
永井ますみ DZM03624@nifty.ne.jp
さて来年(2018年)なのですが、ちょうどロルカの生誕120年にあたります。今年同様、大きな区切りとなる年ですので、なにか企画を考えたいと思っています。
ロルカ詩祭は毎年8月の第3土曜日に開催することと決めています。つまり2018年8月18日(土)になります。
◆3.--神戸文学館で「生誕100年/神戸ゆかりの作家島尾敏雄 リレートークイベント in 神戸文学館」を開催します。
〈テーマ〉夫婦愛か、それとも……神戸ゆかりの作家・島尾敏雄
生誕100年記念 リレートーク
今年生誕百年を迎える作家・島尾敏雄に関するリレートークを催します。島尾は生涯いくつかの場所に住みましたが、実家は神戸にあり、神戸と縁が深い作家です。また今年は映画「海辺の生と死」が上映されミホ夫人との戦争中の出会いと愛が表現されています。かつ一方で長編小説『死の棘』ではミホ夫人との夫婦の葛藤も印象深いものです。リレートークでは「神戸の作家」としての小説家島尾の評価と、ミホ夫人の故郷であり島尾が深くかかわった奄美にとって島尾はどんな存在であるのかを多角的に問い直す語りを予定しています。〈敏雄とミホ〉が刻んだ夫婦の物語が語られます。
〈日時〉2017年10月21日(土)午後2時~3時30分
〈語るひとたち〉司会・企画/大橋愛由等(図書出版まろうど社代表、詩と俳句を書く)
語り手/高木利勝(たかぎ・としかつ)
小説家。第4回 神戸文学賞授賞。2016年度 神戸新聞文芸最優秀 授賞。文学同人誌「漿」主宰(現在休刊中)
著作に『暗箱の中のなめらかな回転』、『白い迷路から』ほか。
「月刊神戸っ子」などの雑誌に執筆。芦屋大学講師 、保険コンサルタント
語り手/喜山荘一(きやま・そういち)
奄美群島・与論島生まれ。マーケター。企業の商品開発や販売促進を支援。
著書に、『珊瑚礁の思考』『奄美自立論』『聞く技術』『10年商品をつくるBMR』他がある。
〈語り手の高木利勝氏は奄美で行われた「島尾敏雄生誕百年イベント」に神戸から参加。島尾が戦争中に従軍した加計呂麻島へのツアーにも参加。現地で島尾をどのように迎え語られていたのかを体験されています。また喜山荘一氏は奄美を考える思想の担い手として、わたしが最も信頼しているイデオローグの一人です。リレートークではこの二人の濃密な語りを中心に展開してゆきたいと思っています。
◆3.--カフェ・エクリの活動〈9月18日(月・祝)開催場所・姫路市アイメッセ〉+エクリ/秋の詩人紀行(10月10日~11日)
高谷和幸氏主宰の詩の会「カフェ・エクリ」についてです。
この会は、(兵庫県)播磨地域で表現活動することを全面に押し出した詩を中心とした文学集団です。
月に一回の詩の会(「Mélange」例会と同じく読書会パーツと詩・川柳の合評会の二部制)を中心に、
シンポジウム開催や、年に一回程度の小紀行をしています。
》》》》》》〈9月18日(月・祝)〈開催場所・姫路市アイメッセ〉←私は仕事で参加できませんが…
第一部の読書会は赤穂在住の詩人・田村周平氏の語りを予定しています。
田村周平氏からのメッセージ
「タイトル〈パンツしかないえずタトルは現代詩の私的鑑賞法と私的交友録です〉
田村隆一の言葉のない世界から星野くんのヒント。天使の二編をとりあげます。交友録はなぜ詩を書き始めたか。詩を書く前の短歌との出会いなど。
最後に現代詩の問題をとりあげて皆さんの意見を聞かせていただければと考えています」 原文ママ
第二部の詩・川柳の合評会は、自作品のコピーを15部程度持参してもってきてください。
》》》》》》エクリ/秋の詩人紀行(10月10日〈火〉~11日〈水〉)
(主宰者の高谷氏になりかわって大橋が案内いたします)
みなさん、今年も〈カフェ・エクリ〉恒例の「詩人のための一泊文学紀行」を実施いたします。
今年は鳥取県の岩美町浦富に向かいます。
勘がいい方はお気づきだと思いますが、ここを出自とする小説家に尾崎翠(1896-1971)がいます。そうです、今回の旅は、いまだ根強い人気があるこの尾崎翠の作品世界に接する旅でもあるのです。(尾崎翠の作品に関してはいくつか出版されていますが、『第七官界彷徨』は文庫化されていて入手しやすくなっています)
嬉しいことに、宿を予定している民宿「旅人の宿NOTE 鳥取浦富海岸」の女主人である小林晶さんは、大阪の出身なのですが、尾崎翠と縁深いひと。高校時代に尾崎翠の作品世界に接して感激して、とうとう浦富で宿を経営するまでにいたった方てす(民宿の屋号も尾崎翠の作品の中から採ったとのことです)。
今回の旅の特典をいくつかあげておきましょう
☆その1/浦富に到着すると、小林さんの紹介で、地元の尾崎翠に詳しい方に関係場所を案内してもらうということも可能だそうです。
☆その2/この民宿のすぐれたところは、料理自慢ということでもあります。小林さんは数年前、この民宿を始める前に、短期間、カルメンで修行したことがあるのです。その経験をいかして日本海の豊かな食材を使った料理を楽しめるものと期待できます。
☆その3/これは我々だけの特典です。当日、宿で、尾崎翠が愛した「アップルパイ」が提供されます。これは宿主の小林さんが尾崎翠が食べたアップルパイのレシピを掘りおこして作ってくれるものです。このアップルパイ、ひとりでワンホール食べてしまいたいぐらいです。
さて、具体的な旅程などを紹介しましょう。
☆名称/2017〈エクリ/秋の詩人紀行〉(仮題)
☆日時/2017年10月10日(火)~11日(水)
☆集合場所/JR姫路駅南口に集合(高谷さんが運転するレンタカーに乗って一路鳥取へ。おおよそ2時間もあれば到着予定です)。集合時間は未定です。
☆宿泊場所/「旅人の宿NOTE 鳥取浦富海岸」
0857 73 6633
☆予算/レンタカー代、宿代、高速代、車内のおやつ代ほかもろもろを込めて15.000円程度を予定しています。
(宿で、即興詩を作りあいましょうか)
参加希望の方は高谷氏まで連絡してください。
高谷和幸
〒676-0815 高砂市阿弥陀1-11-24
080-5311-6265
》》》》》》今後の「カフェ・エクリ」の開催日時(敬称略・開催時間は毎回午後2時)/前回より若干変更しています。
・10月10日(火)~11日(水)エクリ恒例の文学紀行一泊旅/鳥取県岩美町浦富へ〈尾崎翠を感じる旅〉
・10月30日(月)〈開催場所・たつの市ガレリア/発表者・原田哲郎〉
・11月20日(月)〈開催場所・姫路市「アイメッセ」/発表者・吉田ふみゑ〉
・12月11日(月)〈開催場所・赤穂市「煉瓦屋」/高谷和幸〉
・2018年1月は休会。
・2月12日(月・祝)〈開催場所・姫路市アイメッセ/発表者・得平秀昌〉
・3月05日(月)〈開催場所・たつの市ガレリア/発表者・大橋愛由等〉
》》》》》》
エクリでは、年に一回刊行の「Oct.」以外に詩誌「エクリ創刊号」を発行しました。希望の方は高谷和幸氏〈080-5311-6265〉まで。
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◆3.―「北の句会」次の句会は9月17日(日)
(北村虻曳氏からの案内文)
「日照不足で米の不作が心配されたりしていますが、皆様にはお元気でお過ごしでしょうか。定例九月句会の要項をお知らせします。多数のご参加をお願いいたします。
【日時】2017年9月17日(日)13:00-17:00
【場所】大阪市生野区民センター(前回と同じ) 305号会議室
〒544-0033 大阪市生野区勝山北3-13-30 TEL:06-6716-3020 FAX:06-6716-1797
【参加費】 千円程度
句会後の懇親会は実費
【出句】 課題詠1句 課題:「盥(たらい)」
※この語は季語ではありませんが相当の物象感のある言葉だと思います。古今の名句にも「盥」は結構用いられています。重厚にもポップにも様々に切り込んでください。
施設は7月と同じです。駅から遠いですが、競争が激しくなかなか思うようにはいきません。難波・上本町六丁目・鶴橋からのバスは1時間2本、使えます。
webicon_green.pnghttps://www.navitime.co.jp/bus/route/00026573/%EF%BC%97%EF%BC%93%EF%BC%BB%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%B8%82%E5%96%B6%E3%83%90%E3%82%B9%EF%BC%BD
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◆4.--文学短報
A/――9月分のFMわぃわぃ「南の風」は9月16日(土)から放送開始
神戸と奄美を結ぶ情報番組の「南の風」。放送は、FMわぃわぃのホームページから随時聞く事ができます。
放送時間は1時間。〈9月の番組は、今夏奄美でおこったさまざまなこと、そして秋の予定行事などをお知らせしまう〉
http://tcc117.jp/fmyy/category/program-info/okinawa-amami/
B/――俳誌「吟遊」創刊20周年記念事業〈10月19日(木)〉
「創刊20周年記念「吟遊」レユニオン」
〈日時〉2017年10月19日(木)午後5時~9時
〈場所〉東京・神田錦町 学士会館202号室
〈内容〉1.午後5時~6時/同人によるうちあわせと準備
2.前半/5時~7時半(食事なし)詳細未定
後半/7時半~9時(立食)詳細未定
(俳誌「吟遊」は、夏石番矢、鎌倉佐弓両氏が発行する季刊メディアです)
C/――大橋愛由等のおすすめ映画・番組
(1)映画「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」→かつて「Mélange」例会(読書会)で平岡けいこさんが紹介してくれたアメリカを代表する詩人の伝記映画です。上映中です。詩人を描いた映画としてもよく出来ています。この詩人に影響をうけた人は多く例えば武満徹は彼女の詩に触発されて「それが風であることに気付いた」という曲を作っています。またエミリの父はアーモスト大学創立者のひとりであり、同大学に留学したのが新島襄。つまりエミリと新島襄は同時代人だということです。
(2)映画「永遠のジャンゴ」/ジプシーでジャズギタリストのジャンゴ・ラインハルト。ジャズファンならその存在は広く知られています。後世のジャンルにかかわりなく多くのギタリストに影響を与えたひとです。この映画では、ナチスに抵抗した音楽家として描かれていてます。
(3)映画「パッション・フラメンコ」フラメンコ・ダンサー(バイラオーラ)のサラ・サパスのドキュメンタリー映画。人気実力ともトップクラスのサラの、フラメンコに対する真摯な姿勢が描かれています。日本はスペイン以外でもっともフラメンコが盛んな国です。極西(スペイン・アンダルシア)のフラメンコが、極東の島国ハポンの人たちの魂をぐっとにぎりしめています。
(4)テレビ番組「ハンナ・アーレント〈全体主義の起源〉」NHK・Eテレ/9月、「100分de名著」の番組で、ハンナ・アーレントが取り上げられます。解説者は仲正昌樹。「NHKテキスト」としても販売されています。「Mélange」例会(読書会)で中堂けいこさんが取り上げています。
D/――元 正章牧師の始原(アルケー)への旅。
(元牧師、8月は父の出自の地(奄美市名瀬大熊)である奄美大島へ旅立ちました。ところが折り悪く台風が奄美を直撃。足止めをくらったようですが、そこは逆境にまけない元牧師のこと、閉じ込められた島で、精力的に活動したようです。今回は奄美旅について書いた文章の一部を引用します。
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「病める葦も折らず、けぶる燈心も消さない」〈一部抜粋〉/益田教会 9月3日
8月2日早朝、船で鹿児島から奄美の名瀬港に着きました。鹿児島在住の叔父と連れだち、墓参りと親戚巡りを兼ねていました。2泊3日して4日の昼、飛行機で鹿児島空港に降り、宮崎に行く予定にしていましたが、それが台風の影響で、なお3日も閉じこめられたことは、前回述べた通りです。自然の猛威の前には、如何ともしがたいこと身をもって体験させられました。「また、よりによって、なぜこのときなのか」と考え出すと、それに相応しい答えなど見つかるはずもありなせん。ただそのようなときにこそ、「人生には何ひとつ無駄なものはない」と思い直すのが一番ですし、また後から振り返ってみますと、「そうだな」と不思議に納得することがあるのです。その意味では、今回の出来事も、台風に遭遇したからこそ、与えられたチャンスに巡りあえたのです。
3日(木)名瀬教会の祈祷会と6日(日)の主日礼拝に出席。ここまでは予定通りです。本来ならば、それで終わったはずです。ところが、台風のため、その日の夕礼拝の説教者・東京の神学校から派遣された実習生が喜界島にいて、名瀬教会に戻れなくなりました。
そこで急遽、その代わりのピンチヒッターになってくれと、青山牧師から依頼があったのです。一瞬迷いましたが、これも恵みのチャンスと思い直して、引き受けることにしました。準備の時間は数時間です。何をテーマにするのか、そこで閃いたのが、島尾敏雄の文学碑に刻まれていた聖書の言葉でした。「病める葦も折らず、けぶる燈心も消さない」。文学好きな人なら誰もが知っているように、島尾敏雄は1955年38歳の時に妻のミホさんの
故郷である奄美に行き、約20間住みました。そしてそこでカトリックの洗礼を受けました。代表作は『死の棘』。「死の棘」とは、言うまでもなく罪のことです。人には「死の棘」というほどの罪は犯していなくても、「思いあがることのないように」(コリントⅡ 12:7)と「一つの棘」は程度の差こそあれ与えられているのではないでしょうか。
この聖書箇所は、イザヤ書42:3新共同訳では「傷ついた葦を折ることなく、暗くなってゆく灯心を消すことなく、裁きを導き出して、確かなものとする」の引用です。なぜ彼がこの言葉を選んだのか、それは島尾文学を解き明かすキーワードであります。そういえば私の恩師でもあった故・高崎裕士牧師も、この言葉を座右の言葉としていました。私流に解釈すれば、傷ついた葦は無用であり、見苦しくさえあります。それは植物に限らず、人間に対しても当てはまるでしょう。傷つけば、治すよりも折ること。きっぱりと捨て去ること。また蝋燭の炎が消えそうになれば、新しい蝋燭に入れ替えればよいのであって、古くなってもう役に立たなくなるようであれば、灯心を消せばよい、そうした一見合理的な考え方・生き方に対するアンチテーゼとして示されています。それがまた、神の僕の召命、主の僕の苦難と死を意味しているのであって、すなわち、そこに十字架につけられたイエス・キリストの受難を予告しているのです。一体、人の子・主イエスは、なぜこの世に現れたのでしょうか。それは、失われたものを捜して救うために来たのではないでしょうか。言うまでもなく、医者を必要とするのは丈夫な人ではなく、病める人です。
奄美は典型的な離島の一つです。そこで生きることの孤立、厳しさ、辛さ、それはやはりそこで生活している人でなければ分かりません。と同時に、そこに生きることでの逞しさも身につけているのです。それが私も含めて、都会の人にはなかなか理解できません。UターンIターンといった言葉だけでは上滑りしてしまう、もっと深いものが流れています。観光旅行や企業誘致や若者育成といったこととはまったく違った次元で、奄美独特の人情があり、島唄が歌われています。
〒698-0021 益田市幸町4-54 日本基督教団益田教会牧師 元 正章
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E/――福田知子さんからイベントのお知らせがありました。このうち詩の関係を紹介します。
☆「11月12日(日)14時から「兵庫県芸術文化センター」(西宮市)で、「新しい日本の歌」というイベントがあります。私(=福田知子)の詩が3篇作曲され、ソプラノ歌手の方が歌ってくださいます。西宮北口なのでお誘い合せてお越しくだされば嬉しいです。可能ならチケットとチラシをお送りします。」
3、「11月24日(金)19時から、京都西院・京都外大前のジャズライブバー「さうりる」で、ピアノ、ギターの人とコラボで、ポエトリーリーディングをやります。私の京都での初めてのソロ・リーディングです。こちらは2000円。飲みながら軽く食事もOKです。」
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