神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

小池正博第二句集/20句選

2016年08月25日 08時02分27秒 | 俳句
小池正博著 第二句集『転校生は蟻まみれ』(編集工房ノア、2016)の20句選をしてみました。

小池氏の知力でぐいぐい押す主知主義的なわたしの好みの句は、同句集の前半に集中しています。
もしこの句集が時系列的に編集されているとすれば、あきらかに作風を意識して変えようとする意思がうかがえます。
小池氏の作句への態度がどのような変転していくのか、注目したいところです。
(句の最後の数字は掲載ページ)


20句選
01.雲占い雄か雌かを言い当てる/19
02.入道雲から水なすが落ちてくる/25
03.鳥形霊集う南へ南へ/37
04.右肺にえんどう豆が発芽する/42
05.戸じまりを充分にして島流し/43
06.権力はウパニシャッドの師あたり/46
07.延髄の貧しき目にはエビフライ/58
08.一角獣もいて川岸の古本屋/59
09.冬ざれの怠惰の池に手を合わす/68 ★
10.脳内を積木列車が通過する/76
11.原色の森の木陰のふくみ笑い/77
12.街の灯にみんな魚になってゆく/79
13.貌のない樹が戦車から降りてくる/80
14.歳末のレジで肺魚を売っている/89
15.鳥去って世界はひとつ咳をする/100 ★
16.坊や天文銭をあげようか/124
17.満員電車の中で鳴り出す一の糸/127
18.異端審問名もない花の出自など/132
19.秋暮れて土偶の乳房やわらかし/63
20.もやもやしてあかん堕落雀になるやんか/159

余選
01.駅前でぷりぷり怒るモアイ像/26
02.愛人の骨の標本売りさばく/28
03.言い訳はするな山椒魚を食う/34
04.水槽の模擬サンゴにも主体性/34
05.あかつきの星を孕んでから他人/39*
06.返杯に失敗して萩の乱/40
07.老人の砂場デビューに青い鮫/42
08.島宇宙から島宇宙へと枢機卿/52*
09.悪霊を滝と見るのは愉快だね/56
10.ジャンと呼ばれて極左の卵/152
11.突き落とされてもよい清流だ/67
12.佃煮はさようさようと繰り返す/85
13.常温で発酵する露天商/93*
14.客僧よ鳩の視線はやめたまえ/95
15.人形ですか蓮の実ですか/96
16.分身が死んで放浪がはじまった/98
17.百アールの蘭植えてから疾走する/109
18.呪術破れて三千の鴉現れる/111
19.舞えとおっしゃるのは低い山ですか/122
20.人形ケースに暗黒が棲みついた/125
21.捕虫網悪口をいう虫もいて/130
22.ネオリベも躑躅も妙に生きづらい/135
23.パートナー蜘蛛に噛まれた者たちの/137
24.神さびの森に尿意は谺する/140

増田まさみ句集20句選

2016年08月14日 09時12分41秒 | 俳句
増田まさみ句集『冬の楽奏』(冨岡出版、1999)から20句選をした。

(句の最後の数字は掲載頁)

20句選
01.少年をさかしまに抱く寒昴/07
02.吹奏や黄泉は泉のはずもなく/08
03.神を見るまで大根を辱かしめる/10
04.もういいよ沼の日暮れは数えきれぬ/10
05.漏刻や紡ぎたりない花の首/14
06.水無月やかんむりとなす魚の卵/18
08.白牡丹自愛の首を腐しけり/19  ☆
09.かたつむり腐乱のひかり担ぎゆく/21
10.蟷螂の思わず漏らす梵語かな/61 
11.恋愛のふとおかしきは赤茄子/26
12.薄情を半月に切るまくわ瓜/26
13.青柿が落ちて月光鳴りはじむ/27
14.黄落や骨相の沼起きあがる/28
15.深秋に水掻きあるは恐ろしき/29
16.抽斗のなかも吹雪くや鶏の羽/30 ☆
17.光陰の矢の折れし野の乳母車/31
18.球体を出てゆく死者と葱坊主/41 ☆
19.廃都の奥にぞ打ち込みたる向日葵/43
20.巣立ち鳥薬罐は妄語吐くばかり/52 ☆





余選
01.庭の木に寒星の種はじけたり/07
02.卵生のラフマニノフを白辛夷/49 
03.春の沼さらえば匂う母の紐/48
04.白梅やけだものを抱き観にゆかむ/51
05.暮れ暮れて春の底とは滑り台/54
06.水際に寝返る秋のミイラかな/65
07.霧籠めの丘にて捨てる耳の穴/66
08.禁欲の死神はじけて鳳仙花/25
09.雲切れて行方不明となる屍/46
10.水紋に触れては沈む母のくに/41

現在、ツイッターで「16夏俳句08」とのタイトルで、俳句を紹介している。夏の期間中、20回つづける予定。

8月の詩と俳句のイベント/ロルカ詩祭ほか

2016年08月11日 08時30分56秒 | めらんじゅ
夏まっさかりです。

この季節ならではの文学イベントがあります。

----INDEX----------------------------------------------------------------------------------------------------------
◆1.--第19回ロルカ詩祭は、8月20日(土)に開催します
◆2.--「Melange」読書会・合評会〈9月25日(日)〉
◆3.--「月刊めらんじゅ」のバックナンバー(115号)がネット上に公開
◆4.--カフェ・エクリの活動〈次回は、8月に瀬戸内美術祭にゼロ宿2日で参加します〉
◆5.--文学短報=A/「北の句会」のお知らせ B/清眞人氏からのメッセージ C/「吟遊」の活動
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◆1.--第19回ロルカ詩祭は、8月20日(土)に開催します

  詳しい情報をお知らせします。
  今年もぜひ参加されることを願っております。
  案内文は後日お知らせします。
  ※詩祭のフライヤーを添付しています。(拡散希望!!)
 
★第19回ロルカ詩祭


――――――――――ロルカ詩祭への招待  中堂けいこ---------------------------------


◇『いまふたたびの我らの中庭で』           中堂けいこ

 おお、フェデリコ!また8月がやってきた。19日の血の執行! 銃に囲まれ、長い道を来たあなたが夜明けの野にあらわれる。グラナダの犯罪。額に血、腹に弾丸。あわれなグラナダ!あなたのグラナダが暑い蛮行に狂い立つ日だ。そしてブエノスアイレスの熱狂もとだえてしまう。
だが、フェデリコ!わたしたちの中庭は健在だ。サクラモンテの丘のジプシーたちの歌と旋律。手と踵を打ち鳴らす、強拍の怒涛のリズム。ドローレスの胸に抱かれ耳もとで囁かれた、子守唄、アンダルシアの伽話を忘れようもない。あなたの詩の飼い葉、戯曲の揺り篭。

あれは月です 踊ってますね
 死んだ者たちの中庭で。

  ごらんよ 精魂尽きたその身体、
 影と傷とに黒ずんで。

  母さん、月が踊っているのです
 死んだ者たちの中庭で。

  夢のちょうど入り口で
 石の仔馬を傷つけるのは誰ですか?
  
  月です!月です!
 死んだ者たちの中庭の!
・・・・・・・・・・  (サンティアーゴの月の踊り)部分
          

また8月の扉が開かれる。何十回何百回と開けられる扉は一度として同じではなかった。世界をかけめぐるテロリズムの蛮行はいまだわたしたちを血塗りの恐怖に陥れる。暴力の剣の前でわたしたちは盾も持たず、ただことばだけで、そのことばだけで一歩を踏み出す。扉の向こうからかの世の者たちがおおぜいやってくる。彼らは再び生の痛みと顔をとりもどすが、わたしたちは互いに入り混じり葬列のあとに続く。最後尾の者が先頭になり、先頭の者がふたたび後尾につく。なんという賑やかさ、喧しさ、歌え、歌え、さあ歌え・・・!
今宵、ロルカ詩祭、スペイン語翻訳家の鼓直氏によるロルカ詩新訳が披露される。メランジュ同人詩友、詩の愛好者が熱い神戸につどう。
――――――――――――――――――――

◇開催日時/2016年8月20日(土)午後5時開場
 第一部(ロルカ作品のスペイン語、日本語による朗読)…午後5時30分スタート
 第二部(ロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読)…午後6時00分スタート〈前半・後半あり〉

◇詩祭案内/スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)の生誕100年にあたる1998年から神戸で始まった詩の朗読会。8月19日のロルカの命日に近い土曜日に、神戸市三宮のスペイン料理カルメンで開催されている。
この詩祭は、スペイン内戦が勃発した直後、ファシストによって殺されたロルカへの追悼ばかりではなく、阪神・淡路大震災をはじめとした震災の犠牲者に対する追悼、さらにはロルカ詩祭に参加し今は鬼籍に入っている詩人たち(清水昶氏をはじめとして)への追悼をふくむ。

◇料金/
Aセット:3600円(チャージ込み)+〈(1)夏の特選スープ(2)季節のサラダ(3)メインディッシュ(4)パエリア(5)コーヒー(6)デザート〉かもしくは、 
Bセット:2000円(チャージ込み)+(1)ワンドリンク(選択可)(2)特選タパス〉を注文していただこうと思っています。

◇場所・問い合わせ/スペイン料理カルメン(〒650-0012 神戸市中央区北長狭通1-7-1 カルメンビル2F 申し込み、問い合わせは、電話078-331-2228 )

★全体の構成

〈総合司会〉大橋愛由等 開会あいさつとフィナーレの朗読者紹介

〈第一部ロルカ詩朗読パート〉司会・千田草介

〈第二部自作詩朗読パート〉司会・福田知子

〈進行アドバイザー/タイムキーパー〉高谷和幸・大西隆志

★香盤表

〈第一部ロルカ詩朗読パート〉司会・千田草介
01.北原千代(「」馬上の男の歌(1860)」)
02.黒田ナオ(「キューバの黒人の楽の調べ」)
03.にしもとめぐみ(選考中)
04.今野和代(「N0 HAY CAMINO」)
05.鼓直(『タマリー詩集』から「思わぬ恋のガセーラ」新訳です)

〈休憩時間に秦コウタロー氏によるアコーディオン演奏が入ります〉

〈第二部自作詩朗読パート〉司会・福田知子
/前半
01.黒田ナオ
02.千田草介
03.にしもとめぐみ
04.北原千代
05.安西佐有理
06.大橋愛由等
07.北岡武司
08.大西隆志
09.情野千里


/後半
10.髙木冨子
11.秦ひろこ
12.中堂けいこ
13.中嶋康雄
14.福田知子
15.高谷和幸
16.今野和代
17.金里博



◆2.--「Melange」読書会・合評会〈9月25日(日)〉

この会を運営しているのは、神戸を拠点とする詩のグループ「Melange」。事務局は私・大橋愛由等。
詩の会(二部構成)を毎月開催しています。
通常は、第一部〈読書会〉、第二部〈合評会〉によって構成されていますが、今回は順序を逆として、第一部〈合評会〉、第二部〈読書会〉とします。ご注意ください。
誰でも参加できます。参加費は無料です。
会場は、神戸・三宮のスペイン料理カルメンです。阪急三宮駅西口から徒歩一分の便利なところにあります。

☆/第1部・合評会(PM1:00-4:00)
いつもより時間が短いので、効率的にすすめていきましょう。
作品の締め切りは、9月22日(木・祝)です。意欲的な作品をお待ちしています。合評会に出席できなくとも、送っていただいた詩稿は、「月刊めらんじゅ115号」に掲載します。それぞれ詩稿をこのメールアドレス(maroad66454@gmail.com)に送ってください。(Wordの添付ファイルで送稿される方が多いのですが、Wordのバージョンによって文字化けが必ずといっていいほど起きます。詩稿の送信は、添付ファイルを付けてもいいのですが、その際には、メール本体に詩稿を貼り付けておいてください。これは必ずお願いします)

☆/第2部・読書会(PM4:00-6:00)
第2部の読書会は、詩人&文芸評論家の山田兼士氏の語りを予定しています。語りの詳細は追ってお知らせします。山田氏は詩人でありかつ、詩論のジャンルにおいても一線で活躍している表現者です。

☆会場/神戸・三宮「スペイン料理カルメン」 078-331-2228

◆3.--「月刊めらんじゅ」のバックナンバー(115号)がネット上に公開
毎月発行している「月刊めらんじゅ」。115号がネット上に挙げました。
パソコンであるいはタブレットでご覧になるのが読みやすいと思います。

 ☆「月刊めらんじゅ」115号/2016年7月24日発行

https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxtYXJvYWQ2NjQ1NHxneDo1YzE2YzE0ZmFmZTc4OTU0

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◆4.--カフェ・エクリの活動〈次回は、8月に瀬戸内美術祭にゼロ宿2日で参加します〉

高谷和幸氏主宰の「カフェ・エクリ」についてです。

》》》》》》01.
三年に一回開催されるトリエンナーレ「瀬戸内美術祭」に前回につづいて参加します。
ゼロ宿2日のスリリングな旅です(宿泊せず船中泊なので経費が安くすみます)。

―――――――旅程案---------------------------------------☆
開催日/8月28日(日)~29日(月)
集合場所と時間/神戸三宮のスペイン料理カルメン(078-331-2228)に午後9時ぐらいをめどに集合。
旅程/(1)29日午前1時に神戸港を出発する高松行きフェリーに乗って出港(28日午前0時30分三宮発港行きリムジンバスに乗る)
   (2)午前5時に高松港に到着。早朝から営業しているさぬきうどんの店で腹ごしらえ(この旅は“さぬきうどんツアー”でもあります)
   (3)高松港から連絡船に乗ってお好みの島に向かう(どの島に行くか決めていきましょう/候補は、大島、女木島、直島など)。
   (4)高松に戻り市内のうどん屋で食べおさめ。
   (5)午後8時15分発高松発~神戸行きの高速バスに乗って帰神(午後11時到着予定)・解散
          (作成者・大橋)

》》》》》》02
「エクリ」では発表予定の大西隆志氏からのメッセージ

※大西隆志氏からのメッセージ
テーマ 「アンリ・メショニック」
アンリ・メショニック(Henri Meschonnic、1932年9月18日 - 2009年4月8日)は、フランスの言語理論家、随筆家、翻訳家、詩人。フランス・パリ出身。ユダヤ系フランス人。パリ第8大学教授。ヴィクトル・ユゴー、ジェラール・ド・ネルヴァルなどフランス詩人の研究やヘブライ語聖書のフランス語翻訳で知られる。
著書において多くの作家、詩人を取り上げるが、その大半を批判的に論じており、メショニックは非常に論争的(polémique)な人物だと評されることが多い。パリ第八大学では、ジル・ドゥルーズ、ルネ・シェレール、リオタールなどが同僚であった[1]。ドゥルーズとの間で交わされた書簡は雑誌「ヨーロッパ」のメショニック特集号に掲載された[2]。1972年に『献辞 ことわざ』でマックス・ジャコブ賞を受賞。1973年に発表した著作『記号と詩篇』でアリストテレス的・キリスト教的言説を支配する二元論的思考形態を批判し、キリスト教的主体に対してユダヤ教的主体の復権を唱える。このことによって、メショニックは当時のフランス思想界において、エマニュエル・レヴィナスと並ぶユダヤ的思想家の一人に数えられることになった。
1980年代から竹内信夫、石田英敬らがメショニックの日本への紹介をおこなっている。
1996年にランシエール、グリッサンらと共に来日し、当時の東大総長であった蓮實重彦が企画したシンポジウムで発表している。[3]。
2009年にメショニックが亡くなった際、現代詩手帖8月号に詩人の安川奈緒が追悼記事を書いている。
翻訳編集   『詩学批判 詩の認識のために』竹内信夫訳、未來社、1982年
参考文献編集 『詩学批判 詩の認識のために』竹内信夫訳、未來社、1982年
外部リンク編集  石田英敬研究室 文献一覧 アンリ・メショニック研究会


連絡先
高谷和幸
〒676-0815 高砂市阿弥陀1-11-24
080-5311-6265

03.
-----------これからのカフェ・エクリ―――――--――☆

09月19日(月・祝)/赤穂「煉瓦屋」 読書会発表予定者・千田草介
※煉瓦屋 赤穂市加里屋47-14 電話0791-42-0687
 9月19日 姫路駅発13:35 (この車両に乗っていきます)
 2月20日 姫路駅発13:36  同上
10月31日(月)/姫路市あいめっせ  読書会発表予定者・大橋愛由等
※姫路市あいめっせ イーグレ姫路館内の男女共同参画推進センター内の会議室です
 姫路市本町68番290 電話079-287-3443
11月14日(月)/たつの市ガレリア  読書会発表予定者・大西隆志(?)
※たつの市 ガレリア アーツ&ティ
 たつの市龍野町富永1439 電話0791-63-3555
 姫新線 本龍野駅下車徒歩8分
12月13日(日)/姫路市あいめっせ  読書会発表予定者・未定
2017年
2月20日(月)/赤穂「煉瓦屋」  読書会発表予定者・大西隆志(?)
3月13日(月)/たつの市ガレリア   読書会発表予定者・未定
-------------------------------------------------------------------☆



「カフェ・エクリ」連絡先
高谷和幸
〒676-0815 高砂市阿弥陀1-11-24
080-5311-6265


◆6.--文学短報
A/――「北の句会」のお知らせ
9月定例句会は久しぶりに大阪駅前ビルで行うことになりました。
とりあえず場所、月日をお知らせいたします。
出句、課題等の詳細は決定次第お知らせいたします。

9月11日(日)13:00-17:00
総合生涯学習センター(大阪駅前第2ビル5階)第6会議室
06-6345-5000
【地下鉄】御堂筋線・梅田/四つ橋線・西梅田/谷町線・東梅田
【JR】大阪駅/東西線・北新地駅
【私鉄】阪神電車・梅田/阪急電車・梅田

ビルに入ると案内が少ないのでご注意ください。

B/――清眞人氏からのメッセージ
このたび、電子書籍『いのちと遊ぶ哲学Ⅰ いのちを旅する』をアマゾンkindleセルフ出版から個人出版しました。
アマゾン・本のサイトの検索に「清 眞人」と入力すると、「新着」の表示付きで、この本が出てきます。510円です。購入していただくと、無料でkindle電子書籍を読むためのアプリ「kindle Home」がダウンロードでき、それを使って、このアプリをダウンロードしたお手元のパソコンやスマホで読めます。そこに入っている画像は、二度タッチすると拡大できます。既に、「kindle Home」を入れている方は、もちろんそこからこの本を検索し、購入することができます。以下は、この本についての内容説明です。

「人生は旅にたとえられます。何故でしょうか? いのち・生命をいのちとして 弾ませるためには、つまり、生き生きと生きるためには、いのちと遊ぶことがとても大事です(それで僕は「いのちと遊ぶ哲学」シリーズを企画しました)。いのちと遊ぶためには、まずいのちを旅する必要がある。これがこの本のテーマです。僕が実際におこなったナポリとアテネでの路上絵商売をしながらの旅の経験を書いたのが、「ナポリ・アテネ放浪記」。親子で一緒に5匹の動物たちの冒険旅行を空想しあいながら絵本を作った体験を記したのが、「空想親子絵本」。その相手の人生に想いを馳せることは、その相手の人生をいわば旅することですし、そのような〈相手を想う〉旅をとおして人はあらためて自分を振り返り自分を再発見するものです。僕は「遊ぶひとは遊ぶ眼をもって」という創作訪問記を 書くことで福森慶之助さんを想う旅をおこない、またある老人に「記憶は《世界》をつれて」という手紙を書いてみました。大事な誰かに心の旅することは自分への旅をおこなうことでもあるのです。最後に、人間にとって幼少年期の思い出がいかに神聖な意義をもつかを強調してやまなかったドストエフスキーのいくつかの作品から、「子供の方へ 」という朗読劇の脚本を書いてみました。いずれも、命を命として弾ませる命との遊びのまず第一は命への旅に旅立つこと、この僕の想いから生まれた作品です。」


C/――「吟遊」の活動
わたしも同人になっている俳句グループ「吟遊」の活動報告です(残念ながらいずれも出席できないのです)。
 ☆第19回吟遊同人総会 
 時間/8月27日(土)午後2時~6時
 会費/1000円
 会場/板橋区立グリーンホール501会議室 
 
 内容/合評ほか

 ☆吟遊懇親会
 時間/8月27日(土)午後6時~8時
 会費/4000円
 会場/レストラン・サンイチ(板橋区立グリーンホール地下)03-3579-8531 
 内容/俳句朗読(一人五分程度)

 問い合わせ先/夏石番矢方 吟遊社 TEL&FAX049-252-9823

尾崎放哉のこと

2016年08月07日 09時21分47秒 | 俳句
小豆島の尾崎放哉記念館を訪れた。

ちょうど昼時だったので、閉まっていた(のんびりしているなあ)。
午後1時まで間、記念館の縁側に座って待っていた。
この日も高温だったが、都会の真夏のように酷暑ではなく、今回の瀬戸内旅で、もっともまったりとした充実として時間だった。

旅の前、最中、帰ってきてからを利用して、尾崎放哉の自由律俳句を20句選んでみた。
なかなかに選句に苦労したことを伝えておこう。

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2016年夏 尾崎放哉 20句選

★20句選
東京時代〈1909〉
01.口笛吹かるる朝の森の青さは

[一燈園時代]
02.ねそべつて書いて居る手紙を鶏に覗かれる

[須磨寺時代]
03.一日物云はず蝶の影さす
04.柘榴が口あけたたはけた恋だ
05.砂山赤い旗たてて海へ見せる
06.いつ迄も忘れられた儘で黒い蝙蝠傘
07.うそをついたやうな昼の月がある
08.こんなよい月を一人で見て寝る
09.漬物桶に塩ふれと母は産んだか

[小浜時代]
10.とかげの美しい色がある廃庭

[小豆島時代]
11.漬物石になりすまし墓のかけである
12.ここから浪音きこえぬほどの海の青さの
13.なん本もマッチの棒を消し海風に話す
14.秋風の石が子を産む話
15.おそい月が町からしめ出されてゐる
16.朝靄豚が出てくる人が出てくる
17.淋しい寝る本がない
18.入れものが無い両手で受ける
19.せきをしてもひとり
20.嵐が落ちた夜の白湯を呑んでゐる

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ちなみにこの建物(庵)は、尾崎放哉が住んでいた建物から数えて三代目にあたる。
建物が朽ちたので建て替えられている。
構造はそのまま踏襲しているらしい。
山頭火もそうだが、流浪の自由律俳人の終いの棲家が保存・顕彰されていることは心温まることである。