神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第37回『Melange』読書会・合評会のお知らせ

2008年11月12日 08時35分58秒 | めらんじゅ
◆--第37回『Melange』読書会・合評会のお知らせ

今年最後の会となります。12月はお休み。1月に再び始まります。

☆読書会には、われらが『Melange』同人の栗山要氏に語っていただきます。

その題を勝手につけさせていただければ、「戦後における神戸・兵庫の文化人の思い出」(仮題)となりましょうか。先の戦争によって焼け野原になった神戸や兵庫県を舞台にして、栗山氏は、戦後の文学、文化を切り開いていこうとする文化人、作家たちと多く接してきました。そうした交友録を聞くことによって、時代は異なるものの神戸というトポスを共有していることの視点から、表現者の後輩であるわれわれの立ち位置というものをあらためて確認できれば、と思っています。神戸という街の諸相が、共時的に連関していくことが期待されます。

☆読書会・合評会の開催日は、23日(日)です。第二部の詩の合評会に提出する詩作品の締め切りは、11月20日(木)です。


11月の36回読書会・合評会のお知らせ
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◇◇◇ 11月23日(日)第36回
『Melange』読書会のお知らせ
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発表者/栗山要氏
テーマ/「戦後における神戸・兵庫の文化人の思い出」(仮題)
時間/午後1時~3時

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◇◇◇ 10月19日(日)第37回
『Melange』合評会
時間/午後3時15分~5時ぐらい
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詩稿締切は、10月16日(木)です。厳守をお願いいたします。


送稿していただいた詩稿は、18日(土)にみなさんにメール送信いたします。事前に
お読みになってください。
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☆日時=10月19日(日)1時00分から第1部。~午後3時
 午後3時15分から第2部。

☆会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行います。
(カルメンの場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅西口
の北へ徒歩2分
の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/)。

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月曜日の街を歩く

2008年11月10日 18時53分51秒 | 神戸
一カ月に二度ほど、長田のFMわぃわぃに、島唄紹介番組を担当するためにでむく。

一回55分間の放送で、番組名は「南の風」。もう13年間担当している。

いつもは奄美篇を担当するのだが、今回は、普天間かおりさんが16日に神戸でコンサートをするので、その前宣伝ということで、私がその紹介役となったのです。

番組の最中、神戸市内の公立中学校の女生徒が、トライアルウィークのために、FMわぃわぃに滞在します。チーフプロデューサーの金千秋さんは「番組づくりにはコンテンツ、つまり内容が大切なのよ」と。わたしが追随して「今日、みんなが感じたこと、今日みんなが受けた風のこと、今日みつけたひとこと、今日むかついたこと、などまず感じることが大切なんだよ」と。

番組が終わって、食欲がないままに、ビーガン・ランチ。といっても、持ち寄っての食事会。ビーガン料理は売っているものを買うのではなくて、自ら作らなくてはならない。この日、めずらしく、アルコールはなし。飲む気がしなかった。


15日に神戸文学館で女性文学の会

2008年11月07日 09時09分35秒 | 文学
☆今年も、神戸文学館で、神戸から 神戸ゆかりの女性作家を語るパネルディスカッション
〈詩・短歌・俳句・川柳〉を催します。

今回のテーマは、「女性の身体とジェンダーから文学表現を考える」。
とてもコアな内容です。今回も各ジャンルで活躍している表現者のみなさんに参加してもらいます。ふるっての参加をお待ちしています。

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第2回 神戸から 神戸ゆかりの女性作家を語るパネルディスカッション
        〈詩・短歌・俳句・川柳〉

      女性の身体とジェンダーから文学表現を考える
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☆〈あいさつ〉神戸文学館が開館(2006年12月)したことを機に、神戸から文学のありようを議論していくメディアとして、去年に引き続き「神戸から神戸ゆかりの女性作家を語るパネルディスカッション〈詩・短歌・俳句・川柳〉」を開催します。

詩、短歌、俳句、川柳の各界で活躍する女性作家兼評論家に、パネラーとして参加してもらい、それぞれのジャンルから、〈女性の身体とジェンターから文学表現を考える〉のテーマのもとに、神戸ゆかりの女性作家についての評価、読み直しを提議していく内容です。去年開催して好評だった第一回に続く連続企画です。パネラー同士と会場参加者との双方向性が期待できるパネルディスカッション形式で進めていきます。

今回のテーマは、女性の身体とジェンターから文学表現を考えるというもので、表現する者にとって、根源的な内容を含むものであると思っています。今年も活発な議論と会場との応答が期待されます。 

☆日時/2008年11月15日(土)午後2時~4時
☆場所/神戸市立神戸文学館
 〒657-0838神戸市灘区王子町3丁目1番2号 電話・FAX 078-882-2028 阪急「王子公園駅」下車、神戸市立王子動物園の西隣。徒歩7分。JR「灘駅」からは北へ徒歩10分。
☆参加費/200円(当日発表する内容が掲載された小冊子もついています)

☆パネラーの方々と取り上げる神戸の作家たち
  〈詩〉 たかとう匡子   (多田智満子)
  〈短歌〉彦坂美喜子    (石橋妙子、尾崎まゆみ)
  〈俳句〉堀本 吟     (桂信子、藤木清子ほか)
  〈川柳〉樋口由紀子     (森中恵美子)
          ---------(司会)大橋愛由等(図書出版まろうど社代表)

☆各パネラーの発表予定内容

◇たかとう匡子----詩 
 「女性性」というのはフェミニズムの影響を受けている言葉であり、最近はむしろ邪魔だから(というより逆差別を強調することにもなりかねないから)性差を無化しようという傾向にある。とはいえ身体の構造上、男女の差異は当然ある。そのうえで表現の世界にあっても、女性たちは男性を越え(あるいは肩を並べ)ようとすれば、女性の身体性にアクセントを置くしかなかった。それでは多田智満子のばあいはどうか。
 前回同様、多田智満子を採りあげ、第三詩集『薔薇宇宙』を中心にそういったところを見ていきたい。
 多田智満子(1930~2003)は、1959年結婚と同時に神戸、六甲山麓に移り住んで、同年第一詩集『花火』を上梓。『薔薇宇宙』、『川のほとりに』、『長い川のある國』など十数冊の詩集と評論集、歌集、句集を精力的に出すなど多くの仕事をした。英知大学名誉教授。

◇彦坂美喜子----短歌
 歌の世界は古典の時代から女性も活躍していますが、特に表現上で女性性に注目された論は、折口信夫の「女流の歌を閉塞したもの」(昭和26年1月「短歌研究」)ではないかと思います。1980年代初めには、篠弘が身体感覚を現実認識と結びつける表現を求める「体性感覚」を提唱します。これらは女性性というより、短歌表現の問題として提出されているものですが、それを軸に、二人の神戸在住の女性歌人、石橋妙子さんの第一歌集『花鏡』(昭和1979年刊)と、尾崎まゆみさんの第3歌集『真珠鎖骨』(2003年刊)の作品から、どのような方向に表現の場所が展かれているかをみていきたい思います。
 石橋妙子(1929~)神戸市在住。「花鏡短歌会」主宰。歌誌「花鏡」発行者。「潮音」選者。歌集『花鏡』、『白栲』、『風樹』、『素描の繭』、『有縁無縁』、評論集『歌の翼』、著書『鑑賞 太田青丘の秀歌』など。神戸市文化活動功労賞受賞(1994年)
 尾崎まゆみ(1955~)神戸市在住。「玲瓏」所属。歌集『微熱海域』、『酸つぱい月』、『真珠鎖骨』。第34回「短歌研究新人賞受賞」(1991年)

◇堀本 吟----俳句
1) 趣旨
 女性の俳人が、自分(人間)を身体的存在であると自覚するのはどういうときでしょうか? 台所の日常を主にした「ホトトギス」の女性と、内面探求を深くした新興俳句系では「自我・身体・詩型」の表現のあり方がまったくちがう、という例を挙げ。その身体表現のあり方をさぐります。
 ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき = 桂信子  
 戦死せり三十二枚の歯をそろへ=藤木清子 
 幼年が 濃密にある 茹卵 =伊丹公子    
 爽やかな涙となりてゆくことも= 稲畑汀子
2) 例句に登場する作家 について。
A 芦屋に住む稲畑汀子(1931~)若くより祖父虚子父年尾に俳句を学ぶ。虚子の「花鳥諷詠」をまもり、日本最大俳句の結社「ホトトギス」の現主宰。ここでは「季語の表現」が第一であるから、身体表現というテーマ自体がおこりえない。日常存問、花鳥諷詠のモチーフのひとつである。だが・・・・・ 作品はかならすしも教科書通りではない。
B 新興俳句作家、桂 信子(1914~2004) 藤木清子(生歿年不詳)ともに1938年頃日野草城の「旗艦」に投句。信子は戦後、「青玄」で活躍。やがて「草苑」主宰。伊丹公子(1914~ )戦後「まるめろ」「青玄」で出発。草城死後、三樹彦とともに「青玄」を運営。公子のモダンな美意識が とらえる身体の俳句。A・Bをならべるとき、今回のテーマがスリリングな趣で立ち上がってくる。

◇樋口由紀子----川柳
 川柳は現代詩、短歌、俳句と比べて、一番わかりやすく、 いわゆる大衆性を獲得しています。それは読み手と 書き手の共同性のところで書かれていることが多いためです。 それは女性性、身体性においても顕著に出て、身体を通しての 情感が立ち上がってきます。 第一回で取り上げた時実新子と人気を二分した日本最大の川柳結社である 「番傘」の花形作家である森中恵美子を通して、川柳における女性性、 身体性の長所と短所を検証します。 森中恵美子(もりなかえみこ)(1930年~)神戸市生まれ。 現在、「番傘」副幹事長。 句集に『水たまり』『水たまり今昔』『仁王の口』。 第一回日本現代詩歌文学館館長賞受賞。