神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第24回ロルカ詩祭のこと

2021年08月10日 09時26分23秒 | 文学
第24回ロルカ詩祭(8月21日)に開催します

(1)ロルカ詩祭について
〈ロルカ詩祭〉は、スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)がファシストによって銃殺された8月19日近くの土曜日に開催する詩の朗読会です。ロルカ生誕100年の1998年から神戸三宮のスペイン料理カルメンで開催しています。
今年もみなさんのご来店をお待ちしています。

(2)開催日時
2021年8月21日(土) 
〈 詩祭スケジュール 〉
8月21日(土)午後5時 開場
[ 1部 ]PM5:30〜PM6:00
ロルカ詩の朗読〈このセクションの最後にスペイン人カンタオール(フラメンコの男性歌手)のヘスス・ファハルドがフラメンコの曲となったロルカの詩を歌う予定です〉
[ 2部 ]PM6:15〜PM8:00〈今月は、午後8時にカルメンは閉店しなければならないのです。そして酒類は提供しません〉
詩人たちの自作詩朗読

《場所》スペイン料理カルメン(神戸市中央区北長狭通1-7-1 電話078-331-2228 〒650-0012)
  JR・阪急・阪神・地下鉄「三宮駅」から徒歩1〜3分。
《料金》A:3850円(チャージ・税込み)(1)夏の特選スープ(2)季節のサラダ(3)メインディッシュ
    (4)パエリア(5)コーヒー(6)デザート
    B:2200円(チャージ・税込み))(1)ワンドリンク(選択可)(2)本日のタパス
《特典》当日参加者の方全員に、第二部参加の詩人たちが朗読する詩作品掲載の『八月一九日詩集24巻』を進呈します。

(3)出演者
〈朗読者〉
①安西佐有理 ②大西隆志 ③大橋愛由等 ④木澤豊 ⑤金里博  ⑥近藤久也 ⑦今野和代〈伴奏者・山澤輝人テナーサックス〉 ⑧情野千里 ⑨千田草介 ⑩高木敏克 ⑪高谷和幸 ⑫西海ゆう子 ⑬にしもとめぐみ ⑭野口裕 ⑮原田哲郎 ⑯森崎大青
〈朗読の伴奏&ソロ演奏〉 Rodrigo Mabel(ロドリーゴ・マベル)
ブラジル・サンパウロ生まれ。日系三世。少年時代からギターに親しむ。19歳の時に日本(大阪)へ。そこでフラメンコと出会い関西を中心に活動。出自のブラジル音楽もこだわり、日本とブラジルを行き来しながら自分の音楽スタイルを探る。

赫い詩精(ポエジー)が炸裂する!!

(4)推薦文
外で見る夢のカシーダ     高谷和幸

「私はどこで死ぬのだろう」。この不安はコロナ禍中の深刻な問題である。人の生を水の泡に譬えた人でさえも自分のための終の棲家に強い拘りがあったと言えばお叱りをうけるだろうか。ロルカもその例に倣うように、スペイン内戦の反乱軍に狙われる危機が逼迫するなか、魂の眠る場所と決めていたグラナダのタマリットに帰っている。その時には最後の詩集である『タマリット詩集』の編集は終わっていたが、死の直後に弾圧を受け、スペインを逃れてアメリカで産声を上げることになる。その死の実態が見つからないミステリーが悲劇性を増すばかりだが、一方で『タマリット詩集』は古典アラブ文学の形式、カシーダやガセーラで書かかれているのも興味深いものがある。カシーダ等のスタイルは、楽器つきで歌われるのが特徴の一つだ。特に私が興味深かったのは「外で見る夢のカシーダ」だった。重いテーマ—である、愛・自由・死がジャスミンの花・少女・血まみれの闘牛の頭に隠喩として書かれている。そこに不思議な比喩の空間があり、ジャスミンの植物的生命の再生の物語と、ロルカ自身の予感としての死、そこからの復活が込められているように思える。「自己再生のために、ジャスミンの眠りに眠らせてくれ」。と、聞こえるのだ。植物が土の中で不死性を受け継いできたように。
 

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