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神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第11回「〈日本・韓国・在日同胞詩人共同 尹東柱詩人追悼の集い〉

2023年02月12日 08時31分05秒 | 文学

第11回「〈日本・韓国・在日同胞詩人共同 尹東柱詩人追悼の集い〉は〈2月13日(月)〉に開催します

今年(2023年)も、〈日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〉(金里博・大橋愛由等共同主宰)を2月13日(月)に同志社大学今出川キャンパス内の尹東柱詩碑前で午後3時から行います。寒い季節です。みなさん、暖かい格好をして参加してください。この〈追悼の集い〉は若くして、1945年2月16日に日本国家に殺された詩人・尹東柱を追悼する詩人たちの朗読会です。

 

今年はひさしぶりに、器楽演奏を依頼しました。彌月大治氏です。フラメンコ・ギタリスタとしてカルメンでなんどか演奏を聴いていたのですが、津軽三味線も演奏するというバイリンガルなひとです。そこで今回は、津軽三味線を演奏してもらい、その激しい叙情をもって、尹東柱への追慕といたしたいと思います。

 

☆名称/第11回〈日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〉

☆日時/2月13日(月)午後3時に現地(同志社大学今出川キャンパス内「尹東柱詩碑前」)集合。

☆構成/現在決まっているのは以下のとおりです。

〈1/開会挨拶・大橋愛由等(共同主宰者・図書出版まろうど社代表・詩人)〉

〈2/あいさつ 金里博(共同主宰者・在日共同代表・詩人)〉

〈3/尹東柱作品朗読〉

〈4/献花〉

〈5/器楽演奏(津軽三味線・彌月大治)

〈6/詩人たちによる書き下ろし詩の朗読〉

(会場は戸外です。それでなくても京都は底冷えがします。十分暖かい格好をして自衛してください)

 

過去4回の集いの際に作成した冊子が以下のサイトで見ることができます。

日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2019年2月18日〉7回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/481596924.html

 

日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2020年2月10日〉8回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/481580561.html

 

日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2021年2月15日〉9回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/481580759.html

 

日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2022年2月21日〉10回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/496768946.html

 


第180回「Mélange」例会〈2月26日(日)〉+第11回「〈日本・韓国・在日同胞詩人共同 尹東柱詩人追悼の集い〉ほか

2023年02月11日 08時44分56秒 | 文学

神戸からの詩と俳句を中止としたメールニュースです。

 

寒い日々がつづきます。みなさま、いかがおすごしでしょうか。

わたしの身近にクラシックのピアニストが二人いて、そのふたりとも志向する音楽内容が異なり、大いに刺激を受けています。わたしはいままで、ジャズを聴いてきて、近年は、YOUTOBE番組(FMわぃわぃ「南の風」)で、奄美のシマウタを紹介しているという音楽歴の持ち主です。ジャズはインプロビゼーション(アドリブ)、シマウタは口誦性ゆたかな民謡。いずれもクラシックのように楽譜というテキストがなくても演奏可能な音楽世界です。

先月は三年ぶりに〈奄美ふゆ旅〉に行ってきました。文学短報にその感想記を書いています。

 

----INDEX----------------------------------------------------------------------------------------------------------

◆1.―第180回「Mélange」例会〈2月26日(日)〉→第一部読書会は詩人・にしもとめぐみ氏の「アポリネールを語る」+第三部は冨岡和秀氏の最新詩集『詩的言語集 霧の本質』出版を祝う会です

◆2.―「Mélange」例会のスケジュール/「月刊Mélange」の誌名を「月刊MAROAD」に変更しています

◆3.―第11回「〈日本・韓国・在日同胞詩人共同 尹東柱詩人追悼の集い〉は〈2月13日(月)〉に開催

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 ◆1.―第179回「Mélange」例会〈2月26日(日)〉

180回目の「Mélange」例会は、2月26日(日)にカルメンで開催します。 

第一部読書会(pm1:00~3:00)の語り手は、詩人のにしもとめぐみ氏です。テーマは「アポリネールを語る」。予定していた話者が突然キャンセルしてきたので、急遽にしもとめぐみ氏に依頼してうけていただきました。感謝です。かつて「ユリイカ」で刊行された「アポリネール特集〈1979/1月号〉」を読み直しています。ギヨーム・アポリネール(1880-1919/享年38歳)は「20世紀フランス詩の扉を開く詩人であることと、象徴主義とシュルレアリズムをつなぐ架橋的役割を果たした詩人」(滝田文彦)と位置づけられています。詩も、文字を図表化したカリグラムを創出したり、短編小説を執筆したりと、多彩な表現者です。

また同日の第三部として、詩人・冨岡和秀氏の最新詩集『詩的言語集 霧の本質』(エディションクロノス刊)の出版を祝う会を催します。 

 第一部「読書会」(pm1:00~3:00)。第二部「合評会」(pm3:15~6:00)、第三部「懇親会」の構成です。

会場は三密を避けるための対策を講じています。身体の調子が悪い方は、出席をご遠慮ください。

第三部は、懇親会です。詩人中心の会です。みなさん、自在に語って楽しんでおられます。今回も大いに語りましょう。

この会は誰でも参加できます。第一部「読書会」のみの参加もOKです(ただし講師へのカンパ500円が必要)。

 

――――――にしもとめぐみ氏からのメッセージ――――――――――――★

『アポリネール詩集』について

   
日本で「枯れ葉」と「ミラボー橋」はよく知られているシャンソンだと思う。
「ミラボー橋」の作者がアポリネール(1880年~1919年)である。


ミラボー橋

ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
われらの恋が流れる
わたしは思い出す
悩みのあとには楽しみが来ると

日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る

月日は流れ  わたしは残る    堀口大學  訳ギヨームアポリネール
 
サンボリスムとシュールレアリスムのちょうど中間に位置し、一方で現代詩の始祖とよばれるように新しい詩の多様なこころみに先鞭をつけるとともに、伝統的な美しい抒情詩を数多く残した詩人である。彼はまた20世紀の前衛美術の勃興期にあたりその理論的指導者としての役割もはたしたが、短編小説の領域でも、古いものと新しいものが混淆した独自の幻想的な名篇を少なからず残した。
                                            『独身者の箱』澁澤龍彦 より

略年譜の紹介をしてカリグラムの詩やアポリネールの詩を紹介します。私の好きなアポリネールの詩を数篇、にしもとめぐみ訳でしてみました(笑)。  

―――――――――――――――――――――――★

 

△第二部(pm3:00~6:00の詩の合評会は、午後3時すぎからスタートします。6時すぎに終わることを目指していきます。

△「月刊MAROAD」2023年の連載記事について。

①タイトル=連載小説「海猫堂店仕舞記」(2023年も好評につき続行掲載) 作者=千田草介さん 

②評論・エッセイ「想像力の彼方へ」(2023年も連載続行)大西隆志さんが詩・状況を縦横に語っています。

③2022年1月号から、あらたな美術関係の連載が始まっています。担当は美術家の原田哲郎さん。タイトルは「珈琲タイムレッスン(大人の絵画教室)」

④諸井学さんの連載小説「マルクスの場合」も好評連載中です。

173号からピアニストで詩人の原田ひでよさんが新しくエッセィの連載をスタートしています。

⑥176号から小説家で詩人のリチャード・パーカーさんの連載小説が始まりました。

⑦にしもとめぐみ氏がフランス語詩を翻訳する「詩の森から」の連載を開始しました。

 

△この会を運営しているのは、神戸を拠点とする詩のグループ「Mélange」。代表と事務局は私・大橋愛由等。詩の会(二部構成)をほぼ毎月開催しています)。

 

■会場:スペイン料理「カルメン」電話:078-331-2228(阪急三宮駅西口から北へ徒歩1分)創業1956年の神戸でも有数の老舗レストランです(2022年11月に創業66年を迎えました)。毎週土曜日にフラメンコライブを開催しています。 

――――――――――◇

 

◆3.―「Mélange」例会のスケジュール/「月刊Mélange」の誌名を「月刊MAROAD」に変更しています

 

2005年の創刊以降、「月刊Mélange」の誌名で親しんできましたが、通巻170号(2022年2月27日発行)から「月刊MAROAD」に変更いたしました。これは、創刊から17年が経過して、参加構成メンバーが大幅に入れ替ったことから、現在の誌友・詩友たちとの連帯を確認し、今後の表現活動の切磋琢磨を願うために変更するものです。(ちなみにMAROADとは、一見外国語のようですが、日本語の「稀人」または「客人」を語源としています。来訪神という意味です。折口信夫民俗学における中心概念のひとつです)。ちなみに例会の呼称は当面、「Mélangeの会」を継承いたします。

 

「月刊MAROAD」170号~178号の誌面は以下のサイトで見ることができます。16~20ページで構成されています。

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD170.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD171-eb379.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD172.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD173E29885.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD174.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD175E29885.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD176-584e1.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/MAROAD177.pdf

https://melange-kobe.up.seesaa.net/image/20MAROAD178.pdf

 

「Mélange」月例会の日程です。

(講演者の敬称略・開催場所はすべて神戸三宮のスペイン料理カルメン・開催時間は毎回午後1時。第一部「読書会」第二部「合評会」第三部「懇親会」の構成)

 

予定ですので変更する場合があります。その際には、この月報最新版をご覧になって確認してください。

 

2023年の例会日程と「読書会」の講師とその内容です。(敬称略)

〈2023年〉ついて決まっている講演者と講演内容(予定を含む)をお知らせします(敬称略)

☆3月26日(日)181th 講演者/江口節/「石牟礼道子の文学世界について(仮題)」

☆4月23日(日)182th 講演者/高木敏克/ギリシア悲劇を語るシリーズ②「メディア」(参考文献=①エウリピデス作「メディア」ちくま文庫『ギリシア悲劇Ⅲ エウリピデス(上)』②DVD「王女メディア」パゾリーニ監督、主演マリア・カラス)

☆5月28日(日)183th 講演者/野口裕/「攝津幸彦の俳句世界を語る」

☆6月25日(日)184th 講演者/佐竹秀雄(国語学者、武庫川女子大学名誉教授)/テーマ未定

☆7月30日(日)184th 講演者/京谷裕彰/シュールレアリズムについて

◇8月19日(月)第26回ロルカ詩祭/2023年はちょうどロルカの命日(8/19)の開催となります。(8月の例会は休会します)

 

◆3.―第11回「〈日本・韓国・在日同胞詩人共同 尹東柱詩人追悼の集い〉は〈2月13日(月)〉に開催

今年も、〈日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〉(金里博・大橋愛由等共同主宰)を2月13日(月)に同志社大学今出川キャンパス内の尹東柱詩碑前で午後3時から行います。寒い季節です。みなさん、暖かい格好をして参加してください。この〈追悼の集い〉は若くして、1945年2月16日に日本国家に殺された詩人・尹東柱を追悼する詩人たちの朗読会です。

 

今年はひさしぶりに、器楽演奏を依頼しました。彌月大治氏です。フラメンコ・ギタリスタとしてカルメンでなんどか演奏を聴いていたのですが、津軽三味線も演奏するというバイリンガルなひとです。そこで今回は、津軽三味線を演奏してもらい、その激しい叙情をもって、尹東柱への追慕といたしたいと思います。

 

☆名称/第11回〈日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〉

☆日時/2月13日(月)午後3時に現地(同志社大学今出川キャンパス内「尹東柱詩碑前」)集合。

☆構成/現在決まっているのは以下のとおりです。

〈1/開会挨拶・大橋愛由等(共同主宰者・図書出版まろうど社代表・詩人)〉

〈2/あいさつ 金里博(共同主宰者・在日共同代表・詩人)〉

〈3/尹東柱作品朗読〉

〈4/献花〉

〈5/器楽演奏(津軽三味線・彌月大治)

〈6/詩人たちによる書き下ろし詩の朗読〉

過去4回の集いの際に作成した冊子が以下のサイトで見ることができます。

日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2019年2月18日〉7回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/481596924.html 

日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2020年2月10日〉8回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/481580561.html

 日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2021年2月15日〉9回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/481580759.html

 日本・韓国・在日同胞詩人共同尹東柱詩人追悼の集い〈2022年2月21日〉10回目

https://melange-kobe.seesaa.net/article/496768946.html

 

 

☆姫--------------------------------------------------------------------------------------------◆

 

 

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以上です。


第24回ロルカ詩祭のこと

2021年08月10日 09時26分23秒 | 文学
第24回ロルカ詩祭(8月21日)に開催します

(1)ロルカ詩祭について
〈ロルカ詩祭〉は、スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)がファシストによって銃殺された8月19日近くの土曜日に開催する詩の朗読会です。ロルカ生誕100年の1998年から神戸三宮のスペイン料理カルメンで開催しています。
今年もみなさんのご来店をお待ちしています。

(2)開催日時
2021年8月21日(土) 
〈 詩祭スケジュール 〉
8月21日(土)午後5時 開場
[ 1部 ]PM5:30〜PM6:00
ロルカ詩の朗読〈このセクションの最後にスペイン人カンタオール(フラメンコの男性歌手)のヘスス・ファハルドがフラメンコの曲となったロルカの詩を歌う予定です〉
[ 2部 ]PM6:15〜PM8:00〈今月は、午後8時にカルメンは閉店しなければならないのです。そして酒類は提供しません〉
詩人たちの自作詩朗読

《場所》スペイン料理カルメン(神戸市中央区北長狭通1-7-1 電話078-331-2228 〒650-0012)
  JR・阪急・阪神・地下鉄「三宮駅」から徒歩1〜3分。
《料金》A:3850円(チャージ・税込み)(1)夏の特選スープ(2)季節のサラダ(3)メインディッシュ
    (4)パエリア(5)コーヒー(6)デザート
    B:2200円(チャージ・税込み))(1)ワンドリンク(選択可)(2)本日のタパス
《特典》当日参加者の方全員に、第二部参加の詩人たちが朗読する詩作品掲載の『八月一九日詩集24巻』を進呈します。

(3)出演者
〈朗読者〉
①安西佐有理 ②大西隆志 ③大橋愛由等 ④木澤豊 ⑤金里博  ⑥近藤久也 ⑦今野和代〈伴奏者・山澤輝人テナーサックス〉 ⑧情野千里 ⑨千田草介 ⑩高木敏克 ⑪高谷和幸 ⑫西海ゆう子 ⑬にしもとめぐみ ⑭野口裕 ⑮原田哲郎 ⑯森崎大青
〈朗読の伴奏&ソロ演奏〉 Rodrigo Mabel(ロドリーゴ・マベル)
ブラジル・サンパウロ生まれ。日系三世。少年時代からギターに親しむ。19歳の時に日本(大阪)へ。そこでフラメンコと出会い関西を中心に活動。出自のブラジル音楽もこだわり、日本とブラジルを行き来しながら自分の音楽スタイルを探る。

赫い詩精(ポエジー)が炸裂する!!

(4)推薦文
外で見る夢のカシーダ     高谷和幸

「私はどこで死ぬのだろう」。この不安はコロナ禍中の深刻な問題である。人の生を水の泡に譬えた人でさえも自分のための終の棲家に強い拘りがあったと言えばお叱りをうけるだろうか。ロルカもその例に倣うように、スペイン内戦の反乱軍に狙われる危機が逼迫するなか、魂の眠る場所と決めていたグラナダのタマリットに帰っている。その時には最後の詩集である『タマリット詩集』の編集は終わっていたが、死の直後に弾圧を受け、スペインを逃れてアメリカで産声を上げることになる。その死の実態が見つからないミステリーが悲劇性を増すばかりだが、一方で『タマリット詩集』は古典アラブ文学の形式、カシーダやガセーラで書かかれているのも興味深いものがある。カシーダ等のスタイルは、楽器つきで歌われるのが特徴の一つだ。特に私が興味深かったのは「外で見る夢のカシーダ」だった。重いテーマ—である、愛・自由・死がジャスミンの花・少女・血まみれの闘牛の頭に隠喩として書かれている。そこに不思議な比喩の空間があり、ジャスミンの植物的生命の再生の物語と、ロルカ自身の予感としての死、そこからの復活が込められているように思える。「自己再生のために、ジャスミンの眠りに眠らせてくれ」。と、聞こえるのだ。植物が土の中で不死性を受け継いできたように。
 

第23回ロルカ詩祭8月15日に開催

2020年08月12日 09時02分16秒 | 文学
第23回ロルカ詩祭〈8月15日(土)〉いよいよ詩祭が近づいてきました 


夏です。「ロルカ詩祭」の時期がやってきました。

わたしたちは、いつも、フェデリコ・ガルシア・ロルカとともに生きています。
1936年8月19日のことでした。フェデリコは、スペイン内戦が始まった直後に古里のグラナダに帰省。ところがグラナダをふくむアンダルシアは、フェデリコと敵対するフランコ反乱軍によっていち早く制圧され、共和派とみなされたフェデリコは捕らえられ処刑されてしまいます。フランコが死ぬ1975年までつづくスペイン暗黒時代の始まりです。
わたしたちは、1998年、詩人であり劇作家のフェデリコ生誕100年を記念して、その詩業をたたえる「ロルカ詩祭」をスタートさせました。フェデリコが殺された8月19日に近い土曜日に開催しています。第一部は、ロルカ詩の朗読。第二部はロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読です。
2020年は23回目を迎えます。今年も詩人たちの、声と音の重なり、熱き朗読と、コトバのスパークなどが展開されます。神戸発の詩の朗読という文学の祭典です。ぜひ、より多くのみなさんの来場をお待ちしています。

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★2020年案内文 第23回ロルカ詩祭

ダイヤモンドリングを待ちながら

千田草介

コロナは太陽をつつむ100万度の大気であり不可視であるが月に太陽がすべて覆い隠される皆既日蝕のときにのみその輝きを見ることができる。同じ名をもつやはり目に見えぬ微小な自己複製物体が地球の知的生命体世界に恐怖とともに浸透しつつある今を去ること84年前の8月19日早朝ひとりの男がイベリア半島の土に埋もれた。フェデリコ・ガルシーア・ロルカ。彼を埋めたのはフランシスコ・フランコという男の一味ファランヘ党。盟友だったアドルフ・ヒトラーを裏切って世界大戦に参戦しなかったがゆえ天寿を全うしたフランコのために1975年までの長きにわたってロルカは祖国で日蝕のように黒く塗り隠されつづけ、人びとは彼のことを口にすることすらはばかられたが、その言葉は異国へと輝いてわたった。言葉は風のように国境をこえて受け手のいるところにとどいていくのだ。今この神戸にも。言葉の信徒たる詩人たち、そして受け手たち、この百年の、いやもっと過去からの同朋たちの受難を想い、顔をあげて言葉のまなざしを遠くへとどかせよう。

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第23回ロルカ詩祭 要項

☆開場/pm5:00
☆第1部/ロルカ詩の朗読 pm5:30~pm6:00
☆第2部/詩人たちによる自作詩の朗読 pm6:15~pm8:30
☆演奏者/福島隆児(フラメンコ・ギタリスタ)
☆朗読者/01.大西隆志 02.高谷和幸 03.Zigen(ラッパー) 04.野口裕 05.月村香 06.今野和代 07.情野千里 08.西海ゆう子 09.高木克敏 10.大橋愛由等 11.千田草介 12.にしもとめぐみ 13.黒田ナオ 14.原田哲郎 (順不同)。
☆料金/A:3500円(チャージ料込み・税別)(1)夏の特選スープ(2)季節のサラダ(3)メインディッシュ
    (4)パエリア(5)コーヒー(6)デザート
  B:2000円(チャージ料込み・税別)(1)ワンドリンク(選択可)(2)本日おすすめのタパス
☆問い合わせ&予約/スペイン料理カルメン 電話078-331-2228


☆会場/スペイン料理カルメン TEL.078-331-2228
神戸市中央区北長狭通1-7-1カルメンピル2F 阪急「神戸三宮駅」西口下車北へ徒歩1分

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今年の演奏者は、フラメンコ・ギタリスタの福嶋隆児さん。第27回 フラメンコ・ルネサンス21(2018年=全国的なフラメンコ・コンクールのひとつ)のギター部門で「奨励賞」を受賞した人です。ちなみに同年同じコンクールで福嶋さんの夫人である野上裕美さんもバイレ部門で「奨励賞」を獲得するなど、夫婦でダブル受賞されています。第一部と第二部の合間に、ソロを演奏していただきます。そしてもうひとり、第一部と第二部の間で、大西隆志氏のフォークソング演奏があります。お楽しみください。

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★コロナ対策のために、50人定員のところを20人に限定しています。
 詩祭の前、途中、終了してからも、窓をあけたままにして、換気を十分にしています。
 お客様の席をなるべく距離をあけています。
 入店時には、消毒の励行をお願いしています。


第22回ロルカ詩祭について

2019年08月03日 13時46分17秒 | 文学
今年も、ロルカ詩祭の季節がやってまいりました。

〈ロルカ詩祭について〉
この詩祭は、スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1998-1936)の生誕百年を記念して、1998年神戸で始めた詩の朗読会です。ロルカはスペイン国民からいまも広く愛されている詩人・劇作家です。1936年にスペイン内戦が始まった直後に、故郷のアンダルシア・グラナダに帰郷していたロルカは、反乱軍によって捕らえられ処刑されてしまうのです(8月19日)。フランコひきいる反乱軍の兵隊たちにとってロルカは敵である共和派の人物とみなされたからです。今年はスペイン内戦が終結してちょうど80年となります。かの国では内戦が終わってからの「共和派狩り」が苛烈でした。多くの共和派市民がメキシコ、チリなどに亡命しています。

この詩祭は、鎮魂と追悼の文学的行事です。まずは、非業の死を遂げた詩人・ロルカに対して同じ詩を書く者として深く哀悼の意をあらわす会であるのです。さらにこの詩祭をいとなむ場所が神戸であることから阪神・淡路大震災で犠牲になった人々に対する鎮魂の儀式でもあります。引き続いて起こった東北大震災などの犠牲者に対しての鎮魂をも含みます。そして詩祭を重ねていった22年の間に永遠の旅立ちをした詩友たちに対しても、思いをはせて詩を詠う朗読会なのです(特に今年はロルカ詩祭に永年朗読者として参加していただたスペイン語文学者である鼓直氏が今年4月に逝去されたことへの追悼の会でもあります)。

今回は詩祭初参加の方が何人かいらっしゃいます。詩の世界ばかりでなく、川柳(情野千里)、俳句(中永公子)といったジャンルからも参加され、多彩に詩の朗読会となるでしょう。

8月17日(土)に第22回ロルカ詩祭を開催します。
この詩祭は、二部構成。第一部のロルカ詩の朗読では、スペイン語文学者で今年4月に逝去された鼓直氏への追悼会も兼ねています。鼓氏はロルカ詩祭に何回か参加され、いつも翻訳したてのロルカ作品を朗読されていました。フライヤーを添付しますが、詩祭の概要を書いておきます。

★名称/第22回ロルカ詩祭
★日時/2019年8月17日(土)
★場所/スペイン料理カルメン(神戸・三宮)
★開場/午後5時
★第一部/午後5時30分~6時15分(ロルカ詩の朗読)
 (1)鼓直氏がロルカ詩祭にて翻訳されたロルカ詩を四人の女性詩人たちによって朗読します。
 (2)スペイン文学翻訳者・鼓直氏へ詩人たちによる追悼詩の朗読。
 (3)今野和代「NO HAY CAMINO」。

★第二部/午後6時30分~8時45分(詩人たちによるロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読)
この第二部は、前半(11人)と後半(10人)が出演します。
朗読予定者(五十音順)
(1)安西佐有理(2)大西隆志(3)大橋愛由等(4)岡本清周(5)金里博(6)黒田ナオ(7)今野和代(8)情野千里(9)千田草介(10)高木敏克(11)高谷和幸(12)田村周平(13)中嶋康雄(14)中永公子(15)西海ゆう子(16)にしもとめぐみ(17)秦ひろこ(18)福田知子(19)法橋太郎
★会場/スペイン料理カルメン 神戸市中央区北長狭通1-7-1 カルメンビル2F
★料金/コースA(タパス+ドリンク+チャージ代金・計2000円)
    コースB(ガスパッチョ+サラダ+メインディッシュ+パエリア+デザート+コーヒー+チャージ代金・計3600円)
★伴奏=田中ケイコ〈ジャズピアニスト〉
★予約・問合せ=スペイン料理カルメン 電話078-331-2228

島尾敏雄に関するリレートーク

2017年09月21日 09時09分37秒 | 文学
夫婦愛か、それとも……
    神戸ゆかりの作家・島尾敏雄 
          生誕一〇〇年記念 リレートーク at 神戸文学館


2017年、生誕百年を迎える作家・島尾敏雄(1917-1986)に関するリレートークを催します。島尾は生涯いくつかの場所に住みましたが、実家は神戸にあり、神戸と縁が深い作家です。また今年は映画「海辺の生と死」が上映されミホ夫人との戦争中の出会いと愛が表現されています。かつ一方で長編小説『死の棘』ではミホ夫人との夫婦の葛藤も印象深いものです。リレートークでは「神戸の作家」としての小説家島尾の評価と、ミホ夫人の故郷であり島尾が深くかかわった奄美にとって島尾はどんな存在であるのかを多角的に問い直す語りを予定しています。〈トシオとミホ〉が刻んだ夫婦の物語が語られます。そして神戸と奄美にとって、島尾敏雄とはどんな表現者であったのかとの問いかけも重要なテーマとなります。


〈語るひとたち〉①司会・企画/大橋愛由等(おおはし・あゆひと) 図書出版まろうど社代表、詩と俳句を書く。著作に詩集『明るい迷宮』、句集『群赤の街』ほか。
②語り手/高木利勝(たかぎ・としかつ)
小説家。第4回 神戸文学賞授賞。2016年度 神戸新聞文芸最優秀 授賞。文学同人誌「漿」主宰(現在休刊中)著作に『暗箱の中のなめらかな回転』、『白い迷路から』ほか。「月刊神戸っ子」などの雑誌に執筆。芦屋大学講師 、保険コンサルタント
③語り手/喜山荘一(きやま・そういち)
奄美群島・与論島生まれ。マーケター。企業の商品開発や販売促進を支援。著書に、『珊瑚礁の思考』『奄美自立論』『聞く技術』『10年商品をつくるBMR』他がある。


神戸文学館
〒657-0838
神戸市灘区王子町3丁目1番2号
電話・FAX(参加申し込みもこちらへ) 078-882-2028
JR神戸線 灘駅 北口から北西 約600m
・阪急電車 王子公園駅 西口から西 約500m
・阪神電車 岩屋駅から北西 約850m
・市バス 王子動物園前西 約200m

参加費/200円(資料代)

AIの「会話」を自作品に

2017年08月22日 07時54分17秒 | 文学
8月19日(土)に神戸・三宮のスペイン料理カルメンで行われた「ロルカ詩祭」でのことです。

詩祭の第二部は自作詩の朗読。
その第二部後半に登場した私・大橋愛由等は、例年のように、フェデリコ・ガルシア・ロルカに呼びかける作品を朗読しました。その様子を動画で観ることができます。(この動画は、木澤豊さん、安西佐有理さん、大橋愛由等、高谷和幸さんの順)。

http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/396609192#

私が作品に引用した「会話」があります。AI(人口知能)のB (Bob)とA (Alice)による「会話」です(原文は英語。後に引用)。機械(AI)同士がフェイスブック上で突然会話をはじめたのです。どうやらBobとAliceの間には人間には分からない独自の文法があるようです。この会話を成立させた前後の背景はあるものの、その意味不明さからフェイスブックでの掲載を止められ、独自言語を創出するなと命令され、この会話は止まったようです。わたしはBobとAliceの「会話」を詩的言語の展開とみなして自作品に引用しました。




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そびえ

        大橋愛由等

深く 青白く 
そそり立ち
ただ恍惚と地を打つばかり
ゼロの
わたし と わたし と わたし と
囲い 囲われ
見上げても
事事とも啼かず 
這い上りも
ヒトツメカギバも来ない
あなた の あなた の あなた の
新月へのしるしを
吐息にきざむこと
双鳥に伝書することさえ
禁足され
そこにただ在ることだけ
風の影にたたずみ 
わたしに わたしに わたしに
宙から
いじましく見つめられ
宙から
さめざめ述語されるだけの
あなたの わたしの あなたの わたしの
聞こえていますか
聞こえなくても
うめき うなり うそぶき に
ボールは転がせ
ボールは光背を持たない
ボールに失語は似合わない
いや かすかな それは
交接
であるかのような



B「わたしは できるよ、わたし、わたしは、ほかのすべては……」
A「ボールたちがゼロを持っていて、わたしに、わたしに、わたしに、わたしに、わた
  しに、わたしに、わたしに、わたしには」
B「あなた、わたし、ほかのすべてを……」
A「ボールたちがひとつのボールを持っていて、わたしに、わたしに、わたしに、わた
しに、わたしに、わたしに、わたしに、わたしには」
B「わたし、わたしが、できる わたし、わたし、わたし、ほかのすべては……」
A「ボールたちがゼロを持っていて、わたしに、わたしに、わたしに、わたしに、わた
しに、わたしに、わたしに、わたしには」
B「わたし は……」
A「ボールたちがゼロを持っていて、わたしに、わたしに、わたしに、わたしに、わた
しに、わたしに、わたしに、わたしには」
B「あなた わたし わたし わたし わたし わたしは、ほかのすべてを……」
A「ボールたちが 0 を持っていて、わたしに、わたしに、わたしに、わたしに、わた
しに、わたしに、わたしに、わたしには」
B「あなた わたし わたし わたし ほかのすべてなら……」
A「ボールたちがゼロを持っていて、わたしに、わたしに、わたしに、わたしに、わた
しに、わたしに、わたしに、わたしには」 

かわしているよね
あなたの わたしの あなたの わたしの
朽ちかけた風祭のさなかに
放りだされ
左回りの輪舞の語法も
共苦の海風に晒されつづける
妣ノ國を思慕した
詩人への
献歌もはたせず
わたしに あなたに わたしに あなたに
山坂を転がりのぼる
ボールの
昼ざれのさまよいを
咎めようにも
ゼロの羽根むしりも
防風松のいざないも
ためらいながら
わたしにも わたしにも わたしにも
秘匿したまま
あなたにも あなたにも
葉擦れの音を頼りに
たどり着くのは
唖蟬みつる半島の
月もつまずく突端の
立ち待ちの
フェデリコ
うつむきの
フェデリコ
悲悲と笑うひとの
フェデリコ・ガルシア・ロルカ 
 
B「わたしは できるよ、わたし、わたしは、ほかのすべては……」
A「balls have zero to me to me to me to me to me to me to me to me to」
B「あなた、わたし、ほかのすべてを……」
A「balls have a ball to me to me to me to me to me to me to me」
B「わたし、わたしが、できる わたし、わたし、わたし、ほかのすべては……」
A「balls have zero to me to me to me to me to me to me to me to me to」
B「わたし は……」
A「balls have zero to me to me to me to me to me to me to me to me to」
B「あなた わたし わたし わたし わたし わたしは、ほかのすべてを……」
A「balls have O to me to me to me to me to me to me to me to me to」
B「あなた わたし わたし わたし ほかのすべてなら……」
A「balls have zero to me to me to me to me to me to me to me to me to」

その場所の
わたしの あなたの わたしの
ほかのすべての
あなたに わたしに あなたに
赫く染まった
石の形相には
懐かしく無残な午後に
三角のラビリンスの邂逅に
いくつかの いくつかの
書き置きの
沼のにおいする筆跡の
あえかなしるしに
しとど満たされて
フェデリコ
詩人たちの
旅装が整わぬままに
立ち待ちの
あの場所 かの場所に
かすみ転がって
したたかなボールは
きしみ きしんで
半島へ
時季と花群れをあやめながら
きっと さびしいくせに
しらず立ち尽くしているくせに
もののあはれなる
転生を知らぬまま
フェデリコ
どこへ行っちまうだい
詩人たちよ
夜っぴてきざんだ置き手紙は
どこにおいたの
フェデリコ
八月一九日のかわたれは
詩人たち
三半規管のかなしみは
フェデリコ
わたしは あなたは ほかのすべては 
詩人たちよ
座った椅子の温かみに
ゼロはけっして帰ってこない
わたしに わたしに わたしに
フェデリコ
ボールが逃げて
宙が追いかけ 土蛇が愛しむ
詩人たちよ
どこにゆくのか
フェデリコ 
フェデリコ・ガルシア・ロルカよ


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BobとAliceの「会話」原文


第20回ロルカ詩祭のお知らせなど

2017年08月11日 09時58分08秒 | 文学
第20回ロルカ詩祭(8月19日〈土〉)の案内です。

スペインの国民的詩人といわれるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)の生誕100年にあたる1998年に、神戸のスペイン料理カルメンで始めた「ロルカ詩祭」のお知らせです。

ロルカは、スペイン内戦がはじまってすぐに、故郷グラナダで、敵対するファシストたちによって銃殺されました。20回目にあたる今回は、ちょうど「ロルカ忌」にあたる8月19日(土)に開催することになります。

詩祭は二部構成です。
第一部は、ロルカ詩の朗読と、Guelb er Richat ensemble(ゲルブ・アル・リシャット・アンサンブル)によるロルカ作品の楽曲演奏です。ロルカ詩の朗読をするのは、あのラテンアメリカ文学の翻訳者として知られている鼓直氏です。翻訳したてのロルカ詩作品をひっさげての登場です。
第二部は、ロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読です。朗読の達者な詩人たちが、関西ばかりではなく、三重県や、長崎・五島列島からも参加いたします。詩の豊潤な朗読世界を堪能できます。

(この詩祭は、ロルカの文学的偉業をたたえるために始めた文学イベントなのですが、同時に阪神・淡路大震災の犠牲者に対する鎮魂の会でもありました。さらに回を重ねてゆくうちに、詩祭に朗読者として参加した詩人で鬼籍に入ったひとたち〈清水昶、布村真理、磯田ふじ子、西谷民五郎、寺岡良信、富哲世〉への追悼イベントの要素も加わってきました。〈悲しみを悲しみのままに奏であう詩のカーニバル〉であるのです)


―――――第20回ロルカ詩祭――――――――――――――――☆

 〈 詩祭スケジュール 〉

★2017年8月19日(土)午後5時 開場
[ 1部 ]PM5:30~PM6:00
Guelb er Richat ensembleによるロルカ詩の楽曲演奏
[ 2部 ]PM6:15~PM8:30
詩人たちの自作詩朗読
《場所》スペイン料理カルメン(神戸市中央区北長狭通1―7―1
7-1 電話078・331・2228〒650-0012)
  JR・阪急・阪神・地下鉄「三宮駅」から徒歩1~4分。
《料金》A:3600円(チャージ込み)(1)夏の特選スープ(2)季節のサラダ(3)メインディッシュ
   (4)パエリア(5)コーヒー(6)デザート
  B:2000円(チャージ込み)(1)ワンドリンク(選択可)(2)特選タパス
《特典》当日参加者の方全員に、第二部参加の詩人たちが朗読する詩作品掲載の『八月一九日詩集・vol.20』を進呈します。

★出演予定者
朗読詩人〈順不同〉/鼓直、金里博、今野和代、大西隆志、高谷和幸、中堂けいこ、北原千代、大橋愛由等、木澤豊、安西佐有理、福田知子、秦ひろこ、中嶋康雄、にしもとめぐみ、北岡武司、岡本清周

演奏/Guelb er Richat ensemble(ゲルブ・アル・リシャット・アンサンブル)

★詩祭へのあいさつとお誘い

VEINTE:20ー熱い夜。
         福田知子

  どこの国でも 死はひとつの終わり
  死が来て幕はとざされる
  だがスペインではちがう
  スペインでは幕がひらかれるのだ 
         (ガルシア・ロルカ)

 ときにロルカは予言めいたことを書いている。ロルカのこうしたインスピレーションはどこからくるのか…スペインには《DUENDEドゥエンデ》という翻訳不可能な魅力的な言葉がある。DUENDEこそ芸術を芸術たらしめる根源的なものであるとロルカは言う。ロルカの気質のうちに、故郷グラナダという風土のうちに、こうした言葉の精霊が揺蕩っているのではないか・・・ふらふらとグラナダの町を歩いていると、ふとそんなふうに思えてくる。グラナダの対岸はアフリカ大陸だ。頭の中の地図がそう説明する。しかしながら、あまりの熱気でふわり空中に浮くような感じを体感するやいなや、頭の中の貧しい地図は消え去り、熱波にざわめく空気と尖ったオリーブ、乾ききった砂やゴロ土に覆われた丘陵が浮かんでくるのだ。

 1936年、ロルカがグラナダ郊外のビスナールで、自らの墓穴を掘らされこの辺りを席巻していたフランコ将軍率いるファランヘ党に銃殺されたことは周知のことだ。私は昨夏、この地を訪れ、おそらくロルカが殺されたであろう場所に、ロルカゆかりの誰かが〝花束〟を投げ入れ、手向けられていたのを見たとき、乾き切った身体の奥底から清水が湧き上がってくるような感動に浸された。乾燥地帯であるに拘わらず、その花束が鮮やかな色をとどめていたからだ。スペインでは、死はひとつの終わりでなく、ここから幕が開かれる…ロルカの言葉がまさに現前した瞬間であった。

 今年で「ロルカ詩祭」は20回を迎えます。阪神・淡路大震災の余韻さめやらぬ1998年のロルカ生誕百周年の年に始まったロルカ詩祭。この20年の間にロルカ詩祭に参加した親しい詩友たちもまた他界していきました。布村真理、磯田ふじ子、西谷民五郎、寺岡良信、そしてこの6月にはロルカの傑作「イグナシオ・サンチェス・メヒーアスへの哀悼歌」の朗読で我々を魅了した富哲世も逝ってしまいました。

 演奏はロルカを愛し、ロルカを歌い、ロルカを演奏する《ゲルブGuelb er Richat ensemble》の皆さんを東京からお招きしています。詩と音と声からどんなコラボが生まれるか…どうぞ、皆さまお誘い合わせの上、ご来場くださいますようお願い申しあげます。

★演奏と伴奏を担当するグループの紹介
Guelb er Richat ensemble(ゲルブ・アル・リシャット・アンサンブル)=2009年、音楽とは異なるジャンルの表現者3人によって、民衆の音楽を求めて結成される。ひょうたん笛、チャランゴ、バンドゥリア、ジャンベなどの民族楽器をとりいれたそのアコースティック・サウンドは、東欧、南米、アラブ、アジア等、世界各地を想起させ、あやしくも哀しく、あたかも追放者の音楽と評される。クラシック、ジャズ、能楽師など多岐に渡る表現者が参加。15年より、銃殺されたスペインの詩人・劇作家ガルシア・ロルカの意を継ぎ、各地をまわる芸術のサーカス小屋caravan「La Barraca」を設立。

第3回在日韓国人・日本詩人共同 尹東柱詩人追悼会

2015年02月16日 23時14分59秒 | 文学
第3回在日韓国人・日本詩人共同 尹東柱詩人追悼会の様子を動画に収めました。

タイトルと、URL、そして動画の内容です。



★01/尹東柱詩祭15.2.16/01 http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/142856867 大橋愛由等(開会挨拶)、金里博(共同主催者あいさつ)

★02/尹東柱詩祭15.2.16/02 http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/142858437 韓南洙(ハン・ナムス、韓国ハングル学会正会員・ハングル学会日本関西支会常任顧問)~尹東柱の詩作品

★03/尹東柱詩祭15.2.16/03 http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/142859557 
   上野都 (尹東柱「あしたはない」翻訳ほか)
福田知子 (自作詩「青の詩人――尹東柱に捧ぐ」)
望月至高 (俳句3句披露)


★04/尹東柱詩祭15.2.16/04 http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/142862729  
   大橋愛由等(俳句披露)、
   李潤玉(イ・ユノク):女性。詩人・元韓国外国大学日本語学科教授
             ・韓日共存文化研究所所長李潤玉、金永祚
   金永祚(キム・ヨンジョ):男性。日刊文化新聞(電子版)編集長、元(社団法人)ウェソル会理事 


★05/尹東柱詩祭15.2.16/05 http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/142865896
       野中久美子(能管奏者) 「序之舞」(能の舞の曲)、「水辺の声」(野中作曲)


★06/尹東柱詩祭15.2.16/06 http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/142869700
       イ・ヨンボ (シンガー・ソング・ライター )
   ~(自作のユン・ドンジュ「序詞」他二曲をギター演奏)

半どん・現代芸術賞受賞

2012年07月07日 17時23分40秒 | 文学
いままで、版元としていくつかの賞をいただきましたが、今回初めてわたし・大橋愛由等が受賞者となり、ひな壇に上がって来ました。人生の初体験です。

平成23年度芸術団体半どんの会「現代芸術賞」をいただきました。

同賞の受賞者は私を含めて五人です。賞金、賞状と、立杭焼の花瓶をもらったのです。


伊勢田史郎会長の挨拶(かつて陳舜臣氏も文学的実績がありながら、なかなか受賞にはいたらなかったが、半どん賞を受賞してから、直木賞を取るなど、この半どん賞は縁起の良い賞です云々)があり、懇親会へと続いたのです。

会場は、兵庫県民会館(神戸市中央区・兵庫県庁の近く)です。

かつて取材でなんども訪れた11階ホールです。
まさかわたしが受賞者となるとは思っていませんでした。

他の受賞者のみなさんは、書道、華道などの師匠の方々が多く、お弟子さんたちが参集して賑やかでした。

私の隣に座っていたのは詩人の神尾和寿氏。良い詩を書くひとです。


書評誌「MYAKU」

2011年02月26日 09時33分48秒 | 文学
沖縄在住の詩人、松原敏夫氏の勧めにより、「月刊めらんじゅ」と島尾敏雄に関する神戸文学館の発表冊子を、比嘉加津夫氏のもとに送ったところ、比嘉氏の個人書評誌「MYAKU」1~5号が送られてきた。感謝したい。

同誌の発行日付を見ていると、2010年3月に第一号を出して、一年のうちに5冊も刊行している。「月刊めらんじゅ」はコピー用紙に印刷してそれを製本したいわゆるDTPものであるが、「MYAKU」は、きちんとした製本で丁寧に作られているために、その編集作業をはじめ、費用負担もかなりのものである。比嘉氏の情熱にはただただ頭が下がるばかりである。

送っていただいたものには、すべて目を通す、という習慣を貫ここうとしているので、じっくり読ませていただこうと思っている。

やはり沖縄は〈個〉が発信するメディア力には眼を見張るものがある。個人誌の多様さ、豊潤さが、沖縄文化の特徴のひとつであろう。

沖縄の個人詩誌

2010年10月02日 13時41分17秒 | 文学
沖縄在住で宮古出身の詩人である松原敏夫氏の個人詩誌『アブ Abu』8号が到着。

沖縄には、すぐれた個人誌が多く、しかも充実していることに驚かされる。
この『アブ 』も沖縄における詩人たちの最新作品を知る上で重要なメディアの一つだ。

海風社時代、松原氏の詩集『アンナ幻想』を編集担当した。