神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第21回ロルカ詩祭のこと〈8月18日(土)に開催〉

2018年08月15日 07時15分05秒 | 通信
8月です。猛暑です。

四半世紀ぶりに海外旅行した先の台湾のほうが関西より過ごしやすい暑さでした。
父が台南という場所に昭和9年から11年まで過ごしていました。今回の台湾紀行は父の慰霊の旅でもありました。

神戸から、詩と俳句を中心とした文学イベントのお知らせです。今回も盛りだくさんの内容となりました。


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◆1.―第21回ロルカ詩祭のこと〈8月18日(土)に開催〉
◆2.―野口裕句集『のほほんと』の記念会(語る会)は8月26日(日)に開催します。
◆3.--第136回「Mélange」例会〈9月30日(日)〉
◆4.--カフェ・エクリの活動〈9月10日〈月〉〉
◆5.―FMわぃわぃ「南の風」で、7月から「奄美にとって明治150年を問う」シリーズ番組をはじめました。
◆6.--文学短報=A/――7月分のFMわぃわぃ「南の風」のこと。B/――南海日日新聞の連載コラム「つむぎ随想」 C/――俳誌「吟遊」「豈」「奔」について D/――北の句会は9月24日(月・祝)に開催。E/――元正章牧師からの発信  F/――沖縄の詩人・高良勉氏からのメッセージ03
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◆1.--第21回ロルカ詩祭のこと〈8月18日(土)に開催〉
今年生誕120年を迎えるスペインの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩業を追悼し、かつロルカ的世界に身を委ねた自作詩を朗読する「ロルカ詩祭」が8月18日(土)に、神戸市三宮のスペイン料理カルメンで行われます。今回で21回目となります。

★〈ロルカ詩祭の趣旨〉
この詩祭を始またのは1998年。スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1998-1936)の生誕百年を記念して、神戸で始めた詩の朗読会です。ロルカはスペイン国民からいまも広く愛されている詩人・劇作家です。1936年にスペイン内戦が始まった直後に、故郷のアンダルシア・グラナダに帰郷した時に、反乱軍によって捕らえられ処刑されてしまうのです。フランコひきいるファランヘ党の兵隊たちにとってロルカは敵である共和派の人物とみなされたからです。

この詩祭は、鎮魂と追悼の文学的行事です。まずは、非業の死を遂げた詩人・ロルカに対して同じ詩を書く者として深く哀悼の意をあらわす会であるのです。さらにこの詩祭をいとなむ場所が神戸であることから阪神・淡路大震災で犠牲になった人々に対する鎮魂の儀式でもあります。引き続いて起こった東北大震災などの犠牲者に対しての鎮魂をも含みます。そして詩祭を重ねていった20年の間に永遠の旅立ちをした詩友たちに対しても、思いをはせて詩を詠う朗読会なのです。


★〈21回目の今年はロルカ生誕120年にあたります〉
今年はちょうどロルカ生誕120年にあたります。詩朗読の伴奏者は一回ごとに変わります。今年はフラメンコ・ギタリスタの住田政男さんに担当してもらいます。住田さんは日本を代表するフラメンコ・ギタリスタの一人です。尼崎で生まれ、1970年代前半のフランコ政権末期のスペインに渡り、ヒターノのファミリアと共にフラメンコ修行をしたという経歴を持っています。フランコはフラメンコを政治的に利用しながらも、フラメンコの曲をいくつか残したロルカの歌詞を唄うことは禁じていました(ヒターノたちは題名を変えて、分からないようにして、実際はロルカの詩を歌っていたようです)。こうした弾圧の歴史の中でこそ抑圧され続けてきたヒターノ・ヒターナたちのフラメンコは最もフラメンコらしく輝いていたことでしょう。住田さんはフランコが死んで、スペイン国内の政情が不安定になり「スペインはなにが起るか分からない。外国人はここを離れたほうがいい」とアドバイスを受けて帰国。東京に住み日本のフラメンコ界を牽引されてきました。天本英世さんのロルカ詩朗読の伴奏もされたことがあるそうです。


★〈ロルカ詩祭の構成〉
2部構成です。
[ 開場 ]PM5:00
[ 1部 ]PM5:30~PM6:00 
1.ロルカ詩の日本語による朗読(にしもとめぐみ、秦ひろこ、瀬崎祐)
2.フラメンコギタリスタ・住田政男氏によるオリジナル曲「秋麗」演奏
  3.今野和代による「NO HAY CAMINO」朗読
[ 2部前半 ]PM6:15~PM7:30
詩人たちの自作詩朗読/01.にしもとめぐみ02.千田草介03.玉川侑香04.北野和博05.秦ひろこ06.野口裕07.高谷和幸08.木澤豊09.情野千里 
[ 2部後半 ]PM7:30~PM8:30
詩人たちの自作詩朗読/10.安西佐有理11.大橋愛由等12.大西隆志13.今野和代14.福田知子15.金里博16.瀬崎祐


★〈場所・問い合わせ・予約〉
スペイン料理カルメン
神戸市中央区北長狭通1-7-1〒650-0012
電話078・331・2228
JR・阪急・阪神・地下鉄各「三宮駅」から徒歩1~4分。

★当日の料理
A:3600円(チャージ込み)(1)夏の特選スープ(2)季節のサラダ(3)メインディッシュ(4)パエリア(5)コーヒー(6)デザート
B:2000円(チャージ込み)(1)ワンドリンク(選択可)(2)特選タパス
《特典》当日参加者の方全員に、第二部参加の詩人たちが朗読する詩作品掲載の『八月一九日詩集・vol.21』を進呈します。


◆2.―野口裕句集『のほほんと』の出版記念会を8月26日(日)に開催します。

句集『のほほんと』について、作品世界を語り合う俳人・詩人たちの会を8月26日(日)に開催します。午後6時から始めます。句集『のほほんと』から10句を選句して参加する形式にします。

会場/スペイン料理カルメン(078-331-2228)神戸市中央区北長狭通1-7-1カルメンビル2F野口裕句集『のほほんと』(図書出版まろうど社)について、作品世界を語り合う俳人・詩人たちの会を8月26日(日)に開催します。午後6時から始めます。

 
★開催日時/2018年8月26日(日)午後6時から

★会費/5000円(スペイン料理のコース料理を提供いたします。飲み放題です〈時間制限は緩やか〉)
 
★会場/スペイン料理カルメン(078-331-2228)神戸市中央区北長狭通1-7-1カルメンビル2F(JR神戸線「三ノ宮」駅下車4分、阪急神戸線「三宮」駅下車1分)。創業1956年の老舗レストランです 

◆3.--第136回「Mélange」例会〈9月30日(日)〉

136回目の「Mélange」例会はいつもと同じ構成となります。第一部「読書会」。第二部「合評会」です。
第一部の読書会は、詩人・中堂けいこさんに語ってもらいます。演題は未定です。
詳細がわかればお知らせします。
(pm1:00~3:00)。

第二部(pm3:00~6:00)は、詩の合評会です。
今回も意欲的な作品をお寄せください。
作品の締め切りは9月27日(木)です。 
送っていただいた詩稿は、「月刊めらんじゅ136号」に掲載して、みなさんに当日配布いたします。

この会を運営しているのは、神戸を拠点とする詩のグループ「Mélange」。事務局は私・大橋愛由等。詩の会(二部構成)をほぼ毎月開催しています(8月と12月は休会)。

■会場:スパニッシュレストラン「カルメン」電話:078-331-2228(阪急三宮駅西口から北へ徒歩一分)創業1956年の神戸でも有数の老舗レストランです。毎週土曜日にフラメンコライブをしています。

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「Mélange」月例会、2018年後半の日程です。
(敬称略・開催場所はすべて神戸三宮のスペイン料理カルメン・開催時間は毎回午後1時)

予定ですので変更する場合があります。その際には、この月報(「Mélange」メールニュース)あるいは、ブログ「神戸まろうど通信」をご覧になって確認してください。

*2018年の開催予定と第一部読書会の内容(敬称略)
(8月の「Mélange」例会は休会)
10月28日(日)/第137回/発表予定者/詩人・中嶋康雄/「詩のことば、広告のコトバ、法律の言葉」(仮題)
11月25日(日)/第138回/発表予定者/木澤豊/「好評・宮澤賢治語りシリーズ」
(12月の「Mélange」例会は休会)

*「Mélange」詩友の命日
富 哲世/5月26日
寺岡良信/6月27日


◆3.―カフェ・エクリの活動〈9月10日(月)〉
高谷和幸氏主宰の詩の会「カフェ・エクリ」についてです。
この会は、(兵庫県)播磨地域で表現活動することを全面に押し出した詩を中心とした文学集団です。

月に一回の詩の会(「Mélange」例会と同じく読書会パーツと詩・川柳の合評会パーツの2部制)を中心に、シンポジウム開催や、年に一回程度の小紀行を実施しています。

9月10日(月)の会場は姫路市「アイメッセ会議室」。発表予定者は田村周平氏。テーマは未定です。

》》》》》》今後の「カフェ・エクリ」の開催日時(予定は変更されることがあります。敬称略・開催時間は毎回午後2時。日程は流動的です。決まり次第このメールニュースにてお知らせします)
・8月/休会
・10月1日(月)会場・たつの「ガレリア」/発表予定者・原田哲郎
・11月12日(月)会場・姫路「アイメッセ会議室」/発表予定者・大橋愛由等「井筒俊彦の哲学世界」
・12月3日(月)会場・赤穂「煉瓦屋」/発表予定者・得平秀昌
・2019年1月/休会
・2月4日(月)または25日(月)会場・姫路「アイメッセ会議室」/発表予定者・千田草介
・3月18日(月)会場・たつの「ガレリア」/発表予定者・高谷和幸


◆4.―FMわぃわぃ「南の風」で、7月から「奄美にとって明治150年を問う」シリーズ番組が始まりました。
今年はちょうど「明治維新」から150年にあたります。これに関していくつか関連書籍や雑誌特集が出ていますが、どうしても「明治100年」と比較して「明治150年」を問う密度が違うようです。その密度の違いそのもののも考察の対象としようと思っています。
FMわぃわぃの番組では、奄美にとっての150年を問う試みを始めます。7人の方々に、150年を俯瞰し、個別の専門分野から発言してもらいます。番組で発言した内容をまとめていただき、南海日日新聞に掲載する予定です。
いま鹿児島県では、維新で活躍した郷土の先輩たちの偉業をたたえつつ、「維新勝ち組」である薩長土肥の関係者とともに、いくつかの記念行事を開催しています。しかし、薩摩藩・鹿児島県の支配下にあった奄美は、薩摩・鹿児島とまったくことなる150年でした。わたしの試みは奄美についてのものですが、日本列島に「いくつもの150年」が提起されるといいと思っています。

 出演者と内容予定は次の通り。(敬称略)
▽中井和久(神戸奄美会元会長・奄美市出身)「苦難を乗り越えた出身者の肉声」
▽中西雄二(東海大学講師)「神戸を中心とした出身者の集住地域での動向」
▽米川宗夫(徳之島出身の唄者)「島唄でたどる明治150年」
▽酒井正子(川村学園女子大学名誉教授)「奄美歌謡研究と近代」
▽寺尾智史(宮崎大学准教授)「近代国家の標準語政策とマイノリティー言語の相克」
▽清眞人(近畿大学元教授・瀬戸内町2世)「南島論で展開された奄美の位相の変化」
▽前利潔氏(知名町教委)「無国籍地帯としての〈奄美〉における近代の諸相」
(添付資料あり)

◆5.--文学短報
A/――FMわぃわぃ「南の風」はインターネットで視聴できます。
神戸と奄美を結ぶ情報番組の「南の風」。本土では数少ない〈奄美専門チャンネル〉です。
「南の風」の放送は以下のサイトからいつでも聞くことができます。
webicon_green.pnghttp://tcc117.jp/fmyy/category/program-info/okinawa-amami/
このサイトでは、放送の視聴と同時に、私からのメッセージを書き込んでいますので、読んでみてください。
(この番組は1996年=震災の一年後=からスタートした奄美のシマウタと文化を紹介する番組です)
放送時間は1時間。

今月から始まった「奄美にとって明治150年を問う」。その一回目として、神戸奄美会元会長・中井和久氏にゲストとして語ってもらいました。
二回目(8月放送分)は、ウタシャの米川宗夫さんに「シマウタでたどる明治150年」を演奏しながら番組を作っていきたいと思っています。

B/――南海日日新聞(奄美で発行されている日刊紙)のコラム「つむぎ随想」に連載をはじめました。
第3回目の原稿が掲載されました。ウタシャの勝島伊都子さんのことを書いています。だいたい一か月か一か月半のサイクルで、掲載されます。

C/――俳句情報です。
7月は三つの俳誌①「吟遊」②「豈」③「奔」へ合計40句つくって送稿しました。わたしの句歴ではきわめて異例な多作となりました。
①「吟遊」の情報をまず伝えます。
〈第21回吟遊同人総会〉
日時/8月26日(日)午後2時~6時
会場/東京都「板橋区立グリーンホール」501会議室
内容/「吟遊」78号、79号を中心とした合評会/吟遊俳句賞・夏石番矢賞表彰式
懇親会/午後6時~ 「和匠(わしょう)」03-3554-2536 会費4000円
(番矢さん、体調、大丈夫かな)
②「豈」
ひさしぶりの投句でした。「朝日俳壇」の選者として「豈」同人の高山れおな氏が参加するにあたって、いくつか悶着があったようです。
(豈は俳句の世界では珍しく結社誌ではない全国規模の俳句同人誌です。)
③「奔(ほん)」
俳人・望月至高氏とわたし・大橋愛由等の二人同人誌の創刊号です。発行事務局は望月氏。年に二回発行予定です。「詩句と評論誌」と謳っているので評論も同誌編纂の目玉になると思います。創刊号のゲスト俳人は大井恒行氏(「豈」)と江里昭彦氏(この江里氏が発行人となって中川智正オウム死刑囚の俳句と随想を掲載している「ジャムセッション」が中川死刑囚の刑が執行されたこともあり注目されている)。


D/――北の句会は9月24日(月・祝)に開催されます。
北村虻曳氏からのお知らせです。
〈北の句会〉
北の句会各位
次回北の句会は9月24日(月・振替休日)で
福島区民センター303会議室に決定しました。。
出句数、課題などについては8月中にお知らせします。

E/――元 正章牧師のこと
島根県益田で牧師をしている元正章氏。今回は「ハガキ通信・益田っこ」を転載します。

-------------元 正章牧師からのメール転送----------------☆
「益田っこ」(18号)「あわれ(ああ われ)」

猛暑、お見舞い申しあげます。
全国的にうだるような暑さが続いている中、山陰の夏を過ごしています。昨年の今頃は、みちのくの旅の途上にありました。人生の旅の終りを、ここ益田に定めて、幾月か経ちました。70年の歳月をほぼ山陽の地で過ごしましたが、残りの人生を“さんいんsun inn(陽のお宿)”に賭けます。4年前の公子の死に遭わなければ、決して辿りつくことのなかった“めぐり逢い”は、再婚という形でも実を結びました。「さびしき われ」はどこにいようと、なにをしようと、終生つきまとうことでしょうが、「彼方からの誘い」に身を任すことこそ、余生を充実させるのではなかろうかと思う昨今です。
 「あわれ」とは、本居宣長に云わせれば、「ああ、われ」と、ため息ともつかぬ心情を吐露した表現とか。「ああ かなしや」「Alas」という詠嘆詞は、聖書でも幾度も現れています。「ああ」としか言葉にも表し得ない出来事と、どこまで向き合えるのか、言葉をも奪われた現実の厳しさを、どこまで「われ」のこととして関わっていけるのか、その道のりが、一牧師としての最後のご奉仕となりますようにと祈るばかりです。人は弱い、あわれな存在である。また不条理な世でもある。だからこそ、彼方からの聲に、静かに耳を傾けていたい。
 「誰が許して誰が許されるのであらう。われらがひとしく風で また雲で水であるといふのに。」(『竜と詩人』宮沢賢治)

〒698-0021 益田市幸町4-54 日本基督教団益田教会牧師    元 正章
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F/――沖縄の詩人・高良勉氏からのメッセージ 03
沖縄の詩人・高良勉氏から送られてくるメールニュースの一部を転記します。沖縄をめぐる情況が刻々と変化しています。神戸からではありますが、勉氏と勉氏周辺のひとたちへの連帯の意思をこめて、引用します。

-----------以下、高良勉氏からのメッセージ転記(一部)--------------☆
 さて、ご存じのように、翁長雄志沖縄県知事が18年8月8日(水)に逝去されました。心から、御冥福を祈ります。
翁長雄志沖縄県知事は、文字通り「命をかけて」日米両政府の辺野古新基地建設、軍事植民地化と対決しながら亡くなりました。(翁長雄志沖縄県知事は日米両政府の圧政で殺された、といっても言い過ぎではありません。)
私は、8日の夜、辺野古新基地建設阻止・現地行動から戻ってそのニュースを聴きショックで、残念でした。
私(たち)は、8/6~8/18の辺野古新基地建設阻止「集中行動」と8・11「県民大会」を成功させ、翁長県政に「埋め立て承認撤回」をやってもらい、なんとしても8月17日予定の「埋め立て土砂投入」を阻止し、11月の県知事選に翁長知事を再度当選させて、琉球弧の反戦・反基地行動、自己決定権の闘い等を大きく前進させようと考えていました。いま、翁長雄志知事という、大事なリーダーを亡くしたと思い、重ね重ねも残念です。
それでも、私(たち)は悲しみを乗り越えて、翁長雄志沖縄県知事の遺志を受け継いで前進したいと決意しています・・・。
まずは、明日(8・11)の「県民大会」を成功させたいと思います。ヒヤミカチ・ウキリ(決起せよ)!そして、「承認撤回」、「8・17土砂投入阻止」へ、9月県知事選勝利へ、一歩一歩努力していきましょう。すでに、沖縄平和市民連絡会事務局より、下記のような「呼びかけ檄文」が届いています。悲しみを怒りへ、怒りを決意へ、マキテーナイビランドー(負けてはなりませんよ)!
2018/08/10   ベン 拝

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