○例年になく早い入梅。この時期に生まれた私は、「梅雨=じめじめ=うっとおしい」とのステロタイプな言い回しにうんざりしつつ、潤い豊かな雨季が巡ってきたと、ひとりほくそ笑んでいます。
○6月の『Melange』読書会には、平岡けいこさんにゲストとしてお話ししていただきます。のりにのっている詩人の一人です。テーマは「翻訳詩の限界と可能性」です。
○さて、今回もわれわれ詩誌『Melange』の読書会・合評会の動向を初めとして、同人、誌友、友人のいくつか情報をお知らせいたしましょう。
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◆1.--第63回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(6月5日)
◆2.--カフェ・エクリのお知らせ(6月6日) 詩の森の散歩道
◆3.--ステージタイガーのつかこうへい劇「リングリングリング」(6月10~12日)
◆4.--第14回ロルカ詩祭のこと〈8月20日〉
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◆1.--第62回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(6月5日〈日〉)
第一部の読書会(午後1時~)は、平岡けいこ氏が発表担当です。
語りの内容は「翻訳詩の限界と可能性」。
以下に本人からのレジュメを貼り付けておきますので、読んでおいてください。
第2部(午後3時~)は自作詩の合評会です。詩稿の締め切りは、6月2日(木)。力作、話題作をお待ちしています。みなさんから寄せられた詩群は、6月4日(土)
中にメールで送信いたします。
(ちなみに、第64回〈7月〉の同担当者は、野口裕氏を予定しています)
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『Melange』読書会用レジュメ
「翻訳詩の限界と可能性」
平岡 けいこ
2004年詩画集を出した。10編の自作詩に英訳をつけた。自作の英訳詩を掲載したかったが、出版社の締切日に余裕がなかったため、出版社の依頼でプロの翻訳者が英訳をつけたが、英訳詩として納得のゆく仕上がりとはいえなかった。それでも、海外の友人に詩集を送ることが出来た。
十数年前群馬県の前橋市(朔太郎ゆかりの土地)で行われた世界詩人会議に出席した時、様々な国の詩人たちとお話をし、後日互いの著書を送り合った。英語の詩集はともかく、ハングル語、中国語、フランス語・・・様々な言葉で書かれた詩集を手にして読むことが叶わない現実、また私の詩集も読めないであろう事を思うとやはり翻訳詩の必要性を感じずにはいられなかった。
中国語は北海道に住む木村氏に翻訳をして頂き、当時の所属詩誌『AUBE』に発表するこができた。また、韓国の方が下さったアンソロジーにはハンソンレ氏ほか数名の方が日本語訳を同時掲載されていたために読む事が叶った。私はその時「わたしも核を持ちたい」で始まる我が国にとっては衝撃的な詩を非難覚悟で所属していた『新日本文学』に「世界の声を聞いたか?!」と言う文章と共に寄稿した。私の心配をよそに、その詩は核特集号の扉詩となった。
偶然にも数年前福岡でハン氏とお会いして「若い人の詩を韓国で発表しているので詩集を送ってください。」と言われ『未完成な週末』をお送りした。ハン氏はその中から三編ハングル語に翻訳して『詩向 2009 34号』に掲載してくださった。お礼の手紙を送るときに核の詩の翻訳者がハン氏であることが分かり掲載紙面のコピーも一緒にお送りした。ハン氏は長い間詩の翻訳を通じて日本と韓国の詩界の橋渡しのような役目をしておられる。掲載詩はハン氏にお任せした為、ハングル語は出来ない私は、妹の知人に掲載紙面の訳と詩のタイトルの訳をお願いした。すぐに戻ってきたメモには「未完成な週末」「ドラキュラ伯爵の憂鬱」「片付いた夏」とあった。「未完成な週末」と「ドラキュラ伯爵の憂鬱はなんとなく行あけなどで分かったが「片付いた夏」というのは「破れた夏」という短い詩である。短い詩と言うのは言葉にキレが必要なため私の場合は、メタファーの多様により表現はシュールになる。しかも短詩の場合タイトルは重要な意味を持つ。そこでいくつかの疑問が生まれた。翻訳詩は本当に作者の意図を伝えているのか?原詩に忠実なのか?堀口大学や宇佐美斉の訳でおなじみのアポリネールやベルレーヌ、ランボーの詩は口語現代詩でも本質は変わらないのか?
様々な詩を例に自作詩の翻訳の際につまずく問題点などを考えてゆきたい。
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◆2.--カフェ・エクリのお知らせ(6月6日) 詩の森の散歩道
『Melange』同人の高谷和幸氏が主宰する詩の教室「カフェ・エクリ」の開催予定です。
☆6月6日(月)午前11時から龍野で開催します。テーマは「詩が根源的に持っている音楽性」について前回に続いての考察。具体的には辺見庸、平田俊子、金井雄二ほか5名の散文詩を引用して、詩の中における音楽性を語ります。
詳細は以下の高谷氏あてに問い合わせてください。
同会は、第二部で詩の合評会を開催します。作品を自ら10部ほどコピーして持参してください。
(7月の「エクリ」は、7日(木)で加古川で開催します)
676-0815 兵庫県高砂市阿弥陀一丁目11-24
Phone・fax 079-447-3652
Mobile 080-5311-6265(高谷)
http://cafeecri.web.fc2.com/
◆3.--ステージタイガーのつかこうへい劇「リングリングリング」(6月10~12日)
演劇のお知らせです。わたしの姪っ子である小野愛寿香は、小劇場系の女優です。今年4月のまろうど社の大阪城花見では、仲間の俳優たちと即興劇を披露してくれ、好評を博しました。その彼女が主役級で出演するのが、6月10~12日に大阪の「一心寺シアター」で開催されるステージタイガーのつかこうへい劇「リングリングリング」です。彼女たちの展開する劇は世代を越えたおもしろさがあります。詳しくは以下のサイトをご覧になってください。
http://st-tg.net/_sp/ring/ring_story.html
◆5.--第14回ロルカ詩祭のこと〈8月20日〉
少しずつ準備をすすめています。前回(13回)は多くのゲストに来ていただきましたが、今回はレギュラーメンバーを中心に朗読していこうと、はなしあっています。
○6月の『Melange』読書会には、平岡けいこさんにゲストとしてお話ししていただきます。のりにのっている詩人の一人です。テーマは「翻訳詩の限界と可能性」です。
○さて、今回もわれわれ詩誌『Melange』の読書会・合評会の動向を初めとして、同人、誌友、友人のいくつか情報をお知らせいたしましょう。
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◆1.--第63回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(6月5日)
◆2.--カフェ・エクリのお知らせ(6月6日) 詩の森の散歩道
◆3.--ステージタイガーのつかこうへい劇「リングリングリング」(6月10~12日)
◆4.--第14回ロルカ詩祭のこと〈8月20日〉
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◆1.--第62回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(6月5日〈日〉)
第一部の読書会(午後1時~)は、平岡けいこ氏が発表担当です。
語りの内容は「翻訳詩の限界と可能性」。
以下に本人からのレジュメを貼り付けておきますので、読んでおいてください。
第2部(午後3時~)は自作詩の合評会です。詩稿の締め切りは、6月2日(木)。力作、話題作をお待ちしています。みなさんから寄せられた詩群は、6月4日(土)
中にメールで送信いたします。
(ちなみに、第64回〈7月〉の同担当者は、野口裕氏を予定しています)
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『Melange』読書会用レジュメ
「翻訳詩の限界と可能性」
平岡 けいこ
2004年詩画集を出した。10編の自作詩に英訳をつけた。自作の英訳詩を掲載したかったが、出版社の締切日に余裕がなかったため、出版社の依頼でプロの翻訳者が英訳をつけたが、英訳詩として納得のゆく仕上がりとはいえなかった。それでも、海外の友人に詩集を送ることが出来た。
十数年前群馬県の前橋市(朔太郎ゆかりの土地)で行われた世界詩人会議に出席した時、様々な国の詩人たちとお話をし、後日互いの著書を送り合った。英語の詩集はともかく、ハングル語、中国語、フランス語・・・様々な言葉で書かれた詩集を手にして読むことが叶わない現実、また私の詩集も読めないであろう事を思うとやはり翻訳詩の必要性を感じずにはいられなかった。
中国語は北海道に住む木村氏に翻訳をして頂き、当時の所属詩誌『AUBE』に発表するこができた。また、韓国の方が下さったアンソロジーにはハンソンレ氏ほか数名の方が日本語訳を同時掲載されていたために読む事が叶った。私はその時「わたしも核を持ちたい」で始まる我が国にとっては衝撃的な詩を非難覚悟で所属していた『新日本文学』に「世界の声を聞いたか?!」と言う文章と共に寄稿した。私の心配をよそに、その詩は核特集号の扉詩となった。
偶然にも数年前福岡でハン氏とお会いして「若い人の詩を韓国で発表しているので詩集を送ってください。」と言われ『未完成な週末』をお送りした。ハン氏はその中から三編ハングル語に翻訳して『詩向 2009 34号』に掲載してくださった。お礼の手紙を送るときに核の詩の翻訳者がハン氏であることが分かり掲載紙面のコピーも一緒にお送りした。ハン氏は長い間詩の翻訳を通じて日本と韓国の詩界の橋渡しのような役目をしておられる。掲載詩はハン氏にお任せした為、ハングル語は出来ない私は、妹の知人に掲載紙面の訳と詩のタイトルの訳をお願いした。すぐに戻ってきたメモには「未完成な週末」「ドラキュラ伯爵の憂鬱」「片付いた夏」とあった。「未完成な週末」と「ドラキュラ伯爵の憂鬱はなんとなく行あけなどで分かったが「片付いた夏」というのは「破れた夏」という短い詩である。短い詩と言うのは言葉にキレが必要なため私の場合は、メタファーの多様により表現はシュールになる。しかも短詩の場合タイトルは重要な意味を持つ。そこでいくつかの疑問が生まれた。翻訳詩は本当に作者の意図を伝えているのか?原詩に忠実なのか?堀口大学や宇佐美斉の訳でおなじみのアポリネールやベルレーヌ、ランボーの詩は口語現代詩でも本質は変わらないのか?
様々な詩を例に自作詩の翻訳の際につまずく問題点などを考えてゆきたい。
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◆2.--カフェ・エクリのお知らせ(6月6日) 詩の森の散歩道
『Melange』同人の高谷和幸氏が主宰する詩の教室「カフェ・エクリ」の開催予定です。
☆6月6日(月)午前11時から龍野で開催します。テーマは「詩が根源的に持っている音楽性」について前回に続いての考察。具体的には辺見庸、平田俊子、金井雄二ほか5名の散文詩を引用して、詩の中における音楽性を語ります。
詳細は以下の高谷氏あてに問い合わせてください。
同会は、第二部で詩の合評会を開催します。作品を自ら10部ほどコピーして持参してください。
(7月の「エクリ」は、7日(木)で加古川で開催します)
676-0815 兵庫県高砂市阿弥陀一丁目11-24
Phone・fax 079-447-3652
Mobile 080-5311-6265(高谷)
http://cafeecri.web.fc2.com/
◆3.--ステージタイガーのつかこうへい劇「リングリングリング」(6月10~12日)
演劇のお知らせです。わたしの姪っ子である小野愛寿香は、小劇場系の女優です。今年4月のまろうど社の大阪城花見では、仲間の俳優たちと即興劇を披露してくれ、好評を博しました。その彼女が主役級で出演するのが、6月10~12日に大阪の「一心寺シアター」で開催されるステージタイガーのつかこうへい劇「リングリングリング」です。彼女たちの展開する劇は世代を越えたおもしろさがあります。詳しくは以下のサイトをご覧になってください。
http://st-tg.net/_sp/ring/ring_story.html
◆5.--第14回ロルカ詩祭のこと〈8月20日〉
少しずつ準備をすすめています。前回(13回)は多くのゲストに来ていただきましたが、今回はレギュラーメンバーを中心に朗読していこうと、はなしあっています。