神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第22回ロルカ詩祭について

2019年08月03日 13時46分17秒 | 文学
今年も、ロルカ詩祭の季節がやってまいりました。

〈ロルカ詩祭について〉
この詩祭は、スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1998-1936)の生誕百年を記念して、1998年神戸で始めた詩の朗読会です。ロルカはスペイン国民からいまも広く愛されている詩人・劇作家です。1936年にスペイン内戦が始まった直後に、故郷のアンダルシア・グラナダに帰郷していたロルカは、反乱軍によって捕らえられ処刑されてしまうのです(8月19日)。フランコひきいる反乱軍の兵隊たちにとってロルカは敵である共和派の人物とみなされたからです。今年はスペイン内戦が終結してちょうど80年となります。かの国では内戦が終わってからの「共和派狩り」が苛烈でした。多くの共和派市民がメキシコ、チリなどに亡命しています。

この詩祭は、鎮魂と追悼の文学的行事です。まずは、非業の死を遂げた詩人・ロルカに対して同じ詩を書く者として深く哀悼の意をあらわす会であるのです。さらにこの詩祭をいとなむ場所が神戸であることから阪神・淡路大震災で犠牲になった人々に対する鎮魂の儀式でもあります。引き続いて起こった東北大震災などの犠牲者に対しての鎮魂をも含みます。そして詩祭を重ねていった22年の間に永遠の旅立ちをした詩友たちに対しても、思いをはせて詩を詠う朗読会なのです(特に今年はロルカ詩祭に永年朗読者として参加していただたスペイン語文学者である鼓直氏が今年4月に逝去されたことへの追悼の会でもあります)。

今回は詩祭初参加の方が何人かいらっしゃいます。詩の世界ばかりでなく、川柳(情野千里)、俳句(中永公子)といったジャンルからも参加され、多彩に詩の朗読会となるでしょう。

8月17日(土)に第22回ロルカ詩祭を開催します。
この詩祭は、二部構成。第一部のロルカ詩の朗読では、スペイン語文学者で今年4月に逝去された鼓直氏への追悼会も兼ねています。鼓氏はロルカ詩祭に何回か参加され、いつも翻訳したてのロルカ作品を朗読されていました。フライヤーを添付しますが、詩祭の概要を書いておきます。

★名称/第22回ロルカ詩祭
★日時/2019年8月17日(土)
★場所/スペイン料理カルメン(神戸・三宮)
★開場/午後5時
★第一部/午後5時30分~6時15分(ロルカ詩の朗読)
 (1)鼓直氏がロルカ詩祭にて翻訳されたロルカ詩を四人の女性詩人たちによって朗読します。
 (2)スペイン文学翻訳者・鼓直氏へ詩人たちによる追悼詩の朗読。
 (3)今野和代「NO HAY CAMINO」。

★第二部/午後6時30分~8時45分(詩人たちによるロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読)
この第二部は、前半(11人)と後半(10人)が出演します。
朗読予定者(五十音順)
(1)安西佐有理(2)大西隆志(3)大橋愛由等(4)岡本清周(5)金里博(6)黒田ナオ(7)今野和代(8)情野千里(9)千田草介(10)高木敏克(11)高谷和幸(12)田村周平(13)中嶋康雄(14)中永公子(15)西海ゆう子(16)にしもとめぐみ(17)秦ひろこ(18)福田知子(19)法橋太郎
★会場/スペイン料理カルメン 神戸市中央区北長狭通1-7-1 カルメンビル2F
★料金/コースA(タパス+ドリンク+チャージ代金・計2000円)
    コースB(ガスパッチョ+サラダ+メインディッシュ+パエリア+デザート+コーヒー+チャージ代金・計3600円)
★伴奏=田中ケイコ〈ジャズピアニスト〉
★予約・問合せ=スペイン料理カルメン 電話078-331-2228