神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

版元冥利

2011年09月30日 14時52分22秒 | 通信
詩集出版を祝って、著者である寺岡良信氏と、版元側の私とで、昨夜ささやかな祝杯をあげました。

本の出来に満足していただいている著者とこうして上梓を悦ぶこの瞬間は、版元冥利に尽きるものです。

学校を卒業してずっと出版に関わっていますが、この瞬間こそ出版編集者として大きな悦びであり、今後も出版を続けていく心の支えなのです。

ただ、出版社にとって、上梓した後こそ緊張を伴います。販売や資金面での段取りは勿論のこと、上梓した本がそのレベルに相応しい評価が得られるよう各方面に働きかけるなど、やるべき仕事は多いのです。

10月のイベントなど

2011年09月29日 12時44分38秒 | 通信
空がすっかり秋になりました。2011年もあと三カ月。今年一年の収穫の時期に入ったようです。

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◆1.--寺岡良信氏の第三詩集『凱歌』を祝う出版記念会(11月6日)=第67回
『Melange』合評会
◆2.--秋のカルメン詩の朗読会&フラメンコ・カンテのライブ(10月1日)←詳細
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◆1.--寺岡良信氏の第三詩集『凱歌』(まろうど社)を祝う出版記念会(11月6日)

寺岡氏の第三詩集『凱歌』が出版されました。
良い出来です。

A5判変型・上製本 本文88頁 価格2000円(本体)

出版を祝う会を11月6日(日)午後5時から神戸・三宮のスペイン料理カルメンにて行いたいと思っています。会費は5000円です。

この日<第67回『Melange』合評会>を行います。詩稿の締め切りは、11月3日(木)です。集まった詩群は、5日(土)の午前中にみなさんに発信します。
合評会だけですが、午後2時に開始いたします。時間厳守でお願いします。

◆4.--秋のカルメン詩の朗読会&フラメンコ・カンテのライブ(10月1日)←詳細

二年に一回行われる「神戸ビエンナーレ」の協賛事業として、スペイン料理カルメンにて、詩の朗読会をします。今回は『Melange』同人・誌友を中心に朗読していただく予定です。


朗読予定者は、寺岡良信氏、西本恵氏、高木富子氏、中堂けいこ氏、福田知子氏、安西佐有理氏、高谷和幸氏(現在中国旅行中)と大橋愛由等です

☆10月1日(土)午後7時~ 
   午後7時~   第一部 詩の朗読 
    一人10分以内
   午後8時~   第二部 カンテフラメンコのライブ
    グルーポ中西雄一のカンテ(唄)とギターラだけのフラメンコライブ。フラメンコの本場アンダルシアでは、バイレ(踊り)より、唄=詩(カンテ)の方が大切にされています。うたを大切にするのは、われわれ詩を書く人間に近い感性です。

   チャージ600円 ワンフード+ワンドリンク注文必要

  問い合わせ先  スペイン料理カルメン 078-331-2228


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☆『Melange』読書会・合評会の会場=神戸・三宮のスペイン料理カルメン
(カルメン==078-331-2228==の場所は以下のサイトを参照してください。阪急三宮駅
西口の北へ徒歩1分の場所にあります。 http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/)。
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野口裕氏の語り

2011年09月25日 23時53分27秒 | 通信
第66回『Melange』読書会の様子をお伝えします。

発表者は野口裕氏です。

ツイッターからライブ動画で配信したものです。

http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/2625031

http://twitcasting.tv/gunshaku/movie/2625255

30分ごとに切って収録されています。


詩・短歌・俳句・川柳(最近は小説も)といったジャンルを越境し表現し続ける野口氏の表現に向かうありようが語られています。を語ってくれました。

第66回『Melange』読書会合評会

2011年09月23日 17時50分53秒 | 通信
急に秋めいてきました。

○秋は、文学関係イベントが多く、多忙となりそうです。

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◆1.--第66回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(9月25日)
◆2.--寺岡良信氏の第三詩集『凱歌』上梓(9月27日)
◆3.--秋のカルメン詩の朗読会&フラメンコ・カンテのライブ(10月1日)
◆4.--カフェ・エクリのお知らせ(10月6日)
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◆1.--第66回『Melange』読書会・合評会のお知らせ(9月25日)

第一部の読書会(午後1時~)は、野口裕氏が発表担当です。

語りの内容は「ジャンル越境者として」(大橋がつけた仮題)。

詩、俳句、川柳、短歌など文芸ジャンルを越えて表現しつづける野口氏は、小池正博氏(川柳・連句)と二人誌を続けておられます。俳句・川柳を「五七五定型」というカテゴリーで捉え直すという評論・表現作業を展開されおられます。文芸ジャンルを横断・越境することの野口氏自らによる整合性とその意味も、語りの内容のひとつとなると思われます。
期待しています。

以下に本人からのレジュメを貼り付けておきますので、読んでおいてください。
(なおこの会は参加自由です。参加費も必要ありません。参加希望者はいきなり会場の神戸・三宮のスペイン料理カルメンに来てください)

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★野口裕氏から--

テーマは、私自身が様々なジャンルの詩を書き分けていることについてでしたので、
自選の二十首と二十句、そして、おまけの句を選びました。
当日の話の種になれば、と思います。

その他、何か追加するかも知れませんが、とりあえず今日はこれだけ送っておきます。

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五七五七七(自選二十首)

目え覚めて顔の横ちょの吹き出しに「ああしんど」ちゅうセリフを置いた
この辺で枕詞を使おうか言いたいことはなあんもないんだ
ぼんやりと高圧線に人が乗り鳥や雲とも話すでもなく
物流の路上に発泡スチロール轢死演じて陽気に踊る
コンビニで箸いりませんかと聞かれたら私には家があると言いそうになる
昔日の春の細部のくっきりと色の記憶が薄らいでいる
息子はな今刑務所におんねんと湯上がりに飲む牛乳に声
観覧車に無縁仏の光背のちかちか光る宵とはなりぬ
金払ろて乗れやと運転手が怒鳴る後部座席の段ボール人に
怒鳴るとは書いたがいつものことらしくしゃあないなあとぼやくにも似て
陽あたりを求めうつろう人なのか公園ごとに山茶花が咲く
プリペイドカード通して降りたバスその後のことを私は知らない
鉄管から熱水ぼふっと溝に吐く小さな工場の角を曲がった
おしっこの子はおしっこの母を待ち何するとなく振り子の手足
物憂げに雄弁術の講義聞く神学生のように引き潮
駅のトイレを佐藤浩市しょぼくした男出てくる朝はもう冬
機械では空を飛べぬと断じたる古き工学書など読みたし
甘やかにやさぐれタンゴ流るるを柩を覆う古代紫
余の顔を見忘れたかと昼時のとぼけた画像が問い来たりけり
預言者が外した預言見るように黙りこくってテレビを見ていた


五七五(自選二十句)

鼠算わずかに冬の死者を引く
十二月三十二日寝酒かな
串カツに二度漬けソース冬籠
山茶花に鎖外しの秘伝あり
酒盛りの竹輪蒲鉾踏絵かな
ハロウィーン風の噂に身ごもるや
ひとすじの雲の竜骨風枯野
抹茶でも飲もか陽炎立っとるで
たんぽぽやパスポートに顔載せてある
鳥雲にしきりと愚図る給湯器
破れても餃子は餃子春惜しむ
ブロンズの三半規管油照
枕元に流木埋まる暑さかな
冷奴雲の紅蓮をしずめかね
風を割り出す死亡推定時刻かな
ハロウィーン根にもどりたる多年草
ヨーヨーを宙吊りにして夜長かな
草の実を草ごと馬が食んでいる
鉛筆の黒が静脈太く描く
あの日からラジオは雨のように降る


おまけ
ハッブル忌あゝ麗はしき距離(デスタンス)
百円がまだ百五円三島の忌
福翁忌たまに早稲田と間違える
古くから鉄新しきエッフェル忌
アストロノミーアストロロジーケプラー忌

● 草野心平忌
冥土での恋や事業や年尾の忌
赤いコーラ黒いコーラと並びおり
千年の留守はワルツになりにくい
葱揺れて鳳凰堂へ蛇の飢え
行水の烏にほれる女かな
おかかむすびに海苔剥落の続きおり
肝試しあいつは切れ痔響きけり
安息の中や男の子は錆そむる
裂かれ行く再婚の日の若さかな
水枕が、ばりっと寒い。膿がある。
易水にアフガンの記事流れけり

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第2部(午後3時~)は自作詩の合評会です。詩稿の締め切りは、本日夜(23日)です。お知らせが遅れて締め切りの設定が急なので、もうしわけないのですが、ぎりぎりの行程です。ご理解ください。みなさんから寄せられた詩群は、6月4日(土)朝にメールで送信いたします。


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◆3.--寺岡良信氏の第三詩集『凱歌』発売(9月27日)

いよいよ待望の寺岡氏の第三詩集『凱歌』が完成します。
版元はわたしの図書出版まろうど社です。
より完成度が高くなった寺岡氏の詩世界を楽しんでください。
A5判変型・上製本 本文88頁 価格2000円(本体)

◆4.--秋のカルメン詩の朗読会&フラメンコ・カンテのライブ(10月1日)

二年に一回行われる「神戸ビエンナーレ」の協賛事業として、スペイン料理カルメンにて、詩の朗読会をします。今回は『Melange』同人・誌友を中心に朗読していただく予定です。特に今年詩集を刊行する寺岡良信氏、西本恵氏、高木富子氏とわたしは上梓する詩集から作品を読んでもらいます。また、去年に詩集を出された方も作品
を読んでいただく予定です(中国旅行から帰国直後の高谷和幸氏も参加予定)。

☆10月1日(土)  
   午後7時~   第一部 詩の朗読 
    一人10分以内
   午後8時~   第二部 カンテフラメンコのライブ
    グルーポ中西雄一のカンテ(唄)とギターラだけのフラメンコライブ。フラ
メンコの本場アンダルシアでは、バイレ(踊り)より、唄=詩(カンテ)の方が大切
にされています。うたを大切にするのは、われわれ詩を書く人間に近い感性です。

   チャージ600円 ワンフード+ワンドリンク注文必要

  問い合わせ先  スペイン料理カルメン 078-331-2228


◆5.--カフェ・エクリのお知らせ(10月6日) 

『Melange』同人の高谷和幸氏が主宰する詩の教室「カフェ・エクリ」の開催予定です。

10月の会場は、加古川市「されど」で。午後4時から。
テーマ→吉野弘『詩のすすめ』を読む 二回目。
第二部で詩の合評会をします。

問い合わせ先
Mobile 080-5311-6265(高谷)

寺岡良信著『詩集 凱歌』

2011年09月17日 19時06分02秒 | 通信
いよいよ責了しました。

図書出版まろうど社から上梓する寺岡良信氏の第三詩集『凱歌』(A5判変型上製本、本文88頁)の最終チェックが終わり、印刷所に委ねたのです。

寺岡さんの詩は、すべて旧仮名遣いで書かれています。

その深き抒情世界はうっとりする程の美しき日本語の世界が展開されています。

今月中には出来上がってきます。

楽しみです。