今年で19回目を迎える「ロルカ詩祭」についてのお知らせです。
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第19回 ロルカ詩祭
『いまふたたびの我らの中庭で』 中堂けいこ
おお、フェデリコ!また8月がやってきた。19日の血の執行! 銃に囲まれ、長い道を来たあなたが夜明けの野にあらわれる。グラナダの犯罪。額に血、腹に弾丸。あわれなグラナダ!あなたのグラナダが暑い蛮行に狂い立つ日だ。そしてブエノスアイレスの熱狂もとだえてしまう。
だが、フェデリコ!わたしたちの中庭は健在だ。サクラモンテの丘のジプシーたちの歌と旋律。手と踵を打ち鳴らす、強拍の怒涛のリズム。ドローレスの胸に抱かれ耳もとで囁かれた、子守唄、アンダルシアの伽話を忘れようもない。あなたの詩の飼い葉、戯曲の揺り篭。
あれは月です 踊ってますね
死んだ者たちの中庭で。
ごらんよ 精魂尽きたその身体、
影と傷とに黒ずんで。
母さん、月が踊っているのです
死んだ者たちの中庭で。
夢のちょうど入り口で
石の仔馬を傷つけるのは誰ですか?
月です!月です!
死んだ者たちの中庭の!
・・・・・・・・・・ (サンティアーゴの月の踊り)部分
また8月の扉が開かれる。何十回何百回と開けられる扉は一度として同じではなかった。世界をかけめぐるテロリズムの蛮行はいまだわたしたちを血塗りの恐怖に陥れる。暴力の剣の前でわたしたちは盾も持たず、ただことばだけで、そのことばだけで一歩を踏み出す。扉の向こうからかの世の者たちがおおぜいやってくる。彼らは再び生の痛みと顔をとりもどすが、わたしたちは互いに入り混じり葬列のあとに続く。最後尾の者が先頭になり、先頭の者がふたたび後尾につく。なんという賑やかさ、喧しさ、歌え、歌え、さあ歌え・・・!
今宵、ロルカ詩祭、スペイン語翻訳家の鼓直氏によるロルカ詩新訳が披露される。メランジュ同人詩友、詩の愛好者が熱い神戸につどう。
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★第19回ロルカ詩祭
◇開催日時/2016年8月20日(土)午後5時開場
第一部(ロルカ作品のスペイン語、日本語による朗読)…午後5時30分スタート
第二部(ロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読)…午後6時00分スタート〈前半・後半あり〉
◇詩祭案内/スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)の生誕100年にあたる1998年から神戸で始まった詩の朗読会。8月19日のロルカの命日に近い土曜日に、神戸市三宮のスペイン料理カルメンで開催されている。
この詩祭は、スペイン内戦が勃発した直後、ファシストによって殺されたロルカへの追悼ばかりではなく、阪神大震災をはじめとした震災の犠牲者に対する追悼、さらにはロルカ詩祭に参加し今は鬼籍に入っている清水昶氏らへの追悼をふくむ。
◇朗読参加予定者/(1)鼓直(新たなロルカ詩の翻訳をたずさえて)、(2)金里博、(3)今野和代、(4)情野千里、(5)大西隆志、(6)北岡武司、(7)高谷和幸、(8)中堂けいこ、(9)大橋愛由等、(10)安西佐有理、(11)北原千代、(12)福田知子、(13)秦ひろこ、(14)千田草介、(15)髙木冨子、(16)中嶋康雄、(17)黒田ナオ
◇演奏者/秦コウタロー(アコーディオン)
◇料金/Aセット(チャージ+ワンフード+ワンドリンク付き)2000円、Bセット(チャージ+コース料理〈スープ、サラダ、メインディッシュ、パエリア、珈琲、デザート付き〉3600円)のいずれかを選択。
◇場所・問い合わせ/スペイン料理カルメン(〒650-0012 神戸市中央区北長狭通1-7-1 カルメンビル2F 申し込み、問い合わせは、電話078-331-2228)
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第19回 ロルカ詩祭
『いまふたたびの我らの中庭で』 中堂けいこ
おお、フェデリコ!また8月がやってきた。19日の血の執行! 銃に囲まれ、長い道を来たあなたが夜明けの野にあらわれる。グラナダの犯罪。額に血、腹に弾丸。あわれなグラナダ!あなたのグラナダが暑い蛮行に狂い立つ日だ。そしてブエノスアイレスの熱狂もとだえてしまう。
だが、フェデリコ!わたしたちの中庭は健在だ。サクラモンテの丘のジプシーたちの歌と旋律。手と踵を打ち鳴らす、強拍の怒涛のリズム。ドローレスの胸に抱かれ耳もとで囁かれた、子守唄、アンダルシアの伽話を忘れようもない。あなたの詩の飼い葉、戯曲の揺り篭。
あれは月です 踊ってますね
死んだ者たちの中庭で。
ごらんよ 精魂尽きたその身体、
影と傷とに黒ずんで。
母さん、月が踊っているのです
死んだ者たちの中庭で。
夢のちょうど入り口で
石の仔馬を傷つけるのは誰ですか?
月です!月です!
死んだ者たちの中庭の!
・・・・・・・・・・ (サンティアーゴの月の踊り)部分
また8月の扉が開かれる。何十回何百回と開けられる扉は一度として同じではなかった。世界をかけめぐるテロリズムの蛮行はいまだわたしたちを血塗りの恐怖に陥れる。暴力の剣の前でわたしたちは盾も持たず、ただことばだけで、そのことばだけで一歩を踏み出す。扉の向こうからかの世の者たちがおおぜいやってくる。彼らは再び生の痛みと顔をとりもどすが、わたしたちは互いに入り混じり葬列のあとに続く。最後尾の者が先頭になり、先頭の者がふたたび後尾につく。なんという賑やかさ、喧しさ、歌え、歌え、さあ歌え・・・!
今宵、ロルカ詩祭、スペイン語翻訳家の鼓直氏によるロルカ詩新訳が披露される。メランジュ同人詩友、詩の愛好者が熱い神戸につどう。
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★第19回ロルカ詩祭
◇開催日時/2016年8月20日(土)午後5時開場
第一部(ロルカ作品のスペイン語、日本語による朗読)…午後5時30分スタート
第二部(ロルカ的世界に身を委ねた自作詩の朗読)…午後6時00分スタート〈前半・後半あり〉
◇詩祭案内/スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)の生誕100年にあたる1998年から神戸で始まった詩の朗読会。8月19日のロルカの命日に近い土曜日に、神戸市三宮のスペイン料理カルメンで開催されている。
この詩祭は、スペイン内戦が勃発した直後、ファシストによって殺されたロルカへの追悼ばかりではなく、阪神大震災をはじめとした震災の犠牲者に対する追悼、さらにはロルカ詩祭に参加し今は鬼籍に入っている清水昶氏らへの追悼をふくむ。
◇朗読参加予定者/(1)鼓直(新たなロルカ詩の翻訳をたずさえて)、(2)金里博、(3)今野和代、(4)情野千里、(5)大西隆志、(6)北岡武司、(7)高谷和幸、(8)中堂けいこ、(9)大橋愛由等、(10)安西佐有理、(11)北原千代、(12)福田知子、(13)秦ひろこ、(14)千田草介、(15)髙木冨子、(16)中嶋康雄、(17)黒田ナオ
◇演奏者/秦コウタロー(アコーディオン)
◇料金/Aセット(チャージ+ワンフード+ワンドリンク付き)2000円、Bセット(チャージ+コース料理〈スープ、サラダ、メインディッシュ、パエリア、珈琲、デザート付き〉3600円)のいずれかを選択。
◇場所・問い合わせ/スペイン料理カルメン(〒650-0012 神戸市中央区北長狭通1-7-1 カルメンビル2F 申し込み、問い合わせは、電話078-331-2228)