例えば人でも、
流動し続けるいくつもの粒子からなる存在のように捉えてみる。
すると、流れの中に、
かならず好きだったり、まぶしく輝く部分に出合う。
日常的な雑事でも、仕事でも、
自ら築いたのっぺりとしたベールをはがしてみれば、
心躍るパーツに溢れている。
中にうごめく粒子単位で、
とらえてみる。
ズームを引き離し、
名前をつけ、
まるで孤立した個体のように眺めるのなら、
動きは鈍り、やがて止まる。
動きのない世界で、
自ら作り上げ命名した像に向かって、感情を塗りたくり。
中にうごめく粒子を感じてみる。
すると、
この人はこうだとか、
この物事はこうだなんていう「イメージ」は、
ぽろぽろと崩れ、流れ始め、
もう心にとどまることもない。
目の前の日常が、
鮮やかに輝き始める。