日々の幸せを育んで

ワンちゃん達がいて、孫達がいる日々の生活。小さな幸せのある暮らしを綴っています。

リーに守られて

2005年09月29日 12時38分06秒 | 日々の暮らし

             <写真は、主人に抱っこされているリー>

去年リーを突然亡くしてから私達家族は、しばらくの間「死んじゃう」病にかかっていました。
突然死ぬってことなど今まで考えたこともなかったのに、リーが死んでしまって頭の中は、何かあると「死んじゃうんだ。」ばかりの毎日でした。

歯科医院に通っていた私が、先生から「親知らずが、埋まってしまって袋を持っているので、手術して抜かないとだめです。」と言われ、大きな病院の口腔外科を紹介されました。

「抜かずに、死ぬまでこのままにしておく事はできないのですか?」と尋ねましたが、大きな病院で検査してもらった方がいいと言われ、1つ目の病院に行くことになりました。
レントゲンを撮って、「右側下顎嚢胞」と診断され、「全身麻酔で2時間位の手術になります。嚢胞がかなり大きくなっているので、一番奥の歯を抜かないと嚢胞を全て取り出せません。神経が嚢胞のすぐ傍を通っているので、神経に少しでも触れると、その後ずっと麻痺が残ることがあります。」etc.

私は「全身麻酔での手術」という言葉が引っかかり、「全身麻酔なんかしたら、死んじゃう。」って思ってしまって、後のお話はよく理解できませんでした。

何度も考えた結果、「もう一つの病院で見てもらってから決めよう。」と思って、もう一つの病院へ行くことにしました。

年配の落ち着いた先生は、前回の先生と同じような説明をしてくださって。。。違っていたのは「奥歯は抜きません。なるだけ歯は抜かない方がいいので。嚢胞は少しずつ大きくなるんじゃなくて、ある日突然大きくなって、激痛が走り、どうしようもなくなるので、早いうちの手術がいいです。嚢胞を摘出後、すぐ病理検査に回して検査結果で後の処置法を決めます。1段階から5段階まであって、5段階はいわゆるガンで、それぞれの段階で処置法が違ってきます。たぶん1段階だと思うのですが、してみないことには何とも言えません。」と言われました。

この先生のお話の時には、「大丈夫だな、安心して任せられる。」と確信が持てたので、手術することに決めました。

リーが死んで、3ヶ月少したった頃です。
9月28日に入院して、29日に9時から11時までの手術です。
最短で退院したいと申し出ていましたので、10月2日退院予定でした。

当日、手術室に入って麻酔が始まったと思ったら、すぐに真っ黒の中(真っ暗じゃなくて、黒い色を塗ったような真っ黒の中)に、1匹のシーズーが頭を西、尻尾を東に向けて立っていました。(正確な方角は分からないので、私の正面を北として書いています。)

私は南側に北を向いて座っています。(私からシーズーまでの距離は2メートルくらい離れています。)
真っ黒の中なので、最初はよく分からなかったのですが、そのシーズーが西に向かって歩き出した時、歩き方で私はそれがリーだとすぐに分かりました。

私は、北に向いて座ったままの状態で、リーと一緒に西に(左横に)動き始めました。
リーは頭を上げて堂々とそして黙々と、私の方を一度も見ることなく歩き続けました。

どれくらい歩き続けたのかは分かりませんが、西にドアが見えて、そこにリーがぶつかって消えたと思った瞬間に、「Mさん、聞こえますか?手術が終わりました!」と言う看護婦さんの大きな声で、私は目を覚ましました。

手術中ずっとリーは、私を守っていてくれたのだと思います。
道を間違わないで、真っ黒な闇の中から私が無事に明るい世界に戻れるように、道案内をしてくれたのだと思っています。

手術は無事に終り(1段階でした。)術後の痛みも腫れも、先生が驚かれるほど少なく済んで、私は最短で退院することが出来ました。

「死んじゃう」病にかかっていた私達を、リーは守ってくれました。
2時間の手術中、ずっと私を導き続けてくれたリーに、心から感謝しています。

去年はこのことを日記には書けなかったけれど、どうしても書いて残しておきたいと思っていましたので、一年後の今日書くことにしました。