fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

二度も・・・

2016年02月14日 | 日記
 体力が落ちていたとはいえ、2日ショックなことが続きました。
 朝、必ずコーヒーを淹れるのですが、私はいつもカップの上に直接ドリップするやりかた。キッチンの作業台の部分にカップを置き、ドリッパーを置き、ペーパーと粉を入れて、熱湯を注ぎます。すぐ横で南部鉄瓶でお湯を沸かすのですが、その鉄瓶を持ち上げて、淹れるとき、けっこうな高さまで鉄瓶を上げなくてはならないわけです。
 ここで失敗! 鉄瓶の底が当たってしまい、横転・・・。一度は淹れ始めのときだったので被害は少なかったのですが、二度目は、お湯とコーヒーの粉がズボンにも床にも横のレンジにもこぼれてしまい、悲惨でした。

 いつもの感覚で手を上げても、いつもの高さまで上がっていないということです。
 衰えている・・・。
 リハビリしなくては。

アオジ?

 見事にバレンタインデーとは無縁に過ごします。

「童子」2016・2月号

2016年02月13日 | 日記
 12月号の月評で、北山日路地さんが、

 巻きつきつ巻きつかれつつ葛の花    あぶみ

 を取り上げてくださっていました。

 このところ低迷、マンネリが続いているので、こうして取り上げてくださると、嬉しいです。とくにこの句は、マンネリ脱出には写生しかないよなあと思って作ったものだったので、なおさらです。
 日路地さん、ありがとうございました!! 

   
  うちの近所の野仏。お花は新しくてきれいだし、足元の白いものは、なんとホッカイロなのですよ。お花を供えた方が、仏様、お寒いでしょうと貼っていったのだと思います。

 身にしむや九十九の母を叱りては
 身にしむや九十九の母に叱られて   辻 桃子


 辻桃子主宰、句集『馬つ子市』で、第八回 文學の森大賞を受賞されました。おめでとうございます!!!!! 

初めての句会

2016年02月12日 | 日記
 先日10名弱の児童文学の合評会があり、その二次会で、句会をしようという流れになりました。
 経験者は私を含めて3名。あとは、中学校の宿題以来的な方たちばかり。
 でも、さすが文学をやっている人たち! 始める前に、春の代表的な季語を渡して(コピーしてくれていた方がいたのよ)「575にして。一句にひとつ季語を入れて」という指示だけで、できるではありませんか!!

 そのときの句の一部をご紹介。(→は添削させていただきました)

  椿咲く空家を出でて雪の坂  
  → 椿咲く空屋の前や雪の坂    耕
 ありもせぬ嘘が語れぬ四月馬鹿     耕 
 寒明に道険しくも交わしつつ
 → 寒明や道険しくも交わしつつ    暁人
 風車ふいてるほっぺた肉まんだ
 → 肉まんのごときほつぺた風車    由紀子
 正座してふと眠りたる春障子     優
 四月馬鹿本音を混ぜて言つてみる   一朗
 窓の下きこえる悲鳴猫の恋  
 →窓下にきこえる悲鳴猫の恋    未夏子
 あれなあに官僚の先の葱坊主 
 → あれなにと指さす先や葱坊主   史子
 
 
 私が特選でいただいたのは、
 恋バナを娘としたりけり鳥帰る
  → 恋バナを娘としたり鳥帰る   成美

 祖母の忌に根芹を洗う水の音
  → 祖母の忌に根芹洗うや水の音   優
 薄氷のように破つたラブレター     一朗
 
 
 ひゃあ、薄氷を破るのと紙を破るのでは、動作は違うけれど、とても斬新。自分が書いて渡す前に破ったのか、以前もらってもう恋が終わったのか、はっきりはしないけれど、それでいい。

 ちなみに私は、
 
 書いて消す恋の話や水草生ふ  
 春浅しホワイトボード白きまま   あぶみ



 と作りました。はは。いいのいいの。みなさん、楽しかったと言ってくれたのでね。
 こうして改めて見ると、どれも季語の斡旋、付け方がいいなあと。初心の場合、春の風、春の空、とかって作りそうじゃないですか。それが一個もないものねえ。歳時記のコピーを持ってきてくれた成美さんの手柄だ。(成美さん、以前一年間、私がカルチャースクールの講師をしていたときに通っていらしたのですよ。季語が大事ってわかってくださってたんだなあ)

   

 ある日の朝、リビングから見た景色。下が黒雲で、上はもう少し、茜色めいていてのですよ。

タイムストーリー『1週間後にオレをふってください』(偕成社)

2016年02月10日 | 自作紹介
           高学年から

 本日発売のアンソロジー、『1週間後にオレをふってください』に、拙作「七日夢(なぬかゆめ)」を収録していただいています。
 このシリーズは、タイムストーリー第二期にあたります。昨年発売された第一期が好評だったことをうけての第二弾というわけです。編集は日本児童文学者協会です。

 今月は、この一週間をテーマにしたものと、『消えた1日をさがして』が同時発売。来月以降、5分間、1時間、3日間をテーマにしたものが出ます。

 さて、この一週間をテーマにした一冊の冒頭に、私の「七日夢(なぬかゆめ)」は配置されています。ズバリ、ホラーです(のつもりで書きました)。出てくるものは、盆栽(笑) 楽しく怖がっていただけたらと思います。
 執筆している作家さんは、とても多彩です。

 七日夢(なぬかゆめ)  おおぎやなぎ ちか

 水時計 にしがき ようこ

 1週間後にオレをふってください 大野 幸枝

 さびしい月読(つくよみ) 奥山 景布子

 才能開花カリキュラム 太田 忠司


 の5編。内容もホラーあり、リアリズムあり、歴史あり、SFあり。いろいろな味を楽しめます。それらを泉雅史さんの絵がつないでいるというのが、またいい。柔らかくて、やさしくて、いい絵だなと思いました。(表紙もいいでしょ?)
 1週間というテーマで、なるほど~、こう書くのかあと、勉強になりました。
 他のシリーズも読みたい。
 今期も、また人気が出ますように! 

川凍る

2016年02月09日 | 日記
         

 暦の上は春だというのに・・・。
 本人はとっくに東京にいるというのに・・・。
 岩手の冬景色が続きます。
 凍った上に、また雪が積もっているのです。
 さすがに北上川は凍っていませんでした。
 

体調のこと

2016年02月06日 | 日記
 咳ぜんそく、気管支拡張症とつきあうようになり、この2年くらい薬をずっと飲んでいました。シングレアというぜんそくの薬と、小青竜湯という漢方薬に落ち着いていたのですが、今年に入ってから、この二つを飲まずに過ごしています。
 咳が出なくなったのかというと、そうでもなく、ちょっと乾燥したり、長くしゃべっていたりすると(つまり喉が渇くと?)咳が出ます。でも、こまめに水分をとり、部屋の加湿を十分にしてと気をつけていたら、薬を飲んでいるときと大差なく過ごすことができるということが、徐々にわかってきたのです。
 こうやってつきあっていったほうがいいな。
 と、薬が減って喜んでいたのですが、結局今年にはいって、胃腸炎(たぶん風邪によるもの。ノロではないと思う)になったり、岩手では膀胱炎になったり(冷えたせいか?)。結局病院にかかっています。
 体力がないんだろうなとも、思う次第。
  
 なんか、このごろ、むずむず足っていうのかな。かかとがかゆくて、眠れなかったりもして。表面的にはなんでもなくて、ムヒなんか塗ってもダメなんですよ。最初左足だけだったのが、最近右も同じあたりがかゆい。かかとのちょっと内側。むずむず足とはちがうかもしれないけど、なんかなあという感じ。

 年のせいしていいのか、まだあきらめないで鍛えないといけないのかという狭間だなあとも感じています。でも、健康第一です。




 岩手から帰るとき、上野近くになると見えてきます。左側に座るといい。3列側ですね。

『しゅるしゅるぱん』「季節風」に書評、他を書いていただきました。

2016年02月05日 | 自作紹介
 
 
「季節風」新年号に、書評など、『しゅるしゅるぱん』関連の記事が3つ。
 
 まずは、作家の岸史子さんが、『しゅるしゅるぱん』の書評を書いてくださいました。
 非常に深く読み込んでくださって、感激しました。全部を載せたいところなのですが、後半部分だけ。

 あの時、あっちの道を歩いていたら、と空想することは誰しもあるだろう。今と違う人生を歩く自分は、夢を実現させて輝いているかもしれない。つかの間の夢想は、自分を解放してくれる。しかし、こっちの道を歩いたからこそ見つけた小さくて不格好で不安定な幸せもある。それは手探りで絶えず確認しなければするりと逃げてしまう。そうできるのは自分だけなのだ。
物語の最後、奇跡が起こる。読者はしゅるしゅるぱんの想いが通じたことに心から安堵するだろう。長い歳月にわたって、彼がどれ程かあさんに見てもらって、声を聞いてほしかったか、心の叫びを知っているから…。
恐らく解人も成長するにつれ、しゅるしゅるぱんのことを忘れていくのだろう。道子やきらがそうであったように。しかし、それでいいのだ。なぜなら、しゅるしゅるぱんは妙と太一の果たし得なかった物語なのだから。妙がこっちの道を歩んだからこそ道子が生まれ、彬が生まれ、解人につながる。
転校先で、リレーの選手に選ばれたものの、バトンの練習がうまくいかない解人は、リレー仲間の宗太郎とも友だちになれそうでなかなかなれない。解人の葛藤や悩み、そして乗り越える力も含めて、誰もが向き合う日常である。こんな日常を私たちが送るのも、この世に生を受けることができたからに他ならない。一人ひとりのご先祖様が「こっちの道」を選んだ奇跡の積み重ねが、今の日常につながるのだ。ボディーブローのようにじわじわと効く物語を久しぶりに読んだ。


 ありがとうございます。
 岸史子さんの作品としては、『緑のトンネルをぬけて』(岩崎書店)があります。

 次に、作家であり児童文学評論家でもある、土山優さんが、「季節風・子どもの本の2015年をふりかえって」の中で、「面白かった。民話風な世界観のなかに、公界的な要素も入って、その発想のユニークさを堪能した」という書き出しで、取り上げてくださっています。正直言って、作者である私は、「公界」というものを理解できていません。土山さんは、面妖の妻の存在に注目してくださっているようです。それは、作者にとっては嬉しいことなのですよ。つまり、自分自身は実はちっぽけで、作品を統べているわけではなく、作者の無意識というものも根底にはあるわけで、読者が独自に読んでくれるという巾のある作品であり得るほうが好ましい。
 面妖と妻の部分は、本になった部分以外にも、ずいぶん書きました。(二人の出会い。朱瑠にもどってからのやりとり。面妖が先に死んで、そのお葬式のところも。その上でカット)そこを感じてくださったことに感謝です。
 そうそう、カットしたものには、太一の少年時代の部分もあります。家庭教師でもあった担任から受けたもろもろの中には、その教師が駆け落ちをしたというエピソードもあり、読み返したくなりました。(まだどこかにとっているはず)そんなことを思い出させてくださる、土山さんの文章でした。
 
  土山さん、フェイスブックに『しゅるしゅるぱん』のレビューも書いてくださっていて、私がやっていないため、個人的に送っていただいていました。それを貼り付けさせていただきます。 

『しゅるしゅるぱん』を手にした日、南部岩手のどこぞ、空想がはばたく彼の地の物語を、興味津々、読んだ。
 私の亡父は、南部二戸の禅宗曹洞宗寺院の長男だった。でも僧を嫌いテクノクラートになった。そのテクノクラートは人の心はテレビではない、 己の思いは言語で説明せよと常々主張していたが、一方、講談のように、南部の物語を語った。そんな日々を思い出しつつ読んだ作品だった。
 南部には、大昔から、いわば現世のやり取りを超越する世界観が存在した。例えば、『小○』に『野心あらためず』。例えば『吉里吉里人』。例 えば『銀河鉄道』。
 なんとまぁ、壮大で明朗で イキイキとしたドラマチックな物語ばかりであろうか。東北人の生命力を感じるではないか。
 そして、『しゅるしゅるぱん』である。いいね、この湿っぽくない語り口。で、その『しゅるしゅるぱん』、好奇心がつのった箇所があった。
 それは、太一さ ん。彼はなんで妙さんとの約束をはたせなんだか。あの純愛が実らなかった理由が気になりながら、読み進んでいくと、太一さんが選んだ、そのお 方が、芸者さんと知って、腑に落ちた。私的には吉原の遊女がベストだけど、児童文学のカテゴリーですからね。それはない。
 日常世俗ではないところで生きてる人には、見えてしまうものがあるのですよ。日本では、かの古来から。


 
 土山優さんの作品は、『海のむこう』(新日本出版社)。小泉るみ子さんの絵による絵本です。

 そして、「新しい風」として、私の文章も載せてくださっています。亡き後藤さんとのやりとりを書かせていただきました。これに関しては、「よかった」という感想を数人からいただいています。← うれしい。

 そして、(またかい)私も書評委員会のひとりとして、梨木香歩さんの『岸辺のヤービ』(福音館書店)の書評「愛しきクリーチャーの世界」を書かせていただいています。

 長々となってしまいました。読んでくださってありがとうございます。

『しゅるしゅるぱん』クレヨンハウス通信で紹介されました

2016年02月02日 | 自作紹介
 クレヨンハウス通信2015年12月号で、『しゅるしゅるぱん』を紹介していただいていました。

 毎月の「新刊会議」で子どもの本売り場とブッククラブスタッフが選んだ本としての紹介です。
「新刊会議」では、毎月出版されるたくさんの本について、ロングセラーとして残したい本、
ぜひ読んでもらいたい本、ブッククラブの新刊コースの本をどれにするかなどを真剣に話し合います。 
と、書かれています。このブッククラブというのは、知人もお孫さんのために入っていると聞いたことがあるのですが、毎月本を送ってくれるサービスなのです。1歳児コース、2歳児コースなどいろいろなコースがあり、その新刊配本のコースに、『しゅるしゅるぱん』が選ばれたようでした。うれしいです!! 

 私も、ここに紹介されている他の本も、ぜひ読んでみたいと思います。

 クレヨンハウスは落合恵子さんが始めた原宿にある本屋さん。こちらも、またいずれ出かけてみたいです。