メグは地毛が赤い。
そして、通っている私立中学は、黒髪じゃない場合、赤毛である「証明」が必要。生徒手帳にばんと赤いゴム印で押された「赤毛証明」! それを毎朝登校時に見せなくてはならない。
自分はふつうじゃないの? その疑問にとりつかれたように、考えるメグ。
だったら、ふつうって何なのか。
親友のサワちゃん、幼なじみの紘。それぞれの関わりの中で、メグは、考え、悩む。
光丘さんは、この本を書くため、たくさんの中学生を取材し、自ら物語内の中学の生徒手帳を作成もしたという。
普通じゃないという言葉も、普通だねという言葉も、人を傷つける。
私も、思うときがある。人様の俳句を読んで、自分で作って、「普通だなあ」と。これは決していい意味じゃない。
でも、もっとパワーのある俳句を作りたいとき、作ってもらいたいとき、やっぱり使いたいかもしれない。 言われたほうは、傷つくだろうとわかった上で? 困ったな。
なんて、ことまで考えた。
だって、文学をやっている人は、普通でいいとは思ってないんじゃないかな。でも、普通のよさもあるよね。
ああ、考え始めると、メグのように「ふつう」にとらわれてしまう。
でも、メグはちゃんと、結論を出し、人と関わっていく。
きっと、読んだ人たち、みんなが、考え始めるだろう。それが、大事なことだ。