Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(313)

2020-01-14 00:10:00 | コラム
ずー(ZOO)→「O」Jしんぷそん(O・J・シンプソン)

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……以下まで、すべて松尾スズキ著『この日本人に学びたい』より

「宇宙が間違ったほうにねじれ、克美しげるがいくらこの先、小室哲哉のプロデュースでブレイクしてCD100万枚セールスしても、愛人殺し歌手は愛人殺し歌手である」

克美しげる:歌手。64年、『さすらい』が大ヒットし、紅白にも出場する。
しかし、その後なかなかヒットに恵まれず、生活にも困窮し、妻子がある身で愛人をつくり、ソープ(当時はトルコ)で働かせる。
76年、再起を賭けた新曲『おもいやり』のキャンペーン中、愛人の存在が邪魔になり首を絞めて殺害。
懲役10年の刑で服役。
83年、模範囚として仮出所。
カラオケ教室を開き、成功をおさめるが「歌の下手な生徒に教えるのはストレス」という理由で覚醒剤を乱用。
89年、また捕まる。
出所後、村西とおる監督のVシネ『愛が泣いている さすらい』に主演。
97年、32歳年下と4度目の結婚。

※ここだけmacky注釈 2013年、死去。

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引用が長くなってしまったけれど。

世代もあるし、アメフトに明るくないというのもあり、O・J・シンプソンを知ったのは映画だった。

80年に現役引退をした、元アメリカンフットボールの選手。

ということを知ったうえでキャリアを追うと、
74年発表『タワーリング・インフェルノ』のころは、まだバリバリのアスリートだったんじゃんか! と。



イチローみたいなもんかな。
とも思うが、はっきりいってイチローは、ほれボクなんか演技も出来るんだぜ臭 があった。
しかしO・Jにはそれがない、俳優としてフツーに上手だった。

というか、かなり上手。

この時点で、ほとんどのひとが彼の第二の人生は明るいと確信したことでしょう。

76年、パニック物の怪作『カサンドラ・クロス』。
78年、トンデモSF『カプリコン・1』。

などに出演、生涯で代表作が1本しかない俳優さんも多いわけで、俳優O・Jのキャリアは成功だったといっていい。

とくに88年の『裸の銃を持つ男』における「やられっぷり」は、コメディ映画史上に名を残す名演だと思う。




しかし94年、元妻ニコールとその友人を殺害した容疑で逮捕される。

映画界にスポーツ界に、激震が走った。

刑事では無罪、民事では有罪とされる―このあたりに肉迫したドキュメンタリー映画『O.J.:メイド・イン・アメリカ』があるが、上映時間はなんと480分だという。

8時間!?

観たひとは「でも、ぜんぜん飽きなかった」。

わぁ観たいな!!

とはいえ。
どれだけ偉大な功績を残したアスリートであっても。
名バイプレーヤーとして映画界からのオファーが絶えなかったとしても。

松尾スズキのいうとおり、ひとごろしになってしまったら、おしまいよ。


2007年―5人の男とともにベガスのホテルに侵入、優勝トロフィーなど多数のスポーツ記念品を盗んだ容疑で逮捕された。

曰く「借金のために売ったトロフィーを取り戻そうとしただけ」。


あぁ・・・ってなってしまうよね。

現在72歳。
遺族の強い抗議もあって手記発表は頓挫したが、実際のところはどうだったのか話さずに、墓場に入るつもりなのかな・・・。




あすのしりとりは・・・
OJしんぷ「そん」→「そん」がんほ。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(314)』
コメント (1)
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