Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(91)

2014-08-29 08:55:31 | コラム
母国では「さっぱり」、なぜか日本でだけ人気に火がつく―80~90年代前半の映画界には、そういうひとが多い。


アクション映画『コマンドー』(85)で、シュワ氏の娘を演じたアリッサ・ミラノ。

日本でだけ人気者になったので、日本「限定で」歌手デビューを果たし、日本「限定で」パスタのCMなどに出演する。




たいした出演作もない(失礼!)のに、なぜか日本で人気になったシンシア・ギブ。



かくいう自分もファンになったが、繰り返すが「たいした出演作もない」ので、なんとか彼女を特集したい『ロードショー』や『スクリーン』は必死に「チョイ役の、チョイチョイ役」情報をかき集めていた。


近年は目覚しい活躍を見せるも、少女時代は母国では女優として認識されず、日本でだけもてはやされたジェニファー・コネリー。




・・・ということは、やっぱり日本はロリータの国、、、なのかもしれないねぇ!!


そしてグロリア・イップもまた、日本でだけ人気となった「謎のひと」だった。

香港生まれの41歳、自分のひとつ上で現在は実業家として活躍しているという。

88年、日本の漫画を実写化した「クソクダラネェ」映画『孔雀王』でアシュラを可愛く演じる。
映画は「クソクダラネェ」出来だったものの、グロリアはひたすら可愛かった。

やっぱり日本はロリータの国、グロリアは瞬く間に『ロードショー』や『スクリーン』の読者投票1位となったのである。

もちろん自分も投票した。
アリッサ同様に歌手デビューも果たし、タイトルが完全に日本向けのアルバム『原宿』だって買った。(超がつく下手さ!!笑)

89年―成龍ジャッキーは彼女が日本で大人気であることを知り、自作『奇蹟』にヒロインとして起用することを決めた。




さすがは成龍、日本のマーケットが大事であることを把握する、最良のチョイスだったと思う。


91年―『ロードショー』を発行する集英社が「グロリア・イップ、ファンの集い」を企画、なんとなく応募したら、なんとなく当選してしまった。

当選枠が50人であったから、なかなかの倍率だったと思う。

場所は原宿。
群馬に住むキッタネー映画少年(まだ小僧と名乗れるほど知識を持ち合わせていなかった)が、きらきらした町に行くのである。

そのための洋服も買わねばならんし、どのくらい彼女に接近出来るか分からなかったけれど、ファンレターも書かなければならない。
広東語は無理だ、簡単な英語でいいだろう・・・とか。

そう、このファンレターは郵送ではなく手渡しなのだった。


というわけで、下書きを書いた。

まず日本語で。
そのあと、辞書を片手に英語化に取りかかる。

3つ上のねぃちゃんは米国留学経験者だ、聞けばすぐ答えてくれるだろうが、いいや、こういうのは自力でやって意味がある―というのは嘘だね、単に恥ずかしかっただけだろう。

その下書きの「切れ端」が、学生時代の日記帳に挟まっていた。


「CD、全部持ってます。」
「視聴用と飾っておく用に2枚ずつ持ってます。」
「あなたを拝むためだけに、『孔雀王』や『奇蹟』を繰り返し鑑賞しています。」

このあたりまではフツーだが、

「透きとおる肌を見ていると、気がヘンになりそうです。」
「もうほとんど恋をしているのだと思います。」

とか、どうかと思うよね。

あくまでも下書きであり、実際に書いたものはどうだったのか、いまでは思い出せないけれども。


はっきりいえば、この時期、自分は毎晩のようにグロリアをおかずにしていた。

ひょっとしたらファンレターにも、ザーメン臭が紛れ込んでいた? かもしれない。

でも彼女はそれを受け取ったとき、「イカくさいわ」とはいわず(当たり前じゃねぇか、オメーは馬鹿か)、笑顔で、たどたどしい日本語で「ありがとう」と答えてくれた。

その晩、彼女を「二度」おかずにしたことは、いうまでもないだろう。


おわり。

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コメント (1)
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